撮影日和     

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2015年12月13日(日)
丹沢・撮影兼トレーニング

丹沢山からの不動ノ峰


鬼ヶ岩からの蛭が岳


夕暮れの山なみ(塔ノ岳より)

この週末は雪山へ行きたかったのですが、金曜日の季節外れの暖かな雨で標高の高い山はコンディションが悪いと判断し、12日(土)に日帰りで丹沢へ行ってきました。トレーニングを兼ねて大倉尾根を登り、塔ノ岳から蛭ヶ岳を往復し、塔ノ岳で夕景と夜景を撮影して大倉に戻るという欲張りプランです。

登山口の大倉に着いた時は雨がパラついていましたが、準備をしている間に止み、雲の切れ間から美しい光芒が差してきました。7時20分に出発。日帰りにしては重たいザックなのでスピードは出ませんが、休憩をとらずに一気に登ります。花立まで来るとすっかり晴れ上がっていました。2時間半で塔ノ岳に到着。意外に風が冷たく震え上がりましたが、お湯を沸かして一息入れ、1回目の昼食にしました。主脈縦走路を蛭が岳を目指します。次第に風が弱まり、日向はポカポカと暖かくなってきました。丹沢山頂上では前日の雨が湯気となって地面から立ち上っていました.。それでも、北斜面の日陰には僅かに雪が残っており、昨夜に降ったようです。雄大な笹原の中を登って不動ノ峰を越えると、蛭ヶ岳が視野に入ってきました。今の季節は太陽が低いので昼間でも影ができ、前景のブナ林がなかなか良い感じです。撮影しながら鬼ヶ岩まで来たところで、そろそろ引き返さないと塔ノ岳での夕景に間に合わない時間となりました。堂々とした定番の蛭が岳を撮影して引き返します。さすがに足に疲れを感じ、一つ一つの登り返しが辛く感じられました。丹沢山を越え、塔ノ岳が近づく頃から急激に気温が下がり、大気が靄ってきたかと思うとみるみる雲となり、遠景が見えなくなってしまいました。塔ノ岳山頂で霞む山なみを撮影できましたが、夜景は諦めざるをえないようです。お湯を沸かして2回目の昼食(夕食)を食べ、カメラをザックに仕舞って山頂を後にしました。間もなく暗くなり、ヘッドランプを点けて黙々と下ります。大倉尾根は夜になっても時々登ってくる登山者とすれ違います。沢山の明かりが登って来たと思ったらトレイルランナーの集団でした。おそらく夜間のレースを想定したトレーニングなのでしょう。10時間以上の行動で足がパンパンになりましたが、19時前に人気のない大倉のバス停に下り着きました。既に売店は閉まっており、楽しみにしていたビールにありつけなかったのが残念!

2015年12月3日(木)
雪山シーズン到来(2)


ノロシバ付近での日の出


権現岳山頂にて

11月29日(日)は3時に起床。凄い月明かりです。朝食の後、三脚を立てて月明かりの山とテントを撮影してから、大急ぎでパッキングをします。
5時にヘッドランプの明かりで出発。30分ほど歩いたところで東の空が白み始めました。日の出までに山頂に着きたくて気持ちが焦りますが、甲府盆地の夜景と黎明の富士山があまりにも美しく、たまらず三脚を立てて撮影しました。結局、ノロシバで日の出を迎えました。雪化粧した樹林がオレンジ色に染まります。ギボシへの登りは鎖場が続きます。中途半端な積雪に足場が不安定で、一番歩きにくいコンディションだと感じました。雪に埋もれかけた鎖を引っ張り出し、安全を確保しながら慎重に登りました。
権現岳山頂は見慣れた風景ですが、今回は雪が付いた樹木が前景になるので、いつもとはまた違った趣の写真が撮れました。思いがけず冬山の雰囲気を満喫でき、登頂の満足感もひとしおです。
三ツ頭への下りも中途半端な積雪にアイゼンが引っかかりやすく、慎重に足を運びました。三ツ頭で休憩していると、下から数人のパーティーが登って来ました。挨拶をしようと先頭の人の顔を見たら、なんと菊地哲男さんでした。先月の栂池でも会ったので、山で2回続けて会ったことになり、びっくりです。午前0時に登山口に集合し、弾丸登山で登ってきたとのことでした。
今回は甲斐小泉へのルートを下ります。明るい樹林帯の道で、所々で編笠山と権現岳がよく見えます。歩きやすい道をどんどん下り、足がヨレヨレになった頃、八ヶ岳横断歩道との十字路に到着。観音平へは右へ曲がり、あとは水平道を僅かでと思いましたが、意外に起伏があり足に応えました。観音平からは昨日歩いた防火帯を一気に下りました。
早い時間に車に戻れたので、渋滞を避けるために温泉には寄らずに、そのまま帰途につきました。その結果、ほとんど渋滞に遭わず、16時半には帰宅することができました。

