撮影日和     

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2012年12月24日(月)
霧氷の赤城山

霧氷の中を黒檜山へ


黒檜山から大沼と鈴ヶ岳

以前から赤城山の霧氷が気になっていました。23日(日)から厳しい寒気がやってくるという予報を聞き、日帰りで行くことにしました。

朝4時過ぎに出発し7時前に前橋ICで高速を出て、前橋市街を抜けて赤城山へと登ってゆきます。標高が高くなると、道路に残った雪がツルツルに凍結していました。峠を越えると黒檜山の山頂部にかかった雲がすごい勢いで流れているのが見えました。撮影ポイントを探してうろうろしましたが、結局沼尻近くに車を停め、道端に三脚を立てました。続けて大洞に移動。霧氷で真っ白な黒檜山を撮影しました。
駐車場に車を置いて、黒檜山登山口までは車道を歩きます。風が強く、寒い。15分ほどで登山口です。いきなりの急登は積雪は少ないものの凍結しています。所々で景色が開け、霧氷を前景にした眺めが素晴らしい。1ピッチ登った所でアイゼンを装着。霧氷の樹林の切れ間から見上げる山頂はびっしりと霧氷に覆われ純白に輝いています。黒檜山頂上は霧氷に囲まれ眺めはありませんが、頂上の少し先まで行くと、谷川連峰、武尊山、日光白根山等を眺めることができました。山頂に戻って昼食を食べていると、百名山だけあって続々と登山者がやってきました。
黒檜山を後にして、駒ヶ岳へと向かいます。整備された階段を下り、最低暗部から振り返ると、黄色い熊笹の原と霧氷のコントラストが面白い。ひと登りで駒ヶ岳。ここからの下りも雪は少ないが凍結しており、最後までアイゼンを外せませんでした。駐車場から黒檜山を振り返ると、南面はかなり樹氷が落ちていました。

コーヒーを入れて休憩した後、次回のために車であちらこちらをロケハンしました。最後は沼尻で夕方の風景を撮影。車の横に三脚を立て、コーヒーを飲みながら優雅な時間を過ごしました。肝心の写真の方は、夕日が弱く条件は今一つでした。

2012年12月20日(木)
デジタル完全移行

メインカメラとして長年活躍したペンタックス67U

本格的に山岳写真を始めて中判カメラに憧れ、ペンタックス6×7を購入したのが30年近く前。途中から67Uに替わりましたが、ずっと6×7判をメインカメラとして使ってきました。
そして2003年に最初のデジタル一眼を購入し、それからはフィルムとデジタルを併用してきましたが、デジタルの性能が向上するにつれてその使用比率が増え、今年はとうとうフィルムカメラの出番は一度もありませんでした。さらに今年は私にとって二つの決定的な出来事がありました。
一つ目は、9月の全日本山岳写真展で会場入口の看板写真(3m×1m)にデジタル作品が採用され、デジタルの性能の高さをしっかり確認できたこと。
二つ目は、フィルムからのダイレクトプリントが間もなく終了するという発表が先月あったこと。
これでついに私としてはデジタル完全移行の決心がつきました。
ペンタックス67Uは長年の山行の相棒だっただけに手放したくないという思いがありましたが、全くトラブルもなくまだまだ使える物なので、仕舞っておいて腐らせてしまうよりは誰かに使ってもらう方がカメラも幸せだろうと考え、オークションに出品し、新しいオーナーの元へと渡りました。

このカメラで撮影技術を学び、沢山の作品が生まれ、写真展や印刷物で発表することができました。
長い間、本当にありがとう!

2012年12月11日(火)
丹沢・トレーニング山行

棚沢ノ頭付近から振り返る蛭ヶ岳


塔ノ岳山頂で悠然と草を食べる鹿

12月9日(日)、トレーニングを目的に丹沢日帰り山行を計画しました。今回は撮影よりも沢山歩くことをが目的なので撮影機材は最小限にして、コースは丹沢主脈の逆縦走、焼山から蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳を通って大倉に下るというものです。
この冬一番の冷え込みのようで、フリースを着たまま歩き出します。焼山への尾根に取り付き、石畳のように整備された歩きやすい道をハイペースで進みます。1時間半で750メートルの標高差を稼ぎ、一気に焼山まで登ってしまいました。あまりの調子の良さに自分でもビックリ。ここから姫次までは緩やかな登りが続きます。歩き始めて間もなくシモバシラの群落がありました。尾根上の風通しが良い所では本当に寒い。姫次まで来ると主稜線方面と富士山の方向には雪雲が広がっており、時折ここまで雪が飛んできます。冬型の気圧配置が相当強いようです。蛭ヶ岳の北面は雪で白くなっていました。ダウンを着込んでベンチで休憩。テルモスのお湯でスープを作って腹ごしらえ。蛭ヶ岳への登りは雪が凍っているのではないかと思いましたが、立派な木道(木の階段)が整備されており、全く問題ありませんでした。
蛭ヶ岳山頂では日差しが無く、ダウンジャケットの暖かさが本当に有難く感じられます。鬼ヶ岩の頭から振り返る蛭ヶ岳は堂々として格好が良く、流れる雲の影の変化を見ながらじっくり撮影しました。丹沢山では休まずに素通りし、塔ノ岳まで来ると再び青空が広がり始めました。ここまでの長いコースにさすがに疲れを感じたので、ベンチで温かいコーヒーをいれてひと休み。山頂の一角では立派な角を持った鹿が黙々と草を食べていました。今日の計画は、余裕があれば表尾根を縦走して蓑毛まで行くつもりでしたが、日没の時間を考え、大倉尾根を下ることにしました。体力的にはまだ頑張れそうなので、日の長い季節に再挑戦したいものです。
大倉尾根は小走りで下りました。最後の方ではさすがに筋肉痛を感じ始めましたが、1時間40分で大倉バス停に到着。ちょうど暗くなる寸前でした。

2012年11月27日(火)
谷川岳の展望台へ

霧氷満開、遠くに赤城山


白毛門山頂からの谷川岳(左)と一ノ倉岳(右)

先の三連休は前半が荒れ模様の天気だったので、移動性高気圧に覆われた25日(日)に日帰りで白毛門を登ってきました。たまたま2週連続で水上周辺を訪れたことになります。

前夜、ちらちらと雪が舞う土合駅の駐車場で車中泊。
日曜の朝、登山口の駐車場で準備をしていると、谷川岳方向が朝日で赤く染まっていました。すっかり明るくなった7時過ぎに出発。冬枯れのブナ林を登ってゆくと、すぐに足下に雪が出てきました。尾根に出てからは、雪とぬかるみと木の根で滑りやすい急坂をぐんぐんと登ってゆきます。
1154メートル標高点を過ぎた辺りで、樹林の間から谷川岳東面が見える場所があり、雲が消えゆく一ノ倉岳を撮影。快調なペースで松ノ木沢ノ頭までの登ると、一気に展望が開けました。
ここで膝下くらいの積雪でした。ここからは撮影のために頻繁に立ち止まるため、一気にペースダウン。霧氷で化粧した木々が格好の前景となってくれました。頂上直下の痩せ尾根と岩場をアイゼンを着けて通過し、11時に白毛門の山頂に到着しました。
風はほとんど無く、大展望を眺めながらのんびりと昼食タイム。小1時間ほど休んでから山頂を後にしました。登りで写真を撮り尽くしたこともあり、下山はさすがに早く、2時間ほどで駐車場まで下ってしまいました。

日帰りにもかかわらず期待以上に写真を撮ることが出来たので大満足。帰り道の渋滞もあまり気になりませんでした。

2012年11月21日(水)
晩秋から初冬へ

水上・諏訪峡


OB会に不似合いな?立派なホテルでした


冬の訪れ(一ノ倉沢付近)

先週末の17日(土)から18日(日)は、大学時代の山岳部のOB会があり、水上温泉に1泊してきました。

土曜日の13時過ぎに水上駅に着き、集合時間まで時間があったので、近くの諏訪峡まで散歩して時間をつぶしました。紅葉は既に里まで下りてきており、今がちょうど見頃。一通り撮影して満足したところで雨が降り始めたので、集合場所のホテルへと向かいました。
集まったのは2人の現役を含む18人。現役は2人とも女性だったのには驚きました。欠席の男性1人と合わせて3人で細々を活動しているようです。OB達は、これから部員を途絶えさせないために何ができるかの議論で盛り上がりましたが、現役から見ればうるさい酔っぱらいの爺さん連中に映ったかもしれません。


さて、翌朝も雨が降っていましたが、有志で一ノ倉沢出合までハイキングに行きました。水上駅からバスでロープウェイ駅まで向かいます。標高が上がると雪に変わり、ロープウェイ駅から一ノ倉沢まではスノーハイキングとなりました。雪は少しずつ積もり始め、一ノ倉沢出合では5センチほどの積雪となりました。降りしきる雪で化粧した森が美しい。けれども山は全く見えませんでした。記念写真を撮ってから、来た道を引き返しました。

