撮影日和     

<<前のページ | 次のページ>>
2016年12月25日(日)
丹沢で大展望を満喫

塔ノ岳山頂から


スカイツリーが見えますか?(左上です)

写真展の関係で久しく山らしい山に登っていなかったので、昨日、冬山を前にトレーニングのつもりで日帰りで丹沢へ行ってきました。塔ノ岳まで大倉尾根を登り、表尾根を縦走し、余裕があったら大山まで行き夜景を撮影してこようという欲張りプランでした。

朝一番の満員のバスで大倉に入り、薄着になってからスタート。今回も快調に、といきたいところですが、思うようなペースでは足が前に出ません。やはり体が相当鈍っているようです。結局、塔ノ岳まで3時間かかってしまいました。
温かいうどんを作って、食べながら大展望を満喫しました。大気が澄み渡っており、富士山の右に南アルプス全山、北東方向には東京スカイツリーとその向こうに筑波山、南は大島は勿論、神津島まで眺めることができました。
表尾根を三ノ塔へ向かいます。下り基調ですが、ちょっとした登り返しがやけにきつく感じられ、全くペースが上がりません。情けないことに三ノ塔に着いた時にはもう足はヨレヨレで、大山まで行くことはとても無理と判断しました。ここで最後の展望に別れを告げてヤビツ峠へと下りました。
蓑毛まで歩いて下るつもりでしたが、運良くヤビツ峠で秦野行きのバスが止まっており、乗り込んで5分ほどで発車しました。秋の日はつるべ落とし。秦野駅に着いた頃にはもう薄暗くなっていました。

2016年12月16日(金)
写真展が終わりました


写真展「森の山稜・丹沢の四季」が終わりました。
オリンパスギャラリーまで足を運んでくださいました皆様、ありがとうございました。

一通りご覧いただいた後も何度も戻っては見直してくださる方、立ち尽くして感嘆の声を上げている方、まさに写真家冥利に尽きる思いでした。
大勢のお客様から話しかけられ、沢山の感想を聞かせていただきました。
「よいものを見せていただきました」
「本当に山がお好きなのですね」
「心が洗われました」
「丹沢を本当によく撮っていますね」
「また丹沢に行きたくなりました」
「見事なプリントですね」
「キャプションが素敵ですね」
「友人に絶対に見に来るよう伝えます」
これほどまでに皆さんに感動を与えることができたことを、とても嬉しく思います。

会期中に写真雑誌「フォトコン」が取材に訪れ、インタビューを受けました。2017年2月号に小さな記事が掲載されるとのことですので、ご覧いただければと思います。

個人的には今回の写真展で完全燃焼してしまいました。しばらくは気ままに山を楽しみながら、少しずつ次のことを考えたいと思っています。

これから全日本山岳写真協会の来年の写真展準備が本格化しますので、そちらにエネルギーを注がなければなりません!

2016年12月11日(日)
写真展の様子です




写真展2日目の10日土曜日は朝から大勢のお客様を迎えました。お客様からは「丹沢を見直した」「このような丹沢は初めて見た」「また山に行きたくなった」といったご感想をいただき、丹沢の魅力を十分表現できたという手応えを感じています。
夜には近くの中華料理店でオープニングパーティーを開催し、写真関係を中心に70人が集まりました。ここでも皆さまから過分なお褒めの言葉をいただき、賑やかな楽しいひとときを過ごしました。

翌日曜日は前日とうって変わって静かな1日でした。それでも、昨日来られなかった写真関係の仲間、丹沢を通じて知り合った仲間、職場の仲間などが来てくれました。

写真展は14日(水)の15時まで開催していますので、まだご覧いただいていない方はぜひご来場ください。

2016年12月7日(水)
いよいよ写真展「森の山稜・丹沢の四季」が始まります


個展の準備はほとんど全てを自分でやることになるため、いくら準備をしてもきりがない感じでこの2ヶ月ほどは多忙を極めましたが、とうとう搬入の日がやってきました。
今日は仕事を休んで、午後、オリンパスギャラリーへの写真搬入~飾り付けに立ち会ってきました。レイアウトを事前に完璧に決めたつもりでしたが、実際に作品を並べてみると予想以上に窮屈で、やはり現場判断で一部2段掛けにして作品の順番も見直しました。
2時間ほどで飾り付けは終了し、ちょっと大げさかもしれませんが「壮大な組み写真がついに完成した」という気分です。

オリンパスギャラリーは明日は休館。
明後日12月9日(金)から14日(水)までの6日間、大勢の方にご覧いただきたいと思います。

2016年11月12日(土)
「山と溪谷」の表紙になりました

「山と溪谷」12月号の表紙に、私の赤岳の写真が採用されました。また、本文にも、COVER STORYとして見開きで厳冬の赤岳の作品と文章が掲載されています。

さらに、次のページから、会の仲間である大野崇さんのグラフ「モンブラン山群Ⅱ モノクロームの世界」が6ページにわたって掲載されています。

自分の作品が掲載されるのは嬉しいものですが、仲間の作品も一緒に載っているということで、今回は私にとって特別な号となりました。

付録のカレンダー「星野道夫 極北の動物たち」も魅力的です。
ぜひ手にとってご覧ください。

2016年11月6日(日)
晩秋の尾瀬沼(2)


燧ヶ岳に日が当たり始めました


うっすらと雪化粧した林

30日(日)は4時半起床。星が出ています。5時に玄関に集合し、朝食までの間は小屋裏の湖畔に三脚を立てました。燧ヶ岳にたなびく雲を長時間露光で撮影する間に明るくなってきましたが、気がつけば雲が広がってきました。やがて燧ヶ岳も隠れてしまい、そのまま朝食の時間になりました。一旦小屋に引き上げ、温かい朝食をいただいてから、再び荷物をまとめて撮影に出ます。今度は少し雲が少なくなり、燧ヶ岳の山腹に日が当たり始めました。燧ヶ岳はうっすらと雪化粧しており、初冠雪のようです。マクロレンズで足下の小物を撮影しているうちに燧ヶ岳の雲が動き始め、やがて山頂が現れました。皆のおしゃべりがぴたりと止まり、シャッターの音だけが響き渡ります。刻々と変化する雲と光を撮影することができ、とりあえずは満足。天気の方はこれ以上良くなる気配が無く、場所を移動しても撮影はできないと判断し、少し早めに切り上げることにしました。
長蔵小屋の前にあるビジターセンターを見学してから、燧ヶ岳をバックに集合写真を撮影しました。
9時半過ぎに沼山峠へ向けて出発。時間は十分あるので、苔に積もった雪のクローズアップや、枯れ草に積もった雪、樹林の佇まいなどをゆっくり撮影しながら歩きます。沼山峠の上り下りは木道にうっすらと雪が積もり、滑り止めの無いメンバーはそろりそろりと苦労しながら歩いていました。
沼山峠バス停に12時少し前に到着。今シーズンのバスの運行は明日で終わりということで、休憩所では冬支度が進んでいました。中に入り、昼食を食べながらバスを待ちました。
12時50分発のバスに乗り込みます。こちら側は青空が広がっており、車窓からは燧ヶ岳が見事です。檜枝岐あたりからは真っ盛りの紅葉の中、会津高原尾瀬口駅まで素晴しい眺めを満喫しました。

2016年11月5日(土)
晩秋の尾瀬沼(1)


初雪の沼山峠付近


幻想的な大江湿原

全日本山岳写真協会の今年の新入会員歓迎撮影会は尾瀬です。総勢11名で、10月29日(土)から1泊2日で晩秋の尾瀬へと向かいました。

29日(土)、浅草駅に集合し、参加者がお互いに自己紹介した後、8時発のスペーシアに乗り込みました。関東平野は青空が広がり筑波山が美しい姿を見せていましたが、山が近づくにつれて雲が多くなってきました。鬼怒川温泉で野岩鉄道のマウントエクスプレスに乗り換え、会津高原尾瀬口で下りると、雨が降り始めていました。沼山峠行きのバスは貸し切り状態。車窓には雨に濡れた紅葉が広がり、メンバーから感嘆の声が上がりました。七入から一気にブナ平まで上がると冬枯れの光景となりました。見事なブナ林の中を抜け御池まで来ると、雨から雪に変わり、沼山峠では雪がうっすらと積もっていました。
休憩所の暖かい室内で準備を整え、13時50分に出発。初めは森の中を標高差60メートルほど登ります。木道が濡れて滑りやすく、滑り止めを持って来たのは正解でした。あとは大江湿原に向かって緩やかに下ってゆきます。湿原に出ると、紅葉は終わっていましたが一面の草紅葉が美しく、霧の向こうに佇む枯れ木も幻想的です。ほとんど人が居ない晩秋の尾瀬は静寂に包まれていました。
15時20分に長蔵小屋に到着。この天気なので夕方の撮影に出る気にもならず、受付をするとすぐに部屋に入り、炬燵を囲んで飲み会となりました。夕食の後は新人撮影会恒例の「ほろ酔い写真講座」をやり、20時過ぎにお開きとなりました。外ではまだ小雪が降っていました。

2016年10月15日(土)
久しぶりの山は北八ヶ岳へ(2)

双子山の朝


北横岳からの蓼科山


亀甲池

10日(火)、夜中にトイレに出た時は満天の星でしたが4時に起きるとガスっており、星の撮影は断念。朝食を食べて、明るくなり始めた5時半に出発しました。
双子山までは20分足らず。広い山頂は強風にガスが吹き付け、メガネに水滴が付いてしまいます。双子池へ下りはじめたところ、不意に東側のガスが切れ、赤く染まった空が見えました。慌ててカメラを出しましたが、山は雲に包まれたままで、数枚シャッターを押しただけで双子池へ向かいます。池に着く頃、日が差してきました。双子池ヒュッテの前は沢山のテントと登山者で賑わっていました。水源の雄池では8月末に土砂崩れがあったそうで、残念なことに水が濁り、飲用不可になっていました。対岸で復旧工事をしており、ブルーシートが痛々しい眺めです。
大岳へと向かいます。登山道は苔むした森の中に大岩が積み重なったような状態で、一歩一歩が大きくて大変なうえ、岩と岩の間に落ちそうで気を遣います。天狗の露地では景色が開け、行く手にびっしりと緑に覆われた大岳が望まれました。ここからひと登りで大岳の肩に到着。分岐にザックをデポして大岳を往復します。頂上から初めて南八ッの山々と、眼下に雨池が望まれました。ここから北横岳へは景色のよい尾根道で、足元も普通の登山道となり歩きやすくなりました。
北横岳北峰の頂上は、ロープウェイで登ってきた大勢の登山者で賑やかでした。風が冷たく、ダウンを着込んで北アルプス北部までの大展望を眺めながら昼食にしました。
南峰を往復してから亀甲池へ向かいます。木の根と岩が滑りやすいですが、大岳と比べればはるかに歩きやすく、一気に下ってしまいました。亀甲池はかなり水が多く、岸辺の笹まで水に浸かっていました。池を半周し、広い岸辺で休憩。ここでも紅葉は全く冴えませんが水の底の緑が美しく、思いがけず美しい写真が撮れました。
天祥寺原経由で大河原峠へ戻ります。なだらかで快適な道を快調なペースでとばし、13時に峠に着きました。
散らかしたままの車の中をゆっくり片づけてから帰途につきました。中央道は勝沼から先が激しい渋滞だったので裏道を走り、20時過ぎに帰宅しました。