2015年12月2日(水)
雪山シーズン到来(1)

防火帯からの甲斐駒ヶ岳


編笠山からの権現岳

先週末、山は初冬の雰囲気を楽しめそうだったので、1泊で編笠山から権現岳を周回してきました。

11月27日(金)の晩に出発し、道の駅こぶちざわで車中泊。

28日(土)、明るくなってから起床。風が強いですが快晴です。10分ほどの移動で観音平の道の冬季ゲートに到着しました。
ゲートの横を通り抜けて車道を少し上ると、右に防火帯経由で観音平へ行く道があり、そちらを行くことにします。時々正面に真っ白に雪化粧した権現岳が見えます。人気のない観音平から、編笠山への登山道に入り、明るい樹林の中を緩やかに登ってゆきます。雲海(地名です)辺りから、ちらほらと雪が目につき始めました。押手川(といっても川はありません)で先行者に追いつきました。風が強いので巻き道経由で青年小屋へ行くとのこと。こちらは写真が目的なので、当然編笠山の山頂経由です。ここから積雪が増えてきました。傾斜も明らかに急になり、頂上が近づくにつれて傾斜は増す一方で、山頂直下では何度も立ち止まって息を整えなければなりませんでした。
山頂に着くと正面に雪の権現岳が姿を現しました。ここは30センチくらいの積雪で、すっかり冬山の様相です。いつの間にか上空が雲に覆われてしまいましたが、雲間からの光が強風で刻々と変化し、権現岳がなかなかの迫力です。ここで結構な枚数のシャッターを切りました。
今日の宿泊地の青年小屋まではたいした距離ではありませんが、最後の露岩帯が曲者でした。中途半端な積雪が岩の隙間を隠し、用心していても落ち込んでしまうため、目の前に小屋が見えてから結構時間がかかりました。一旦派手に穴に落ち、尾てい骨をしこたま打ってしまいました。青年小屋の前の雪原にテントを張ります。気温はマイナス7度。焼酎を飲みながら雪を溶かして水を作ります。夕方、目の前の樹林が夕日に染まる気配にテントを出ようとしましたが、一瞬で光が無くなってしまい、そのまま日没となりました。夕食を食べ、19時半にはシュラフに入りました。

2015年10月31日(土)
南アルプスユネスコエコパークフォトコンテスト

最優秀賞「秋を映す瞳」


大学時代の仲間のご家族と

静岡市が主催している南アルプスユネスコエコパークフォトコンテストの山岳景観部門で、最優秀賞をいただいてしまいました。その作品展示会が静岡市民ギャラリーで開催されており、また同じ静岡市民ギャラリーで全日本山岳写真展の静岡展も開催されています。静岡市に住んでいる大学時代の山仲間に連絡を取ったところ一緒に昼食をという話になり、今日は鈍行列車に乗って静岡まで行ってきました。

作品展示会では山岳景観部門の他に動植物部門、井川部門、こども部門とバラエティに富んだ作品が展示され、また山岳景観部門にはよく知った仲間の作品も沢山並んでいました。全日本山岳写真展の静岡展では静岡在住の会員の皆さんが会場を切り盛りしており、楽しいひとときを過ごしました。昼食は大学の山仲間のご家族と近くの和食レストランへ。思い出話と近況報告で昼間から酒が進み、ほろ酔い気分で静岡を後にしました。

2015年10月28日(水)
晩秋の栂池高原(2)