各駅停車で水上を後にします。沼田まで来ると、もう青空が広がっていました。典型的な冬の天気分布です。これから山は本格的な積雪になるのでしょう。

2012年11月11日(日)
秋川街道〜檜原街道サイクリング

和田峠からの下り


紅葉の南秋川

久々の自転車ネタです。
今年は残暑の厳しさに自転車に乗る気になれず、涼しくなってからネと思いながらも紅葉撮影に忙しく、なかなか出かける機会がありませんでした。けれどももう11月も中旬。このままでは
サイクリングのシーズンが終わってしまうということに気がつき、今年初めて(で最後?)の遠出となりました。

今日は曇り空でしたが、雨が降り出すのは夕方になるとの予報だったので、降り始める前に帰ってくるつもりで出かけました。
早朝の電車で八王子まで行き、コンビニで腹ごしらえをしてから7時30分に走り出しました。陣馬街道を和田峠へと向かいます。八王子市街を抜けると次第に交通量が減り、山里らしいのどかな雰囲気になってきます。陣馬高原下から和田峠までは有名な激坂です。既に十分急なのに、前方にさらに急な坂が現れるのに気が萎えそうになりますが、登山と同じ要領で右、左、とゆっくりペダルを踏み続け、なんとか足を着くことなく和田峠まで上りきりました。八王子駅からの標高差は580メートルです。
峠で一息いれてから、反対側をダウンヒル。一気に標高差450メートルを下り、今度は甲武トンネルを目指して激しいアップダウンの道を走ります。上野原あきる野線に合流してからは標高差350メートル上りっぱなし。これで今日の上りはおしまい。
立派な甲武トンネルを抜ければ五日市駅まで快適なダウンヒルです。つづら折れの道を慎重に下り、南秋川に沿って檜原街道を快調に走ります。この辺りは紅葉が綺麗で、撮影のために何度か自転車を止めました。空が次第に暗くなってきましたが雨に降られることなく、13時30分にゴールの武蔵五日市駅に到着しました。


気温が低いので走っている間はあまり気になりませんでしたが相当量の汗をかいたようで、帰宅してから体重計に乗ったら2キロ減っていました。

2012年11月10日(土)
新人歓迎撮影会

霧のしずく


霧に包まれて

10月27日(土)から28日(日)の1泊2日で、全日本山岳写真協会の新人歓迎撮影会として八方尾根へ行ってきました。

土曜朝7時半に新宿に集合し、高速バスで白馬八方へ。天気予報はズバリ「晴れ」でしたが、見事に外れてどんよりとした曇り空で、一時雨も降りました。渋滞のため1時間ほど遅れて14時頃に八方着。ゴンドラの途中が紅葉のピークでした。リフトを2本乗り継ぐとガスの中に入ってしまいました。リフト終点の目の前が八方池山荘。まずはチェックイン。外はガスで視界ゼロでしたがせっかく来たのだからということで、カメラを持って近くを歩いてみることに。目の前の枯れた草か足下の岩くらいしか写すものがありませんが、意地で何枚かシャッターを押しました。小1時間遊んで山荘に戻り、風呂に入ってから即席の写真教室。バイキング形式の夕食の後は、食堂で自己紹介と写真教室の続きで盛り上がりました。

日曜日は朝から本降りの雨。朝食の後は、食堂横の大広間を借りて11時まで写真教室をやりました。自分の撮影行のパターンを紹介しながら質問に答える形式で話をしました。山行の計画段階から、行動パターン、心構え、機材の使い方、構図についてなど、皆熱心に聞いてくれて質問も沢山飛び出し、少しはお役に立てたようです。
雨具を来てリフトで下ります。乗り換え場所で撮影しながら下り、タクシーで菊池哲男さんのギャラリーへ。白馬の素晴らしい作品をゆっくり鑑賞したあとはのんびり歩いてバスターミナルへと向かいました。中央高速では途中渋滞があり、30分ほど遅れて21時前に新宿解散となりました。

2012年11月6日(火)
秋晴れの瑞牆山・金峰山

賑わう瑞牆山頂上


鷹見岩からの金峰山


金峰山からの八ヶ岳と瑞牆山(右)

少し時間が経ってしまいましたが、10月13日(土)から14日(日)の2日間で、久しぶりに奥秩父へ行ってきました。今回は職場の山仲間のGさん、Kさんと3人での山行です。

13日(土)早朝に横浜を発ち、登山口の瑞牆山荘前から1時間ほど登った富士見平小屋で、林の中の気持ちの良いキャンプ場にテントを張りました。
軽いザックで瑞牆山を往復します。若者が多いのには驚きました。服装もファッショナブルで、いかにも楽しげです。自分が一気に古い人間になってしまったかのように感じてしまいましたが、それはともかく、若者が山に戻ってきたのは喜ばしいことです。山頂も大賑わい。気持ちの良い大展望が広がっていました。 昼食を食べて小1時間ほどのんびりしてから富士見平へと下りました。
午後はGさんと二人で以前から気になっていた鷹見岩へ。大日小屋の手前で右の道に入り、シャクナゲが密生する林の中を登ると、見晴らしの良い岩峰の上に飛び出します。金峰山が目の前にどっしりと聳えていました。日没まで居たいところでしたが、そういう訳にもいかず、一通り写真を撮ってからテントへ引き返しました。
夕食は美味しいきのこ汁。担ぎ上げたビールと日本酒ををいただいて最高にいい気分。夜になると結構冷え込んできました。

14日(日)、4時半起床。薄雲が広がりぼんやりと星が見えています。今日は金峰山を往復します。
明るくなる頃に出発。途中まで昨日の道を辿って大日小屋へ。ここから大日岩までひと登り。稜線直下の岩場では南アルプスと八ヶ岳が望まれ、思わず歓声が上がります。秋の朝らしく大気が澄み切った清々しい展望です。稜線に出た所が大日岩の基部。大展望をバックに記念撮影をしてから、樹林の中を金峰山へと向かいます。やがて森林限界。風が冷たいですが、360度の眺めが広がります。登るほどに遠くまで望めるようになり、南北中央アルプスと八ヶ岳に上信越の山々も。振り返れば昨日登った瑞牆山がとても低く見えます。五丈岩に向かって気持ちの良い稜線を登ってゆきます。
頂上は今日も大賑わいでした。記念写真を撮り、岩陰で風を避けて昼食を食べ、山頂を後にしました。30分ほど下った所で写真を撮っていると、足元にオコジョが現れました。すぐに居なくなったかと思うと思わぬ所からこちらを見ている。まさに神出鬼没ですが、なんとか1カットだけカメラに収めることができました。下りのペースはまずまずで、1ピッチで大日岩まで下りてきました。空には雲が広がり始め、晴天は終わりのようです。樹林帯に入り、紅葉を楽しみながら富士見平へと下りました。
テントに戻るとさっさと撤収して瑞牆山荘へ下山。増富の湯に寄ってさっぱりしてから帰途につきました。

2012年10月21日(日)
紅葉の南アルプス南部

ウラシマツツジの絨毯


荒川小屋付近からの朝の荒川三山


霜が降りました


ダケカンバの黄葉と赤石岳


赤石小屋からの赤石岳
10月6日(土)から9日(火)の4日間で、久しぶりに荒川三山〜赤石岳を歩いてきました。簡単にレポートします。

自宅を前夜に発ち畑薙の駐車場で仮眠、6日朝に東海フォレストの送迎バスで登山口の椹島まで入りました。1日目は千枚小屋まで長い尾根道を登りました。天気は良いものの展望のない樹林帯をひたら登り、千枚小屋でテント泊。

7日、夜中からの雨が朝になっても止まず、暫く様子を見ます。9時頃になって雨は上がり、空が明るくなってきたので出発。霧に包まれた稜線を悪沢岳へと登ってゆくと、ウラシマツツジの深紅の絨毯が見事でした。山が見えたらさぞかし素晴らしいだろうと思いながら歩いていると、再び雨が降り始めました。時々空が明るくなり一瞬青空が顔を出すことはありましたが、結局夕方まで回復することはありませんでした。荒川中岳から主稜線を下り荒川小屋周辺まで来ると、一面の紅葉の中に入ってゆきます。小屋のテント場でテントを張りました。夜になって漸く雲が切れ、星が出てきました。

夜中は結構冷えこみ、8日の朝はフライシートが霜でバリバリに凍っていました。やっと晴れました。喜び勇んで暗いうちにテントを畳んで出発。紅葉と荒川三山の眺めが良い場所で三脚を立て、日の出を迎えます。気持ちよくシャッターを押しまくりました。大聖寺平の日陰では、地面の小さな植物が霜で化粧していました。日陰になった寒い大斜面を登って小赤石岳の肩に出ると、太陽の光を浴びるようになり、大展望が広がります。気持ちの良い稜線を赤石岳まで往復してから赤石小屋へ向かって下りました。北沢カールから小赤石尾根へとトラバースしてゆく所も紅葉が見事です。これまでに何度も訪れていますが、間違いなく今回の紅葉が一番でしょう。少し歩いては立ち止まってカメラを構えるので、なかなか進むことができません。赤石小屋に着いた時には写真の撮りすぎでぐったり疲れてしまいました。この日は小屋泊まりとします。今シーズンの最終営業日で宿泊客は6人だけ。スペースはゆったり、夕食後には焼酎をいただき、快適な一夜となりました。