2016年10月13日(木)
久しぶりの山は北八ヶ岳へ(1)


白駒池


もののけの森

毎週末の天気が悪く、体育の日の三連休もやはり生憎の天気となりました。最終日だけ甲信越が晴れる予報となったため、北八ッへ行くことにしました。

10月9日(日)、寒冷前線の通過で激しい雨が降る中を8時半に出発。渋滞を避けて大月まで一般道を走り、高速に入る頃には雨が上がり明るくなってきました。甲府では曇り空ながら白峰三山がくっきりと姿を見せつつありました。諏訪で高速を出て、夕食と明日の行動食の買い出しをしてから白駒池へ向かいます。標高が上がるにつれて時々霧の中を走るようになりました。麦草峠を越えて少し下ると白駒池の駐車場ですが、この天気にも関わらず満車で、15分ほど待って入ることができました。
カメラザックを背負って白駒池へ。今年の紅葉は今一つですが、ちょうど紅葉に日が当たり始め、まずまずの雰囲気です。大勢の観光客が同じ方向にカメラを構えていました。池を一周します。「もののけの森」と名付けられた一角は苔が見事で、三脚を立ててじっくり撮影しました。1時間半ほど遊んでから車に戻り、今夜の宿泊地、大河原峠へ向かいます。途中で美しい夕焼けを見ることができましたが、蓼科山を回り込むんだ所から濃密な霧となり、進むべき方向すら分からないような状態になってしまいました。時速20キロほどでそろそろと走ります。途中ちょっと霧が薄くなったところで、立派なカモシカと出会いました。19時前になんとか大河原峠の駐車場に到着。霧が晴れ、星が光っていました。
早速車の中で一人宴会とです。買ってっきた総菜をつまみにビールと真澄のカップ酒で気持ちよく酔い、21時にシュラフに入りました。

2016年10月1日(土)
しばらくぶりの更新です


今年の写真展も大盛況の裡に終了し、6日間で1万人超の来場者を数えました。
会期中は全国の会員の皆さんはもちろん、写真を通じて知り合った仲間や大学山岳部のOB、山仲間、職場の先輩・同僚、そして親戚と、沢山の人達との楽しい交流がありました。

今年は三木慶介会長が亡くなり会の体制が変わったことから、写真展が終わってからも忙しさが続きました。また12月の個展の準備もそろそろ本腰を入れなければならず、9月の週末はほとんどパソコンに向かって過ごした感じです。

山は紅葉シーズンを迎えましたが、ぐずついた天気が続きなかなか山行のチャンスがやって来ません。山へ行きたくてウズウズしています。

2016年9月6日(火)
2016全日本山岳写真展 始まりました


昨日は会員約40名が午前9時に東京芸術劇場に集合し、1日がかりで写真展会場の飾り付け作業を行いました。
最初に壁を設営し、パネルの高さの基準糸を張り、搬入された作品をレイアウト図に従って壁の下に並べてゆきます。その後、壁に鋲を打ってパネルを掛けていきますが、現場での展示効果を考え、絵柄を見ながら並びを変える調整も行いました。
今年は手際が良かったのか、例年よりも短時間で会場が完成しました。
終了後は前夜祭と称して飲みに行ったのはいうまでもありません。
一日の労働でたっぷり汗をかいた後のビールは最高。作品談義で大いに盛り上がりました。

今年も大勢の方にご来場いただきたいと思います。

2016年8月23日(火)
聖岳~赤石岳~悪沢岳 縦走(4)


悪沢岳山頂で(後は赤石岳)


千枚岳岩稜手前のお花畑


椹島への下りは深い森の中

8月15日(月)、2時半起床。やはり今日も雨が降っています。そして朝食を食べ出発の準備をしているうちに雨は上がりました。
ヘッドランプを点けて出発。30分ほど歩いた中岳の登りでガスが切れ、赤石岳を包んでいた雲が切れ始めました。早速ザックを下ろして三脚を立てます。刻々と変化する雲と朝の光の撮影を楽しみました。再び中岳を目指します。荒川のお花畑では、華やかなシナノキンバイは既に終わていました。中岳避難小屋の前で休憩し、右側に赤石岳の大きな山容を眺めながら悪沢岳とのコルへと向かいます。コルから悪沢岳へは岩場もある急登ですが、意外に多くの花が咲いており、日陰になっているのが残念です。悪沢岳山頂では大展望が広がりましたが、早くも雲が湧き始めました。記念写真を撮って千枚岳へ向かいます。丸山を通過する頃にはすっかりガスってしまいましたが、千枚岳の岩稜手前に見事なお花畑がありました。タカネビランジ、タカネマツムシソウ、タカネナデシコ、トリカブトなど大型の花が多く見応えがあります。岩稜を慎重に通過すれば千枚岳山頂に到着。赤石岳が一番格好良く見えるポイントですが、残念ながら360度真っ白で展望ゼロ。
さあ、椹島への長い下りです。千枚小屋を素通りし、鳥のさえずりが響く深い森の中をゆるやかに下ってゆきます。駒鳥池で休憩を入れ、次の目標である清水平を目指しますが、途中から雨粒が落ちてきました。清水平ではついに本降りとなり、雨具を着込みましだ。雨の中をだらだらと1ピッチで小石下に到着。雨脚がますます強くなり土砂降りの中で休憩しましたが、暫くして雨は上がりました。最後の岩頭見晴の登り返しでは時折薄日も差しはじめ、鬱陶しい雨具を脱ぐことができました。鉄塔の広場まで来ればあとは一気に下るだけ。疲れた足をかばいながら慎重に歩き、奥西河内を吊橋で渡るともうヨレヨレでした。
椹島では登山小屋に泊まりました。小屋は空いており、荷物を置いてまずは風呂へ。生き返ったところで自炊棟に移動してビールで乾杯。達成感に包まれて、涼しく気持ちの良い夕方のひとときを過ごしました。そのまま夕食を食べて、19時頃には小屋に戻ってシュラフに入りました。

翌16日(日)も5時前に目が覚めた時には本降りの雨でしたが、間もなく上がり、朝食を食べている間に青空も広がってきました。結局、今回の山行では一日の天候のパターンが最後まで変わりませんでした。7時45分の送迎バスに乗り込っます。畑薙駐車場に着くと、来た時とは違いがらがらに空いていました。
時間が早かったので帰路は順調。新東名の清水PAで昼食を食べ、14時前には帰宅することができました。

2016年8月22日(月)
聖岳~赤石岳~悪沢岳 縦走(3)


ガスが一気に晴れ姿を現した聖岳(百間平にて)


赤石岳から小赤石岳への稜線漫歩

8月14日(日)、3時半起床。雨が降っています。朝食の間にも時折雨音が大きくなり、しばらく様子を見ることにしました。明るくなる頃に雨は上がりました。濃密なガスに包まれていますが、天気予報は全国的な晴れ傾向を告げているので、出発することにしました。
昨日の疲れが取れないまま、百間平への急な道をのろのろと登ってゆきます。百間平で休憩していると、何となくガスが薄くなる気配を感じ、そのまま一気に聖岳が姿を現しました。あまりにも劇的な展開に二人とも興奮状態となり、慌ててカメラを構えました。ふと下方を見るとハイマツに埋もれて1羽の雷鳥が佇んでいました。風景と雷鳥を撮影しながらその場に40分ほど居座ってしまいました。これまでの沈んだ気分が一転し、軽やかな気分で赤石岳を目指します。間もなくガスってしまいましたが、赤石岳頂上で再び青空となりました。ようやく天気は本格的に良い方向へ変化してきたのでしょうか。
赤石岳から大聖寺平へは爽快な稜線漫歩となりました。連日の疲れが溜まっていましたが、大聖寺平まで来れば一安心。日差しを浴びてのんびり休んでから、水平道を荒川小屋へと向かいました。
今日は到着が早かったので、テントを張ってコーヒーとお茶で甘い物を食べ、少し元気になったところで今度はウイスキーを飲みます。ほろ酔い気分になったところで1時間ほどの昼寝し最高に気持ちよいひとときを過ごしました。午後はまたガスってしまいましたが昨日よりも空気が乾燥しているような気がします。16時の気象通報で天気図を取りましたが天気の傾向にあまり変化は無いようにも見えます。明日は長いコースなので朝から晴れてくれると良いのですが。荷物を少しでも軽くするために、夕食は余り気味の食料をたらふく食べました。

2016年8月21日(日)
聖岳~赤石岳~悪沢岳 縦走(2)