朝の展望湿原


今回のメンバー

10月25日(日)、夜中は激しい風雨の音がしていましたが、4時過ぎに目が覚め玄関を出てみると満天の星空でした。寒風に震えがきます。地面が白くなっており、初雪です。5時にメンバーが玄関前に集合し、ヘッドランプを点けて展望湿原を目指しました。東の空が明るくなるのと競争するように急ぎ、なんとか日の出の時刻に展望湿原にたどり着きました。三脚を立てるのと同時に白馬三山の稜線がピンク色に染まり始めました。他のメンバーも次々に到着し、歓声を上げながらシャッターを切っていました。撮影に一区切りついたところで腹ごしらえをして引き返します。高山植物の種や薄氷などの宝石を探しながら冬枯れの湿原を歩き、振り返ればすっかり葉が落ちたダケカンバ林の上に新雪の山が輝き、最高に美しく清々しい晩秋の光景を満喫しました。
栂池山荘に戻って暖かい室内で昼食を食べてから山を下ります。今日は強風でロープウェイとゴンドラが運休とのことでしたが、我々だけのために臨時運行してくれました。ジャンボタクシーで白馬へ出て、駅前の喫茶店で新宿行きのバスの時刻まで、充実した撮影を振り返りながら時間つぶし。白馬14時半発のバスに乗ることが出来ましたが、中央道は渋滞が激しく、新宿で解散となったのは21時を過ぎていました。

新入会員歓迎撮影会は3年続けて雨でしたが、ようやく新雪の山という最高の撮影条件に巡り会うことができ、参加者全員が満足できたことと思います。

2015年10月27日(火)
晩秋の栂池高原(1)

晩秋の林


不穏な雲

10月24日、25日の1泊2日で栂池高原へ行ってきました。全日本山岳写真協会の新入会員歓迎撮影会です。メンバーは今年の入会者4人を含む9名です。

24日(土)の朝、新宿の高速バスターミナルに集合し、バスで白馬へ向かいます。週末の行楽渋滞に加えて事故渋滞でどんどん遅れがひどくなり、白馬には1時間半遅れて到着しました。寒冷前線に南風が吹き込んでいるため、10月下旬とは思えない暖かさです。ジャンボタクシーに乗り換えて栂池コンドラ乗り場へ。途中の黄葉が綺麗ですが、山には寒冷前線の雲がかかり始めていました。ゴンドラとロープウェイを乗り継ぎ、終点から10分ほど歩いて15時過ぎに栂池山荘に到着。
チェックインした後、カメラを持って自然園に行ってみました。すでに太陽は寒冷前線の雲に隠れ、強風が吹いています。特に面白い被写体も無く、強風に乗ってパラパラと雨粒が落ちてきたため、撮影を切り上げて山荘に戻りました。
風呂で暖まってから夕食。今夜が今シーズンの営業最終日ということで、宿泊客は我々9人だけの貸し切り状態でした。外ではいつしか雨が本降りになっていました。明日の天気が危ぶまれます。
夕食後は談話室で「ほろ酔い写真講座」をやりました。期待以上に盛り上がり、最後に「今日はすごく勉強になった」と言われ、一応、皆さんのお役に立てたようで、ひと安心。

2015年10月18日(日)
大源太山~三国山

三角山からの大源太山 奥は仙ノ倉山


大源太山山腹の見事な彩り


光射す平標山

会社関係の山仲間4人で平標山の隣の大源太山へ行って来ました。

10月11日(日)の午後に車で出発。夕方に浅貝スキー場の近くの山荘に着きました。我々だけの完全貸し切りで自炊です。鍋を囲んで美味しい酒を飲み、楽しい前夜祭となりました。

