撮影日和     

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2013年12月23日(月)
富士山を見に菰釣山へ

菰釣山頂上からの富士山


梢の先の氷が光る

本格的冬山の前にもう一度山を歩いておきたかったので、先週雪が降った丹沢の菰釣山へ富士山を見に行ってきました。

昨日の朝4時前に家を出発し、まだ暗いうちに道の駅どうしに到着。用意をしているうちに明るくなってきました。快晴です。凍った車道を上ってゆきます。三ヶ瀬川西沢の谷間に入ると次第に積雪が増えてきます。道志の森キャンプ場を過ぎ、一番奥の民家の前で、窓から外を見ていたおじさんに声をかけられました。「今日はいいよー。気をつけて。」道の駅から1時間10分で林道の終点。ここから稜線までの標高差は僅か200メートルほど。ハイペースで一気に登りきるとブナ沢乗越。太陽の光を浴びますが、冷たい風が通り抜けていました。ブナ林の稜線を30分ほど登り、菰釣山の頂上に着きました。正面に富士山が見事です。南アルプスもはっきりと見えています。写真を撮り、温かいコーヒーを飲んでひと息入れてから、山頂を後にしました。ブナ沢乗越で登って来た道と分かれ、城ヶ尾峠を目指します。ブナ沢ノ頭、中ノ丸、城ヶ尾山と結構アップダウンが続きます。南斜面は雪が少なく、北斜面の吹きだまりは膝くらいまで積もっていました。城ヶ尾峠のベンチでラーメンを作って大休止。ここから三ヶ瀬川東沢へと下ってゆきます。写真を撮りながらでしたがわずか25分で林道に出てしまいました。あとは林道を歩くだけ。次第に雪が少なくなり、最後はアスファルトの上を道の駅まで下って行きました。

2013年12月16日(月)
身近な季節の移ろい
今日は山ではなく里ネタ、年末の小景を集めました。わざわざ遠くの山まで出掛けなくても・・・という感じ?

晩秋の新宿御苑で光を追いかけました。(2週間前です。)
コンパクトカメラCanon PowerShot S100でどこまでやれるか、ちょっと真剣にトライしてみました。

紅葉のステンドグラス


落ち葉の彩り


名残









森の広場


夕日


二つの太陽?!



横浜郊外の「新治市民の森」で切り取った秋の光景です。

こちらはCanon EOS40Dで撮影。(1週間前です。)













おまけです。

今朝利用した横浜市営バス(普通の路線バス)が、乗ってビックリ。車内がクリスマス一色で、イルミネーションが輝き、かすかにクリスマスソングのオルゴールが流れていました。
途中からの乗客も皆思わずにっこり。誰もが携帯を取り出して撮影していました。いやぁ、朝から和みました。
2013年12月8日(日)
初冬の丹沢(桧洞丸〜犬越路)

立派な山容の大室山


初冬の森の佇まい

今日は冬山のトレーニングを兼ねて丹沢の桧洞丸から犬越路を歩いてきました。

5時前に家を出て、登山口の西丹沢自然教室の駐車場に暗いうちに到着。車の中で朝食を食べ、明るくなった6時40分に歩き出しました。幸か不幸か曇り空なので撮影で立ち止まることもなく、ぐんぐん先に進みます。ゴーラ沢出合から尾根に取り付きます。登るうちに調子が出て来たようで、順調に標高を稼ぎます。木道が連続するようになると間もなく石棚山稜に合流し、山頂の一角に着きました。やけに明るく感じられるのは木々がすっかり葉を落としているだけではなく、沢山の大木が倒れてしまっているからです。あまりの荒れように心が痛みます。そのうちに塔ノ岳のような禿げ山になってしまうのでしょうか。目の前を1頭の子鹿が逃げていきました。
結局休憩無しで桧洞丸頂上に到着。今日は登山者が少なく静かです。軽く腹ごしらえをしてから犬越路へと向かいます。下り始めの斜面はすっかり樹木が無くなり、崩壊防止のための土嚢が積み上げられていました。小笄の下りからは大室山が大きく望まれ、ちょうど良いタイミングで光が射し、枯れ草を前景に撮影。犬越路で昼食休憩。振り返れば桧洞丸に霧が湧き出していました。陽木沢出合へと下ります。沢沿いの道では、陰った所にスポットライトで浮かび上がる樹林がとても綺麗でした。以前、新緑の季節に訪れた巨木が無残に朽ちて倒れていました。山がどんどん荒れてゆく様子を目の当たりにして悲しい気持ちになります。
陽木沢出合で車道に出ました。下のコバルトブルーの淵がいかにも魚が居そうな気がしたので覗き込んだところ、本当に岩魚が悠然と泳いでいました。広大なオートキャンプ場を横目に舗装道路を歩き、13時に西丹沢自然教室に到着。時間が早かったので渋滞が始まっておらず、スムーズに帰ることができました。

2013年11月28日(木)
見えなかったアイソン彗星

凍り始めた沢


雁坂小屋で見た天の川


笹平からの富士山

最近話題のアイソン彗星を見に、奥秩父へ行ってきました。

11月23日(土)、快晴です。「道の駅みとみ」に車を置き、雁坂峠を目指します。久渡沢沿いの車道を登ってゆきます。谷間はかなり冷え込んでおり、時々日向に出るとホッとします。沓切沢橋を渡った所で車道歩きはおしまい。登山道入口の脇で、沓切沢の流れの両側が凍っており、三脚を立ててじっくり撮影しました。落ち葉を踏みながら雑木林の中を緩やかに標高を上げます。途中で横切る沢も凍りかけており、ここでも撮影を楽しみました。峠沢本流を右岸に渡り沢を離れる所の日だまりで一休みして腹ごしらえ。ここからジグザグの上りとなりました。峠が近づいてくると背後に富士山が姿を現します。2頭の鹿が逃げていきました。日本の山はどこも鹿だらけです。1時間少々で峠に到着。笹原に樹林が点在する、明るくて気持ちの良い所です。雁坂小屋へは北面を10分ほど下ります。こちら側の斜面は雪に覆われていました。テントを張って一息ついてからカメラを持って再び峠へ上がり、夕景を撮影しました。

翌24日(日)は3時前に起床。急いで朝食を済ませてテントを撤収し、雁坂峠の一段上の見晴らしがよい場所に三脚を立てました。彗星が出ていると思われる東南東方向に向けてカメラをセットしてシャッターを切りましたが、彗星は写りません。残念ながら秩父の街の明かりに埋もれてしまっているようです。今日は行程が長いので彗星は諦め、富士山の夜景などを少しだけ撮影してから明るくなる前に出発。登るにつれて足元に雪が出てきました。雁坂嶺で日の出。白峰三山がピンク色に染まりました。少し下り、東破風山の上りは凍った急登に苦労しました。東破風山から西破風山へはほぼ平坦で、所々の開けた露岩で眺めを楽しみます。東破風山の下りでは、眼下に笹平の気持ちよさそうな笹原と、その先に巨大な木賊山が立ちはだかります。凍った露岩帯を慎重に下ると笹平。地名の通り笹原に枯れ木が点在し、その向こうに富士山が美しい。綺麗な避難小屋の前のベンチでコーヒーを飲みながら1回目の昼食。エネルギーを補給したところで、木賊山への上りに取りかかりました。木賊山は山頂を通らず巻き道を甲武信小屋へ向かいます。小屋の前にザックをデポし、カメラだけ持って甲武信岳へ。山頂では冷たい風が吹いていましたが、大展望を満喫しました。甲武信小屋へ戻り、ベンチで2回目の昼食をとり、木賊山へ上り返し戸渡尾根への道に入りました。ほとんど展望のない樹林帯をぐんぐん下ってゆきます。左に近丸新道を分け、徳ちゃん新道に入った頃から足に疲れが出てきました。ここまでの行程のアップダウンでへたってきたようです。登山口に下りついたところでほっと一息。「道の駅みとみ」まで車道をだらだらと歩いてゆきました。

今回、彗星は見られず写真の成果もあまりありませんでしたが、久しぶりにたっぷり歩き、良いトレーニングになりました。

2013年11月14日(木)
晩秋の上高地

大正池からの穂高連峰


田代橋にて


岳沢の流れ

先週末、全日本山岳写真協会の新人歓迎撮影会を上高地で実施しました。今回は総勢10名です。

11月9日(土)の昼過ぎに晴天の上高地、大正池に到着しました。池のほとりに下りると、人慣れした鴨が寄ってきました。観光客に餌付けされてしまっているようで、困ったものです。池の向こうに新雪を頂いた穂高連峰が聳えています。1時間ほど撮影と腹ごしらえをしてから田代池へ移動。いつしか曇り空となりましたが、水は清らかで人は少なく、静かな晩秋を満喫します。のんびりと田代橋へ。明日は確実に雨なので今日のうちに記念写真をということで、橋の上で穂高をバックに集合写真を撮りました。梓川左岸を河童橋まで歩き、17時前に今宵の宿、西糸屋に入りました。部屋割りの後、風呂でゆっくり温まってから美味しい夕食をいただきました。夕食後は談話室で動画の上映会をやり、その後喫茶室で22時頃まで写真談義で盛り上がりました。

翌10(日)は5時40分に起床。どんよりと曇っています。6時過ぎに玄関を出ると雨粒が落ちて来ました。天気予報通りです。河童橋のたもとで梓川の流れや濡れた岩などを撮影して遊びました。
7時に宿に戻って朝食を食べ、本降りになった雨の中を9時に出発。雨の日は雨の写真を撮ろうということで、梓川右岸道を明神へ向かいます。雨の上高地もなかなか風情があり、枝に着いた水滴や水面の雨模様など被写体にも事欠きません。湿原や水量豊かな支流もあり、色々と工夫を凝らしながら撮影を楽しみました。あまりにもゆっくりしすぎてしまったので、カメラをザックに仕舞って明神まで歩きに集中することにしました。明神池の入口に屋根付きの休憩所があり、落ち着いて腹ごしらえができました。明神池は今回はパスして、梓川左岸道を河童橋へ戻りました。宿に寄って荷物を回収してからバスターミナルへ。ターミナルに着いくから風が強まり、まさに絶妙のタイミング。14時、予約していたタクシーで上高地を後にしました。

2013年11月2日(土)
紅葉の越後三山を撮りに

冠雪した越後駒ヶ岳


入道岳と右奧に八海山


紅葉と新雪、中ノ岳

紅葉が大分山を下りてきたので、水無渓谷から越後駒ヶ岳を目指すことにしました。今回は78歳になる母親が一緒なので、途中まで上って紅葉と雪が来た山を撮影しようという目論見です。

10月27日(日)、横浜は爽やかな晴天でしたが、冬型の気圧配置なので現地は悪天と判断し、のんびり午後2時頃に出発。道中では澄んだ大気に関東を取り巻く山々がくっきりと見えましたが、上越国境方面は雲に包まれており、沼田辺りから雨となりました。関越トンネルを抜け、六日町ICを出る頃に雨は上がりました。19時半に越後三山森林公園の駐車場に到着。車の脇にテントを張り、ビールで乾杯。