9日、朝の撮影のために暗いうちから富士見平まで登りました。頭上は青空なのですが東の空が雲に覆われ、朝日は顔を出しませんでした。8時まで粘り、諦めて下ろうとした頃、やっと太陽が雲の上に出てきました。それまで暗く沈んでいた紅葉の赤石岳が一気に輝きを増し、慌ててカメラを構えました。
赤石小屋へ戻り、小屋の前のベンチで朝食のラーメンを作っていると、小屋の人がコーヒーをサービスしてくれました。青空に映える紅葉の山々を眺めながらの贅沢なコーヒータイムとなりました。お世話になった小屋に別れを告げ、椹島まで樹林帯を下ります。もうカメラはザックに仕舞い、転ばないように慎重にゆっくり歩きましたが、体調が良いのか、なんと2時間半で下り着いてしまいました。
シャワーを浴び、白籏史朗写真館を見学し、14時の送迎バスで帰途につきました。
2012年9月30日(日)
日帰りで鳳凰三山へ

紅葉の地蔵岳


ダケカンバの黄葉

この週末は職場の山仲間Gさんと1泊で紅葉の鹿島槍ヶ岳へ行く予定でしたが、台風が接近中で日曜の天気が絶望的に。急遽、29日(土)に鳳凰三山日帰りに変更しました。

青木鉱泉からドンドコ渓谷コースを登ります。やや雲が多いのが気になりますが、遥か上の稜線が色づき始めているのが見え、期待に胸が高鳴ります。途中いくつもの滝の眺めを楽しみながら、急な登山道を快調なペースで登ってゆきます。鳳凰小屋に着く頃にはすっかり晴れ上がりました。地蔵岳を見上げながら、砂のように足元が崩れやすい急登をひと頑張りで赤抜沢ノ頭へ。ナナカマドの赤とダケカンバの黄色がまずまずの色づきですが、紅葉のピークはもう2、3日先のようです。色づきの良い木を探しながら夢中で写真を撮りまくりました。稜線に出れば目の前に白峰三山がドーンと現れます。観音岳への縦走路では足元のウラシマツツジや枝振りの良いダケカンバなど、被写体に事欠きません。観音岳で少しのんびり休んでから、なだらかな稜線を薬師岳へと向かいました。薬師岳からは中道コースを下山。少し下るとすぐに樹林帯となり展望が無くなります。カメラをザックにしまい、黙々と下ります。既に足には疲労が溜まっていましたが、よくもまあこんなに登ってきたものだと自分の足に感心しながら青木鉱泉を目指しました。

今回のコースは標高差約1800メートルで標準コースタイムは12時間以上。写真を撮りながら10時間で歩くことができ、大満足の山行となりました

2012年9月11日(火)
写真展風景






本日をもって、11日間にわたり開催された全日本山岳写真展が終わりました。会員にとっては年に一度のお祭りが終わり、ほっとすると同時に一抹の寂しさも感じます。
今年も連日多くのお客様をお迎えしました。山に若者が増えつつある昨今ですが、写真展を訪れる若い人が増えたように感じるのは気のせいばかりではなさそうです。世代を超えて、山の魅力、自然の美しさと厳しさをお伝えすることができたと思います。

今年は東京芸術劇場リニューアル記念の一環で、最初で最後
の試みとしてフォトセミナーを開催しました。セミナーには我々の予想を遥かに超えるお客様が押し寄せたため、入場整理を巡ってご迷惑をおかけし、お叱りも受けました。主催者側の一人として、この場を借りてお詫び申し上げます。

この後は作品の一部が名古屋と静岡を巡回します。各会場近隣の方にはぜひご覧いただきたいと思います。詳しくは写真展案内をご覧ください。

また、すぐに来年の写真展へ向けての準備が始まります。毎年ご覧いただいている皆様をがっかりさせることのないよう、常に「これまで以上」を目指しつつ、新しい作品の撮影と写真展準備に取り組んでゆきたいと思います。



<写真上から>
・新装なった東京芸術劇場
・一新されたアトリウム
・混雑する写真展会場入口
・多くのお客様からお褒めの言葉を
 いただきました

2012年8月31日(金)
全日本山岳写真展 いよいよ開幕

ご来場をお待ちしています

2012全日本山岳写真展の会場飾り付けが無事終わり、明日、9月1日(土)13時より開場いたします。
今年は2つのギャラリーを使って展示していますので、例年よりもゆったりとご覧いただけると思います。

また、会場入口の看板写真(1m×3m)に私の作品が使われています。写真展終了後は当作品を展示・保管するスペースがありませんので、ご希望の方に無料でお譲りいたします。(できるだけ多くの方に楽しんでいただくため、公共性のある施設等を優先させていただきます。)
お申し込み方法は、会場入口の受付でおたずねください。

ぜひ多くの皆様にご覧いただきたいと思います。詳しくは写真展案内をご覧ください。

2012年8月26日(日)
南アルプス・秘境の山旅(5)

夜明けの富士山
8月18日(土)、夜中のうちに雨は止み、少し風が吹いていました。4時起床。フライシートのジッパーを開けて外を見ると、明るくなり始めた雲の切れ間に富士山が見えていました。フライも乾いています。雨の中でテントを撤収かと思っていたのでホッとしました。朝食を食べ終わると、食料の残りはもうほとんどありません。テントを畳み、軽くなったザックを背負い、今回の山行の最高点を目指します。曇り空ながら中央アルプスから北アルプスまでよく見渡せました。昨日登った源流部が見下ろせます。山頂では我々の他に登山者は居ませんでした。展望を楽しみ、記念撮影をしてから山頂を後にします。稜線の快適な道を下り、3日前に登った道に戻ってきました。いつしかガスに包まれていました。急な道を谷間へと下ってゆきます。途中で昼食を食べていると、今日もまたパラパラと雨粒が落ち始めました。河原を過ぎ、森の中の道を歩き、小屋の所で休憩のため屋根の下に入るのと同時に土砂降りになりました。あまりのタイミングの良さにビックリ。ここからは雨具を着込んで下ります。沢を渡る所では増水のため橋が流されて無くなっていました。深さが分からない濁流に一瞬躊躇しましたが、沢靴に履き替え、木の棒で深さを探りながら無事渡ることができました。この先はもう悪い場所は無く、晴れたり降ったりと激しく変化する天気の中を下山しました。

今回は天候が非常に不安定で、晴れたのは1日だけでした。作品といえるほどの写真は撮れませんでしたが、純粋に「山旅」として南アルプスの原点を満喫した気がします。
2012年8月26日(日)
南アルプス・秘境の山旅(4)

大物!
8月17日(金)、6時起床。まだ寝るという息子をテントに残して一人で釣りに出ます。何ヶ所かで糸を垂れましたが、結局、テントの目の前で大きめを2匹ゲットしました。この2匹を岩魚汁にして、昨日の塩焼の残りで豪勢な朝食となりました。
出発はかなり遅くなってしまいました。大きな滝は、右岸の踏み跡にから巻き気味に問題なく通過。ここより上流には岩魚は居ないと思いきや、全くそのようなことはなく、相変わらず足元に影が走っています。両岸の踏み跡を交互に拾いながら効率よく進みます。いつの間にか曇ってしまい、やがて雨が降ったり止んだりの天気になりました。少しずつ傾斜が強まってきます。突然目の前に現れた淵に岩魚が群れていました。中にはかなりの大物も居ます。思わず息子と顔を見合わせ、竿を出すことにしました。交代で糸を垂らし、小物はリリースして大物を狙います。まずまずのサイズを1匹確保したのに続けて息子が初めて尺岩魚を釣り上げました。2匹をその場で捌き、晩のおかずとしてザックに仕舞いました。少し登った所で昼食。いよいよ源流が近づいたようで、ここから一気に傾斜が強まってきました。急登に苦しむことちょうど1時間で、ついに登山道にぶつかりました。水筒を満タンにして、稜線の小屋を目指します。水平道かと思いきや結構アップダウンが多く、主稜線直下の急登は特に苦しみました。
小屋に着く頃、雨は本降りとなり、雷も激しくなってきました。受付をして、雨の中大急ぎでテントを張ります。中に入って一息ついたところで乾杯。ものすごい雷鳴を聞きながら、今日釣った岩魚をガスコンロでじっくり焼きました。
明日はいよいよ下山日ですが、天気予報では雨と言っています。
2012年8月26日(日)
南アルプス・秘境の山旅(3)