12日(月)は5時に起床。天気予報が見事に外れ、快晴です。手早く朝食を済ませ、山荘の戸締りをして出発。
初めは浅貝スキー場の中を登り、やがて急な尾根上を行くようになりました。順調に標高を稼いで1ピッチで毛無山に着きました。ここで初めて仙ノ倉山が見えました。少し下って三角山への登りに取りかかります。次第に紅葉が鮮やかになってきました。稜線上の三角山に登りつくと、一気に展望が開けました。目の前の大源太山は緑の笹原に点在する赤が印象的です。その奥には平標山から仙ノ倉山へ続くのびやかな稜線。眼下の谷間は一面紅葉で埋まっていました。一息入れてから大源太山をビストンします。紅葉の森を抜けて登り着いた頂上では、国境稜線の山々がなかなかの迫力で連なっていました。
三角山まで戻り、紅葉を眺めながら腹ごしらえ。Gさんが煎れてくれたコーヒーが格別でした。稜線の道を三国山へ向かいます。上空に寒気が入ってきたようで、急に雲が増えてきました。雲間からのスポットライトが紅葉を浮かび上がらせ、何度も立ち止まってシャッターを押しました。紅葉を満喫して三国山に着くと、グループが次々に上がってきていました。ハイキングの山として人気のようです。
三国峠へ一気に下ります。立派な木の階段がずっと続き、下るには良いですが、登るのは大変そうです。あっという間に三国峠に到着。ここでGさんが車を回収すると言って先に下ってゆきました。残る3人は、いにしえの峠道らしく歩きやすく整備された道をのんびりと下りました。国道に出るのと同時にGさんの車が到着。あまりの早さにビックリ。聞けば今朝の登り口まで国道を走ったそうです。
雪ささの湯で温泉に入り、お土産に天然まいたけを買って帰途につきました。

2015年10月14日(水)
鳳凰三山撮影行(3)

朝日に染まる地蔵岳


カラマツの黄葉と白峰三山

10月6日(火)、日の出前に観音岳に登るため2時45分起床、大急ぎで朝食を食べてテントを撤収し、4時過ぎにヘッドランプを点けて出発。真っ暗な森の中は何度歩いても心細いものですが、満天の星が見守ってくれているようです。すぐに東の空が白み始めました。森林限界を抜けて稜線に発つと、昨日ほど風は強くありません。ヘッドランプを消して花崗岩の稜線を辿って観音岳頂上に着き、岩の上に三脚を立てました。甲府側と野呂川の谷間が一面雲海に埋まっています。日が昇ると山腹の紅葉が鮮やかに色づきました。しばらく撮影していると他の登山者も到着し、山頂は賑やかになってきました。
薬師岳まではなだらかな稜線漫歩です。野呂川谷間から雲海が次第に消え、白峰三山が下の方まで見えるようになってきました。カラマツの黄葉を前景に使って撮影を楽しみながらのんびり歩きました。薬師岳で白峰三山の眺めと別れ、中道を下ります。稜線から30分ほど下がった所に大きな花崗岩があり、超広角レンズで遊びました。ここでカメラをザックに仕舞い、ずっと樹林の中を下ります。薬師岳から青木鉱泉まで1600メートル以上の標高差があり、登山口の林道に出た時には足がガクガクでした。
ゆーぷるにらさきで温泉に入ってさっぱりしてから帰途につきました。

2015年10月13日(火)
鳳凰三山撮影行(2)

雲流れる甲斐駒ヶ岳


鳳凰小屋下からの地蔵岳

10月5日(月)、朝の撮影のために2時半起床、4時出発。地蔵岳の賽ノ河原までゆっくり1時間かけて登りました。稜線は風が強くかなり寒く感じられ、フリースとダウンを重ねた上にレインジャケットを着込みました。日の出まで十分時間がありますが、甲斐駒ヶ岳に雲が流れており、早速撮影開始。明るくなり周りが見えるようになると、残念ながら紅葉はすっかり終わってしまっていました。甲府側は大雲海です。日が昇ってから赤抜沢ノ頭へ登りました。白峰三山は頭が雲に隠れており、あまり撮るものがありません。一休みしてから観音岳へ向かいますが、稜線には紅葉が無く山頂まで登っても面白くないので、途中から鳳凰小屋へ下りました。小屋は霧に包まれていました。
テントで早い昼食を食べてから、昨日登ってきたドンドコ沢の源頭までカメラを持って遊びに行きました。時折霧が晴れて地蔵岳が姿を現します。下から見ると山腹の紅葉は見頃でした。じっくり三脚を構えて何度も何度もシャッターを押しました。満足してテントに戻り、夕方の撮影に備えてのんびり過ごしました。20分ほど横になってうつらうつら。
夕方、ガスっていましたが撮影のため再度稜線まで登りました。残念ながら晴れる気配はなく、地蔵岳と観音岳は見えているものの、他の山は雲の中。全く光線が無く写真になりません。高嶺まで行くつもりでしたが途中で引き返し、暗くなる前に鳳凰小屋に戻りました。
ビールを飲みながら飯を炊き、ほろ酔いで夕食を食べ、19時半にシュラフに入りました。