28日(月)、5時前に起床。外は月明かりです。朝食を食べているうちに明るくなってきました。快晴です!テントを片付けて出発。昨夜は暗くて分かりませんでしたが、大々的に堰堤工事をしており、渓谷がメチャメチャになっていました。ここのキャンプ場がちゃんと復元されるのか心配になります。
古い林道を歩き高倉沢出合まで来ると、谷の奧に朝日を受けた八海山の稜線が望まれました。写真を撮ってからさらに上流を目指します。左右の岩壁のあちらこちらに滝がかかり、独特の景観を作っています。十二平で林道を離れ尾根に取り付きました。道は尾根上に一直線に付けられており、予想以上に厳しい上りです。尾根は痩せており、滑りやすい木の根と泥の上に落ち葉が積もっており、何とも嫌な感じです。所々で樹林が切れて展望があり、頂上部分が雪で白くなった越後駒ヶ岳が望まれました。中ノ岳が見える所まで上ることにして1308メートル標高点の辺りを目指します。尾根が左に屈曲する所で、目論見通り中ノ岳が眼前に大きな姿を現しました。標高1380メートルまで登った所で引き返すことにしました。スープを作って昼食のパンを食べ、さて、問題の下りです。カメラをザックに仕舞って慎重に足を運びます。ゆっくり下るため膝への負担が大きく、母親はかなりきつそう。一度スリップして滑落しかけ肝を冷やしましたが、幸い木に引っ掛かり、胸をなで下ろしました。下り始めてから3時間半かかって林道に出ました。のんびり歩いて暗くなる寸前に森林公園の駐車場に戻って来ました。
五十沢温泉に寄ってさっぱりしてから帰途につきます。平日の高速はがら空きでした。

2013年10月16日(水)
富士山一周

県道71号線からの富士山


十里木高原のススキ

体育の日の3連休は山ではなくサイクリング。今回は日帰りで富士山を一周しました。

10月13日(日)、御殿場まで輪行し、駅前で自転車を組み立てます。素晴らしい天気で富士山の山肌の色まではっきり分かります。まずは篭坂峠まで標高差650メートルを上ります。斜度があまりきつくないので、順調に1時間で峠に到着。別荘地の中を通り抜け、富士吉田までは快適な下り。河口湖町からは再びだらだらと上ってゆきます。観光客があふれる「道の駅なるさわ」で昼食休憩。県道71号に入り、樹海の中の気持ちの良い上りが続きます。上りきった所が山梨と静岡の県境。展望台があり、本栖湖の向こうに先週歩いた南アルプスがくっきりと望まれました。ここから上井出の交差点までは今回一番気持ちの良い長い下り坂です。富士山を眺めるために時々止まりながらも、10キロほどの距離をあっという間に下ってしまいました。県道72号線を経由して国道469号線に入ると、十里木高原までだらだらと上ってゆきます。そろそろ疲れて辛くなってきました。富士山も雲に隠れて見えなくなり、黙々とペダルを踏み続けます。結構アップダウンがあり、下りになると「あーもったいない」という気分。上りきった十里木高原は越前岳の登山口で、一面のススキが秋の陽に輝いていました。休憩を兼ねて散策した後、御殿場までのんびり下ってゆきました。御殿場には15時半に到着。
走行距離は自宅から駅までの走行も含めて113.5キロ。1日の走行距離としてはこれまでで最長となりました。

2013年10月15日(火)
紅葉の白峰三山(4)

大門沢下降点付近の紅葉

8日(火)、2時45分に起床。雲が多いながらも星は見えています。今日も気温は高め。奈良田を13時50分のバスに間に合わせるために大急ぎで朝食を食べ、出発の準備。
ヘッドランプの明かりで歩き出すと、今日は体が軽い。ようやく本来の調子に戻ったようです。農鳥岳頂上で日の出。北岳方面が一瞬真っ赤に染まりましたが、カメラの準備が間に合わず、太陽はすぐに雲に隠れてしまいました。大門沢下降点から下り始めると、期待通りの見事な紅葉です。光線条件が今一つでしたが、何枚をシャッターを押しました。これで今回の山行の撮影ポイントはおしまい。カメラをザックに仕舞い、急下降を慎重に歩きます。大門沢に下り着いたところで昼食。ここからは樹林の中の長い道を奈良田目指してひたすら歩きました。最後の車道歩きでヨレヨレになって奈良田に到着しました。
「奈良田の里」で温泉に入り、バスの時刻まで庭のベンチで心地よい風に吹かれながらビールを飲み、2度目の昼食。早川町営のマイクロバスで下部温泉駅に出て、甲府行き特急で帰途につきました。

2013年10月14日(月)
紅葉の白峰三山(3)

朝日に染まる北岳

7日(月)、3時40分に起床。まず、長時間露光で星を撮影。その間に朝食を済ませます。太陽が顔を出すと同時にバットレスが真っ赤に染まりました。谷間の黄葉が輝いています。甲斐駒には良い感じに雲が流れ、右へ左へ、スチルもムービーもと夢中で撮影を続けました。そろそろ終わりかという頃、突然ガスが湧き尾根を超え始めました。ブロッケンが出ると直感しバットレスが見える位置に移動すると、思い通りの場所にブロッケンが現れました。これはもう出来すぎです。
テントを畳んで北岳へ向かいます。ザックを背負って歩き出すと今日も体が重い。意識してゆっくり、一歩一歩立ち止まらないように歩きます。八本歯の岩場を慎重に通過し、北岳への急登に喘ぎます。吊尾根分岐にザックをデポし、カメラだけ持って頂上をピストンしました。北岳頂上では東側は一面の雲海、西側は雲がなく北アルプスまですっきりと望むことができました。
北岳山荘まで下って昼食。間ノ岳への登りは霧の中を黙々と歩き、コースタイム通りに到着。小休止をとり、すぐに農鳥小屋へと下ってゆきます。小屋の手前に真っ赤なナナカマドの群落がありました。
農鳥小屋でテントを張っていると白い虹が何度も現れました。自分の目で見るのは初めてです。夕方は雲が多く、西の空を中心に撮影しましたが、日没の頃に濃密なガスに包まれカメラも三脚もびしょ濡れになってしまったところで撮影を切り上げました。

2013年10月13日(日)
紅葉の白峰三山(2)

白根御池からの北岳

6日(日)、4時前に目が覚めました。ポタポタと雫がフライに落ちる音がしており濃霧だろうと思っていましたが、念のためにフライのジッパーを上げてみると、なんと満天の星空でした。慌ててテントから飛び出し、天の川や池に映る星を撮影。日が昇ると一面の黄葉が朝日に輝き始めました。池に映る北岳と黄葉が美しい。
ゆっくり二俣へ向かいます。二俣から少し登った所の黄葉が見事です。ここで三脚を立てていると、やってきた登山者は皆歓声を上げていました。D沢を過ぎると傾斜がきつくなりペースがガタッと落ちます。今回は調子が今一つ。岩稜に上がった所でお湯を沸かしてスープを飲みながら昼食。ここからのバットレスは時折ガスが湧き上がり、なかなかの迫力です。連続する梯子をゆっくりと登り、八本歯のコルに着きました。八本歯ノ頭へは痩せた岩稜を慎重に登ります。白峰三山の眺めを楽しんでから、今日泊まる予定のボーコン沢ノ頭の手前のピークへ。誰も居ない大展望の幕営地で、のんびり干し物をしながらテントを張りました。谷間には雲海が広がり、その上に甲斐駒と鳳凰三山が浮かんでいました。

2013年10月12日(土)
紅葉の白峰三山(1)

雨の大樺沢で

毎年10月第一週の週末は紅葉撮影に出掛けますが、今年は白峰三山へ行きました。仕事が忙しい時期で同僚に迷惑をかけるのを承知で2日間の休暇をもらい、3泊4日で計画しました。

10月5日(土)、南方の台風の影響で朝から雨が降っていました。この天気で急いで行っても仕方が無いので、ゆっくり家で朝食を食べてから出発。甲府から11時の広河原行きバスに乗りました。この天気なのでガラガラです。
広河原に着くと雨はほとんど止んでいました。意外に気温が高く、薄着で歩き出します。大樺沢を登ってゆくと、先日の台風の被害か所々でかなり荒れていました。登るにつれて再び空が暗くなり霧雨が降り始めました。二俣まで来ると霧の中にボーッと紅葉が見えており、昨年に続けて今年も意外に色づきが良さそうです。二俣からトラバース道を20分ほどで白根御池小屋着。テントを張ってからビールを飲んですっかり幸せ気分。今週は寝不足気味だったので夕食後すぐに眠くなり、19時にシュラフに入りました。

2013年9月22日(日)
麦草峠サイクリング

青空にコスモスが映える


麦草峠にて


白駒池

今年の夏はあまりにも暑く、とても自転車に乗る気になりませんでした。ようやく快適な気候になり、この三連休は22日(土)が一番天気が良いとの予報だったので、サイクリングに出かけることにしました。トレーニングを兼ねて、ちょっと厳しめの北八ヶ岳の麦草峠を越える計画を立てました。

横浜線の一番列車に乗ります。素晴らしい晴天で、中央線はまさに展望列車でした。甲府を過ぎると左右の車窓に八ヶ岳と南アルプスの眺めが展開し、諏訪盆地への下りでは槍穂高連峰まで見えていました。

8時50分茅野着。自転車を組み立てて9時半に走り出しました。まずコンビニに寄って食料を確保してから麦草峠を目指します。道路の勾配が徐々に増してきます。今日は長丁場なので、体力温存を意識してゆっくりとペダルを踏みます。綺麗なコスモスを見つけたら止まり、収穫間近の稲穂を見つけたら止まり、撮影しながらのんびり進みます。やがて人家が無くなり、山岳道路らしくなってきました。とはいっても勾配が一定なので、割と走りやすい道です。青空にそびえる茶臼山が見えてくるとやがて麦草峠に到着。標高差1300メートルを上りきりました。峠の標識の下に自転車を置いて記念写真を撮ってから、佐久側に少し下ると白駒池。せっかくなので、池周辺を小一時間ほど散策しました。青空を映す池と森の苔が美しく、コンパクトカメラで本気で撮影しました。

いよいよダウンヒルです。路面の状態が良く車も少ないのでおもいっきり飛ばし、瞬間的に時速60キロも出してしまいました。(さすがにちょっと怖い・・・。)あっという間に国道141号線の松原湖入口交差点まで下ってしまいました。ここから野辺山までは再び上り返しです。既に標高差1300メートルを上った足には、この上りは長く厳しいもので、足に力が入らず、何度か立ち止まってしまいました。野辺山で道端にソフトクリーム屋を見つけ、思わず立ち寄りました。
あとは韮崎まで下り一方です。日没と競争するように飛ばします。「ゆーぷるにらさき」で温泉に入ってリフレッシュし、少し走って18時40分に韮崎駅に着きました。

今日は100キロ以上走り大満足。各駅停車に乗り、独りビールで祝杯を上げました。

帰宅後に地形図で確認したところ、累積標高差は上り1730メートル、下り2250メートル。いやはや、キツかったわけです。

2013年9月17日(火)
台風直前の五竜岳

真っ赤なナナカマドの実


一瞬の鹿島槍ヶ岳


五竜山荘のテント場

会社の山仲間Gさん、Kさんと3人で台風迫る中を1泊で五竜岳へ行って来ました。

9月14日(土)の早朝に横浜を発ち、8時過ぎには山麓に到着。テレキャビンで一気に標高1520メートルのアルプス平まで上ります。ここから霧の中を歩きます。かなり気温が高く、汗が噴き出します。小遠見山を越え、西遠見山までアップダウンを繰り返しながら緩やかに標高を上げてゆきます。所々でダケカンバやナナカマドが色づき始めていました。大遠見山辺りで一時的に青空が見え、一瞬、鹿島槍が姿を見せてくれました。西遠見山から白岳へ岩場混じりの急登を一頑張りして、白岳から少し下れば五竜山荘に到着。
小屋の周りは大勢の登山者で賑わっており、テント場も満杯になりました。テントでビールを飲んでくつろいでいると、五竜岳からガスが流れ落ちてきました。ガスの動きと光の変化をしばし撮影。夕方になってパラパラと雨粒が落ち始めました。夕食は野菜もたっぷりのきのこ鍋をおいしくいただき、19時前にシュラフに入りました。夜中は時折激しく雨が降り、強風がテントを揺すりました。