夜明けの星


竿に神経を集中
8月16日(木)、2時半起床。文句なしの満天の星空です。朝食の前に星空の撮影。熊への用心のために鈴を鳴らしながらテントを出て、池のほとりに出て三脚を立てました。シャッターを開いている間に水面をぼーっと見つめていると、音もなくすーっと流れ星が映りました。
すっかり明るくなってからテントを畳み、池に別れを告げます。水が流れ出す所は倒木の堰のようになっていましたが、水が少ないためか伏流になっていました。登山靴のまま大岩の沢を少し下ると水が流れ出していました。ここで沢靴に履き替え、積極的に水の中に入りながらぐんぐん下ります。2時間ほどで傾斜が無くなり、大きな本流の河原に出ました。河原で腹に軽く物を入れて、上流を目指します。水量はさほど多くなく、気軽にジャブジャブと渡渉できます。早速、足元に岩魚の黒い影が走りました。やがて河原が狭くなり、良い雰囲気になってきました。標高2000mを越えた気持ちの良い木陰でのんびり昼食にします。ここから先は両岸の踏み跡を拾いながら順調に遡ってゆきましたが、今日の幕営予定地を気付かずに通り過ぎてしまったようで、次第に沢の傾斜が増し、小滝の連続なってしまいました。一旦ザックを下ろし、息子を待たせて偵察に行こうと右岸を一段上がると、ちょうどテント一張分の平坦地を発見し、ここを今日の泊まり場に決定。
テントを張り、いよいよお楽しみの釣りです。テントの前から小滝と淵が連続しており、すばらしい渓相です。釣り糸を垂れて間もなく、岩魚が釣れ始めました。息子も比較的順調に釣れている様子。同じ場所で何匹も釣れてしまうほど魚影が濃く、サイズもまずまず。少し釣り上がると大きな滝が見えてきました。結局、2時間ほどで15匹を釣り上げ、満足して竿を収めました。
泊まり場に戻って私が魚を捌き、息子は焚き火の準備。魚は大きな4匹を刺身にし、10匹は串に刺して塩焼きに。刺身の後のアラと一番小さな1匹を岩魚汁にします。デザートのプリンも作りました。魚が焼けるまで時間がかかるので、先に刺身と岩魚汁にフリーズドライの中華丼で夕食を食べ、後から塩焼きをいただきました。6匹を食べ、4匹は明日の朝食のおかずに残します。充実した1日に満足し、22時半にシュラフに入りました。
2012年8月26日(日)
南アルプス・秘境の山旅(2)

苔むす源流


神秘的な池
8月15日(水)、2時半起床。ぼんやりと星が見えていました。ところが、朝食を食べてテントを撤収していると、ポツポツと雨粒が落ちて来ました。相変わらず不安定な天気のようです。
ヘッドランプの明かりで出発。次第に空が明るくなり、やがて真っ赤に空が焼けました。河原に出た所で振り返ると富士山が大きく聳えています。ここから稜線までは厳しい登りが続きます。ゆっくりペースで一歩一歩着実に標高を稼いでゆきます。事前に覚悟していたためか意外に順調で、気が付けば森林限界を抜けていました。ガスに包まれてしまい全く展望はありません。稜線に出ると汗で濡れた体に風が当たり、雨具を着ましたがそれでも寒い。ここで昼食にします。温かい味噌汁が美味しい。メインルートに向かう他の登山者とは反対のピークに向かいます。頂上の少し手前でとうとう雨が降り始めました。頂上で少し休んでから、目的の沢を下ってゆきます。昔は登山道があったルートで、意外にしっかり踏み跡がついていました。沢が大きく右にカーブするあたりからはガラガラの岩の上をゆきます。時々ハイマツの中で踏み跡を見失います。やがて樹林帯に入り、やがて苔の間から水が湧き出していました。めったに人が訪れることのない秘境の泉です。ここからは左岸の踏み跡をたどり、平坦になると森の向こうに池が姿を現しました。期待通りの神秘的な場所です。綺麗な小沢が池に流れ込む近くにテントを張りました。小沢の周囲には鹿の足跡が入り乱れていました。
時々ザーッと雨が降ったかと思う間もなく日が射してくる、変わりやすい天気です。天気図を書いても、相変わらず翌日の天気がよく分かりません。けれども天気予報は明日は晴れると言っています。夏山らしい天気になってほしいものです。
2012年8月26日(日)
南アルプス・秘境の山旅(1)

霧に包まれて


午後になって青空が広がりはじめた

前回の黒部源流に続き、今回も息子のリクエストに応じて釣り山行。前から気になっていた、南アルプスの秘境を訪ねる山行を計画しました。今回は敢えて具体的な場所を書かないことにしました。南アルプスの地図を眺めながらコースを想像してみてください。

8月13日(月)、小雨の中、谷間の山小屋を目指します。6日分の食料と沢装備が入ったザックが重い。左からの2本の支流を渡るとしばらく急な登りが続きますが、所々にカツラの巨木がある美しい森は、私の好きな場所です。その後本流を2度渡ると間もなく目的の小屋に到着しました。受付をしてテントを張りましたが、まだ昼を過ぎたばかり。午後は降ったり止んだりの雨音を聞きながら昼寝です。夕方に書いた天気図は、日本海に停滞前線が横たわり、まるで梅雨のような気圧配置です。明日に天気が不安でしたが早めにシュラフに入りました。

8月14日(火)、夜中は雨が降ったり止んだり、また、雷光も見える荒れ模様の天気となりました。明け方にはさらに雨脚が強まり、停滞を決定。10時頃になって少し明るくなったかと思うと富士山が見え始め、やがて雨が上がりました。テントの周りを散策しているうちに青空も見え始め、昼頃には気持ちよく晴れ上がりました。午後は干し物をしたり昼寝をしたりしてのんびりと過ごします。ラジオからは各地の大雨のニュースが流れています。天気図は相変わらずはっきりしませんが、明日は少しは良くなりそうな気配です。

2012年8月5日(日)
黒部源流釣り山行(6)

薬師峠幕営地の明かりと星空

7月28日(土)、最終日の朝は2時半に起きて星の撮影に出ました。空が白み始める頃テントに戻り、ラーメンの朝食を食べ、テントを撤収。いつの間にか曇ってしまい、薬師岳はガスに包まれています。太郎平小屋から折立に向かって下り始めると再び天気が回復し、薬師岳もすっきりと姿を現しました。今日は朝から続々と登山者が途切れることなく登ってきます。山小屋は今夜は大変な混雑になりそうです。標高が下がるにつれて暑くなってくきました。樹林帯に入って日差しから逃れることができホッと一息つきましが、折立までは意外に長く感じられました。
車に戻って昼食を食べてから温泉目指して山を下ります。平湯温泉で「ひらゆの森」に寄って1週間分の汗と垢を流し、夕食は諏訪のステーキ屋で腹一杯食べ、1週間の山行を締めくくりました。

2012年8月5日(日)
黒部源流釣り山行(5)

赤木岳付近のハクサンイチゲと薬師岳

7月27日(金)、3時半起床。昨日に続き素晴らしい天気です。五郎平を後に、黒部五郎岳のカールへと入ってゆきます。岩と残雪、花とせせらぎに心が安らぎ、期待通りの素敵な場所です。撮影に忙しく、なかなか前に進みません。カール壁を登って稜線に出ると、頂上への分岐に着きました。ザックをデポして頂上を往復。入山5日目にして初めての頂上です。少し雲が湧き始めましたが最高の眺めを楽しみました。記念撮影をしてから分岐へ戻り、ガラガラの斜面を一気に下ります。2578m標高点で昼食休憩。ここから北ノ俣岳までアップダウンを繰り返しながら標高を上げてゆきますが、意外に長く疲れを感じました。北ノ俣岳を越えて少し下ると、ハクサンイチゲの見事なお花畑が広がっていました。長くダラダラとした下りに少々うんざりしながらも、無事太郎平小屋に到着。小屋の前は大勢の登山者で賑わっていました。薬師峠の幕営地にも既にかなりの数のテントが張られていましたが、何とかスペースを確保することができました。
歳のせいか筋肉痛が治らず、息子も「疲れた」と言っているので、明日は薬師岳の往復はせずに下山することにしました。夕食は豪勢に麻婆春雨とハヤシライスに米2.5合を炊きましたが、ぺろりと平らげてしまいました。

2012年8月5日(日)
黒部源流釣り山行(4)