2015年10月11日(日)
鳳凰三山撮影行(1)

鳳凰ノ滝


ドンドコ沢源頭の紅葉

10月4日(日)、3時半に自宅を出発。甲府で朝を迎えました。快晴です。青木鉱泉の駐車場はほぼ満車。なんとか隙間を見つけて車を停めました。
25キロのザックを背負って歩き出します。寝不足なので体が重く感じられ、ゆっくりと足を運びます。しばらくは樹林帯をトラバース気味にだらだらと登ります。小さな沢を横切る所で三脚を立てて動画を撮影。今回は単独なので誰にも気兼ねすることなく撮影に専念できます。ここから間もなくで南精進ヶ滝の展望台。落差が大きく立派な滝ですが、ドンドコ沢は北面のためどの滝も日陰になってしまうのが残念です。この先は本格的な急登となりました。鳳凰ノ滝は、河原から上流の方を見上げる感じで、若干距離がありました。登山道に戻り、段差の大きい急登に喘ぎます。白糸ノ滝を見て五色ノ滝まで、息つく間もない登りでかなり足にきている感じです。決して運動不足ではない筈ですが、これほどきつく感じられるのはやはり寝不足のせいなのでしょうか。五色ノ滝では上の方の木が紅葉していました。ここからひと登りで傾斜が緩くなり、源流の河原に出ます。ナナカマドの紅葉の向こうに地蔵岳が絵になります。何度も立ち止まってシャッターを押しました。
かなりくたびれて鳳凰小屋に到着。今日は夕景の撮影に稜線まで登る元気が残っておらず、ビールを買ってテントを張りました。夕方になって冷え込んできましたが、無風で静かな夕暮れでした。

2015年10月10日(土)
紅葉の大雪山(4)

快適だった愛山渓ヒュッテ


幾春別川での釣り
9月23日(火)、ゆっくり休んで明るくなってから目が覚めました。快晴です。宿のバスで上川駅まで送ってもらい、路線バスで旭川へ。帰りの飛行機は明日なので1日余裕があり、レンタカーを借りてどこかで釣りをしようという話になりました。とりあえず夕張方面にカーナビをセットし、釣れそうな川を探しながら国道432号線を走ります。芦別の道の駅で昼食を食べ、幾春別川の上流でいい感じの流れを見つけました。沢に下りてTさんから借りた毛バリを流したところ、いきなりヤマメがヒット。大いに気を良くしましたが、それ以降は全くアタリが無く、2時間ほど粘ったところで切り上げました。Tさんも1匹釣り上げましたが針を外した時に逃げられてしまったとのこと。
札幌に住んでいる山岳写真協会のMちゃんご夫妻に連絡をとったところ、泊めてもらうことになり、ご自宅まで押し掛けました。元気一杯のお子さん二人と、賑やかな楽しい夜になりました。

24日(水)は支笏湖までドライブして時間をつぶし、午後の飛行機で東京へ戻りました。
2015年10月9日(金)
紅葉の大雪山(3)

北鎮岳を正面に


深紅の絨毯(裾合平のチングルマ)