翌15日(日)は4時に起床。相変わらずパラパラと雨が降っています。雑炊の朝食を食べ、五竜岳山頂まで行くかどうか暫く迷いましたが、Kさんの「行こうか」の一言で決定。ウェストバックに最低限の持ち物を入れて出発。天気が悪い割には展望が良く、毛勝三山や唐松岳は見えています。1時間強で五竜岳山頂着。風が強く、鹿島槍や剱岳の山頂は厚い雲に隠れていました。長居は無用、何枚かシャッターを切っただけで山頂を後にしました。テント場に戻ると運良く雨は上がっており、テントの外でパッキングをすることができました。
出発する頃に再び雨が降り始め、遠見尾根は降ったり止んだりの中を坦々と下ります。正午過ぎにアルプス平に到着しました。
ゴンドラで一気に下り、飯森の「十郎の湯」に寄って汗を流してさっぱりしてから帰途につきました。カーラジオからは、
これからの台風接近による大雨予報のニュースが流れていました。

2013年9月9日(月)
全日本山岳写真展が終わりました

賑わう会場


私の作品が展示されているコーナー

昨日で全日本山岳写真展が終わりました。
17時に全てのお客さんが退出した後、手伝いに集まった会員が一斉に撤収作業に取りかかり、2時間ほどでギャラリーは何事も無かったかのように空っぽになりました。


今回、私の作品「秋光に輝く」が「全日本山岳写真協会賞」を受賞しました。
この土日は山仲間、職場の同僚と上司、古くからの友人、親戚など大勢の方からお褒めの言葉をいただき、結構舞い上がっていたような気がします。また、普段会うことができない地方の会員とも交流することができました。

あっという間の一週間でしたが、この後一部の作品が巡回展に回ります。それが終わるとすぐに来年の写真展の準備が始まります。今年の反省を生かして、来年もまた素晴らしい写真展を開催できるように頑張りたいものです。

2013年9月2日(月)
全日本山岳写真展が始まります

明日から2013全日本山岳写真展が始まります。今日は朝9時から16時まで、丸1日かけて会場の設営を行いました。
これほどの規模でありながら、壁面の配置から作品パネルとキャプションの取り付け、スポット照明の取り付けから調整までの全てを会員が協力して行っている手作りの写真展であることは、ちょっと自慢できることだと思っています。
皆様のご来場を心からお待ちしています。
詳しくはこちら

また、写真展をご覧になって全日本山岳写真協会に入会したいと思われた方、あるいは写真について質問したい事がある方は、どうぞ遠慮なく係の者に声をかけていただければと思います。

2013年8月24日(土)
全日本山岳写真展レイアウト作業

レイアウト作業


塩田諭司写真展 山稜からの贈りもの

写真展まであと10日となり、今日は作品のレイアウト作業を行いました。
方眼紙で作成した10分の1スケールの壁に、10分の1サイズのパネルを並べてゆきますが、パネルの間隔だけでなく、大きなサイズのパネルは会場での鑑賞距離=背面の広さまで考慮して配置を決めてゆきます。
とはいっても山域別に展示するという制約があるためなかなか思い通りにならず、最後の微調整でかなり悩みました。どうしても一部で割り切らざるを得ない部分がありましたが、現状ではベストの配置だと思います。

作業終了後、会員の塩田諭司さんの個展を見に行きました。塩田さんは八ヶ岳の山小屋をテーマにこれまで何度か個展を開催しており、今回は本沢温泉の冬の1日がテーマです。

雪に囲まれた山小屋の生活シーンはどこか温かく、ほっとした気持ちになるとともに、自分もそこでのんびりと同じ時間を過ごしてみたいと思いました。
お時間のある方はぜひお出かけください。

塩田諭司写真展 山稜からの贈りもの

  HCLフォトギャラリー新宿御苑
  8月28日(水)まで
  平日   10:00〜19:00
  最終日 10:00〜15:00
  *日曜休館


2013年8月22日(木)
塩見岳から蝙蝠岳へ(5)

朝の森
東俣林道にて

8月16日(金)、5時起床。今回の山行で一番の青空です。今日は椹島まで林道を歩くだけなので、ゆっくり支度をして7時45分に出発。
林道は午前中は日陰になるため、涼しくて快適です。朝の光芒が美しい森やカツラの巨木、緑したたる小滝など予想外に被写体が多く、撮影を楽しみながら歩くことができました。
11時前に椹島に着き、シャワーを浴びて生き返り、東海フォレストの送迎バスを待つ間ビールを飲みながら残った食料で豪華に昼食。今回も良い山行だったとしばし余韻に浸りました。
送迎バスに乗ろうとしていると、向こうで誰かが手を振っています。なんと会社の山仲間のKさんでした。荒川三山と赤石岳を周回してきたとのこと。畑薙ダムで路線バスに乗り換えてから静岡まで3時間半という長い道中ですが、お互いの山での出来事などを話しながらの楽しいひとときとなりました。静岡からは新幹線であっという間に横浜の自宅まで帰ってきてしまいました。

2013年8月21日(水)
塩見岳から蝙蝠岳へ(4)

朝の間ノ岳と農鳥岳


蝙蝠岳からの荒川三山

8月15日(木)、4時起床。晴天です。コーヒーを飲んでから撮影に出ます。靄がかかっていますが、荒川三山と塩見岳に雲が流れ、良い感じです。日が昇ってからもケルンを前景に入れたり工夫しながら、6時半まで撮影していました。
朝食後テントを畳んでいると、単独の年配の男性がやって来ました。「早いですね」と話しかけると、熊ノ平に行くつもり間違ってこちらに来てしまったとのこと。180度方向が違うし、ここに着くまで間違いに気が付かないとは唖然とするほかありません。男性が去った後、岩の上に長袖のシャツが干したまま忘れられていました。この先大丈夫なんでしょうか?
二軒小屋へ向け出発。森林限界ピークまではまさに稜線漫歩。蝙蝠岳に別れを告げて樹林帯に入ってゆきます。徳右衛門岳までの森は本当に美しく、撮影のためになかなか行程がはかどりません。心の赴くまま撮影していたら下山できなくなってしまいそうです。撮影をほどほどに切り上げ、カメラをザックに仕舞って歩きに専念します。それでも、あまりの美しさに我慢できず、何度かザックを下ろして撮影しました。いつしか空が暗くなり、途中にある中部電力の施設の辺りで雨粒が落ち始めました。遠くから雷鳴が聞こえてきます。雨具の準備をして下り続け、岩稜帯を慎重に通過し、急なジグザグを下って東俣林道に下り立ちました。もうすぐ二軒小屋という所で本格的な雷雨となりました。
今日は登山小屋に泊まります。盆休みだというのに宿泊者は自分だけ。水場で全身を拭いてさっぱりしてからビールを飲んでいると、単独行者が二人やってきました。一人は蝙蝠岳を日帰り、もう一人は西小石岳を目指したが藪で敗退とのことで、どちらも相当山慣れしている人のようでした。(西小石岳とは私も初めて聞く山名でした。)結局今日の泊まり客は3人だけでした。夕方になって雷雨は上がり、爽やかな冷気に包まれました。

2013年8月20日(火)
塩見岳から蝙蝠岳へ(3)

今日はあそこまで、三伏山より朝の蝙蝠岳


北俣岳のお花畑と蝙蝠岳

8月14日(水)、2時起床、4時出発。二日分の水5リットルが入ったザックがずっしりと肩に食い込みます。三伏山からは塩見岳が霧に見え隠れしており、朝のドラマの予感。先を急ぎたい気持ちもありましたが、ここでじっくり撮影することにしました。次第に明るくなる中で霧が流れ刻々と変化する風景に、写真と動画を撮り続けました。日が昇ったところで塩見岳が隠れてしまい撮影を切り上げました。ここからしばらく樹林帯が続きます。権右衛門山を巻いてから急登しばし、塩見小屋の下で樹林帯を抜け出しました。塩見小屋のベンチで早めの昼食を食べ、塩見岳へ急な岩場を登ってゆきます。決して難しい岩場ではありませんが、何しろ荷物が重いのでゆっくりと慎重に登りました。頂上に着く頃には雲がわき出してしまい、展望は今一つ。あまり長居せずに先を急ぎます。北俣岳分岐まで慎重に下り、メインルートから分かれて蝙蝠岳への尾根に入ります。北俣岳までの岩稜帯は前回来た時と同様にミネウスユキソウの群落が見事でした。北俣岳を越えるとなだらかな広い稜線となりました。晴天下の稜線漫歩をイメージしていましたが、残念ながらどんよりと曇り時折霧が流れる稜線を黙々と歩きます。蝙蝠岳手前の鞍部付近では登山道にハイマツがかぶっており、ザックが引っ掛かるため体力を消耗しました。北俣岳分岐から先ですれ違った登山者は3人だけで、本当に静かなコースです。蝙蝠岳頂上には誰も居ません。直下の幕営スペースにテントを張り終わった頃、ポツリポツリと雨粒が落ちて来ましたが、幸い本降りになることはなく、夕方になって青空が広がりはじめました。山頂に三脚を立て、日没まで雲と光芒の変化を眺めて過ごしました。荒川三山と塩見岳が最後まで雲に隠れていたのが残念でしたが、明日の朝が楽しみです。

2013年8月19日(月)
農鳥岳から蝙蝠岳へ(2)

流星と塩見岳


三伏峠のマツムシソウ群落

8月13日(火)、深夜0時にアラームで起き、眠い目をこすりながら三伏山へ。満天の星空です。カメラをセットしてシャッターを開けると、早速流星が流れました。2時まで撮影を続けましたが、期待通りに沢山の流星を見ることができ、写真にもしっかり写りこんでいました。冷え切ってテントに戻るとシュラフに潜り込みました。
さすがに朝の撮影はパスし、すっかり明るくなった6時過ぎに起床。今日はのんびり前小河内岳まで往復です。烏帽子岳まで登ると目の前の塩見岳をはじめ、南アルプスの主なピークをずらりと眺めることができました。前小河内岳まで来ると荒川三山が目の前です。たっぷり眺めを楽しんでから三伏峠へ引き返しました。峠のお花畑は近年鹿の食害で荒らされてしまったため、今は金網で囲まれていますが、金網の中はマツムシソウの群落が見事で、網の間からレンズを突っ込んで撮影しました。
午後は水場で全身を拭いてさっぱりしてからテントでビールを飲み、昼寝。昨日とは違って雲が湧いてしまったため夕方の撮影は出来ませんでした。
明日は塩見岳を越えて蝙蝠岳を目指します。早立ちに備えて18時半にはシュラフに入りました。

2013年8月18日(日)
塩見岳から蝙蝠岳へ(1)

三伏峠お花畑からの塩見岳

蝙蝠岳は2年前の夏に訪れましたが天気が悪く全く景色を見られなかったため、今年改めて同じコースを歩いてきました。

8月12日(月)、各駅停車を乗り継きローカル線の旅を楽しみ、飯田線の伊那大島駅からバスで鳥倉登山口まで入りました。5日分の荷物を背負って14時前に歩き始めます。登山口の標高が約1800メートルあり下界の暑さとは無縁とはいえ、いきなりの急登に汗が噴き出します。小さなコルを越え、尾根の側面を巻くようにつけられた道を登り、2時間40分ほどで三伏峠に着きました。
キャンプの受付をしてから水場へ下ってゆくと、開けたお花畑から午後の光を浴びた塩見岳が見事でした。水場から戻ると早速カメラを持って三伏山へ上がり、日没まで撮影しました。テントで夕食を食べながらラジオを聴いていると、今夜はペルセウス座流星群が極大になるとのことなので、夜中に起きることにしました。

2013年8月11日(日)
魚野川(4)