聖岳山頂は雲の上


兎岳とのコルへの下りで出会ったブロッケン

翌13日(土)は2時50分に起床。夜中に降っていた雨は上がりましたが、ガスっています。朝食を食べ、濡れたテントを畳み、ヘッドランプを点けて出発です。
明るくなると、空が何となく青っぽく感じられ、どうやら上空は晴れている気配が感じられます。重たいザックにペースが上がらず、他の登山者にどんどん追い抜かれます。今日の聖岳はかなりの人出のようです。頂上直下で雲の上に出て青空が広がりました。聖岳頂上に着くと、赤石岳が雲の上に頭を見せていました。休憩している間に北側の雲が減り、これから行く長い稜線と、はるか先に百間洞山の家が見えました。記念写真を撮ろうと頂上の標注の所に行くと、「家族で百名山完登」と書かれた横断幕を持った5人家族が居ました。話を聞くと、一番下のお子さん2歳の時から登り始め、全員が百名山を登頂したとのこと。すてきな家族でした。
聖岳を後にして、兎岳とのコルまで一気に400メートルを下ります。途中でブロッケンを見ることができました。コルではTJARの選手が休んでいました。話を聞いてみたいと思いましたが、迷惑がかかりそうで恐れ多くて話しかけることができず、心の中で声援を送りました。兎岳への登り返しは覚悟はしていましたがやはり苦しめられました。兎岳で昼食休憩。ここから小兎岳を越え中盛丸山へとアップダウンが続きます。ガスで暑さが無くなったのが助かります。中盛丸山の下りでTJARの最終走者が登ってきました。先頭とは3日間くらいの差がついていることになり、この選手はこの後途中リタイアになるのかもしれませんが、日本海からここまで来たこと自体、凄いことだと思います。「頑張ってくださ~い」と声をかけました。大沢岳とのコルから百間洞への下りは、もう、体力の限界を感じました。今回はストックを持ってきましたが、大正解でした。
テントを張り、百間洞源流の流れで体を拭いてさっぱりしてからビールで乾杯し、ようやく人心地がつきました。夕食の準備をしていると、今日もパラパラと雨が降り始めました。19時過ぎに就寝。

2016年8月20日(土)
聖岳~赤石岳~悪沢岳 縦走(1)


聖沢吊橋


聖平への道で

この夏に予定していた黒部川上ノ廊下が事情により中止となったので、南アルプス南部をじっくり歩いて来ようと思いました。会社の山仲間のGさんを誘い、聖岳~赤石岳~悪沢岳の縦走を計画しました。

8月12日(金)、朝4時にGさんが迎えに来てくれました。新東名を新静岡で下り、富士見峠を越えます。晴れの予報にも関わらず、山間部に入ると土砂降りの雨になってしまいました。面食らいましたが局地的な悪天だったようで、峠の手前で雨は上がりました。井川湖の辺りで、TJAR(トランス・ジャパン・アルプス・レース)の選手が走ってきました。先頭の選手のようです。8時過ぎに畑薙の駐車場に到着しましたが既に満車で、少し戻った路肩に車を置きました。9時20分頃の送迎バスに乗り、10時過ぎに聖岳登山口に到着。
軽く食べてから出発します。久しぶりの30キロのザックで、いきなりの急登に汗が噴き出します。250メートルほど登り、聖沢吊橋まではほぼ水平な道をゆきます。吊橋を渡ると本格的な登りが始ままりました。水をがぶ飲みしてしまい残りが心配にりましたが、2011メートル標高点の先の水場で給水し生き返りました。ここから先はだらだらとアップダウンが続き、体力を消耗します。岩頭滝見台を過ぎ、一旦下って聖沢を渡ると、あとは聖平までゆるやかな上りを残すのみ。途中、沢の流れの中を岩魚が悠然と泳いでいるのが見えました。
聖平小屋でテントの受付をしたら、なんとフルーツポンチのサービスがありました。これは最高に美味しく、嬉しいサービスでした。テントを張ったらビールで乾杯し、カレーの夕食。暗くなる頃から雨が降り始めました。疲れていたので19時にはシュラフに入りました。

2016年8月11日(木)
北岳撮影行(2)


金色の山並み


北岳南面からの間ノ岳

7月31日(日)、3時に起床。見事に晴れ上がり、頭上には天の川。肩ノ小屋周辺で、日の出まで刻々と変化する色にシャッターを切り続けました。日の出のドラマを見届けてから、テントに戻って朝食。開け放したテントの入り口からは富士山が見え、贅沢な気分です。
テントを畳んで出発。大展望を眺めながら北岳へ。山頂は大賑わいでした。八本歯のコルへ向けて下ります。吊尾根分岐から一旦北岳山荘方面へ向かい、トラバース道のお花畑に寄り道しました。今年は稜線の花はほとんど終わった感がありましたが、トラバース道ではまだ沢山の花が咲き乱れていました。ザックを下ろして撮影していると、通り過ぎる登山者が皆笑顔で「きれいだねー」の連発です。これで今回の撮影はほぼ終了。八本歯のコルから岩稜を下ります。下りに不慣れで道を譲ってくれる余裕が無い登山者に少々閉口しました。大樺沢をぐんぐん下り、二俣で一休み。ここまで来ると気温がぐっと高くなり、暑くなってきました。ここから広河原までは水をがぶ飲みしながら最後の頑張りです。トレーニングの効果が下りではあまり感じられず、広河原ではもう足がガクガクでした。
広河原山荘の水場で体を拭いてからタクシー乗り場へ。30分程度の待ち時間で乗ることができましたが、甲府行きのバス乗り場では北沢峠への道の分岐近くまで行列が延びていたのにはビックリ。私はかなりの回数来ていますが、間違いなく過去最高の混雑でした。芦安の駐車場でタクシーを降り、温泉によってさっぱりしてから帰途につきました。

2016年8月10日(水)
北岳撮影行(1)


白根御池


小太郎尾根からの北岳


肩ノ小屋の天場の賑わい

久しぶりに撮影目的で北岳へ行くことにしました。

7月29日(金)の早朝に家を出発。タイミング良く前日に梅雨が明け、夏らしい暑さとなりました。平日なのであまり混雑はしないだろうと思いきや、芦安では下の方の第5駐車場に回されてしまいました。幸い、乗り合いタクシーは下の駐車場まで迎えに来てくれました。
広河原に10時過ぎに到着。稜線は既に雲に隠れて見えないので、今回は白峰御池まで、尾根コースを登ることにしました。今日はゆっくり歩いているつもりですが、最近の週末のランニングの効果か結構人を追い抜くペースになっていました。汗が吹き出すものの、体が軽く心地よいほどです。1ピッチ歩いたところで昼食休憩。樹林帯を吹き抜ける風にすーっと汗が引きます。15分休んで再び急登に一汗流すと登山道が水平になり、20分ほどで白根御池に到着しました。
池の畔にテントを張り、ビールを飲む至福のひととき。ほろ酔いで一眠りしている間にテント場が一杯になりました。小屋の前もジョッキ片手の登山者で大賑わいです。夕方、北岳が一瞬姿を見せましたが、すぐにガスに隠れてしまいました。17時に夕食を食べ、18時にはシュラフに入り、鳥のさえずりを聞きながら眠りに落ちました。

30日(土)は2時40分に起床。暗いうちに池に映るテントと星空を撮影しました。朝食を食べている間に明るくなり始め、日の出の時刻に再びテントを出て撮影。北岳山頂にかかった雲が赤く染まりました。明るくなってからゆっくりテントを撤収している間に北岳の雲が消えました。一面の緑と池とテントと北岳を撮影してから出発します。
草すべりの急登は背中を太陽にあぶられ汗が噴き出します。順調なペースで標高を上げてゆきます。やがて雲の中に入り日差しがなくなりました。稜線直下にはいつもシナノキンバイの群落になっていますが、今年は花が早かったようで、一輪も咲いていませんでした。小太郎山分岐で大休止。早めの昼食を食べてから肩ノ小屋を目指します。途中で一度ガスが晴れ、北岳が姿を見せてくれました。
肩ノ小屋でテントの受付をして、テントを張る場所を探します。まだ10時なので場所は自由に選べます。混雑しても隣にテントが来ない独立したスペースに決めました。テントを張ったら、まず往復30分の水場へ。水はわずかしか出ていませんでしたが、体も拭いてさっぱりしました。テントに戻ってビールを飲み、さらにウイスキーも飲んで気持ちよくなってしまい、そのまま1時間ほど寝てしまいました。目を覚ますと、テント場はもう一杯になっていました。小屋の前もものすごい人手です。まだ続々と登山者が登ってくるのが見えます。夕方にはテントが100張りくらいになりました。間違いなく今年一番の人手でしょう。天気が今ひとつで、夕方の撮影は出来ませんでした。19時にシュラフに入りました。一瞬雨粒がテントを叩く音がしました。

2016年7月16日(土)
丹波川本流

いよいよ川幅が狭くなってきました


ラストをロープで引く


手取淵のへつり


本日のメンバー


最後の難所の高巻き

この夏は黒部川の上ノ廊下へ行くことになり、そのトレーニングとして丹波川本流へ行ってきました。メンバーはA夫妻(Kさん、Tさん)と山岳会のお仲間のMさん、私の4人です。

7月9日(土)の夕方に自宅を出発。雨の1日でしたが、幸い夕方になって天気が回復してきました。A夫妻、Mさんを順番にピックアップし、全員揃ったところで夕食を食べてから奥多摩を目指します。渋滞で結構時間がかかり、22時30分頃に道の駅たばやまに到着。駐車場の端にテントを張り、軽く飲んでから就寝。