五郎沢左俣源流部からの黒部五郎岳
7月26日(木)、昨日があまりにも疲れたため、源流まで遡るのを止めて、ここから五郎沢を登ってショートカットすることにしました。すっかり明るくなってから起き出します。やっと快晴の朝となりました。朝食用の岩魚の調達に出ましたが、私が1匹釣っただけで終わってしまいました。釣った岩魚を味噌汁に入れ、フリーズドライの親子丼で朝食にしました。
テントを撤収し、五郎沢の冷たい流れで頭を洗ってすっきりしてから登り始めます。昨日の高巻きで筋肉痛がひどく、大きな一歩がなかなか上がりません。最初からバテ気味でペースもあがりません。左俣に入ると傾斜が急になります。休憩を入れながら頑張ると、急に傾斜が無くなり、右手に黒部五郎岳のカールが見える広々とした所に飛び出しました。思わず歓声が上がります。足元にチングルマが咲く別天地。ここから黒部五郎小屋までは踏み跡が続いていました。
幕営の受付は一番乗りでした。小屋の前の水場で冷やされていたりんごを思わず買って丸かじり。テントを張ってからビールとジュースで乾杯し、昼食にしました。午後は昼寝をしたり撮影をしたりしてのんびり過ごします。広々としてとても気持ちの良い場所です。一日の終わりを美しい夕焼けが飾ってくれました。
2012年8月5日(日)
黒部源流釣り山行(3)

赤木沢出合


山の恵み
7月25日(水)、3時半起床。予想よりも雲が多いですが、回復傾向にあることを信じて黒部に入ることにします。昨日と同じ道を下り、薬師沢小屋を目指します。薬師沢小屋のテラスから梯子を伝って河原に下り、沢の足ごしらえをして溯行を開始。左岸の河原を進みます。時々流れに入ると岩魚が逃げる姿を見ることができます。深いトロは右から巻くことができますが、1箇所どうしても巻き道が見つからず、少し下流に戻ったところで右岸に渡渉しました。流れが強いので息子と手をつなぎ、一人ずつ交互に動く作戦でうまく突破。息子もすっかり体格が大きくなったので、このような時に十分頼りになります。少し遡ってから再び左岸に渡ります。今度は大きく高巻く所がありましたが、反対側の下りがいかにも悪そうな外傾した岩場だったため、ロープを出しました。私が先に下りますが、ほとんど足場が無いので結果的にロープにすがって下ります。一旦スリップして大きく振られてしまいました。続けて息子が下りますが、別の部分でスリップし一瞬ヒヤリとしました。もう一度長い高巻きを経て、美しい赤木沢出合に到着。ここで昼食休憩。滝の落ち口を右岸に渡って兎平へ登り、少し上流で再び河原へ戻ります。ここから先は悪場は無く、岩魚を見ながらジャブジャブと遡ってゆきます。かなり疲れを感じた頃、やっと五郎沢出合に到着。五郎沢を渡った先の台地にテントを張りました。
早速、岩魚釣りに出ます。3時間かけて私が4匹、息子が2匹、計6匹を釣りました。薪を集めて火をおこし、4匹を塩焼きに。大きな2匹は刺身に挑戦しましたが、1匹目はぐちゃぐちゃになってしまい、味噌汁の具に変更。2匹目は何とか味見程度の量の刺身になりました。結局夕食にありついたのは22時。けれども、刺身も塩焼きも岩魚汁も最高に美味でした。息子は夕食後すぐに寝てしまいました。私は外で片付けと星の撮影。谷間はかなり冷え込み、焚き火に当たっても背中が寒いほどでした。
2012年8月5日(日)
黒部源流釣り山行(2)

岩魚定食!

7月24日(火)、3時起床。雲が多く夕立の心配があり、今日は黒部源流は止めて薬師沢で釣りをして遊ぶことにしました。
釣り道具を持って薬師沢まで下り、左俣渡渉点で沢靴に履き替えていると、すぐ横の流れの中に小さな岩魚がのんびりと漂っていました。左股を本流まで下り、そこから釣り上がります。いかにも岩魚が居そうなポイントが続き、まずまずの型の岩魚が釣れ始めました。時々雲が切れて強烈な日差しが当たります。増水後に水が引いて出来た水たまりに沢山の岩魚が閉じ込められているのを息子が見つけました。膝まで浸かって岩魚の掴み取りです。大小合わせて8匹を捕まえましたが、大きな岩魚は頭だけが大きく体は痩せていました。今日食べる分だけを残して、本流に戻してやります。昼食を食べてから再び釣り上がり、登山道が横切る所で釣りはおしまい。1時間ほどかけて太郎兵衛平へ登り返し、テントに戻りました。
夕食は、コンロでじっくりと焼いた岩魚の塩焼きと岩魚汁、海藻サラダ。息子は「美味い」を連発し、凄い勢いで食べてしまいました。結局、心配した夕立はありませんでした。明日は安定した晴天になりそうです。黒部への期待を胸に、早めにシュラフに入りました。

2012年8月5日(日)
黒部源流釣り山行(1)

ニッコウキスゲ

いよいよ息子との黒部源流山行の本番です。

7月22日(日)の朝、自宅を出発。松本から安房峠、神岡を経由して登山口の折立まで入り、無料のキャンプ場に泊まりました。

翌23日(月)、車にデポする物を片付け、一番のバスが着く前に登り始めます。樹林帯では所々に立山杉と思われる巨木がありました。樹間から光芒となって射し込む朝日が美しい。森林限界を抜けると、広々とした草原の間の広い道を登ってゆきます。ニッコウキスゲが咲き始めていました。ガスがかかったり晴れたりとはっきりしない天気ですが、木陰が無いコースなのでかえって助かります。薬師岳の山頂部はずっと雲に隠れて見ることができません。昼前に太郎平小屋に到着。小屋前のベンチで一息入れてから薬師峠の天場へ向かいます。
時間が早いので天場は空いていました。黒部五郎岳が見える一等地にテントを張り、午後をのんびりと過ごします。14:00にようやく受付が始まり、ビールとジュースを買ってきて乾杯。夕方、撮影に出ましが雲が多く写真になりませんでした。

2012年7月16日(月)

屏風岩付近からの眺め


ヤマオダマキ

この夏は次男を連れて北アルプスへ行くことになりました。15日(日)、しばらく山に登っていない次男のトレーニングのために三ツ峠山へ行ってきました。

中央高速を走っていると時折小雨が落ちてくる不安定な天気です。三ツ峠グリーンセンターの駐車場に車を置き、身支度をして歩き始めます。達磨石まで急な車道を登ってゆきます。道の両側が公園のように綺麗に整備されているのには驚きました。達磨石から登山道に入ります。初めは息子の調子を見ながらゆっくりとしたペースで歩きましたが、意外に大丈夫なようで、途中から通常のペースで快調に登ります。時折薄日が射し、全身から汗が噴き出しますが、風が心地よく冷却してくれます。樹林の間から見る富士山はかなり雲に隠れていました。途中で1回休憩を入れ、歩き始めてから3時間ほどで屏風岩の基部に着きました。岩壁には大勢のクライマーが取り付いています。学生時代が懐かしく思い出されます。急な階段を四季楽園まで登って、とりあえす頂上へ。頂上は風が強かったので、四季楽園まで下ってテラスのベンチで昼食にしました。下山は木無山からなだらかな尾根を河口湖駅まで。歩きやすい快適な道が続きます。午後になって天気が良くなり、富士山がかなりはっきりと見えるようになってきましたが、山頂部は雲に隠れたままでした。途中でシートを広げて休憩していたら眠くなってしまい、10分ほどうたた寝をして、スッキリしたところで再び歩き出します。カチカチ山ロープウェイまで来ると観光客で賑わっていました。最後はあじさい公園の階段を下り、ジリジリと暑い街の中を河口湖駅へ。
観光客で混雑するホリデー快速で三ツ峠駅へ戻り、最後は三ツ峠グリーンセンターまで20分ほどの車道歩き。グリーンセンターの風呂でさっぱりしてから帰途につきました。

2012年7月3日(火)
廻り目平で釣り

雨に煙る金峰山川

以前から次男が釣りをしたがっていたので、久しぶりに釣りだけでのんびりと週末を過ごすのも悪くないと思い、6月30日(土)に奥秩父の廻り目平に1泊して岩魚釣りをしてきました。
土曜日は爽やかな梅雨の晴れ間となり、とても気持ちの良い1日でしたが、釣り人が多く全く釣れません。結局、誰も来そうもない小さな沢で息子が1匹だけ釣ったところで終わりました。
翌7月1日(日)は朝から小雨模様となりました。すぐ近くの金峰山川で釣ることにします。この天気のせいか川は貸し切り状態。白っぽい岩の上を澄みきった水が流れ、とにかく美しい川です。いかにも岩魚が居そうな小滝が続き、わくわくしながら糸を垂れました。結局、昼過ぎまで楽しんで5匹を釣り上げました。意気揚々とキャンプ場に戻ってくるともう人っ子一人居ませんでした。雨脚が強まってきた中、東屋で昼食を食べてから、岩魚を土産に家路につきました。