小ゼン沢を登る


下山口までここから5時間かかりました

8月5日(月)、6時過ぎに起床。パラパラと雨音がしていましたが、幸い朝食の準備をしている間に雨は上がりました。
8時40分に出発し、少し遡るとツバクロゼンが現れました。ここで小ゼン沢が分かれます。本流にかかるツバクロゼンを右から高巻いて落ち口へ。少し進んで左の笹の中に踏み跡を辿ると小ゼン沢のネジレゼンの上に出ることができました。本流から別れたので水量は一気に減り、傾斜が増して順調に標高を稼ぐようになります。しばらく進むと小屋ノ沢の出合。小休止をとってから小屋ノ沢に入ってゆきます。8メートル滝は一見登れそうになかったので手前右から巻き道に入りますが、踏み跡を辿るうちに密藪に入って行き詰まってしまいました。引き返して足元が不安定なザレ場でセルフビレイを取りながらNさんがルートを探りましたがどうしても分からず、一旦懸垂で引き返します。すると、かなり下で滝の落ち口にトラバースするバンドを発見。結局ここの通過で約2時間をロスしました。ここで、下山がかなり遅くなることを覚悟しました。すっかり小さくなった流れをぐんぐん登り、ほとんど流れが無くなったところで、五三郎小屋に着きました。ブロック造りで頑丈そうですが、中は荒廃しています。はっきりした道を10分ほどで稜線の登山道に到着。もうすぐ夕方という時刻ですが、長い稜線歩きに備えてしっかりと腹ごしらえをしました。大高山目指して霧の稜線を登り始めると、すぐに雨が降り始め、雨具の上下を着込みます。標高差200メートル以上登り、大高山頂上で小休止。カモシカ平まではなだらかに下ってゆきますが、沢靴のままのTさんとNさんは足元が滑りやすいようで、何度も尻餅をついています。カモシカ平は晴れていれば気持ちが良さそうな笹原ですが、今は日が暮れかけ、遠くからは雷鳴が聞こえています。高沢山への登りでヘッドランプを点けました。三壁山への道に入るとぬかるみがひどく一気にペースダウン。ヘッドランプの明かりに集まる虫が鬱陶しい。三壁山を越えればあとは下るだけですが、滑りやすい足元に予想よりも遥かに遅れ、駐車場に着いたのはなんと22時を回ってしまいました。
駐車場のトイレで着替えてから帰途につきました。風呂には入れず、食事もコンビニで済ませ、運転を頻繁に交代しながら東京を目指しました。

色々と大変なことも多かったですが、沢は素晴らしく、良い仲間と登ることができて、本当に中身が濃い思い出に残る山行となりました。今度はぜひ天気の良い時に行きたいものです。

2013年8月11日(日)
魚野川(3)

イワスゴゼン


これがやりたかったのです!

8月4日(日)、 6時前に起床。山とは思えない夜更かし遅起きが続いています。今日の行程は滝場が続く本山行のハイライトですが、相変わらず渋い天気です。朝食の後、ゆっくりモーニングコーヒーを飲んでから撤収し、8時に出発。
穏やかな流れを順調に進みます。タズナ沢で釣り休憩。4人それぞれ釣り糸を垂れ、合計7尾を釣り上げました。今夜はやっと豪勢に岩魚を食べられます。行者の岩屋先の小滝をザイル確保で左から小さく巻きます。やがて立派なカギトリゼン(魚止めゼン)が眼前に現れました。左の水際がルートですが、水量が多いためか、ぬめったスラブに手も足も出ません。Nさんが替わってザイルを引いてトライしましたが、スリップして釜の中へ。Nさんはこの後左の広大なスラブにルートを見出そうとかなり粘りましたが、見るからに悪く、結局少し下流へ戻って左岸のルンゼから巻くことにしました。登り始めの急斜面はザイル確保し、歩きやすい沢状を少し登ってから左の笹藪に入る踏み跡を見つけました。あとは見当を付けて藪を漕ぎ、うまい具合に沢に下りることができました。続けて立派なイワスゴゼンが現れます。Nさんが左岸の巻き道にロープを固定する間、TさんとAさんは滝壺のプールで釣り。ここで太陽が顔を出し、水面がキラキラ輝いていました。ロープがフィックスされたところで高巻きにかかります。途中で残置ロープにザックが引っかかって難儀しましたが、何とか滝の上に出ることができ、ホッと一息。スリバチゼンを越え、ヘリトリゼンの手前は素晴らしい平ナメとなっていました。。広大な一枚岩一面に広がって流れる水を気持ちよくばちゃばちゃと歩き、ヘリトリゼンは滝の右端を簡単に登ることができました。これで今日の滝場は終わり、幕営地を探しながら進みます。途中、右岸にとても美しい森がありました。奧ゼン沢出合の右岸で先行者が幕営しており、これを通り過ぎて行者ノ沢の少し先に絶好の露営地を見つけました。
テントを張ってから釣りに出かけ、全員で計6尾を釣り上げ、おかずとして十分な量になりました。大量の薪も集めましたが雨で濡れています。点火にかなり時間がかかってしまいましたが、串に刺した岩魚がずらりと並んだ様は壮観です。刺身も作って、宴会開始。Nさんが持ってきた丸ごとのレタスも加わり、豪勢な夕餉となりました。骨酒まで作ったところで雨が降り出し、慌ててテントの中へ移動。塩焼きと岩魚汁でご飯を食べて大満足。今日も夜更かしになり23時過ぎに就寝となりました。

2013年8月8日(木)
魚野川(2)

桂カマチを行く


大ゼン

8月3日(土)、5時起床。出発前に確認した週間予報では今日こそ晴れ!の予定でしたが、残念ながらどんよりと曇っています。朝食を食べているとポツリポツリと雨粒が落ちてきました。
気を取り直して7時に出発。昨日確認した場所から沢に入り、いきなり渡渉です。流れが強く単独で渡るのは厳しいため、スクラムを組んで渡りました。二度目の渡渉は単独で先に渡り、三脚を立てて後続を動画を撮影していたところ、いきなりの決定的瞬間。先頭のNさんが数メートル流されてしまいました。大事には至らず、渡り終わった所で皆で大笑い。千沢を分けると水量が半分になり、廊下状の桂カマチを通過。その先、流れがS字状になった不動コイデは右岸をへつって進みましたが途中で行き詰まりました。戻って巻き道を探りますがルートが分かりません。Nさんが右岸の急斜面を登り始めました。後続はロープで確保してもらいましたが、かぶり気味の凹角を越えるのにかなり苦労しました。ここをトップで登ったNさんの力に脱帽です。滑りやすいトラバースの後、懸垂下降で沢に戻ります。井戸沢の手前で休憩する間、TさんとNさんが試し釣りをしましたが、残念ながら釣れませんでした。美しい流れが続き、何度も何度も歓声を上げながら進みます。高沢の手前で左岸を巻いて懸垂で戻り、大ゼンへ。左岸を私が空身で登ってロープを固定して下り、ザックを背負って登り返しました。簡単なトラバースで滝の落ち口へ。大ゼンから先は悪場は無く、渡渉を繰り返して進むと前方にナマリ岩が見えてきました。ナマリ岩の左側に最高の露営地があり、ここを今日の泊まり場とします。17時過ぎに今日の行動を終了。
急いでテントを張り、釣りに出ました。岩魚の姿は見えているのですが、さっぱり餌に食い付きません。露営地周辺の岩魚はスレているのでしょうか。Tさんが何とか1尾だけ釣り上げました。今日も豪勢に焚き火をしながら楽しいひとときを過ごします。岩魚は塩焼きにしてA嬢に食べてもらいました。今日の教訓を生かし、明日は釣りながら歩こうという話になりました。23時に就寝。

2013年8月7日(水)
魚野川(1)

沢旅の始まりは白砂山登山口から


百八十曲りのブナ

この夏は、「行きたい山の引き出し」に以前から大切に仕舞ってあった魚野川を訪ねることにしました。メンバーは会の仲間のTさん、Nさん、A嬢と私の4人です。

8月2日(金)、6時前に東京を発ち、関越道を渋川伊香保へ。なかなか夏らしい晴天にならず、不安定な天気が続いています。どんよりとした曇り空から時折パラパラと雨粒が落ちて来て、今一つ気分が盛り上がらりません。それでも野反湖が近づいてくると青空が広がり始めました。ダム手前の白砂山登山口の駐車場に車を止め、出発の準備。
11時過ぎに登山道を歩き始めます。野反湖は晴れていたのに、我々が目指すダムの下流側はガスに包まれていました。ハンノ木沢を渡って地蔵峠までひと登り。再び下って北山沢を渡ります。ここで昼食を食べていると雨が降り始め、雨具を着ました。ここから200メートルの登り返し。登山道は山腹を巻くように付けられていますが、左下がりに傾斜があり、笹で滑って非常に歩きにくい道です。100メートル下ってイタドリ沢を渡ってまた登り返し、尾根上に乗ったところでやっと百八十曲りと呼ばれる歩きやすい下り坂になりました。(百二十曲りと書かれた資料もあり、どちらが正解なのでしょうか。)いつの間にか雨は止んでいました。この尾根はブナ林が美しく、霧に包まれた幻想的な光景の中を写真を撮りながら下って行きます。渋沢を吊橋で渡り、17時過ぎに渋沢ダムに着きました。今日はここでテントを張ることにします。
明日の偵察を兼ねて、釣りに出掛けました。沢への下り場所がなかなか分かりませんでしたが、結局吊橋の所で渋沢へ下る踏み跡を見つけ、そこから魚野川に出ることができました。30分ほど釣り糸を垂れましたが釣果はなし。濡れた薪で苦労して焚き火を起こし、Nさん持参のソーセージを焼きながら酒を飲み、シュラフに入るのが23時近くになってしまいました。

2013年7月21日(日)
丹沢・大山から表尾根

表尾根にて


シモツケソウとヤマブキショウマ?
大倉尾根にて

今日はたっぷり歩いてきました。(参院選は期日前投票しました!)一応、夏山本番へ向けてのトレーニングの仕上げのつもりです。いつもの大倉尾根だけでは面白くないので、大山に登ってから表尾根をつなぎ、大倉尾根を下りました。

大山ケーブルのバス停から7時に歩き出しました。ケーブルカーはまだ動いていないのでとても静かです。山の上の方は霧に包まれています。男坂の急な階段を大汗をかきながらも快調に登り、下社から登山道に入ります。もう下山してくる人とすれ違います。うちわ片手にスタスタと下ってくるお年寄りが居ました。早朝登山が日常生活の一部になっているのでしょうか。
山頂直下で霧から抜け出しました。夏姿の富士山が雲の上に見えていました。8時40分に山頂着。ベンチで今日最初の休憩。関東平野は雲の下で見えませんでした。一気にヤビツ峠へ下ります。峠にはバスが到着しており、大変な賑わいです。車道を富士見橋まで下ってから三ノ塔へ登山道に入ります。一気に登って三ノ塔で2回目の休憩。霧に包まれて何も見えませんが、時折頭上から強烈な日差しが照りつけてきます。腹ごしらえをしてから表尾根縦走路へ。一旦大きく下ってから、アップダウンを繰り返しながら塔ノ岳に向かって標高を上げてゆきます。霧で全く景色が無いのが残念ですが、日差しが遮られて比較的涼しいのは助かります。かなりくたびれて12時55分に塔ノ岳に到着。ここまででほぼ2リットルの水を飲んでしまいました。ここで、下りに備えてゆっくり休憩して腹ごしらえ。大倉尾根は小走りに下って一気にバス停へ。15時ちょうどに大倉着。今日は意識してハイペースで歩いたので、トレイルランナー以外には抜かれることはありませんでした。

バスを待つ間、自分へのご褒美にビールを飲んでから、帰途につきました。

2013年7月15日(月)
御嶽山

霧の中を登る


田の原のコバイケイソウ


清滝

この三連休は天気が微妙なのでどこへ行こうかと思案していたところ、会社の山仲間のGさんから土曜日の日帰り山行のお誘いメールが入りました。相談の結果、私がまだ登ったことがない御嶽山に行くことになりました。