10日(日)は5時に起床。鳥のさえずりが美しく、青空が広がり、山腹には朝霧がたなびいていました。絶好の沢日和です。朝食を食べてからテントを畳み、入渓点の三条新橋へ移動。既に釣り人のものと思われる車が何台も止まっていました。
沢の服装に着替え装備を身につけ、7時10分、沢に下ります。少し遡った川幅の広い場所で、ロープを使った徒渉のトレーニング。トップ、中間、ラストを交代しながら、ロープワークを確認しました。全員がマスターしたところで、上流を目指します。間もなく背が立たない淵が現れました。Tさんがライフジャケットを着けて泳ぎ、他のメンバーをロープで引き寄せました。ザックの浮力もあり、引かれる側は楽ちんでした。続けて難所の手取淵。最狭部を水が白波を立てて激しく流れています。ルートは左岸をへつりますが、先行パーティーが手こずっている様子をしばし見学。全員が抜けたところで次は我々の番です。Tさんがトップ。やはりてこずっている様子でしたが、見事1回てクリアしこちらに向かってガッツポーズ。2番手はKさん。最難部でスリップし白波の中にドボンし、流されて振り出しに戻されてしまいました。この後もう1度流されて、3回目でクリアしました。次は私の番です。水中のホールドを探りながら途中まで進み、ホールドが尽きたところで水の上に上がり、その次の1歩がななかなか出せません。ジタバタしているうちに腕がパンプしドボン。結局4回チャレンジしましたが突破することができませんでした。悔しいですがもはや握力が残っていません。諦めて一人巻き道を辿りました。ラストのMさんは一発で通過。現役クライマーの3人との実力の差を見せつけられてしまいました。次は大きな釜を持つ胴木滝。釜に半分水没した流木に跨って進み滝に取付きました。この後は両岸緑の中を快調に進み、広い河原で休憩。難所は終わったと思い込み、4人で記念写真を撮ったりしてのんびり休みました。が、まだ難所が残っていました。水がゆったりと流れる20メートルほどの淵です。私がトップで泳ぎましたが、ゆっくりに見える流れでも全く前に進むことができません。両岸の岩はツルツルでTさんに交代してもやはりダメ。Mさんが自分は泳ぎは不得意なんですが、と言いながら、果敢にクロールでチャレンジ。じわじわと前進し、左岸から右岸に渡って岩に取り付き、巻き道に這い上がったところで「来ていいよ」のコール。私は固定されたロープを伝わって進みましたが、右岸の岩を上がるところでかなり難儀しました。手取淵で使い切ってしまった握力では簡単に登れず、何度か水中に戻ったりしながら、最終的には何とか登ることができました。ここから岩壁をトラバースし、懸垂下降で沢に戻りました。これで本当に難所はおしまいです。監視塔を右に見て、はるか頭上の青梅街道の橋の下をくぐれば一之瀬川の出合です。右の一之瀬川に入って少し進むと、右岸に林道へ上がるルートがありました。急斜面を登って林道に出たところで皆で握手を交わしました。もう17時です。青梅街道を歩いて三条新橋へ戻ります。普段ほとんど使わない上半身を酷使したため、全身が筋肉痛の気配です。距離にして3キロほどの遡行でしたが、たっぷり1日楽しみ、大きな山行を成し遂げたような充実感を覚えていました。
18時15分に三条新橋に帰着。服を着替え荷物を片付けて帰途につきました。夕食はちょっと奮発してステーキ屋に寄り、頑張った体にご褒美をあげました。

2016年7月1日(金)
岩魚を釣りに東北へ(2)

幕営地上流のゴルジュ


今回のお土産

19日(日)は瀬音と鳥のさえずりで清々しい朝を迎えました。青空です。単独男性は早朝に和賀岳へ出発したようです。我々のテントの前にソーセージが置かれていました。昨日の岩魚のお礼のようです。今日は私も和賀岳に登る予定でしたが、昨日のポイントでもう一度釣りたかったので、登山は次回の楽しみにとっておくことにしました。ソーセージ入りラーメンの朝食を食べ、たっぷり日焼け止めを塗ってから出発。Tさんを案内して流れを遡ります。ゴルジュを昨日の手順で問題なく通過し、しばらく歩いて昨日のポイントに着きました。早速竿を出します。晴天の日中ということで、昨日の夕方ほどには反応がありません。それでも岩魚が居そうなポイントを辛抱強く攻めるうちに、二人とも岩魚がかかり始めました。11時を過ぎた頃にはそれぞれ数匹をキープでき、まだまだ釣りたいところでしたが今日中に横浜まで帰らなければならないので、竿を仕舞ってテントに引き返しました。
11匹の岩魚をお土産にもって帰るために処理し、テントを畳み、13時に帰路につきます。和賀川を徒渉してから靴を履き替え、高下岳分岐へ登り返します。気温が上がりハルゼミが鳴く中、1ピッチの登りでしたが大汗をかきました。高下岳分岐からあとは下るだけ。美しいブナ林で三脚を立てたりしながらのんびりと歩き、15時に登山口に下り着きました。
湯田のスーパーで氷を買い、教えてもらったほっとゆだ駅の温泉に寄ってさっぱりしてから秋田道に入りました。天気は下り坂で、東北道では雨が降り始めました。渋滞は無く順調に流れましたがやはり遠い!Tさん宅に寄って、帰宅したのは24時半を過ぎていました。走行距離は1200キロ。やはり2泊で行きたい距離ですね。

2016年6月30日(木)
岩魚を釣りに東北へ(1)

ブナの森を行く


幕営地にて


素敵な焚き火

写真仲間のTさんからの誘いを受けて、岩魚釣りを計画しました。東北が良いという話になり、以前から頭の中の引き出しに仕舞ってあった和賀岳の山麓を流れる和賀川源流へ行くことにしました。

6月17日(金)の夜横浜を発ち、東北道をひた走りました。途中のPAで車中泊し、18日(土)もひた走り、秋田道の湯田ICで高速を下りました。酒と若干の食料を買ってから、林道に入り、10時過ぎに登山口に到着。いやはや遠かった。
11時前に「和賀岳登山道入り口」と書かれた趣のある看板の横から登り始めました。小雨が降ったり、薄日が射したりと、微妙な天気です。1ピッチで尾根上に出た所が赤沢分岐。ここから高下岳の分岐までブナの尾根上をたどります。分岐から左の道に入り、和賀川まで標高差200メートルほど下ります。沢の音が次第に近づき、徒渉点に13時半に着きました。沢靴に履き替えて徒渉した対岸に素敵な幕営地がありました。
テントを張り、早速釣りに出かけます。上流すぐの所がゴルジュになっており、通り抜けるルートが分からず、しばらく幕営地周辺でトライしましたが反応がありません。何とかゴルジュを通り抜けようと覚悟を決め、荷物をしっかり防水してから一人で再度上流へ向かいました。冷静にルートを探れば水の中にホールドがあり、難所の1歩を通過できました。ゴルジュを抜けて緩やかな流れをしばらく登った所で竿を出しました。今度は順調に反応があり、まずまずのサイズの岩魚7尾を釣り上げました。
意気揚々とテントに戻ると、単独の男性のテントが1張り増えていました。河原で薪を集めて火を起こし、単独の男性も加わり魚を焼きながらの宴会となりました。いつしか空は晴れ上がり、やがて月が昇りました。素敵な山の夜です。
ついつい酒が進み、23時にようやくお開き。

2016年6月27日(月)
木曽路の旅(2)

キビオ峠からの御嶽山


赤沢自然休養林 檜の森で

6月12日(日)の朝は予報よりも天気が良く、部屋のカーテンを開けると御嶽山が見えていました。朝風呂に入ってスッキリしてから朝食を食べに食堂へ。山屋の時間感覚は一般とは若干ズレているようで、7時だというのに一番乗りでした。
今日はまず駒の湯温泉から車で林道をさらに10分ほど上ってキビオ峠へ。展望台からは一面の緑を前景に御嶽山の雄大な姿を眺めることができました。木曽谷へ引き返し、道の駅や木曽福島の和菓子屋に寄っておみやげを買ってから、今回のメインの目的地である赤沢自然休養林へ向かいました。ここでは林業が盛んだった頃の森林鉄道が保存され、木曽檜の森の中に遊歩道が整備されています。まずは森林鉄道のトロッコ列車に乗り、終点から森の中を散策します。針葉樹の森というと暗いイメージがありましたが、ここはとても明るい雰囲気です。きちんと手入れがされた森は間伐により十分な日の光が差し込み、次世代の樹木の成長に配慮されているということがよく分かりました。森の中では檜の香りも感じられ、虫が少ないように感じるのは決して気のせいではなさそうです。赤沢自然休養林の入口に「森林浴発祥の地」と書かれた石碑がありましたが、納得です。美しい林相に被写体も多く、じっくり撮影を楽しみました。
うまい具合に梅雨の晴れ間が週末に当たり、充実した2日間に満足して15時半に現地を出発しました。帰りの中央道は激しい渋滞に事故も発生し、大月で高速を出て夜遅く帰宅しました。

2016年6月25日(土)
木曽路の旅(1)

奈良井宿の家並み


自然湖

6月11日(土)から一泊二日で久しぶりに両親とともに木曽を旅行してきました。

早朝4時に自宅を出て、両親をピックアップしてから中央高速へ。週末がちょうど梅雨の晴れ間にあたり、雲が多いながらもまずまずの天気です。諏訪湖SAでゆっくり朝食を食べ、伊那ICを出て権兵衛トンネルを抜けると、もう木曽谷です。まずは御嶽山を見に地蔵峠へ。緑に包まれたワインディングロードを上り、峠の少し手前の唐沢の滝に寄り道。車から5分ほど歩くと新緑に包まれた優美な滝がありました。車へ戻り、峠を越えた先が御嶽山の展望台がありました。御嶽山は雲に包まれて見えませんでしたが、眼下には開田高原のゆったりとした田舎の風景が広がっていました。国道を361号線を戻って今度は中山道の宿場町の奈良井宿へ移動。宿場町を端から端まで散策。観光おみやげ屋や食事処が連なっている中に、普通に生活している家も多いようです。古民家での生活はどのようなものなのでしょうか。おそらく町並みを保存するために不自由を我慢することもあるのでしょう。ちょうど昼になったのでそば屋に入り、久しぶりに美味しいざるそばをいただきました。再び国道19号線を南下し、大滝村の奥にある自然湖を訪ねました。1984年の長野県西部地震で川が堰き止められて出来た湖だそうです。水面に立ち枯れの木が並ぶ様子は昔の大正池を彷彿とさせる光景です。曇り空の午後ということで写真的には今一つでしたが、神秘的な静けさに包まれていました。この後新滝に寄ってマイナスイオンをたっぷり浴びてから、今日の宿、駒の湯温泉へと向かいました。
インターネットで探して予約した一軒宿でしたが、部屋も食事も風呂も素晴らしく、ゆったりと日頃の疲れを癒すことができました。

2016年6月9日(木)
三木慶介会長のお別れの会


4月13日に93歳で亡くなられた全日本山岳写真協会の三木慶介会長のお別れの会が、5月31日(火)、錦糸町の東武ホテルレバント東京にて執り行われ、全日本山岳写真協会をはじめ交流のある写真団体、写真業界・出版関係者、三木さんがリーダーを勤めた山の会のメンバーなど約170名が集まりました。