2012年6月19日(火)
櫛形山・初夏の森

森の小径


小さな命

梅雨に入り週末は雨ということで土曜日は家でのんびりしていましたが、17日(日)の午後には天候が回復するとの予報に、急遽櫛形山へ行くことにしました。
天気が次第に良くなる方向なので、ゆっくり6時半に家を出発。甲府ではまだ雨が降っていましたが、中尾根の登山口、県民の森に着くと、ちょうど薄日が射し始めました。
森の中を登り始めると、ハルゼミが一斉にジーコジーコと鳴き始めました。登山道の地面のクッションが心地よく、大汗をかきながらも快調なペースで登ってゆきます。途中、林道を横切るところで小休止。ふと気が付くと傍らにイカリソウが咲いていました。ここから上は、いかにも櫛形山らしい雰囲気の森になり、写真を撮りながらゆっくりと登ります。ほこら平の綺麗な避難小屋で昼食。原生林コース経由でアヤメ平へと向かいます。ほとんど無風で、期待通りに霧が流れたり薄日が射したりと、絶好の撮影条件。人気の山にも関わらず、今日はほとんど誰に会いません。静かな森に鳥のさえずりが響いています。久しぶりにじっくり動画も撮影しました。アヤメ平は鹿の食害で今や見る影もなく、ただの荒れ地になってしまったのが残念です。今回のコース上ではアヤメを1本も見ることができませんでした。
裸山経由でほこら平へ引き返します。再び原生林、巨木、サルオガセと次々に被写体が現れ、なかなか進むことができません。16時半まで撮影したところでカメラを片付け、下山を急ぎました。中尾根の下りはとても歩きやすく、なぜか体も軽く、小走りで下れてしまいます。結局、コースタイムの半分の時間で標高差1000メートルを下ってしまいました。

2012年5月28日(月)
川苔山から本仁田山へ

涼を求めて


新緑と百尋ノ滝

50を過ぎると、ちょっとサボるとすぐに筋肉が落ちてしまうので、山行の間隔が空くと毎回ひどい筋肉痛になってしまいます。前回の丹沢からもう2週間。週末の好天に誘われて、トレーニングを兼ねて27日(日)に奥多摩の川苔山と本仁田山を歩いてきました。

奥多摩駅からバスに乗り、登山口の川乗橋で下車。一緒に降りたハイカーの数の多さに唖然としましたが、林道を歩き始めれば次第にうまい具合にバラけてくるものです。川苔山の魅力は、なんといっても川乗谷の渓谷美。新緑の中の流れに心が洗われるようです。小一時間の車道歩きのあと溪谷沿いの登山道に入ります。いくつかの滝を見ながら遡り、立派な百尋ノ滝でクライマックスを迎えます。滝壺の広場で大勢のハイカーが休憩していました。ここで溪谷を離れ本格的な登りとなります。なぜかハイカーがぐっと減り、静かな登山道です。むせかえるような緑の中を、気持ちよい汗を流しながらハイペースで川苔山まで登りました。山頂に着けば、やはり大勢のハイカーが思い思いに弁当を広げていました。自分も弁当を食べながら通り過ぎる登山者のファッションを観察。ベテラン風の熟年夫婦、大学のサークルと思われる一団、雑誌から飛び出してきたようにバッチリ決めた山ガール・・・お手軽な奥多摩だけあって、色々な人が居て面白い。
さて、トレーニングが目的なので隣の本仁田山まで足を延ばします。こちらのコースは人が少なく静かでした。本仁田山からは奥多摩駅まで一気に下ります。麓の車道に出るまで標高差700メートルほどですが、急な下りが息つく間もなく続き、予想以上に足にこたえました。
ビールを買ってから電車に乗り込み、ほろ酔い気分で帰りました。

2012年5月18日(金)
ブナの若葉きらめく丹沢

陽光にきらめく臼ヶ岳南尾根のブナ


コイワザクラ(蛭ヶ岳にて)

晴天となった5月13日(日)、久しぶりに丹沢の臼ヶ岳南尾根へブナに会いに行ってきました。

朝6時に玄倉林道のゲートから歩き始めます。緑があふれ、車が来ないので、歩くのが気持ちよい林道です。玄倉川の谷間からはカジカガエルの美しい鳴き声が聞こえてきます。2時間かからずにユーシンに到着しました。ここから臼ヶ岳南尾根を登ります。一般登山道ではありませんが踏み跡が割としっかりついているので迷うことなくぐんぐん標高を稼ぎます。1196メートル標高点の一帯には見事なブナ林が広がっています。ゴールデンウィークから1週間、ちょうど瑞々しい若葉が広がり始めたところで、その美しさに独りなのに思わず声が出てしまいます。今回は6×7判のフィルムカメラも持ってきたので、じっくり三脚を立てて撮影し、かなり長居してしまいました。いつまでも撮影していたいところですが、今日の行程は先が長いので、ほどほどで撮影を切り上げました。ここから臼ヶ岳までは尾根上を忠実に辿ります。最後はずり落ちそうなほど急な所を木などに掴まりながら登り、傾斜が緩くなると臼ヶ岳の頂上でした。いつの間にか曇ってしまいましたが、蛭ヶ岳の登りではあちらこちらにコイワザクラの可愛らしい花が咲いていました。昔は蛭ヶ岳から直接ユーシンへ下る道がありましたが今は廃道になってしまったため、蛭ヶ岳の先の棚沢の頭からユーシン
下ります。この尾根も途中にブナ林が広がっています。若葉の美しさにカメラを出さずには居られませんでした。結局熊木沢出合の河原に着いたのが17時。あとはひたすら林道を歩き、真っ暗にになる寸前の19時頃に林道ゲートに着きました。

日が長い季節なので長時間のコースを日帰りで歩くことができましたが、撮影時間も含めて13時間もの行動になったため、さすがに疲れました。とはいえ、とても充実した1日でした。

2012年5月4日(金)
今年もGWは越後の山へ(4)

ブナの若葉

5月2日(水)、どんよりと曇っており、今日も強風です。今日のコースには点々と目印の旗竿が立てられているのが助かります。もっとも視界は良いので迷いようがありません。小倉山まで1時間もかかりませんでした。小倉山からの下りではブナの芽吹きが残雪に映えて素晴らしく、タイミング良く薄日も射してきました。今日は雨のつもりでザックの奧に入れてしまったカメラを取り出し、何度も立ち止まり、時には三脚を立てて撮影しながら下りました。麓の駒ノ湯から大湯温泉までは車道歩きです。大湯温泉周辺はちょうど桜が満開、道ばたの斜面には一面にカタクリが咲いていました。1時間強でゴールの温泉施設「ユピオ」に到着。
温泉に入り、湯上がりにビールを飲み、バスで小出に出ました。浦佐で新幹線に乗り換え、あっという間に国境のトンネルを抜けると、関東平野は雨が降っていました。

2012年5月4日(金)
今年もGWは越後の山へ(3)

朝の八海山(中ノ岳より)


中ノ岳を振り返る

5月1日(火)、3時半起床。一晩中凄い風の音でした。外の様子を見ると星が出ていたのでとりあえず着込んでからカメラを持って飛び出しました。星と夜景の撮影から始め、明るくなってからは山稜を凄い勢いで流れる雲と雲間からの光を追いかけました。風が猛烈に強く、常に三脚を支えていないと倒れてしまいます。
小屋に戻って朝食を食べてから出発。依然として風は強く、よろけるほど。気温が高いため既に雪はグサグサに緩んでいます。1901メートル峰を越え、夏道と残雪の上を交互に歩きます。境目では何度も雪を踏み抜いて落ち込んでしまいました。1866メートル峰の登りは、ブロック雪崩のデブリを越えてゆきます。先を見上げると今にも落ちそうなブロックが残っており、息を切らせて一気に通過。1866メートル峰を越えると檜廊下が始まります。この部分は残雪が少ないものの、今にも落ちそうな不安定な残雪が登山道を塞いでいる所が多く、シュルンドの中を歩いたり、雪を避けて猛烈な藪をこいだりと難渋しました。時間は十分あるので焦らないよう自分に言い聞かせ、安全第一で慎重に進みました。天狗平でほっと一息。越後駒への登りはしっかりと夏道が出ていました。傾斜が緩くなった所でひと休み。岩に座って来し方を振り返り、難路を越えてきた満足感に浸ります。再び雪の上を歩いて越後駒に到着しました。ここまで来ると人気の山だけあって踏み跡が沢山ありました。10分ほど下ると今日のゴールの駒ノ小屋。日帰りスキーの3人組が居ました。小屋の前の水場にふんだんに水が出ているのが嬉しい。なんと今日も貸し切りです。遅い昼食を食べ、水場で体を拭いてさっぱりしました。天気は明日から下り坂との予報。夕方になって山は雲に隠れてしまい、夕方の撮影を断念しました。

2012年5月4日(金)
今年もGWは越後の山へ(2)