12日(金)の晩に横浜を発ち、日付が変わった午前1時前に中山道の道の駅「日義木曽駒高原」で仮眠。
13日(土)は雲の多い朝でした。御嶽山麓の王滝村からスキー場の中をぐんぐん上り、登山口の田の原に6時過ぎに到着しました。残念ながら御嶽山は雲の中で見えません。ここは標高が2200メートルあり、車を降りると寒さに震え上がりました。鳥居をくぐって歩き始めます。1ピッチも歩かないうちに雨が降り始めました。雨具を着て登ってゆくと間もなく森林限界となり、風が強くなりました。景色が無いので写真もほとんど撮らず、今回はトレーニングと割り切って速いペースで登りました。結局2時間20分で最高点の剣ヶ峰に到着。霧と強風の頂上で記念写真だけ撮って引き返しました。下りは、続々と登ってくる登山者とのすれ違いのために度々渋滞し、上りと同じくらい時間がかかりました。田の原には木道が整備された湿原があり、まだ時間が早いので少し散策しました。コバイケイソウの花が沢山咲いており、今年は当たり年のようです。雨粒がバラバラと落ちて来たり日が射したりと相変わらず不安定な天気です。
車で山を下りる途中、新滝と清滝に立ち寄りました。どちらも車道から5分ほどの所にある大きく美しい滝です。滝壺が修行場になっており、着替えるための小屋と藁草履が置いてありました。滝の下流の沢も緑の中の流れが美しく、撮影を楽しみました。源泉かけ流しの「王滝の湯」に立ち寄ってさっぱりしてから帰途につきましたが、道の駅「日義木曽駒高原」で買い物をしている時に一時的に猛烈な雨が降りました。梅雨が明けたといっても、夏らしい晴天はしばらくお預けのようです。

今回の登山では全く何も見えなかったので、「御嶽山に登った」という実感がありません。天気の良い時に登り直さなければいけません。

2013年7月7日(日)
梅雨明けのサイクリング

田圃の中に延びる横須賀水道みち


空を映す宮ヶ瀬湖

昨日、早くも梅雨が明けた模様とのニュースが流れました。久しく自転車で出掛けていなかったので、今日は自転車で少し遠出することにしました。

目的地は丹沢山麓の宮ヶ瀬ダム。猛暑になるとの予報なので早めに帰宅できるよう、朝6時に家を出発。梅雨明けらしく澄み渡った青空に丹沢と富士山がはっきり見えていました。町田駅前を通り、県道52号を西に向かってひた走ります。昭和橋で相模川を渡り、中津工業団地の中を通り抜け、横須賀水道みちに入りました。緑の田圃の中を一直線に延びる道が爽快です。横須賀水道は旧日本海軍が半原から横須賀まで引いた導水管だそうです。その上に、所々で途切れながらも直線的な道路が延びているというわけです。やがて中津川の渓谷沿いの道になりました。釣り人や水遊びの子供達が涼しげで羨ましくなります。宮ヶ瀬ダムへの上りの途中にある県立あいかわ公園で休憩し、さらに上った所の服部牧場に立ち寄りました。沢山の牛や羊に混じってシマウマが1頭?なんとなく変な感じがしますが、妙に人に慣れており、寄ってきたので頭をなでてやりました。実はここのソフトクリームを楽しみにしていたのですが、時間が早すぎて販売していませんでした。残念。 車両進入禁止の道に入り、9時20分にダムに到着。湖面には青空と雲が映っていました。堰堤を渡って県道64号に出て、やまびこ大橋を渡って宮ヶ瀬湖畔園地でおにぎりで腹ごしらえ。再び64号に戻り、土山峠からは長い下りを快調にとばしました。それでもロードバイクに次々に追い越されます。皆、驚くほど飛ばしています。千頭橋際の交差点を左折して県道63号を北上し、昭和橋で往路に合流しました。あとは炎天下を自宅に向けてペダルを踏み続けます。暑さと疲れでぐっとスピードが落ちましたが、13時前に帰宅できました。
今日の走行距離は92キロでした。

2013年7月3日(水)
雲上のチェロコンサート

立山稜線に咲くミヤマキンバイ


まだ氷が残るみくりが池と立山


みくりが池温泉の食堂で開催されたコンサート

6月29日(土)、全日本山岳写真協会の仲間でチェロ奏者のベアンテ・ボーマンさんのコンサートが今年も立山のみくりが池温泉で開催されました。今年で5回目とのことですが、これまで私は都合がつかず、今回初めて聴きに行くことができました。

28日(金)の晩に横浜を発ち、アルペンルート入口の扇沢で車中泊。29日(土)朝一番のトロリーバスに乗り込みました。うまい具合に梅雨の晴れ間となり、まだ観光客が少ないアルペンルートをのんびり黒部ダム観光などしながら乗り物を乗り継ぎ、9時半頃に標高約2400メートルの室堂に到着しました。せっかくここまで来たのだからやっぱり山に登ることにして、一ノ越から雄山、大汝山までを往復しました。稜線に上がる頃には雲が湧いて山々の眺めが無くなってしまったのが残念でしたが、点々と咲くミヤマキンバイの黄色が目に鮮やかでした。室堂へ下り、整備された歩道をみくりが池温泉へ。到着すると、何人かの写真仲間の顔がありました。受付をしたら、まず温泉。乳白色のすばらしい湯に浸かった後は外のベンチで山を眺めながらビール。昨夜の寝不足で睡魔が襲い、夕食の時間まで部屋で昼寝となりました。夕食の後は外で夕景を撮影。
いよいよ今回のメインイベントです。第一部はボーマンさんが大判カメラで撮影した作品を見ながらのトークショー。一般登山道から外れた厳しいルートを山奥まで入り、これ以上無いという最高のシャッターチャンスをとらえた作品が次々に映し出され、来場者から感嘆の声が上がりました。休憩を挟んで第二部がチェロコンサート。ルリ子・ボーマンさん(奥様)のピアノ伴奏で、バッハ「コラール」、フェーベリー「調和」、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、メンデルスゾーン「無言歌」、サンサーンス「白鳥」など10曲が演奏され、チェロの豊かな響きに酔いしれたひとときでした。コンサート終了後はみくりが池温泉が主催する写真教室の懇親会にも参加させていただき、素晴らしい1日となりました。

30日(日)は朝から晴天でしたが疲れすぎのためか体調がすぐれず、撮影には出ずに朝食の時間まで寝ていました。朝食後も部屋でひと眠り。すっかり日が高くなってからチェックアウトし、写真仲間のHTさんとのんびり撮影しながら室堂ターミナルへと向かいました。雄山に登るHTさんと別れ、私は室堂山の展望台へ。雪の上をゆっくり登って小1時間ほどの所ですが、自分以外に誰も居らず、立山カルデラを見下ろしながら静かなひとときを過ごしました。昨日と同様に雲が湧いてしまいましたが、遠くに槍ヶ岳が霞んで見えていました。帰路は雪の斜面をグリセードを交えて駆け下り、あっという間にターミナルに到着。昼前のトロリーバスで室堂を後にしました。

2013年6月25日(火)
全日本山岳写真展 公募作品選考会

6月23日(日)、全日本山岳写真展の公募作品選考が行われ、50点の作品が入選しました。これらの作品は9月3日(火)から開催される全日本山岳写真展の公募コーナーに展示されます。

毎年の事ですが、選外となった作品の中に、せっかく良いシャッターチャンスに巡り会い構図も悪くないのに、不適切な画像処理により画質が台無しになってしまったものや、ぶれてしまって全紙に伸ばせないものが少なからず見られたことが残念です。 高額なカメラで撮影された作品にそのようなものが割と多いように感じられるのは気のせいでしょうか。
次々に新製品が発売される撮影機材や多彩な画像処理に気を取られがちですが、その前に手持ちの機材を正しく使いこなし、その性能を100パーセント引き出すことが出来ているかを再確認していただきたいと思いました。

2013年6月19日(水)
静かな平日の八ヶ岳

イワヒバリ


ツクモグサ


カモシカ

忙しかった仕事が一区切りつき、17日(月)は休養のため休暇にしていました。ところが天気予報で「月曜は晴れ」と聞くと、貴重な梅雨の晴れ間に休養でもないだろうと気持ちがそわそわしてきてしまい、かねてから一度見たいと思っていたツクモグサを訪ねて八ヶ岳へ向かいました。

16日(日)の晩に小淵沢の道の駅で車中泊し、17日(月)の朝、美濃戸から赤岳鉱泉へと向かいます。新緑が美しい気持ちの良い道を快調なペースで鉱泉まで歩き、ひと休みしてから一気に赤岩ノ頭まで登ります。森林限界を抜けると展望が広がり、八ヶ岳の峰々はもとより残雪の槍穂高まで望むことができました。硫黄岳を越えて横岳へ向かうと様々な高山植物が咲いています。この季節の八ヶ岳は始めてですが、花の多さは期待以上。平日とあって登山者は少なく、撮影を楽しみながらのんびりと進みます。お目当てのツクモグサがなかなか見つかりません。横岳山頂で昼食を食べていると、すぐ横でイワヒバリが毛繕いをしていました。横岳を越えたところでツクモグサの蕾を発見。目を皿のようにして歩くうちに次第に数が増え、ついに綺麗に咲いている株を見つけました。急な崖に群落になって咲いている所もあり、じっくり撮影することができました。目的を達成して満足し、あとは赤岳を越えて行者小屋経由で下山です。長めのコースで日帰りの割にはカメラ2台にレンズ3本と結構な荷物で、あまり休憩も取らずに撮影していたため、どっと疲れが出てきました。赤岳山頂で小休止してから文三郎道を下りますが、あまりにも段差が大きな階段が足に応えます。行者小屋で20分ほど休憩してから最後の下り。どうしたことか気分が悪くなり、頭痛までしてきて一気にペースダウン。脱水症状かと思い水分を補給しながらふらふらと下ってゆきました。珍しくコースタイムをオーバーし、もうすぐ美濃戸という所で至近距離でカモシカが木の葉を食べている所に遭遇。カメラを向けると少しこちらに近づいてきたので一瞬焦りましたが、カモシカに襲われたという話は聞いたことが無いのでシャッターを押し続け、ばっちり撮影することができました。
八ヶ岳はいつも人が多いイメージですが、今回は静かな八ヶ岳で様々な植物や動物との出会いがあり、充実した楽しい1日となりました。
道の駅「信州蔦木宿」で温泉に入ったところ体調が快復し、良い気分で帰途につきました。

2013年6月15日(土)
紫陽花を見に浄慶寺へ

山の斜面に広がる紫陽花


マクロレンズで遊ぶ

梅雨の晴れ間となった今日、紫陽花を見に浄慶寺に行きました。浄慶寺は小田急柿生駅の近くですが、我が家からは自転車で40分ほど。今日は割と蒸し暑く、大汗をかいて到着しました。
木陰に入ると少しひんやりとしていて、ホッとします。お寺の裏山の斜面に沢山の紫陽花が植えられていますが、今年は少し花期が早かったようで、盛りを過ぎた感じでした。アップに耐える花がなかなか見つかりませんが、まだ使いこなせていない100ミリのマクロレンズの練習のために少しでもきれいな花を探し、光線を選びながらじっくり撮影しました。マクロレンズ特有の肉眼とは全く違う世界が面白く、また普段使っているズームレンズと比べてボケがはるかに美しく、結局2時間近くを過ごしました。

2013年6月9日(日)
霧の鍋割山稜

霧の鍋割山稜で

梅雨の季節だというのに、この週末も晴れの予報だったので、今日はトレーニング目的で丹沢へ。大倉尾根から塔ノ岳へ登り、鍋割山稜のブナに会って来ました。

昨日は会の仲間の白岩吉明さんの個展「桃源郷」(6月13日まで、詳しくはこちら)のお祝いで飲み帰宅が遅くなったので、今日はゆっくり8時半に自宅を出ました。大倉から歩き始めたのが10時半。横浜は晴れていましたが、丹沢の稜線は雲の中でした。大倉尾根をハイペースで登ります。調子はまずまず、気持ちよいほど汗が吹き出してきます。水分と食べ物の補給以外には休憩を取らず、ほぼ一気に2時間20分で塔ノ岳まで登りきりました。登山者でごった返す頂上で20分ほど休憩してから鍋割山稜へ。大丸から小丸にかけてのブナ林は霧に包まれなかなか良いムード。トレーニングだけでなく、作品の方もバッチリでした。のんびり写真を撮ったので鍋割山は省略して小丸尾根を駆け下りました。二俣から1時間の林道歩きで大倉バス停着。体を拭いて着替えてから、バスを待つ間のビールが最高でした。

2013年5月31日(金)
動画のページを開設しました!