会場には三木会長の遺影とともに、生前愛用されていた登山用具とカメラ、国際山岳写真ビエンナーレ受賞作品をはじめとする写真パネル、写真集他出版物など数々の思い出の品が並べられました。
私は全日本山岳写真協会を代表してご挨拶をさせていただき、34年前の三木会長との出会い、撮影山行でのエピソード、私から見た三木会長のお人柄などについて話をしました。
出席者の中には久しぶりにお会いする方も居り、同窓会のような和やかな雰囲気の中で三木会長の思い出と功績を偲び、多くの人から慕われた三木会長にふさわしい会となりました。

長年にわたりお世話になった三木会長のご逝去は寂しい限りですが、これからも我々が楽しみながら撮影に取り組む様子を空の上から見守ってくださることと思います。心からご冥福をお祈りいたします。

2016年5月28日(土)
ツツジ咲く丹沢主稜縦走(2)

シロヤシオと蛭ヶ岳、不動ノ峰、丹沢山


トウゴクミツバツツジ咲く森を行く

翌22日(日)は3時半に起床。夜中の強風で靄が吹き飛ばされたようで、関東平野に夜景が輝いています。三脚を立てて寒風に震えて待つうちに明るくなり、満月が富士山に沈み、東京スカイツリーの近くから朝日が昇りました。朝の撮影を終えてから小屋に入って朝食にしました。
今日の行程も長いので、6時には出発です。北側へ下った所のシロヤシオは期待通りの光線条件で、今回の山行の目的だった山とツツジの写真をばっちり撮ることができました。丹沢山へ至るまで、所々で立派なシロヤシオが点在しており、目を楽しませてくれます。丹沢山で主脈縦走路と別れ、主稜縦走路を蛭ヶ岳へと向かいます。開放感たっぷりの不動ノ峰を登り、棚沢ノ頭を過ぎると、またあちらこちらにシロヤシオが咲いていました。花を前景にして蛭ヶ岳や富士山を写しながら進めば、正面に蛭ヶ岳を眺める鬼ヶ岩に到着。岩場を下り、蛭ヶ岳へ大きく登り返しました。ここまでは展望の山でしたが、ここからは森の山旅へ雰囲気がガラリと変わります。蛭ヶ岳西面の急斜面を慎重に下り、臼ヶ岳への登り返しでは森の中に紅白のツツジが点在し、何度も立ち止まってはシャッターを押しました。臼ヶ岳から桧洞丸までの間はアップダウンが多く疲れてきた体には厳しい所ですが、黙々と足を前に出します。崩壊が進み来る度に桟道が掛け替えられている金山谷乗越を過ぎれば、いよいよ最後の登りです。桧洞丸頂上は大変な人出でした。そういえば今日は西丹沢の山開きでした。なんとか見つけた隙間に腰を下ろしましたがとても長居できる雰囲気ではなく、早々に山頂を後にしました。ツツジ新道を下ります。ここでも花は見事でしたが、シカ柵が張り巡らされ、木道が整理され、じっくり撮影する気になれず、一気に山を下りました。西丹沢自然教室には14時20分に到着。予定より1時間早い14時40分のバスに乗ることができました。
ツツジを満喫し、久しぶりにたっぷり歩き、とても充実した山行となりました。

2016年5月26日(木)
ツツジ咲く丹沢主稜縦走(1)

新緑の表尾根(三ノ塔より)


桧洞丸に沈む幻想的な夕日

今年は丹沢のツツジの花付きが良いとの情報を入手し、1泊2日で丹沢主稜を縦走しました。直前に、会社の山仲間であるGさんも丹沢へ行くと聞き、それなら一緒に行こうという話になりました。

5月21日(土)の早朝に電車内でGさんと合流し、伊勢原からバスで大山ケーブルへ。ケーブルカーは始発が遅いので、下から歩きました。大山山頂から新緑の表尾根を撮りたかったのですが、今日は霞が強く全く写真になりません。先が長いので、すぐにヤビツ峠へ向かいます。一面新緑の山腹を眺めながらの清々しい尾根道です。峠はバスで上ってきたハイカーとサイクリストで大賑わいでした。続けて表尾根縦走路へ。三ノ塔頂上まで登ると、今日の目的地の塔ノ岳へと続く尾根が眼前に広がっていました。一旦大きく下り、アップダウンを繰り返しながら標高を上げてゆきます。気温が上がって汗がしたたり、次第に疲れてペースも落ちましたが、それでも塔ノ岳には14時30分に到着しました。山頂はものすごい人出です。
尊仏山荘で宿泊の受付をしてから往復20分の水場へ行って水を補給してきました。その後、尊仏山荘から丹沢山方向へ少し下った所まで行ってみると、シロヤシオが見事に咲いていました。光線条件が今一つでしたが、明日の朝が楽しみです。小屋へ戻り、Gさんは2階で昼寝、僕は1階のロビーで待望のビール。そのうちGさんも起き出してきました。山小屋は混んでいるのに、自炊は我々二人だけ。夕景が期待できなかったのでのんびり酒を飲みながら夕食を作りました。日没の瞬間だけ桧洞丸に真っ赤な太陽が沈む幻想的な光景となりました。

2016年5月15日(日)
新緑の松姫峠(サイクリング)

足がつってひと休み


松姫峠にて


松姫峠付近の展望


一面の緑(深城ダム付近)

今日は久しぶりに自転車で峠越えに出かけました。奥多摩から国道139号線の姫松峠を越えて大月までのコースです。

横浜線の一番電車に乗り、八王子、立川乗り換えで青梅線で奥多摩へ向かいます。青梅線の車中からは、両側の車窓一杯に緑が広がっていました。ここが東京都だというのが信じられません。
奥多摩駅で自転車を組み立てて8時20分に走り始めました。奥多摩湖へ向かって青梅街道を上ってゆきます。体力を温存するために意識してゆっくりペダルを回し、新緑に包まれた多摩川を見下ろすために時々立ち止まったりしながら40分で小河内ダムに到着。奥多摩湖畔を気持ちよくとばせば、あっという間に深山橋。左折して橋を渡り、山梨県小菅村に入ると奥多摩湖を離れて再び上り基調になってきました。池之尻の手前にトイレとベンチ付きの立派なバス停があったので、これからの上りに備えて休憩し、あんぱんでエネルギーを補給。いよいよ松姫峠への上りが始まりました。一昨年に開通した松姫トンネルの道と別れて旧道に入ります。「大月方面への通り抜けはできません」という立て看板にエッ?と思いましたが、とりあえず峠を目指します。トンネルのお陰で車がほとんど通らず、本当に静かです。黙々とペダルを回し続けるうちに右足がつりそうになってきました。騙しだましこぎ続けましたが、やがて限界。一旦自転車を止めて、スポーツドリンクとアミノ酸を補給して、ふくらはぎをストレッチ。なんとか落ち着き、再びサドルにまたがりました。松姫峠には11時30分に到着。なんと、路線バスが止まっおり、ハイカーも大勢居ました。松姫峠の碑の前に座って、いなり寿司とおにぎりで腹ごしらえ。
峠の先には立派なゲートがあり、通行止めになっていました。が、自転車で通れないことは無いだろうと思い、行ってみることにしました。12時に出発。ゲートの先は木の枝や落石が落ちていたため、スピードを抑えて慎重に走らざるをえません。少し下ると景色が広がりました。霞が強く富士山は見えませんが、一面の緑の向こうに小金沢連嶺が連なっていました。慎重に走ってもやはり下りは速く、ぐんぐん標高が下がるにつれて気温が上がって暑くなってきました。葛野川ダムの手前で道路はループトンネルとなっています。照明の無い真っ暗なトンネルをライトを点けて慎重に通過すると、松姫トンネルの大月側出口に着きました。通行止めのバリケードの脇を通り、無事峠越えが完了しました。それにしても、通行止めになっていた部分はこのまま廃道となってしまうのでしょうか。今回初めて松姫峠を走りましたが、自転車で走るにはなかなか味わい深い道なので、廃道化するとしたら大変残念なことです。ここからは一気に大月まで突っ走り、13時30分に駅に到着。アイスクリームを食べてひと休みしてから自転車を分解し、14時15分の電車で帰途につきました。

2016年5月12日(木)
新緑の沢を撮りに丹沢へ

切通峠から新緑の中を下ってゆく


大棚の全容


新緑の大棚沢

中崎尾根ではまともな写真が撮れず、今年は未だに手応えのある作品がありません。雪の山から帰って、今度は新緑と水の写真を撮りたくなり、丹沢の大棚を訪ねることにしました。丹沢湖から大棚に至る林道は過去の大雨被害で通行止めになっています。逆に、山中湖から切通峠を越えて下ってゆくコースが荒れていないようなので、そのルートを往復することにしました。

5月6日(金)、早朝に自宅を出て山仲湖畔の平野の奥にある切通峠の登山口まで入りました。広場(駐車場?)に車を置いて7時20分にスタート。明るい曇天といった天気で、新緑を撮影する条件としては悪くありません。歩き出してほんの15分ほどで切通峠。道標にはここから世附方面は通行止めと書かれていましたが、構わず登山道を下ってゆきます。新緑の中の気持ちの良い道を20分ほどで沢に下り着きました。ここから大棚まで約1時間、右下の大棚沢の沢音を聞きながら林道を下ってゆきます。この区間はそれほど荒れていませんでした。林道脇の道標に導かれて林の中をジグザグに下ってゆくと、大棚から水しぶきが飛んできます。沢靴に履き替え、レインジャケットを着て濡れた岩を越えて滝壺の近くに三脚を立てました。今まで丹沢で見た中では最も立派で迫力のある滝です。カメラも水しぶきですぐに濡れてしまうので、1回シャッターを切る度にレンズを拭かなければなりません。じっくり撮影した後は林道を上流へと引き返します。大棚橋の少し上にある堰堤を過ぎた辺りで、林道から大棚沢に下り、流れの中を上流に向かってジャブジャブと歩きます。瑞々しい新緑が美しく、何度も立ち止まっては三脚を立ててシャッターを切りました。1.5キロほどの距離を2時間かけて満喫し、バラシマ沢から林道へ上がりました。ここでひと息入れておにぎりを食べていると、雨粒が落ちてきました。ここから切通峠までは約300メートルの標高差がありますが、今日はトレーニングのつもりでハイペースで駆け上がりました。峠からは10分の下りで駐車場に下山。14時20分、車に乗り込むタイイングで雨が本降りとなりました。

2016年5月11日(水)
GWは中崎尾根へ(4)