黄葉の沼ノ原

9月22日(月)、一旦上がった雨が夜中に再び降り始め、明け方まで雨粒が激しくテントを叩いていました。5時に起きて朝食を食べているうちにようやく雨が止み、空が明るくなってきました。
テントを撤収し、間宮岳へ登り返します。頂上近くまで来た時、みるみるガスが切れて山々が姿を現し、慌ててザックからカメラを取り出しました。雲が山腹に影を落とし、光と陰が交互に流れ、雄大な光景が広がりました。間宮岳を越え中岳分岐から裾合平へ向かって小尾根上を下ってゆきます。山腹の紅葉がスポットライトを受けて輝いています。尾根を下りきった所に、湯船だけの中岳温泉がありました。大勢の登山者が集まって足を入れたりして大はしゃぎしています。ここで本格的に入浴するには相当な勇気が必要でしょう。裾合平ではチングルマの紅葉がさながら深紅の絨毯のようで、その規模はため息が出るほどです。ぜひ花の時期にも来てみたいものです。旭岳が雲に隠れているのが残念ですが、一瞬だけ姿を見せてくれました。姿見ノ池への分岐を過ぎても庭園のような風景が続きます。ただ、登山道は延々とぬかるみが続き、時間と体力を消耗します。ピウケナイ川を渡って少し登った所が当麻乗越。大勢の登山者が休んでいました。眼下にはこれから向かう沼ノ平の美しい湿原地帯が広がっています。当麻乗越から下り始めると、これまで晴れていたのが嘘のように急にバラバラと雨が降り始め、慌てて雨具を着ました。雨は間もなく上がり、沼ノ平の手前で左の踏み跡に入り笹の間を少し登った岩頭の上から見下ろすと、黄葉のダケカンバが点在する湿原が見事でした。沼ノ平には木道が整備され、久しぶりに快適に歩くことができました。三十三曲がりの急坂を下って少しで愛山渓温泉につきました。
愛山渓ヒュッテは空いていました。台所には調理器具と食器が揃っており、部屋のテーブルで自炊ができ、実に快適。温泉に入った後ビールを飲んでいると、隣のグループからラーメンのお裾分けがあり、おかわりまでいただいてしまい、結局それが夕食になってしまいました。消灯時間の21時までそのグループと話が弾みました。

2015年10月7日(水)
紅葉の大雪山(2)

朝日を受ける紅葉


御鉢平展望台付近のナナカマド

9月21日(日)、黒岳山頂で朝の撮影をするために3時15分に起床。今日は満天の星空です。まずテントの明かりと星空を撮影した後、温かいコーヒーと、パンを少しかじってから黒岳に登りました。石狩川の谷間に朝霧が立ちこめ、その向こうの山なみから真っ赤な太陽が顔を出しました。北の大地らしい荘厳な朝です。朝日に照らされた紅葉の撮影に満足してテントへ戻りました。朝食の後はカメラを持って北海沢まで遊びに行きました。紅葉のピークは過ぎていましたが、真っ赤なチングルマの葉と花穂の組み合わせが綺麗でした。
テントを撤収して出発、裏旭を目指します。山の上に居るとは思えない広大な台地を緩やかに登ってゆきます。御鉢平展望台手前のナナカマドがちょうど紅葉の盛りでした。ここから北鎮分岐までは今日一番の急登です。北鎮分岐まで来ると、残念なことにガスってしまいました。カメラをザックに仕舞い、火山らしい荒涼とした稜線を進みます。間宮岳まで来ると、再びガスが晴れて日も差してきました。裏旭の幕営地までは意外に近く、少し下るとテントが見えてきました。この季節でも上の雪渓から水が流れており、快適な幕営地です。鞍部なので景色が無いのが残念です。
今日もウイスキーでほろ酔いになり、夕食を食べていると激しい雷雨となりました。激しく降っては止みを繰り返しながら雷鳴は次第に遠ざかり、寝る頃には雲が切れて月が顔を出しました。

2015年10月2日(金)
紅葉の大雪山(1)

層雲峡ビジターセンター


夕暮れのキャンプ(黒岳石室)


月と雲

掲載が遅くなってしまいましたが、シルバーウィークの大雪山の報告です。今年のシルバーウィークは5連休となり、大雪山の紅葉シーズンとぴったり重なりました。このチャンスを逃すわけにはいかないと思い、連休前後に休暇を付け、贅沢に1週間の日程を組みました。長年山行を共にしたTさんとの二人旅です。

9月18日(金)に雷雨の羽田空港を発ち、新千歳空港からJRで旭川へ、そしてバスで夕刻の層雲峡に到着し、予約していた民宿に入りました。

19日(土)は朝から雨。入山を諦め、ロープウェイ乗り場の近くにある大雪山写真ミュージアムで市根井孝悦さんの素晴らしい作品をじっくり鑑賞しました。ちょうど前日に紅葉の撮影から下りてきたという市根井さんにお会いでき、じっくりお話させていただきました。自分にとってたいへん大きな刺激となりました。