厳冬の天狗岳
(動画からの切り出し画像)

4年前に購入したEOS 5D MarkUにはフルハイビジョン動画撮影機能が付いており、写真撮影の傍らコツコツと動画も撮影していました。動画の知識ゼロからのスタートで、編集も試行錯誤の繰り返しでしたが、なんとか人にお見せできる作品ができたかな?ということで、以前から密かに計画していた動画ページ開設の運びとなりました。

今回の作品は、今年1月の全日本山岳写真協会の撮影会で撮影したものです。(山行の様子はこのページの下の方にあります。)冬山なのに穏やかな天候だっため動きのある被写体が少なく、スライドショーのように見えるのが難点ですが、紛れもない動画です。動いているモノを一生懸命探しながら見てください。(笑)
本当はYou Tubeではなくハイビジョンテレビで見ていただきたいところですが。。。

動画は撮影にも編集にも時間がかかりますが、少しずつ作品を追加していきたいと思います。
トップページの動画ボタンからお入りください。

2013年5月28日(火)
新緑の丹沢・桧洞丸

ブナの若葉


一番見事だったシロヤシオの木


メルヘンの森

先週末、新緑を求めて近場の丹沢へ出掛けました。山の上で夜明けを迎えたかったので、犬越路の避難小屋に泊まって桧洞丸を周回するコースにしました。

5月25日(土)はゆっくり起きて平日の疲れをリセットし、午後自宅を出発。道路が混んでおり、登山口の日蔭沢橋まで3時間以上かかってしまいました。日没の時間と競争するように犬越路を目指して登ります。順調に1ピッチで到着。峠は霧に包まれていました。避難小屋からは賑やかな話し声が聞こえてきます。誰も居ないだろうという予想に反して7人の先客が居ました。土間に銀マットを敷いて寝床スペースを確保してからテーブルに加わり、夕食にします。しばらくすると窓の外に月が見えたので、カメラを持って外に飛び出すと、ちょうど桧洞丸の上に雲が流れ、満月が見え隠れしています。撮影していると、また一人、ヘッドランプを点けて登って来ました。これで今日の宿泊者は9人となりました。

26日(日)、早い人が3時に起き出し、目が覚めてしまいました。天気予報に反して外は霧。それでも朝食を食べ、明るくなってくると霧が動き始め、上空には青空の気配が感じられます。荷物をパッキングしていると、桧洞丸が姿を見せ始めました。手前の尾根に霧が流れ、なかなか良い条件です。外で撮影している間に他の人達は出発していきました。
一番最後に小屋を出て桧洞丸を目指します。ブナの新緑が美しい。時々流れてくる霧に朝日が光芒となって射し込みます。足元には珍しい熊笹の花が咲いていました。被写体に事欠かず、心ゆくまで撮影を楽しみます。やがてシロヤシオとトウゴクミツバツツジの花が見られるようになりましたが数は少なく、どうやら今年は裏年のようです。それでも時々見事に咲いている木があり、三脚を立ててじっくり撮影しました。今日は晴れたり霧が出たりと絶好の丹沢撮影日和。
桧洞丸山頂まで来ると一気に賑やかになりました。僕も一角に銀マットを広げ、湯を沸かして昼食タイム。1時間ほどのんびりしてから来た道を引き返します。途中の森では明るい霧の中に樹木が立ち並ぶ様がまさにメルヘンの世界でした。ヤタ尾根分岐点にある大木を撮影してから日蔭沢橋へと下ります。途中のブナ林を楽しみにしていましたが、日差しで森の撮影にはコントラストが強すぎました。撮影を諦めてカメラをザックに仕舞い、あとは下山に専念します。久しぶりにまとまった荷物を背負って土の上を下ったためか、足のあちらこちらが筋肉痛の気配。最後は車道をのんびり歩いて、日蔭沢橋に戻りました。

2013年5月13日(月)
GW後半は東北へ

赤杉


鳥海山・鳥越川源流部へ


一瞬の雲の切れ間(鳥海山)


清冽な元滝伏流水

GW後半は東北の山を滑りに行きました。

5月3日(金)の夕方、連休前半から東北を放浪していたTさん夫妻と栗駒山の麓にある道の駅「路田理はなやま」で合流。いつものように車中宴会となりました。Tさんは27日に出発して以来ずっと天気が悪く、燧ヶ岳に登れただけで、当日も栗駒山の途中で引き返したとのこと。翌日は天気を見て栗駒に再挑戦することになり、20時に就寝。

4日(土)、朝起きると雨が降っていました。栗駒山は諦めて鳥海山麓まで移動することにしました。
途中、戸沢村で「赤杉」に立ち寄りました。道端の空き地に車を置き、登山靴に履き替えてトラロープを頼りに急な尾根を登っていくと、所々に雪が残る雰囲気の良いブナ林に着きました。その中に点々と杉の巨木が立っており、ひときわ大きな赤杉が存在感を放っていました。手のひらを広げて天に向けて立てたような形が面白い。写真を撮っていると時々薄日が射すようになり、しばし撮影を楽しんでから、山菜を採りながら車に戻りました。この日は道の駅「庄内みかわ」で温泉に入り、道の駅「鳥海」で車中泊。車中宴会をしていると夕日が顔を出し、明日への期待が高まりました。

5日(日)はどんよりとした曇り空で明けました。鳥海山が暗雲に包まれているのを見て登山をあっさり諦め、中島台のブナ林に行き先変更。中島台まで来ると、風下側になるためか意外に天気が良く、鳥海山も下の方の山腹は見えていました。これなら途中まででも登ろうという話になりました。中島台の散策路の奧から一段上の台地に上がり、スキーを着けて緩やかにブナ林を登ってゆきます。奇形ブナが多く、何ともいえない、ちょっと不気味はムードが漂っています。森林限界を抜けると、鳥越川源流の雄大なスケールの谷が行く手に広がりました。同時に強風が吹き付けてきました。風に逆らって前進します。鳥海山山頂部を覆う雲が凄い勢いで流れています。たまに山頂がチラリと姿を現すようになってきました。風に吹き倒されながらも前進を続けたましが、標高1150メートルまで登った所で、もう限界。山頂までまだ千メートル以上の標高差がを残して引き返すことにしました。緩やかな斜面に滑りの悪い春の雪でしたが、強烈な追い風のおかげで快調に下ってゆきます。森林限界付近に来ると鳥海山の雲が取れ始めたのでしばし撮影し、あとはブナ林をのんびりと滑りました。途中で、有名な「あがりこ大王」に立ち寄りましたが、前日の赤杉と比べてしまうとスケールが小さく、周りも人工的に整備されており、少々期待はずれでした。中島台に戻り、近くの鶴泉荘の温泉で汗を流してから外に出ると、すっかり晴れ上がり鳥海山がきれいに見えていました。翌日は雨という予報ですが、万一晴れたら午前中に祓川から頂上を往復しようという話になり、宴会を早めに切り上げて寝ました。

6日(月)、なんと快晴です。祓川はすぐ近くですが、道路がまだ除雪されていないため、一旦麓まで下り大回りで向かいます。仁賀保高原からワインディングロードを延々と走り、鳥海山の裾野の大きさを実感。やがて道の両側が雪の壁となり、祓川の駐車場に到着しました。車のドアを開けてびっくり。昨日と全く同じ強風が吹き荒れており、とても登れる状況ではありませんでした。間近に見える頂上の写真だけ撮って、山を下りました。今日中に帰るというTさんと別れてから奈曽の白滝と元滝伏流水を見学。奈曽の白滝はなかなかの迫力でしたが水が汚く、やや興ざめ。元滝伏流水は透明な湧き水と苔が大変美しく、昼頃までじっくり撮影を楽しみました。車に戻る頃にはすっかり曇り空。走り出すとすぐに雨粒が落ち始めたため,、ゆっくり帰ることにしました。新潟へ向けてひた走ります。温海温泉付近で激しい雷雨となりました。日が暮れてから新潟を通過。スーパーで晩のつまみを買ってから三条燕で関越道に入りました。越後川口SAで独り宴会をして車中泊。

7日(火)、起きると青空が覗いていました。SAの展望台からは、朝の信濃川と田園風景が素晴らしい眺めでした。ゆっくり朝食を食べ、8時に出発。平日の上り線は当然ながら全く渋滞が無く、昼過ぎには帰宅できました。今回の総走行距離は1400キロを越えました。

2013年5月8日(水)
ユーシン渓谷

輝く若葉


新緑の渓谷

ゴールデンウィーク前半の4月29日(月)は、新緑を見たいという奥さんのリクエストに応えて、丹沢のユーシン渓谷に行ってきまた。

5時半に家を出て、1時間半ほどで林道ゲートの駐車場に到着。今回は山には登らず林道だけなので、のんびり気分で歩いてゆきます。鳥のさえずりやキツツキのドラミングを聞きながら、知らず知らずのうちに標高が上がります。木々の緑が若葉の黄緑へと季節が逆戻りしてゆきます。玄倉ダムではエメラルドグリーンの水と新緑のコントラストが素晴らしい。しばらく進み、川原が広くなった所でコーヒータイム。ユーシンの分岐でまだ時間が充分あったので、熊木ダムまで行くことにしました。ほとんどのハイカーはユーシンまでで引き返すようで、この先はいたって静か。素掘りのトンネルを抜け、芽吹いたばかりの新緑に感嘆するうちに、熊木沢出合の広い川原に着きました。熊木ダムは残念ながら減水しており、水面に映る新緑の撮影はできませんでした。シートを広げてゆっくり昼食を食べてから、来た道を引き返します。午後は光線条件が変わったため、また写真を撮りながらののんびり歩きとなりました。
いささか疲れて林道ゲートに到着。帰路は高速の渋滞を避け、一般道で新ルートを開拓しながら帰りました。

2013年4月22日(月)
奥只見・日向倉山スキーツアー

稜線からの荒沢岳


たおやかな稜線を日向倉山へ

この春は精力的に山スキーに出掛けていますが、4月13日(土)、14日(日)も奥只見を滑って来ました。

金曜の夜中に塩沢石打SAでTさんと合流し、13日(土)の朝、登り口の銀山平へ向かいます。前日は寒気が入ったため、山は新雪で真っ白に輝いています。天候の回復が予想よりも早く、最高の登山日和です。
日向倉山の稜線目指して急な尾根をシールを利かせてぐんぐん登ってゆきます。背後には翼を広げたような荒沢岳がせり上がってくるようです。稜線に出てしまえば、日向倉山までゆるやかなアップダウンが続きます。滑ってもあまり面白くなさそうだと思いながら登ってゆくと、右下の日向倉沢を登ってくる一条のトレースに気がつきました。登ってくる人がいるということは、下まで滑れる可能性が高いということ。しばしTさんと相談した結果、万一途中で行き詰まった場合は登り返す覚悟で、ここを滑ることにしました。
日向倉山の頂上で360度の大パノラマを満喫してから、日向倉沢へ滑り込みます。ブナ林の急斜面を下ると開けた沢に出ました。新雪の下にデブリが隠れていて滑りにくいですが、雪が緩んでいるので何とかなります。慎重にターンを繰り返せばみるみる標高が下がります。地図の岩記号の所も気付かずに通り過ぎ、あっという間に奥只見湖畔まで下ってしまいました。水際まで出てしまうと行き詰まりそうだったので、手前から山腹をトラバースして上流に向かいます。一ヶ所スキーを背負って急なヤブを通過する所がありましたが、大きな困難もなく、登り口まで戻ることができました。
一旦車で麓まで下り、温泉に入ってから酒とつまみを買い込み、再び銀山平に戻りました。今日もTさんの車の中で宴会です。