槍平に昇る天の川
(午前3時)

夜中にカメラのバッテリー交換のために何度か起き、さすがに睡眠不足です。3日(火)は完全に明るくなってからシュラフを出ました。清々しい青空が広がっていますが、風が出てきました。ゆっくり朝食を食べ、強風の中でテントを撤収し、槍平を後にしました。早くも天気は下り坂で滝谷出合まで来る頃にはもう曇り空。とくに撮影するものも無いのでカメラはザックに仕舞ったまま。白出沢出合からの林道は、温泉とビールを目標にひたすら新穂高温泉を目指しました。
新穂高温泉ではロープウェイが強風で運休しており、人も車も少なく閑散としていました。バスターミナルのすぐ近くの中崎山荘で温泉に浸かり、風呂上がりには待望のビール。車の運転をA旦那にお任せしてしまい、気持ちよく酔わせていただきました。安房トンネルを抜けた辺りから事故渋滞に捕まり松本まで3時間以上もかかってしまい、夕食は21時過ぎになりましたが、幸い目的の洋食屋が営業しており、美味しい食事を楽しみました。遅くなったお陰で中央高速では渋滞が解消しており、24時半に帰宅することができました。

2016年5月10日(火)
GWは中崎尾根へ(3)

奥丸山からの穂高連峰


槍平へ向けて下降を開始

2日(月)、目覚ましで起きてテントのファスナーを開けると、ぼんやりと月が見えていました。一応晴れていますが、撮影には今ひとつの天気です。コーヒーを飲んでから機材を持って頂上へ。三脚を立てて日の出の時刻を迎えましたが周りの山々に陽が当たることはありませんでした。西の方は青空のようなので、太陽が高くなればすっきり晴れると予想し、朝食を食べに一旦テントへ戻りました。朝食の後テントの中を片付けていると、漸くテントに陽が当たり始めました。頭上は青空です。カメラを持ってもう一度頂上へ。予想通り空気がすっきりと澄み、北アルプスの山々の眺めが360度広がっていました。眼前には滝谷の岩壁が凄い迫力で聳え立っています。クライマーのA夫妻は「あれがC沢で、その右が第四尾根で・・・」と指差しながら登攀ルートの同定に余念がありません。写真を撮り、大展望を満喫し、奥丸山を後にしました。テントを畳み、今日は槍平まで下ります。10時過ぎに出発し、昨日登って来た尾根を下ります。雪質が良ければザイル無しでも慎重に行けば何とかなりそうですが、太陽に照らされて腐った雪は足場が不安定な上に雪がアイゼンに附着するため、常に滑落の危険を感じ、かなりの部分をザイルで安全を確保しながら時間をかけて下りました。槍平には16時に下り着きました。なんと6時間近くもかかったことになります。
安全地帯に着いてほっとひと息。素早くテントを張り、残り少なくなった酒をちびちび飲みながら今日一日を振り返りました。明日は新穂高へ下山するだけです。予想外の悪天と自分達の力不足で槍ヶ岳まで行くことが出来ませんでしたが、不思議と充実感のある一日でした。暗くなると星空になりました。今回は良い写真が撮れなかったので、夜中にタイムラプス撮影をすることにしました。三脚にカメラとタイマーをセットしてからシュラフに入りました。

2016年5月9日(月)
GWは中崎尾根へ(2)

中崎尾根へ側稜を登る


雲上のホテル(雲の下ですが)

5月1日(日)、一晩中降り続いた霰が朝になっても止みません。昨日よりも気温が下がりましたが、みぞれに変わったようです。とりあえず朝食を食べましたが、どうにも行動を起こす気分になりません。時折明るくなって小降りになりますが、すぐにまたザーッと降ってきます。今日はとりあえず中崎尾根の上にテントを移せれば良いので、暫く様子を見ることにしました。9時過ぎにみぞれが止み、行動を開始します。テントを畳んで出発。新雪は思ったより少なく、10センチ弱といったところです。右俣谷を飛び石伝いに渡り、赤テープに導かれて中崎尾根の側稜に取り付きました。標高差300メートル程度の登りですが、非常に急で、不安定なナイフリッジもあり、重荷ではちょっと怖い感じです。上部で夏道は右の鞍部へトラバースしていますが、雪が不安定なので尾根を直登しました。2時間で中崎尾根上に出ました。天気に大きな変化は無く周りの山々は依然として雲の中です。我々の登高スピードを考えると、明日槍ヶ岳まで行くのはリスクがあると判断し、この段階で目標を奥丸山へと変更しました。中崎尾根を奥丸山方向へ少し上った小ピークで大造成工事を行い、立派な幕営地を作りました。テントを張ってひと休みしてから、奥丸山まで空身でトレースを付けに行きました。頂上まではほんの10分ほど。相変わらず周りの山は雲の中ですが、いかにも眺めが良さそうな頂上です。明日の朝に期待してテントに戻りました。

2016年5月8日(日)
GWは中崎尾根へ(1)

白出沢出合からのジャンダルム
今朝の青空は一体どこへ?

今年のゴールデンウィークは久々に北アルプスを計画しました。A夫妻と一緒に中崎尾根から槍を目指すプランです。

4月30日(土)の早朝に車で出発。渋滞が始まる前に高速に乗ることができ、登山口の新穂高温泉に10時に到着。素晴らしい青空ですが、雲の動きから上空に強い風が吹いていることが分かります。重いザックを背負って蒲田川右俣林道を槍平へと向かいます。穂高平までは新緑の中を清々しい気分で歩きましたが、次第に雲が広がり、白出沢出合に着く頃にはすっかり曇り空になってしまいました。林道歩きはここで終わり、森の中の登山道となりました。滝谷出合には全く雪が無く、冬の雪の少なさを改めて実感しました。ここで休憩している間に空からポツリポツリと落ちてきたので雨具を着ました。水が流れる滝谷を渡り、山腹をトラバース気味に標高を上げてゆきます。雪の上を歩くようになりました。槍平まですぐに着くと思ってからが意外に長く感じます。気温はあまり低くありませんが、みぞれのような霰になりました。歩くのが嫌になり始めた頃、槍平の雪原に出ました。16時です。滝谷から1時間20分もかかってしまいました。広大な雪原にテントは10張程度しか無く、静かなひとときを過ごせそうです。
早速我々もテントを張りました。東側の沢の流れが出ており、雪を溶かして水を作る必要がなくなりました。今日は入山祝いで豪勢に寄せ鍋の夕食。食後も霰が雨のようにフライシートを叩いています。テントを内側から叩くと積もった雪がザーッと音を立てて落ち、テントの周りにどんどん雪が積もり始めました。明日の天気を気にしつつシュラフに入りました。

2016年4月25日(月)
千畳敷で雪上訓練

千畳敷カール底からの宝剣岳


ロープワークの確認


宝剣岳山頂直下

ゴールデンウィークにA夫妻と北アルプスへ行くことになり、事前に雪上でのロープワークを確認することを目的に中央アルプスの千畳敷へ行ってきました。

4月22日(金)の夜に出発し、深夜1時過ぎに菅の台バスセンターの駐車場に到着。車の横にテントを張ってさっさとシュラフに入りました。

23日(土)、目覚ましで起きると気持ちの良い青空が広がっていました。朝食を食べてからテントを片付け、バスとロープウェイで一気に標高2600メートルの千畳敷カールへ。今シーズンは雪解けが早いとはいえ、ここまで来れば雪はたっぷりあります。身支度を整えて外に出ると、サングラスをしてもまぶしいほどの陽光が降り注いでいました。目の前に宝剣岳の岩峰が聳え、乗越浄土のコルを目指す登山者が蟻の行列のようです。カールの脇に適当な斜面を見つけ、滑落停止から始め、雪上での支点の作り方、ロープを使ってのトップの確保、フォローの確保など、何度も登ったり下ったりしながら昼まで練習しました。せっかく来たので、午後は宝剣岳を往復することにしました。カールの登りは汗が噴き出しましたが、乗越浄土の鞍部に出ると反対側から吹き付ける風に震え上がり、慌ててジャケットを着込みました。ここから宝剣岳へは安全のためにザイルを出しました。やや時間はかかりましたが、確保技術の実地での確認という意味で最高のトレーニングになりました。次第に雲が広がり、天気は下り坂のようです。山頂にタッチしてすぐに引き返しました。乗越浄土までは慎重に行動し、あとは一気にカールを下りました。16時30分のロープウェイで下山し、駒草の湯で汗を流したあとはソースかつ丼の夕食。充実した1日に満足して帰途につきました。

2016年4月18日(月)
仙丈ヶ岳(2)

仙丈ヶ岳山頂からのアサヨ峰と登山者


高遠では桜が満開

10日(日)、3時過ぎに起床。ぼんやりと星が出ています。
1時間で食事と準備を済ませてテントを出ました。固く締まった雪にアイゼンを効かせて小仙丈岳まで登ります。今の時期の仙丈ヶ岳は豊富な積雪で真っ白です。雲が多く、朝日は期待薄。三脚を立てて暫く待機しましたが太陽は現れません。後から二人組が登ってきて仙丈ヶ岳へと向かいました。撮影条件は日が高くなってからの方がまだましと判断し、自分も仙丈ヶ岳を往復することにしました。
年末年始とは違い、ルートはほぼ忠実に尾根上を進みます。ナイフリッジになっている部分も多く、やや風が強いので慎重に進みましだ。山頂手前で、登頂して戻ってきた二人組とすれ違いました。誰も居ない頂上で20分ほど構図を考えながら数カット撮影しましたが、光が悪くどうにもなりません。早々に諦めて山頂を後にしました。小仙丈岳で仙丈ヶ岳に別れを告げてテントへ下りました。
一旦テントに入り、温かいスープを作って腹ごしらえをしてからテントを畳みます。北沢峠までは連続する急斜面を慎重に下ります。かなり足に来ていましたが、ここからは特に危険な場所は無く淡々と下るのみです。氷が無くなった所でアイゼンを外すとぐっと歩きやすくなりました。八丁坂の下で小沢を渡る場所では、今日は曇っているため昨日よりも水量が少なく、簡単に渡ることができました。戸台川の河原歩きは毎度うんざりしますが、最後の徒渉点ではなんと伏流になっており、全く水に入ることはありませんでした。
ヨレヨレに疲れて車にたどり着き、コーヒーでひと息入れてから仙流荘の風呂に入りに行きました。さっぱりした後は、高遠の桜を愛でながら帰途につきました。