20日(日)、まだ雨が残りはっきりしない天気ですが、これから回復傾向という予報を信じて入山することにしました。今日は黒岳石室までの短いコースなので、ゆっくり9時のロープウェイに乗り、終点のレストハウスでコーヒーを飲みながら天候待ち。そこに1時間半ほど居ましたが天気が回復する気配はなく、かといって大した降りでもないので、出発することにしました。リフトで七合目まで上がり、歩き始めます。時々頭上のガスが切れて青空が覗くようになってきました。他の登山者からも歓声が聞こえてきます。けれども本格的な回復とはならず、すぐに霧に包まれてしまいます。周りの木々が紅葉していますが、霧が濃く写真になりません。黒岳山頂に登り着くと正面から強風が吹き付け、濡れた体が一気に冷えてきました。山頂には留まらず、そのまま黒岳石室へと下りました。
テントの受付を済ませ、小屋の中で食事と休憩をとらせてもらってからテントを設営。暖かいテントで飲むホットウイスキーが美味い。夜になってようやく雨が上がり、空に三日月が浮かんでいました。テントの夜景を撮影し、20時前にシュラフに入りました。

2015年9月8日(火)
全日本山岳写真展


9月2日(火)から6日(日)までの6日間、全日本山岳写真展が開催されました。

私は、開催前々日の事務局からの運び出し、前日の会場飾り付け、土曜・日曜の会場手伝い、土曜の晩の表彰式、日曜の晩の撤収に参加し、忙しくも充実した1週間となりました。

今年もバラエティに富んだ作品が並び、山の自然の美しさを再認識するとともに、次の作品作りへの意欲が沸き上がるのを感じました。表彰式があった土曜日には多くの地方の会員と再会することができ、楽しいひとときを過ごしました。

今回の出品作「星空の下で」は好評で、全日本写真連盟賞をいただくことができました。あるお客様から「宮沢賢治の世界」とのコメントをいただき、まさに写真家冥利に尽きるものでした。

このあと以下の巡回展が続きます。
10月3日(土)~16日(木)朝日新聞社・東京本社
10月20日(火)~25日(日)愛知芸術文化センター
10月29日(水)~11月3日(火)静岡市民ギャラリー
詳細は、近日中に写真展案内のページに掲載します。私の作品は愛知と静岡で展示されます。

2015年8月24日(月)
池ノ沢~大井川東俣(5)

仙丈ヶ岳を眺めながらの稜線漫歩


北岳トラバース道のお花畑

12日(水)、3時15分起床。雲が多い朝です。ラーメンの朝食を食べ、テントを撤収していると、東の雲の切れ間から太陽が昇り、農鳥岳が一瞬赤くなりました。撤収作業を中断して撮影タイム。
結局、今日は広河原を目指すことにしました。間ノ岳へ向かう稜線は冷たい西風が吹いており、ジャケットを着込みました。A夫妻の快調なペースについて行けず、マイペースで後を追いました。こちら側から間ノ岳へ向かって登るのは初めてですが、何度もニセピークが現れるのにはいささか参りました。それでも結果的にはコースタイム以下で間ノ岳に到着。頂上は北岳方面からやってきた登山者で大賑わいでした。雲が多いながらも遠くの山までよく見え、仙丈ヶ岳には陽が当たり始めました。間ノ岳を後にして北岳山荘へと向かいます。中白峰山を過ぎた辺りで青空が広がり始め、日が差すようになりました。それまでの寒さが嘘のようにポカポカと暖かくなり、たまらずジャケットを脱ぎ、一気にTシャツ一枚になりました。まさに「北風と太陽」です。北岳山荘でトイレ休憩してから八本歯のコルを目指します。8月も中旬なので北岳トラバース道のお花畑は期待していませんでしたが、まだまだ沢山の花が咲き乱れており、二人に遅れるのも気にせずたっぷり撮影しました。吊尾根に出たところで昼食。ここからは岩場の下りとなります。Kさんが結構足にきているようなので、Tさんと僕に荷物を少し分け、Kさんは万一に備えてヘルメットを被りました。広河原発16時40分のバスに間に合えば良いので時間はたっぷりあり、八本歯のコルからの岩稜も慎重にゆっくりと下りました。今回、Tさんからバットレスのルートを解説してもらい、大分概念が分かりました。大樺沢に下りてからも初めはザレて滑りやすい急斜面が続き、疲れた足には応えますが、とにかく慎重に足を運びます。二俣まで来ればとりあえずひと安心。ここでゆっくり休憩してから、広河原まで最後のひと頑張り。広河原山荘にはバスの50分前に到着しました。
水場で汗を拭いてから飲んだビールは最高。バスで奈良田の駐車場へ戻り、いつもの「ヘルシー美里」で温泉に入って帰途につきました。