14日(日)は、なんと二日酔い。朝食はほとんど喉を通りませんでしたが、荒沢岳を途中まで登ってみることにしました。
蛇子沢左岸尾根にルートを採ります。比較的なだらかですが、地図で見る以上にアップダウンがあります。気温が高く、二日酔いがなかなか抜けず、ヨレヨレになってTさんの後を追います。標高1200メートルまで登ったところで、ルート上の雪が不安定な場所があったため、引き返すことにしました。
下りはずっと尾根を行くのはあまり面白くないということで、途中から一旦東側の台地に滑り込み、ブナ林の中を尾根に登り返してから今後は反対の西側に滑り込んで、出発点に戻りました。
すぐ近くの白銀の湯でさっぱりして、ようやく二日酔いも抜けました。車の後部でコーヒーを湧かし、ゆっくり食事をしてから帰途につきました。

2013年4月1日(月)
平標山スキーツアー

仙ノ倉山に押し寄せる雲
(平標山より)



笹穴沢源頭を滑るT氏

先週末で4週連続の山行となりました。今回は平標山から東ゼンを滑り、仙ノ倉山へ登り返してシッケイ沢を滑る計画です。

金曜の晩に赤城高原SAでTさんと合流し、仮眠。3月30日(土)の朝は天気予報に反してどんよりとした曇り空です。関越トンネルを抜けると、なんと霧雨が降っていました。高速を湯沢で出て、国道のパーキングで朝食を食べながら相談。午後は回復するという予報を信じ、予定通りに火打峠から登り、あとは天気の様子を見ながら判断することにしました。車1台を下山口にデポし、もう1台で登山口の火打峠へ。
今シーズンはどこも雪融けが早く、ヤカイ沢までのアプローチはいつもとは風景が違って感じられるほどでした。ヤカイ沢を登ってゆくと、やがてガスの間から時々稜線が見えるようになってきました。急斜面の雪はほとんど落ちてしまっており、ヤカイ沢にはデブリが押し出していました。ブナ林の急登から尾根に出た所で時間調整のため大休止。時々明るくなる空を見上げながら、40分も色々な話をして時間つぶし。稜線直下は尾根の東面の雪がすっかり落ちて無くなっており、やむを得ずスキーを背負って藪を漕ぎました。稜線で再びスキーをはいて最後の広大な斜面を登り、山頂に到着。天気がなかなか良くならないので、暫く待つことにします。雲が上空と足下の二層になっており、下層の雲の上に島のように山が浮かんでいました。14時過ぎまで待ちましたが天気が良くなる兆しはなく、予定していた仙ノ倉山方面は断念し、笹穴沢源頭を滑ってから火打峠へ引き返すことにしました。
笹穴沢源頭はザラメ雪が快適で、あっという間に標高1635メートルまで下ってしまいました。ここから再びシールを着けて標高差150メートルほど登り返し、平標山の家付近から南西面に滑り込みました。ブナ林の急斜面は終日日差しが無かったためかガリガリに凍っており、慎重に滑ります。林道に出たところでひと安心。のんびりと駐車場まで下りました。
翌日もどこかを滑る予定でしたが、天気が全然駄目なので中止。温泉に入った後、湯沢のスーパーで今夜のつまみを買い込み、三国峠を越えて月夜野の道の駅で車中宴会となりました。

2013年3月31日(日)
会津駒ヶ岳〜大戸沢岳スキーツアー

三岩岳を背景に滑るT氏


夢のようなシュプール

今シーズン2度目の山スキーは、会津駒ヶ岳から大戸沢岳をめぐることにしました。

3月23日(土)の午後に家を出て、東北道の西那須野塩原IC経由で檜枝岐へ向かいます。19時過ぎには到着し、10分ほどしてTさんもやってきました。車の中で宴会をしてから、それぞれの車で就寝。

24日(日)の朝は最近の暖かさに慣れた体には少し応える冷え込みとなりました。けれども天気は上々。朝食を食べてから、車を1台下山口に置きに行き、もう1台で登山口の滝沢橋へ。
登り始めの林道は思いのほか雪が少なく、今年は雪融けが速いようです。林道をショートカットし、尾根上に出た所から気持ちの良いブナ林が続きます。4年前の脱臼事故現場を通り過ぎ、他のパーティーと抜きつ抜かれつしながら登ってゆきます。よく締まった雪にペースは快調。森林限界を抜け、周りの山々を撮影しながらのんびり登ってゆきます。駒ノ小屋まで来ると中ノ岳と越後駒ヶ岳が純白に輝いていました。踵が痛いのに気が付き、小屋の前で風を避けながら靴を脱いでみると大きなマメが破れていました。絆創膏とテーピングで処置をして、最後のひと登りで頂上着。大展望を撮影してから腹ごしらえ。ここでシールを外して隣の大戸沢岳へと向かいます。なだらかに下ってはスケーティングと漕ぎを繰り返し、ぐんぐん頂上が近づいてきます。振り返ると会津駒の稜線の上に中ノ岳と越後駒が頭を出していました。大戸沢岳頂上から中ノ沢へと滑り込みます。ざらめ雪にターンが決まり、広大な源頭部の斜面を三岩岳を背景に滑る気分は最高です。あっという間に標高を下げ、沢底へと入ってゆきます。急な雪の斜面と化した滝場を通過し、広々とした下大戸沢に出ました。あとは緩やかな斜面をのんびりと滑ってゆきます。桑場小沢出合付近から下は、両岸の林が上の方までなぎ倒されており、冬に爆風雪崩があったようです。自然の破壊力のすさまじさに、ただ驚くしかありません。大満足して車をデポしてあるスノーシェッドの所に下り着きました。滝沢橋の車を回収し、檜枝岐の駒ノ湯で汗を流してから帰途につきました。

2013年3月20日(水)
陽光の仙ノ倉山

毛渡沢からの仙ノ倉山


朝日に色づく日白山(小屋場ノ頭より)


小屋場ノ頭からの仙ノ倉山(シッケイノ頭)

以前から仙ノ倉山北尾根が気になっていましたが、週末に移動性高気圧に覆われる予報となったので、急遽行くことにしました。

3月16日(土)、東京6時36分発の新幹線であっという間に越後湯沢へ。上越線に乗り換えて8時半には登山口の土樽に到着ししました。毛渡橋からスノーシューで毛渡沢沿いに山の懐に入ってゆきます。春の陽光が降り注ぎ暑いほどです。やがて行く手に仙ノ倉山が姿を現しました。正面に伸びる北尾根が登高欲をそそります。群馬大ヒュッテまで来ると、覚悟していた吊橋が無く、平らな雪面が対岸まで繋がっていいました。なんと、立派な橋が出来ており、狐につままれた感じです。ここから北尾根に取り付きます。急な登りが続き、ぐんぐん標高を稼ぎます。スノーシューで登るには傾斜が強すぎ、途中からアイゼンに替え、取り付き点から1ピッチ強で小屋場ノ頭に到着。ぐるりと雪山に囲まれた素晴らしい場所です。ピーク先の一段下がったブナ林に先行パーティーのテントが二張。こちらは撮影が目的なので、ピークのすぐ脇を大々的に整地してテントを張りました。武能岳、万太郎山、仙ノ倉山、平標山、日白山を一通り撮影してから、午後の時間をまったりと過ごします。15時半頃、急に北から雲が押し寄せてきました。天気予報の通りに気圧の谷の通過です。天気の変わり目の光と影の山を30分ほど撮影しているうちに雲に覆われ、やがて雪が降り始めました。気温は3度で何とか雪になったという感じ。撮影を終えてテントに入り、夕食の準備。夜になると風が強まり、雪も激しくなってきました。

17日(日)は4時に起床。朝食を食べ終わる頃に外が明るくなり、ちょうどガスが切れ始めました。大急ぎで支度をしてテントから飛び出します。素晴らしい風景。霧から姿を現しほんのりとピンクに染まる山には神々しささえ感じます。ブナの霧氷を前景に、明けゆく山をスチル+動画で撮影。あまりに被写体が多くなかなか撮影を切り上げることが出来ず、出発が遅くなってしまいました。先行パーティーのトレースをたどります。撮影のために立ち止まってばかりで、なかなか進みません。シッケイノ頭まで登ると急に風当たりが強くなり、雪煙が舞っていました。雪原の先に仙ノ倉山の頂上が聳えています。最後はテカテカのアイスバーンの急登。アイゼンの爪の先端しか刺さらず、足首が痛くなってきます。下山時刻のことを考えるとのんびりするわけにいかないので、できるだけ立ち止まらないよう頑張って登りきりました。頂上は大勢のスキーヤーとボーダーで賑わっていました。軽く食べてから頂上を後にします。下りは滑落に注意しつつ、小屋場ノ頭のテントまで一気に下ってしまいました。大急ぎでテントを撤収。バッキガ平への下りは雪が腐ってズボズボに潜り、体力を消耗しました。バッキガ平からはスノーシューを着けて、山を振り返りながらのんびり下りました。土樽には列車の時刻の50分前に着き、荷物の整理をする時間が十分ありました。

2013年3月11日(月)
大行山・スキーツアー

大行山直下のブナの疎林を行く


大行山南面の滑降

3月9日(土)、この週末は天気予報が微妙でなかなか計画が決まりませんでしたが、昼前にスキー仲間のTさんから電話が入り、大行山に行くとのこと。え、だいぎょうさん?という状態でしたが、地図で調べると尾瀬の近くにある小さな山だということが分かりました。大急ぎで支度をして、夕方、家を出発。関越道をとばして、20時半に戸倉スキー場の駐車場着。いつものようにTさんの車の中で宴会をして、23時に就寝。

3月10日(日)、 5時半起床。午後は大荒れの予報ですが、青空が広がる穏やかな朝です。
シールを着けて富士見下まで林道を上ってゆきます。標高1330メートル地点で林道を離れ、沢を少し登ってから左の尾根に取り付きます。痩せた尾根の上に木が茂っているため、左右の側面をジグザグに登高してゆきます。標高1550メートル付近から左へトラバースし、広々とした大カッパ沢源頭斜面へ入ってゆきます。ブナが点在する気持ちの良い所です。ここで休憩していると、上空を雲が物凄い勢いで流れていました。広大な斜面を登ってゆくと、やがて大行山頂上の一角に出ました。頂上へは南西方向に緩やかに登ってゆきます。途中、樹林の間からアヤメ平周辺の稜線が見えました。
頂上は樹林の中で全く展望は無く、山名のプレートが木に打ち付けられているだけでした。時間がたっぷりあるので、南面を少し滑って遊ぶことにしました。シールをはがし、気持ちの良い疎林の斜面をひと滑り。途中でいきなりガスが湧き、大粒の雪が降り始めました。あまりの急激な変化に唖然とし、標高1550メートル地点で引き返すことにしました。腹ごしらえをしてシールを貼っていると、再び青空が広がってきました。30分ほどかけて山頂まで登り返しました。
頂上に着く頃、今度は本格的な風雪となりました。無難に登って来たルートに沿って下ることにしました。どうやら黄砂混じりの雪のようで、積もり始めた新雪が何だか汚い。大カッパ沢源頭部はまずまずのザラメでターンが決まりましたが、標高が下がるにつれ グサグサの雪に足を取られてしまい、斜滑降とキックターンになってしまいました。富士見下の林道に出た所でひと安心。あとは林道を戸倉までのんびりと下りました。