2016年4月17日(日)
仙丈ヶ岳(1)

熊穴沢出合にて


北沢峠からの小仙丈岳

自治会役員の任期が終わり、やっと時間が出来ました。今年初めての泊まり山行は仙丈ヶ岳へ行くことにしました。4月8日(金)、20時半に自宅を出発。この週は連日寝不足だったので、高速では眠たくなってしまい、八ヶ岳PAで車中泊。

9日(土)は4時半起床。昨日買っておいた弁当を食べて出発。諏訪南で高速を下り、杖突峠を越えました。高遠では桜がちょうど満開でした。まだ6時過ぎだというのに駐車場に入る車の渋滞が始まっていました。戸台の河原の駐車場へ下りる道でふと左横の斜面を見ると、鹿が横たわっています。よく見ると足がワナにかかっていました。
ザックを担いで戸台川を上流へと向かいます。今回は車道が整備されていました。一番古い堰堤が綺麗に修理されていたので、その工事のために道を付けたのでしょう。3つの堰堤を越えたところから河原歩きとなります。4月に来るのは初めてですが、雪解けで増水しており、いきなり靴を脱いで徒渉させられました。その後は赤布によりルートは明瞭で、冬よりもかなり歩きやすい感じです。丹渓山荘から八丁坂への登りでは途中で小沢を渡る所がありますが、ここも増水しており、ピッケルを頼りに飛び石伝いに何とか靴を脱がすに渡りました。八丁坂を登りきり、林道を横切る辺りから残雪がチラホラと見られるようになり、やがてツルツルの氷の状態となりました。たまらずここでアイゼンを着けます。大平小屋の前で休憩した後、北沢峠は素通りして小仙丈尾根に取り付きます。トレースがありますが、上るにつれて雪が深くなり、時々踏み抜いて体力を消耗します。最後はヨレヨレに疲れましたが、何とか予定通り、森林限界直下にテントを張ることができました。
あまりにも疲れてしまい、天気も今ひとつなので、夕方の撮影は諦めました。水を作って早めに夕食。夜、遠くからドンドンと音が聞こえてきました。高遠で花火でもやっているのでしょうか。

2016年4月5日(火)
フルートデビュー !?

マンションの集会場がコンサート会場です


ボーマンさんとの共演

突然ですが、音楽ネタです。
私が住んでいるマンションでは、住民の交流の場として年に2回、「日曜コンサート」と称して様々なアーティストによるコンサートを開催しています。3日(日)には、私の写真仲間でもあるチェロ奏者のベアンテ・ボーマンさんをお呼びし、奥様のルリコさんのピアノ伴奏で、満開の桜を眺めながらの素敵なコンサートが開催されました。
実は私は中学から高校にかけてブラスバンドでフルート吹いていました。30年ほどのブランクの後、ちょっとしたきっかけでフルートを衝動買いして以来、7年ほどでそこそこ吹けるようになりました。
今回ボーマンさんから「あなたもせひ一緒に」と言われ、2曲チャレンジさせてもらうことになりました。コンサートまでの2ヶ月間は、週末は自宅で、平日は会社帰りに貸しスタジオで本気で練習し、その成果か当日のリハーサルでは自分でも驚くほど絶好調でした。ところが、130人の聴衆を前にした本番での緊張感は別物でした。演奏中に口が渇き、音は上ずり、かすれ、全く満足のいくものではありませんでしたが、住民の皆さんの温かい拍手に、やって良かったと思いました。
ビデオで自分の演奏を視聴すると反省点ばかりで嫌になりますが、今回の貴重な経験を生かしてこれからもコツコツ練習したいと思います。

<演奏した曲目>
1 ヴォカリーズ (ラフマニノフ)
2 メロディー
(ビヨルクマン*)
    *ボーマンさんのご友人だそうです

2016年3月2日(水)
夜景撮影登山

中央の明るい所が厚木市街
(遠方は霞んでしまって見えません)

2月27日(土)は夜景を撮影しに丹沢大山へ行ってきました。
昼過ぎに家を出て電車とバスで登山口へ。歩き始めはポカポカ陽気でした。目的は夜景撮影ですが、トレーニングを兼ねてケーブルカーを使わず男坂を登ります。気持ちよく汗を流し、何度か水分補給のために立ち止まるだけで登り続けます。時間が時間だけにすれ違う登山者はあまり居ません。快調なペースのまま一気に頂上まで登ってしまいました。
頂上の気温は3度ほどでしたが、強い西風が吹きつけ、体感温度はきわめて低く感じられました。富士山に沈む夕日を狙いましたが雲が多く、富士山は最後まで姿を見せてくれませんでした。風が当たらない東側のベンチで湯を沸かし、カップラーメンを食べながら暗くなるのを待ちます。やがて街の明かりが点り始めましたが、靄がかかってしまい夜景としては今ひとつです。ほぼ暗くなったところで撮影スタート。20分ほど撮影したところで帰りのバスの時刻が気になり始め、撮影を切り上げました。関東平野の光の海を撮影するにはもっと日が短い時期の、冬型の気圧配置で空気が澄み切った夕刻が良いようです。年末からせいぜい1月末くらいまでがベストでしょう。
ヘッドランプの明かりで下山します。転倒とコース取りに十分注意しながらややハイペース歩き、下社からは街灯で明るい女坂を下り、山頂から1時間15分でバス停までの標高差950メートルを下ってしまいました。

2016年2月22日(月)
丹沢・石棚山稜

霧晴れゆく


雪は全くありません


大室山の大きな山容

この冬はどこも雪が少なく、自分は週末に予定が詰まっており、たまに空いている週末には天気が崩れるという不運も重なり、山へ行くモチベーションがどうにも上がりません。こんな事ではいけません。先週末は土曜日の晩が荒れ模様の天気となりましたが日曜は回復するとの予報に、とにかく体を動かそうと、石棚山稜から桧洞丸へ登り犬越路までのロングコースへ行くことにしました。

2月21日(日)、車で西丹沢自然教室まで入り、明るくなり始める6時半にスタート・・・するや否や、歩道でスリップして派手に尻餅をついてしまいました。気温は高く凍っている筈がありません。なんと濡れた苔で氷と変わらないくいヌルヌルになっていました。尾てい骨の上が痛く、歩くことはできますが一気にモチベーションダウンです。気を取り直してスタート。箒沢公園橋から霧の中を登ってゆきます。標高を上げるにつれて頭上が青っぽく感じられ、どうやら上空は晴れている気配。板小屋沢ノ頭の直下で霧から抜け出し一気に青空となりました。雲海の上には真っ白な富士山。残念ながらコースはずっと樹林の中なので撮影ができません。石棚山に着いた頃には雲海は消えてしまいました。ブナの森が美しい石棚山稜ですが、登山道の両側はほとんど植生保護柵(シカ柵)になってしまい、青空に伸びるブナを見上げて撮影するくらいしか出来ません。久しぶりに鹿を目撃しましたが、こちらの物音に気づくと一目散に逃げてゆきました。以前は人に慣れていて写真も撮り放題でしたが、最近の駆除により人を恐れるようになったようです。テシロノ頭まで来ると、いつしか雲が増え日差しが無くなっていました。同角山稜分岐のベンチで湯を沸かして大休止。今日はずっと気分が盛り上がらないままです。予定していた犬越路はどうでもよくなり、桧洞丸山頂まで行くのもやめてツツジ新道を下ることにしました。そうと決めるとカメラをザックに仕舞ってゴーラ沢出合まで一気に下ってしまいました。昨夜の雨で増水していたため飛び石伝いには渡れず、靴を脱いで渡渉し、水平道をのんびりと西丹沢自然教室へ向かいました。

2016年2月6日(土)
雨氷の丹沢

ガラス細工


朝日に輝く雨氷


凍り付いた主稜線のブナ

先週末の金曜から土曜にかけての雨が丹沢では大雪に違いないと思い、日曜日に丹沢山への山行を計画しました。ところが、土曜の晩にネットで情報を入手したところ、なんと稜線まで雨だった事が分かりガックリ。準備した装備からスノーシューを削り、軽アイゼンを追加しました。

1月31日(日)、3時に車で自宅を出発、宮ヶ瀬湖から登山口の塩水橋へ、谷間の細い道へ入って行きます。意外に気温が高く路面は全く凍っていませんでした。
5時過ぎにヘッドランプを点けて除雪されていない林道を歩き始めました。空が白み始めると、何となく山肌が白っぽく見え、明るくなるにつれてそれが雨氷であることに気づきました。1時間半ほどで林道終点となり、堂平の登山堂へ入って行きます。雪はしっかりと踏み固められており、アイゼンがよく効きます。間もなく日が昇り、樹木から枯れ草に至るまであらゆる物に付着したガラス細工のような雨氷が一斉に輝きました。夢中でシャッターを押しましたが、やがて太陽は雲に隠れてしまいました。ブナ林の斜面を一気に登り天王寺尾根の上に出ると、そこはガスに包まれ、幻想的な光景が広がっていました。この雰囲気を写したいと思うのですが、光線が無いためなかなか絵にはなりません。丹沢山山頂もガスに包まれていました。天気の回復を期待して、蛭ヶ岳が格好良く見える鬼ヶ岩まで足を延ばしました。主稜線の樹木は、雨氷の上に霧氷が付着して白珊瑚のようです。縦走路はずっとガスの中で景色は見えず、結局鬼ヶ岩でもガスが切れることはありませんでした。
ザックに腰を下ろして温かいカップめんで一息入れてから引き返します。丹沢山も相変わらずガスの中。天王寺尾根を離れて下り始めたところで、やっとガスが切れました。堂平まで下ると気温が上がり、氷と水が凄い勢いで落ちてきます。昨日降った雨が一旦木の上で停止し、今日になって落ちてきた、そんな感じです。たまらず雨具を着てフードを被りました。林道をショートカットして一気に標高差200メートルを下ると雨氷はすっかり消え、雨具をザックに仕舞って雪が緩んだ林道を塩水橋まで快調にとばしました。