日向山からの中ノ岳

30日(月)はウグイスの美しい声で目を覚ましました。残念ながらどんよりとした曇り空です。今日の行程は短いのでゆっくり出発。雪原を進み、再び尾根がはっきりした所を登ってきます。稜線直下は雪の上に島状に姿を見せた夏道を登ります。ものすごい急登です。主稜線に出た所で先行パーティーに追い着きました。彼らはこれから至仏山まで縦走するとのこと。長い!壮大な計画が羨ましくなります。ここから一頑張りで中ノ岳に到着。大展望が広がっていましたが、この天気では写真にならないのでそのまま避難小屋へと向かいました。テントを張るか小屋に入るかしばらく迷いましたが、風が出てきたので小屋に決めました。昼食を食べてから水を作り、午後はラジオを聴きながらのんびり過ごしました。外の風音が次第に大きくなり、小屋に入ったのは正解でした。誰も来る気配が無く、小屋は貸し切り状態。夕方になって日が射してきたのでカメラを持って外に飛び出しました。八海山に沈む夕日と日没後の雲の流れを撮影。風が強くブレとの戦いでした。

2012年5月4日(金)
今年もGWは越後の山へ(1)

山麓は春爛漫(山は大割山)

昨年のゴールデンウィークは丹後山から越後駒ヶ岳まで縦走する予定でしたが、悪天のため中ノ岳から下山してしまいました。今年はその続きということで、中ノ岳から越後駒ヶ岳を縦走してきました。
 
4月29日(日)の朝に横浜を発ちました。国境のトンネルを抜けると素晴らしい天気で、車窓からは満開の桜がきれいでした。麓の野中でバスを降りて歩きます。地元の人と会う度にに「どこに行くの?」と話しかけられます。のどかです。ジグザグ道をダムサイトまで上がり湖岸道を行くと、昨年の豪雨で崩落している所がありました。踏み跡を拾って慎重に横断。十字峡から日向山への尾根に取りきました。ブナはまだやっと芽吹いたばかり。足元にはイワウチワの淡いピンクの花が咲いています。気温が高く、これでもかと続く急登に汗がしたたり落ちます。やがて雪上を歩くようになり、大斜面をキックステップで黙々と登ると日向山に着きました。
目の前に中ノ岳がどーんとそびえる一等地にテントを張ります。夕方になって靄ってしまい写真にはならないのが残念。私の他にもう1パーティーが先の雪原にテントを張っていました。

2012年4月23日(月)
火打山・標高差2000メートルの滑降

富士見平付近からの焼山(左)と火打山(右)


焼山北面台地へ向かって滑るT氏
(白い山は昼闇山)

4月21日(土)は新潟は晴れとの予報に、急遽スキーツアー行が決定。コースは、山スキーを始めた頃(ン十年前!)から憧れていた火打山から焼山北面台地を経て笹倉温泉までのロングルート。先週に続き山スキー仲間のTさんと二人です。

前深夜に上信越道の小布施PAで待ち合わせ、土曜の朝に笹ヶ峰へ向かいます。帰りのために妙高高原駅前に車を1台デポして、除雪されたばかりの道を笹ヶ峰まで入りました。
夏道に沿ってブナ林を登り、黒沢橋で夏道を離れ、雪で埋まった黒沢を登ってゆきます。我々以外にも多くの山スキーヤーが登っており、火打山の人気の高さがうかがえます。標高1900メートル付近で沢を離れて雪原を富士見平まで登ると、目の前に焼山と火打山が純白の姿を現しました。高谷池ヒュッテを通り過ぎ、ひたすら火打山を目指します。昼過ぎに火打山頂上に到着。笹倉温泉15時30分発のバスに間に合わせるため、あまりゆっくりもしていられません。早速シールを外して、滑降モードに切り替えます。影火打北側の台地から、沢の中へと滑り込んでゆきます。雪質はざらめ。日本離れした雄大な景観に酔いしれ、交代で撮影しながら快適な滑降を楽しみました。焼山北面台地まで下ると傾斜はなくなり、アマナ平を目指してスキーを滑らせます。賽ノ河原の横断は豊富な雪のおかげでさほど苦労せずに無事通過。アマナ平からは昨年4月に登った懐かしいルートを滑り、15時に笹倉温泉に下り着きました。

バスで糸魚川まで出て、北陸線から直江津で信越線に乗り継いで妙高高原駅へ戻ったのが18時過ぎ。デポしておいた車で笹ヶ峰へ戻ってもう1台の車を回収しました。
雪の山頂から桜が満開の海まで下り再び登山口へと、山を越え季節を越えての大移動でとても充実した一日でした。
温泉に入り、ビールとつまみを大量に買って打ち上げをして、日曜朝に現地解散となりました。

2012年4月16日(月)
越後駒ヶ岳・山スキー

道行山から遥かな越後駒ヶ岳


デブリで埋まった滝ハナ沢

先週末、土曜日は冷たい雨でしたが、日曜日は晴れの予報にようやく今シーズン初の山スキー決行となりました。

14日(土)の晩に小出でスキー仲間のTさんと合流し、前夜祭をしてから車中泊。翌15日の朝、霧の中を銀山平へ向かいます。シルバーラインを少し上ると霧から抜け出て、青空の下に純白の峰々が連なっていました。最高の山スキー日和です。銀山平の石抱橋から北又川の左岸を上流へ向かい、道行山への尾根を登ります。ひと登りしたところで突然目の前に越後駒ヶ岳が姿を現しました。ここでカメラが故障。時々思い出したようにちゃんと写ることがあるので騙しだまし使いましたが、最高の天気でこの状況は、私にとっては拷問に近いものがあります。道行山ではTさんの山スキー仲間のMさん一行とばったり遭遇しました。越後駒まではまだまだ遠く、長大な尾根を大汗を滴らせながら黙々と登ってゆきました。頂上直下にある駒ノ小屋の前では大勢の登山者、スキーヤー、ボーダーが休んでいました。最後のひと登りで頂上に到着。大展望を味わってから、滑降の準備をして滝ハナ沢へと滑り込みます。重たい春の雪をなんとかこなして滑ってゆくと、やがて谷全体が底雪崩のデブリで埋めつくされていました。昨日の雨で一気に雪崩れた様子です。やむを得ず板を外してデブリの上を歩いて下ります。両側の急斜面には今にも落ちそうな雪が残っており、緊張と疲れで口がカラカラに渇いてきます。結局、滑降の核心部を全部歩いて下ったため、思いのほか時間がかかってしまいました。標高1050メートル地点から左岸の尾根をよれよれになりながら登り返し、反対側の斜面を白沢へと滑り込みました。最後は北又川に沿って平らな雪原を石抱橋へとスキーを滑らせ、シルバーラインの閉鎖時間前に銀山平を出ることができました。

日帰りとしては長大なコース、デブリだらけの沢、カメラの故障、色々ときつい状況がありましたが、山行としてはなかなか充実した一日になりました。

2012年4月1日(日)
城山かたくりの里

カタクリ


雪割草

山スキーのシーズンですが、このところずっと土曜日の天気が悪く、計画しても計画しても中止になってしまいます。今シーズンは一度も出かけないままとうとう4月に入ってしまいました。

昨日の雨から一転して今日は晴れ。家で悶々と過ごすのは嫌だったので、以前から一度行ってみたいと思っていた「城山かたくりの里」を訪ねました。ここは個人所有の山林が一般に公開されているもので、神奈川県の花の名所100選に選ばれています。

園内に入ると、山の斜面にカタクリの群落が広がっていました。カタクリの花は日が当たらないと開きません。着いた時はまだやっと開き始めたばかりだったので、撮影は後回しにして山の上の方へぶらぶらと散策しました。カタクリ以外にもキクザキイチゲ、福寿草、雪割草、ショウジョウバカマ、コシノコバイモ草、ミツマタ、コヒガンザクラ、各種ツツジ、等々が盛りでした。ゆっくりと一回りしてカタクリの群落に戻ります。今度はすっかり花が開き春の陽を一杯に受けていました。人も増え、大勢のカメラマンが三脚を立てて見事な群落にレンズを向けていました。自分もそこに仲間入りです。たまに花の写真を撮るとマクロレンズが欲しくなりますね。傷ついていない綺麗な花を探し、最適な光の角度を求めていると、どんどん時間が過ぎてゆきます。花の種類も豊富なので、じっくり撮影すれば丸一日楽しめそうです。

里山の春を満喫し、昼過ぎにかたくりの里を後にしました。

2012年3月24日(土)
八ヶ岳・三ツ頭

夕照の山なみ


朝の八ヶ岳

3月17日から会津駒ヶ岳で山スキーの予定でしたが、寒気による悪天の予報に中止となりました。このままでは悔しいので、急遽、天気が良い八ヶ岳へ行くことにしました。

前夜に麓で車中泊し、19日に天女山から三ツ頭に登りました。登山道の雪は少なく、このところの寒暖でツルツルに凍っています。前三ツ頭まで来ると青空に霧氷が輝いていました。三ツ頭への最後の登りでようやく積雪が増えてきました。三ツ頭頂上では大展望が広がりましたが、ベタ光線で写真にならないので、まずは少し戻った樹林の中にテントを張り、暖かいスープで一息入れました。陽が傾いて良い光線状態になってから撮影に出て、斜光を受けて立体感が生まれた山々を日没まで追いかけ、夕食後も星と夜景の撮影を楽しみました。