2013年3月3日(日)
2013全日本山岳写真展会員の部 作品選考会

去る2月23日(土)、2013全日本山岳写真展会員の部の作品選考が行われました。
協会事務局に全国の会員から送られた大量の作品を近くの集会所まで手分けして運び、1日がかりで応募総数1000点以上の中から304点の展示作品を選びました。
さらに入選作品の中から全倍69点、3×4(3尺4尺)5点の大伸ばし作品を決定しました。写真展の準備は事務作業としては昨年末から始まっていますが、実際にずらりと並んだ作品を見ると、いよいよ本格的に準備が始まったのだということを実感します。
この後は全ての原本となる台帳作成、展示レイアウトのための山域分け作業、そして諸々の制作手配や会員への連絡等、やるべきことが山積しています。写真展の規模が大きいだけに作業のボリュームも半端ではないのです。それでも毎年写真展に来場されるお客様の声を励みに、皆で手分けして作業をこなしてゆきます。苦しい楽しみ(楽しい苦しみ?)といったところでしょうか。
尚、今年の写真展の会期は下記の通りです。詳細は別途ご案内します。


会期: 2013年9月3日(火)〜8日(日)
開場: 東京芸術劇場5階ギャラリー1(東京・池袋西口)

2013年2月24日(日)
南アルプス・雪深い仙水峠へ

樹林から舞い上がる雪煙(戸台川にて)


仙水峠のシュカブラ


仙水峠からの甲斐駒ヶ岳


雪の原生林

2月16日(土)から18日(月)の2泊3日で、南アルプスの栗沢山を計画しました。メンバーはいつも一緒のTさん、紅一点Aさん、「山岳写真ASA」の若きトレイルランナーKさん、そして私の4人。

16日(土)の朝は冷え込みましたが素晴らしい晴天。登山口の戸台を9時に歩き始めました。いつもは荒涼とした河原が今日は雪に覆われ、木々に積もった新雪が風に舞う様が美しく、結構写真になります。全くトレースが無いので、堰堤の所からスノーシューを着けて歩きます。遅れ気味のTさんを待ちながらののんびりペース。角兵衛沢出合で、Tさんから「先に行ってテントを張っていてくれればいいよ」との申し出があり、我々は先行することに。丹渓山荘前の急登は積雪が少なく、雪の下の固い地面にスノーシューが利かず少々怖い思いをしました。悪場を越えると、あとは歩きやすい八丁坂をラッセルしながら登ってゆきます。登りきった所で休憩。わかんのKさんは少し遅れて到着。ここで今日の行程について相談。今回、我々以外に入山者が無くずっとラッセルで皆疲れ気味、さらにTさんのペースも考えると計画していた仙水峠どころか北沢峠まで行くことも無理と思われました。時間的にも、あと少しだけ登り良い天場を探してテントを張ろうという話になりました。結局、最初に林道に出た所を今夜の幕営地と決め、KさんにはTさんを迎えに行ってもらいました。テントを張って、雪を溶かして水ができた頃、TさんとKさんが到着。ウイスキーと焼酎で乾杯し、暖かい鍋の夕食で楽しいひとときを過ごし、22時頃就寝。

17日(日)、1時間ほど寝過ごしてしまい、6時過ぎに起床。朝食を食べてから、軽い荷物で栗沢山を往復することにします。登るにつれて雪が深くなり、Aさんと先頭を交代しながらラッセルします。わかんのKさんは後から修行僧のように黙々とラッセルで付いてきます。トレランをやっているKさんですが、わかんとスノーシューの差は圧倒的で、先頭でラッセルするスノーシューの方がぶっちぎりで速い。大平小屋まで来るとどんよりとした曇り空になってしまい、一同テンションが下がります。何となく撮影は諦めムードで、とにかく栗沢山で甲斐駒を眺められればいいやと目標が変わった感じ。北沢峠直下の急斜面は雪が深く、スノーシューでも少々苦労しました。北沢峠は、今回はしっかりと雪深く静けさに包まれていました。駒仙小屋までゆるやかに下ってゆきます。北沢の左岸をラッセルしながら仙水峠を目指します。沢を渡る丸木橋は雪のナイフリッジ状態で渡れず、恐る恐るスノーブリッジを渡ります。渡り返す所ではAさんが片足を踏み抜いてしまいました。後から通過したKさんは完全に落ちてしまったとのこと。仙水小屋からはなだらかな樹林帯。計画では初日にここにテントを張る予定でしたが、とても雰囲気の良い場所です。樹林を抜けた雪原には見事なシュカブラが出来ていました。再び青空が広がり、しばし撮影を楽しみました。仙水峠でやっと甲斐駒と対面。ここからでは格好が悪いので栗沢山まで行きたいところですが、雪深い急峻な尾根を見てしまうと、時間的に無理と判断せざるをえません。とても残念でしたが、ここで記念撮影して引き返すことにします。トレースをたどる下りはすこぶる快適。17時前にテントに戻りました。明日はのんびり下るだけなので、夜は飲みながら語り合いました。キムチ鍋の夕食が美味しい。

18日(月)、5時起床。気温が高く内張がびしょ濡れです。雨を心配しましたが、外は雪でした。ゆっくり朝食を食べてからテントを畳みます。雪降る森の中を下ります。ファンタジックなムードに、皆で三脚を立てての撮影タイム。凄い勢いでカメラに雪が積もってしまいますが、それを払いながら夢中でシャッターを押しました。八丁坂を下り、丹渓山荘付近の悪場はアイゼンに替えて通過。ここで雪から雨に変わってしまいました。風呂を楽しみに、黙々と河原の道を歩きます。風雨が強まり、水をたっぷり含んだ雪がまるで生コンのようです。堰堤の所でスノーシューを外します。最後の1ピッチを頑張り、濡れ鼠で戸台の駐車場に到着しました.。今回の山行では我々以外に登山者は居らず、静かな雪山を満喫することができました。
びしょ濡れの装備を車に押し込み、入浴施設「入野谷」に立ち寄って生き返りました。帰路は中央道が積雪のため通行止めだったため、やむなく高遠まで引き返し杖突峠を越え、小淵沢まで20号線を走りました。小淵沢で中央道に入り、一旦甲府南で出て、甲府のバイキングに寄って焼き肉で打ち上げ。満腹になって帰途につきました。

2013年2月2日(土)
黒百合平撮影会

雪化粧


朝の天狗岳

1月26日(日)から1泊2日で北八ヶ岳の天狗岳へ行って来ました。今回は全日本山岳写真協会の撮影会、総勢25名です。

26日(日)、登山口の渋ノ湯は雪景色でした。やはり今年は雪が多いようで、真っ白に化粧した木々と青空のコントラストが見事です。黒百合平まで、冬山初体験のMさんと冬の森を撮影しながらゆっくりと登ります。黒百合平には一番に到着。小屋に荷物を預け、撮影機材だけを持ってスリバチ池に登り、夕方まで撮影。びっしりとエビノシッポに覆われた岩やクリスマスツリーなど前景に事欠かず、最高の撮影条件です。気温が低く、ダイヤモンドダストがキラキラと輝いていました。真っ赤な太陽が沈み、いつもならこれからまだまだ粘るところですが、皆と親睦を深めるべく小屋に戻りました。玄関横の温度計はマイナス23度を指していました。

27日(月)、暗いうちに起きて外の様子を伺うと雪が降っていました。それでもほんのりと月明かりが感じられ、晴れる予感がします。今日もMさんと一緒に行動。まずは中山峠の見晴し台へ。日の出を待つうちに天狗岳の雲が切れ始めました。東の空に雲があったため、太陽は赤味が薄れてから出てきましたが、山はほんのりと色づき、清々しいカットを撮影することができました。Mさんと天狗岳へ向かいます。森林限界を抜けて登るにつれて雲が湧き展望が無くなってしまいました。黙々とトレースを辿るうちに、意外にあっけなく頂上に到着。Mさんの記念写真だけ撮って、黒百合平へと引き返します。少し下ると視界が開け、北八ヶ岳の真っ白な樹海が眼下に広がっていました。
すっかり冷え切ってしまったので、一旦小屋に入って温かい飲み物を入れてひと休み。再び晴れてきたので、もう一度Mさんとスリバチ池に登り、最後の撮影をしてから黒百合平を後にしました。森の中を撮影しながらのんびり下っても渋ノ湯まで1時間半。バスを待つ間の寒かったこと。やっと来たバスに転がり込んでほっとひと息。茅野駅で皆で立食い蕎麦をかき込んでから特急に乗り込みました。

2013年1月10日(木)
厳冬の千枚岳

朝日に染まる赤石岳(左)


残照の富士山


どうです? この眺め!

新年明けましておめでとうございます。
今シーズンの冬山本番は、年が明けた1月2日(水)から5日(土)までの日程で、南アルプスの千枚岳へ行って来ました。

2日(水)は椹島まで5時間の林道歩き。年末に降った雨と雪でツルツルに凍結し、途中でたまらずアイゼンを着けて歩きました。1日中雪が舞っており、南アルプスで雪の中の林道歩きとなったは初めてのことです。

3日(木)は千枚小屋まで長い尾根を登ります。午前中は天気が回復し、青空が広がりました。最初はトレースがありましたが、途中から本格的なラッセルとなりました。今回はスノーシューが絶大な威力を発揮しましたが、雪が深くなるにつれペースダウンし、1時間で標高差百メートルほどしか登れません。どんどん時間が過ぎ、今日中に千枚小屋まで行くのが難しい状況となってきました。上空は再び雪雲に覆われ、雪が舞い始めます。気温もぐんぐん下がり、ついに日暮れ。それでも、朝の撮影のことを考えるとなんとしても千枚小屋まで登っておきたいところです。覚悟を決めて、ヘッドランプを点けて行動することにしました。長時間のラッセルで疲労困憊し、足が前に出なくなってきましたが、数歩進んでは立ち止まりを繰り返しながらじりじりと登り、やがて闇の中からボーッと小屋が姿を現しました。冬期小屋の入口を探しに行く力も残っていなかったので、小屋の横を整地してテントを張りました。


4日(金)の朝はマイナス20度まで冷え込みました。昨日の疲れが取れませんが、ここで撮影を諦めたら絶対に後悔すると思い、気合いを入れてテントを出ます。ラッセルで森林限界まで登り、ギリギリ日の出前に三脚を立てることができました。風が強く厳しい寒気の中での撮影となりましたが、真っ赤に染まる雪煙と神々しいまでに美しい赤石岳を心ゆくまで撮影しました。できれば悪沢岳を往復したいと考えていましたが、それだけの体力が残っておらず、千枚岳頂上を往復して一旦テントへ引き返しました。昼間はゆっくり休憩し、夕方再び森林限界まで登って夕景を撮影、さらにテントに戻ってからは夜景も撮影し、充実した1日が終わりました。

5日(土)の朝は風が収まりました。最後の撮影をしてからテントを撤収し、下山です。トレースがバッチリなので一昨日の苦労が嘘のように順調に下り、14時には登山口着。ここから、また5時間の林道歩きです。途中で日が暮れ、ヘッドランプの明かりで歩いていると獣の気配が濃く、斜面の上から石を落とされたり、手が届くほどの至近距離からカモシカがこちらを見つめていたりしました。腰と肩が痛くなり、いいかげんうんざりしたところで沼平の駐車場に到着。全力を出し切り、思う存分に撮影できた満足感を胸に、帰途につきました。


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