2016年1月11日(月)
境川サイクリング



この三連休は土曜の晩に自治会の会合があったため、山へは行けませんでした。体を動かしたかったので、今日は自転車で江ノ島まで往復してきました。

自宅を10時半に出発し、中原街道を茅ヶ崎方面へ走ります。今日は雲が多く日中も気温があまり上がりませんでしたが、結構アップダウンがあるため、厚着をしなくてもすぐに汗ばんできました。11キロほど走ると境川にぶつかります。ここからは境川に沿って南下します。ほとんどがサイクリングコースとなっており、田園風景の中を快適に走ります。境川遊水池公園で休憩し、コンビニ弁当で腹ごしらえ。境川の自然と遊水池に関する展示がある施設にも立ち寄って見学してから、また下流を目指します。国道1号線を過ぎた所でサイクリングコースは終わり、国道467号線を走ります。交通量が多く、藤沢駅周辺は渋滞しており、自転車もなかなか進むことができませんでした。今日は成人の日。藤沢市民会館は着飾った新成人があふれていました。藤沢の中心部を過ぎると再び交通は流れるようになり、江ノ電が通る交差点を右折すると、間もなく前方に海が見えてきました。13時20分、海岸に出た所を今日のゴールとします。雲間からの光で海が光っています。寒い中、ウェットスーツを着てウィンドサーフィンをしている人が何人もいました。
帰路は若干の向かい風ではありましたが強い風ではなく、快適な走りを楽しみました。自宅には15時半に到着。走行距離は63キロでした。久々の遠出だったのでのんびり走りましたが、それでも結構足にきました。

2016年1月5日(火)
年末山行(3)

頂上が隠れているのが惜しい


ドーン! やっと出ました

12月31日(木)、5時起床。風が強いですが晴天です。朝食のラーメンを食べ、東の空が明るくなってきてからカメラを持ってテントを出ました。雲が凄い勢いで流れています。日の出の少し前に白根山の山頂部が雲に隠れてしまいましたが、山腹と雲がピンク色に染まりました。五色山の東斜面の樹氷も朝日に輝いています。白根山の全体が姿を現さないので一旦諦めてテントへ戻り、下山のためにパッキングを始めました。途中で外の様子を見ると、今度は見事に晴れ上がり、白根山がバッチリ見えていました。パッキングを中断して再び撮影。苗場山など越後の山々も真っ白な姿を見せています。写真が撮れて満足し、テントを撤収しました。
わかんを着けて五色山を後にしました。一昨日のトレースが残っているの下りは楽です。所々の藪潜りに難渋しましたが、40分ほどで標高2230メートルの鞍部に着きました。この先は一気に積雪が減り、アイゼンに替えました。日だまりは暖かく、アイゼンが団子になるほどです。湯場見平で大休止をとり軽く腹ごしらえ。ここからの急な下りは一歩一歩慎重に足を運びます。30分ほどで平らな所に下り着き、緊張を解きました。アイゼンを外し、湯元温泉までのんびりと歩きました。
バス停を通り過ぎて「五識の湯」に直行。乳白色のにごり湯が素晴らしく、露天風呂からは五色山がよく見えました。ビールを買ってバスに乗り、すぐに気持ちよく酔いが回ってきました。東武日光から15時30分の臨時特急に乗ることができ、紅白歌合戦が始まる頃に帰宅できました。1年の締めくくりとして、充実した山行となりました。

2016年1月4日(月)
年末山行(2)

青空が見えてきました


白根山山頂にて


白根山を振り返る


満天の星空

年末山行の続きです。

12月30日(水)、4時30分起床。風が強く、まだ雪が舞っています。朝食にラーメンを食べてから暫く待機しましたが、時々雲が薄れて月が見えるものの、なかなかガスが取れません。東の方向が明るくなってきたので完全武装してカメラを持ってテントを出ました。ガスの切れ間から太陽が山腹を照らし、樹氷が真っ赤に染まりました。白根山側はガスが凄い勢いで流れており、もうすぐ晴れるだろうと粘りましたが、白根山はなかなか姿を見せてくれません。一旦テントに戻り9時頃まで待機しましたが、シャッターチャンスは訪れませんでした。
天候が回復傾向なのは確かなので、白根山ピストンに出発します。わかんを着けて樹氷の間をラッセルして弥陀ヶ池を目指します。木の枝先に赤布が付けられており、ルートは明瞭です。標高2240メートルの最低鞍部からは登りのラッセルに喘ぎます。膝までの雪ですが、以前のように進み続ける体力が無く、何度も立ち止まってしまうのが少々悲しくなります。弥陀ヶ池手前のコブを左から回り込むと広い平坦地に出ました。ここで初めてガスが切れ、一瞬白根山が姿を現しました。弥陀ヶ池へ下り、座禅山の鞍部まで登ってひと休み。五色山からここまで2時間近くもかかってしまいました。白根山本体の登りにとりかかるといきなりの急登でわかんでは登れず、すぐにアイゼンに替えました。尾根の上に出ると再びラッセルが森林限界まで続きます。樹林帯を抜けると漸く締まった雪にアイゼンが効くようになりました。白根山を見上げるとガスの向こうに不気味な岩峰が聳え、いったいどこを登るのだろうかと思いますが、巧に弱点を突いてルートが付けられています。一箇所、急斜面のきわどい数歩があり、下りのために足場を覚えながら慎重に通過しました。ゴツゴツした岩の間を登りようやくピークかと思ったら、まだ先に本当のピークが。一旦下って岩場を登り、頂上に立ちました。頭上には青空が見え太陽が出ていますが、残念ながら周りにガスが流れ、展望はゼロ。反対側から単独の男性が登って来ました。入山以来初めて会う人です。今朝、湯元を発って登って来たそうです。前白根のコースはトレースがバッチリだったとのこと。
記念写真だけ撮り山頂を後にしました。岩場を慎重に下り、あとは自分が付けたトレースを辿ってあっという間に座禅山のコルまで下ってしまいました。ここで再びわかんに替え、のんびり五色山を目指します。弥陀ヶ池から一段上がった台地で漸く空が晴れ、白根山が完全に姿を現しました。最低鞍部から五色山への登りでは、午後の日差しに樹氷が輝き、何度も立ち止まってシャッターを押しました。ヨレヨレに疲れて五色山に帰着。夏のコースタイムが2時間50分のところを6時間もかかってしまいました。夕方の撮影タイムは太陽が白根山の後に隠れてしまい、あまり撮るものがありあせん。白根山とは反対側の温泉ヶ岳が夕日に染まるのを撮影しただけでテントに入りました。
今日の夕食はキムチ鍋。疲れて冷え切った体がポカポカと温まりました。食後も喉の渇きが収まらず、コーヒー、紅茶、日本茶を次々に飲んでしまいました。夜は星空の撮影。天の川が見事でした。

2016年1月3日(日)
初詣登山

阿夫利神社下社

 


丁目石を見ながら登る(九丁目)

年末山行の報告はちょっとお休み。

今日は夫婦で大山へ初詣登山に行ってきました。
ケーブルの運行開始時刻に合わせて6時過ぎに自宅を出ました。麓でバスを降りたのが8時前。ケーブルの駅までは土産物屋の間を15分ほど歩きますが、途中でみかんの無人販売がありました。一袋150円というあまりの安さに迷わず購入。ケーブルの駅に着くと、既に長蛇の列が出来ていました。ケーブルをあっさり諦め、歩くことにします。今日は女坂を登ります。気温が高めで、すぐに汗が噴き出してきます。途中の大山寺ではスピーカーから大音量でお経が流れていました。バス停から1時間弱で阿夫利神社の下社に到着。ここでお参りをしてから山頂を目指します。石積みの階段が崩れかけたような所があったり、こぶし大の石がごろごろしていたり、意外に歩きにくい道です。下社から上は丁目石があり、あとどれくらいかの目安になる筈ですが、山頂が何丁目なのかを確認せずに来てしまいました。1時間半ほどの頑張りで頂上に到着。二十八丁目でした。(なんだか中途半端。)奥社にお参りしてから建物の裏手に回ると、富士山と南アルプスの眺めが見事でした。ここでお湯を沸かして昼食にしました。
登って来たコースを下ります。続々と登って来る登山者に道を譲りながらゆっくり下って下社まで来ると、ここも大勢の参拝客で賑わっていました。正月とは思えない暖かさにたっぷりといい汗をかき、往きに買ったみかんが美味しい。下りもケーブルには乗らずに女坂を歩き、お土産にみかんをさらに2袋買って帰りました。

2016年1月2日(土)
年末山行(1)

2230メートル鞍部の樹氷


五色山頂上で幕営

あけましておめでとうございます。
皆様にとって素敵な1年となりますようお祈りいたします。
本年も時々当ホームページをお訪ねいただければ幸いです。

さて、昨年の締めくくり山行、奥白根山の報告です。

12月29日(火)、浅草6時20分発の快速列車に乗り込みました。車内は空いており、ボックス席をゆったり使って列車の旅を楽しみました。東武日光で湯元温泉行きのバスに乗り換えます。日光市街までは晴れていましたが、いろは坂の辺りから雪がちらつき始め、湯元温泉では完全に降雪となりました。積雪はまだ3センチ程度しかありません。
オーバージャケットとオーバーパンツを着込んで歩き始めます。中ッ曽根の登山道に入るとトレースがあり、ルートを外す心配はありません。尾根に取り付くといきなりの急登で、凍った地面が滑るためアイゼンを着けました。湯場見平で急登はおしまい。次第に積雪が増え、ようやく冬山らしくなってきましたが、所々で雪の下の笹に足を取られます。快調に標高を稼ぎ2230メートルの鞍部を越えた途端、一気に積雪が増えラッセルとなりました。金精山の分岐でアイゼンからわかんにチェンジ。ラッセルに喘ぎながら夏道と同じルートをたどり、2303メートルのコブをを右から巻き登って再び稜線に出ました。その後もラッセルが続きますが中途半端な積雪に藪がかぶっており、四つん這いで潜らなければならず、ペースがさらに落ちてしまいました。結局、鞍部から2時間近くかかって五色山に到着しました。
風雪で展望はなく、風を避けて灌木の間を整地してテントを張りました。気温はマイナス12度。テントに入り、しょうが湯を作ってほっと一息。雪を溶かして水を作り、楽しみにしていたよせ鍋の夕食。明日は晴天の予報で、朝の撮影が楽しみです。


<<前のページ | 次のページ>>