20日も晴れ。気温マイナス15度。風景は霞がかかっており、気温は低くても春の雰囲気です。太陽が昇っても光線は弱く雪面はあまり色づきませんでしたが、前景を工夫しながら2時間ほど撮影しました。テントに戻って朝食を食べてから撤収。カメラもザックの中に仕舞って三ツ頭を後にします。ゆっくり慎重に歩いているつもりでも、面白いように順調に標高を下げ、結局2ピッチで天女山入口まで下ってしまいました。

2012年3月12日(月)
大雪の丹沢

雪化粧したブナ林

金曜日から土曜日にかけて冷たい雨が降ったので丹沢は大雪に違いないと確信し、3月11日(日)に桧洞丸に向かいました。

今回は北側の神ノ川ヒュッテから登ります。天気は期待したほどには回復せず、山は厚い雲に包まれていましたが、雲の切れ間から真っ白に化粧した木々が見えました。登山口には少ししか雪がありません。登るにつれて雪の上を歩くようになり、標高1000メートルを超えると急に深くなってきました。先行者のトレースに助けられましたが、独りだとちょっと苦労しそうです。標高1250メートルから上のブナ林は期待通りの美しい雪景色に夢中でシャッターを押しました。これだけ積雪があればスキーができるかもと思ったら本当にスキーヤーが滑って来たのにはビックリ。積雪は稜線直下の深い所で1メートル近くあったのではないでしょうか。稜線に出るとほんの一瞬だけ青空と太陽が顔を見せましたが、すぐに元のガスに包まれてしまいました。熊笹ノ峰の先のピークで時間切れとなり、来た道を引き返しました。今回は念のために持参したわかんとダブルストックが大活躍でした。

帰りの車で聴くラジオは震災1周年の話題一色。このような日に山に登ることに若干の後ろめたさを感じる一方で、山と写真という活動を普通にやれることの幸せを改めて感じました。

2012年3月6日(火)
東日本大震災義援金のご報告

間もなく大震災から1年が経とうとしています。報道メディアは1周年の話題で持ちきりですが、復興への道のりはまだまだ長そうです。

少しでもお役に立てればとの思いで始めたチャリティ販売ですが、HPをご覧いただいた方々に5枚の作品をご購入いただき、22000円の義援金が集まりました。ご協力いただいた皆様へお礼申し上げます。本日、義援金を日本赤十字社へ振り込みましたことをご報告いたします。


微力ではありますが、復興のために「普段出来る事」を見つけて、今後も協力してゆけたらと考えています。

2012年2月16日(木)
君冬山デビュー

中山展望台から夕照の赤岳


赤岩ノ頭直下の樹氷と赤岳、阿弥陀岳

全日本山岳写真協会の若手メンバー、君の冬山デビューのため、Tさんと3人で八ヶ岳の硫黄岳に行ってきました。

2月10日、Tさんの車で美濃戸口まで入り、先日の雨でツルツルに凍結した車道を恐る恐る歩きました。
赤岳鉱泉からは真っ白に凍りついた横岳西壁が見事。大同心がよく見える一等地にテントを張り、中山展望台まで夕景を撮影しに出かけ、大勢のカメラマンとともに夕陽に美しく染まる山々を満喫しました。暗くなってからテントに戻り、夜の宴会には、アイスキャンディー(人口氷瀑)を登りに来ていた同じ写真協会のA嬢も合流し、楽しい語らいのひとときを過ごしました。

翌11日の朝はさほど冷えこまず、雪が降っていました。気圧配置的から晴れる可能性があると判断し、予定通り硫黄岳に登ることにしました。出発の準備をしていると時折空が明るくなるのが分かります。樹林帯では昨夜の雪で化粧した木々がメルヘンチックな雰囲気を醸し出しています。登るにつれて時々雲間から日が差すようになり、。森林限界まで来たところで、横岳西壁が姿を見せ始め、最高のタイミングで訪れたチャンスに夢中でシャッターを押し続けました。赤岩ノ頭直下は思いがけずちょっとした樹氷帯となっており、撮影で忙しくなかなか進むことができません。赤岩ノ頭に飛び出すと、北アルプスの大観とともにどっと風が吹き付けてきました。エビノシッポに覆われた尾根を登って硫黄岳に到着。
君は初めての冬山で最高の条件に恵まれ、いつまでも頂上に居たい様子でしたが、時間が無いからとせかして頂上を後にしました。
一旦テントに戻り、満ち足りた気持ちでコーヒーで一服してから美濃戸口下山しました。

2012年1月24日(火)
志賀高原

夕陽と笠ヶ岳

1月21日から23日まで、全日本山岳写真協会の仲間を中心とする8名で志賀高原へ行ってきました。今回はほたる温泉に宿を取り、熊ノ湯と横手山エリアでゲレンデスキーを楽しみました。

事前の天気予報からは毎日が雪でまず晴れることは無いと予想していましたが、山の天気は何が起きるか分からないので念のためカメラは持って行ったところ、2日目は晴天となり、爽快なスキーと併せて撮影も楽しむことができました。夕方には一旦ガスってしまいましたが、ご年配のメンバーが宿に引き揚げた後もしばらく滑っていたところ一気に晴れ上がり、日没前の感動的な光景に出会うことができました。

最終日はガスと降雪で全く視界が無くスキーを楽しむどころではありませんでした。早々に切り上げて温泉モードに切り替え、早めに帰途につきました。

2012年1月12日(木)
仙丈岳撮影行

小仙丈岳からの仙丈岳


富士山と北岳
冬山シーズンの本番として、今回は単独で仙丈岳へ行きました。仙丈岳だけに1月7日(土)から10日(火)の4日間をかけ、撮影行としてはとても贅沢なスケジュールを組みました。

7日はカメラをザックに入れたまま道草をせずに歩き、一気に大滝ノ頭まで登りました。朝夕の撮影にベストの場所にテントを張り、翌日に備えます。

8日は暗いうちに出発し、小仙丈岳で日の出を迎えました。ここから見る仙丈岳は純白で美しい筈なのですが、今シーズンはまだ雪が少なくちょっと残念。日が昇ってからは、シュカブラ(風紋)や雪煙を撮影しながら仙丈岳を往復し、昼頃にはテントに戻りました。夕方には再び森林限界の上まで登って夕景を撮影。

9日は天気が崩れたためテントで休養としましたが、夕方には晴れてきたためまた夕景を撮影。さらに10日の朝も暗いうちから夜明けの撮影を行い、満足して山を下りました。

冬の仙丈岳はこれまで何度も撮影していますが、デジタルでじっくりと撮影したのは今回が初めて。6×7判フィルムでの撮影とは違い、デジタルの機動性を生かして雪煙のような動きのある被写体を沢山撮影できたため、これまでとはまた違った雰囲気の作品を持ち帰ることができたように思います。
2012年1月1日(日)
年末山行 八ヶ岳・天狗岳

星空の黒百合平


中山峠近くの見晴台からの天狗岳

新年あけましておめでとうございます。
自宅で静かに元日を迎えました。
今年が希望に満ちた「前進の年」になることを祈っています。

2011年の締めくくり山行として、12月30日(金)〜31日(土)で八ヶ岳へ行ってきました。渋ノ湯から天狗岳、高見石を回って渋ノ湯へ戻るコースです。メンバーはTさん、Kさんと私の3人です。

30日は渋ノ湯から黒百合平へ。積雪はまだ少ないですが、八ヶ岳は冷え込みが厳しいためか森の木々が真っ白に凍りついており、冬山らしい雰囲気満点でした。黒百合平にテントを張り、午後、天狗岳を往復。森林限界より上は寒風が吹き、夕方になると気温がぐんぐん下がってくるのが分かります。斜光線が美しい夕暮れの風景を味わいながらテントへ戻りました。今回は1泊だけなので燃料も酒もつまみも豪勢で、暖かいテントの中で心地よい時間が過ぎてゆきました。

大晦日の朝は星空の撮影のため独り一足先に起きました。外はマイナス19度まで冷え込んで
いましたが、カメラは問題なく作動。綺麗な星空がしっかりと写り大満足です。モーニングコーヒーを飲んでから中山峠近くの見晴台で朝の撮影。無風快晴で、日の出とともに天狗岳が美しく染まりました。一旦テントに戻り、朝食を食べてから出発。雪で美しく化粧した森の中を中山まで登ると大展望が広がり、北アルプス全山が一つ一つのピークを同定できるほどくっきりと望まれました。高見石で北八ヶ岳の展望を楽しんでから、渋ノ湯へと下りました。

2日間だけでしたがとても内容の濃い山行だった気がします。いつも行く南アルプスと比べると八ヶ岳は箱庭的にまとまっており効率的に楽しめるため、人気があるのも頷けますね。

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