2015年8月23日(日)
池ノ沢~大井川東俣(4)

幕場の朝


溯行終了点、トラバース道にて

11日(火)、6時起床。穏やかに晴れています。
出発が遅くなったため、計画通り三峰岳を回って北岳山荘まで行けるか微妙なところです。僕もKさんも足にかなり疲れが溜まっていました。先の事は沢を詰めた所で判断することにして、とにかく上を目指します。沢は再び傾斜を増し、一歩の段差が大きく片足スクワットを連続でやっているようなものです。やがて前方に間ノ岳の稜線が見え始めました。雪崩によるものかダケカンバの倒木が折り重なっている所があり、左岸を巻いて通過しましたが、下りる所で足が届かず苦戦しました。明るく開けた農鳥沢出合でほっと一息。ここからはぐっと水量が減り、最後の急登となりました。右岸の踏み跡を辿ると比較的楽ですが、すぐに流れに下りて連続スクワットになってしまいます。ついに前方にトラバース道が見えてきました。残った力を振り絞って登山道に登り着きました。昼食を食べながら先の行程を相談しましたが、雲行きが怪しいこともあり、今日は直接農鳥小屋へ向かってテントを張ることにしました。右に東俣の谷を見下ろしながら辿るトラバース道は、意外にアップダウンがあります。最後は農鳥沢へ下ってから稜線まで一気に100メートル以上登って、やっと農鳥小屋に到着しました。
受付を済ませてからテントを張り、3人で往復30分の水場へ向かいました。体も拭いてさっぱりしてからテントに戻り、ビールで乾杯。夕立が来そうでしたが、結局降ることはありませんでした。丸木橋が嫌いなKさんが、明日は大門沢へ下るか間ノ岳を越えて広河原へ下るか悩んでいました。結局、明日朝の体調で決めることにしました。残ったFDのおかずを全て出して豪勢な夕食を食べて、20時にシュラフに入りました。

2015年8月22日(土)
池ノ沢~大井川東俣(3)

東俣の溯行 背後は塩見岳


右岸から落ちる滝

流れのすぐ近くにテントを張ったため、さすがに昨夜は流れの音がうるさく感じられました。10日(月)は3時15分に起床。星空です。朝食を食べてから、意を決して濡れた服に着替え、テントを撤収。
体が温まるまでは特に慎重に足を運びます。30分ほどで沢の傾斜が緩くなり、やがて前方の樹林の間に東俣の白い河原が見えてきました。難所が終わり一安心です。
清々しい青空の下、東俣の広い河原を上流を目指します。やがて河原は狭くなり流れが左右に屈曲すると下伊那沢出合。ぐっと雰囲気のよくなった沢を渡り返し、両岸の踏み跡をたどります。木々の緑の中の長れがキラキラと輝いています。右から流れ込む白根沢は、すさまじい流木で埋まっていました。滝ノ沢の手前、左岸に滝が落ちている河原で昼食。滝ノ沢を過ぎてしばらく進み魚止ノ滝が近づいてくると、次第に流れが傾斜を増し、小滝が連続するようになりました。ここでのんびり休んでいる間に、雲が広がってきました。少し登ると魚止ノ滝に着き、滝を眺めていると雨が降り始め、雨具を着ました。本降りとなった雨の中、右岸の巻き道で滝上に出て、再び穏やかになった流れに沿って幕営予定地の乗越沢出合を目指します。目的地の少し手前で幕営していた釣り師と思われる男性から声をかけられました。この先にはいい幕営地は無いので、よかったらここで泊まれば?とのお誘いでしたが、自分の釣りのために先に行ってほしくないというオーラがありあり。ダメなら引き返すつもりで、とりあえず出合まで行ってみることにしました。果たしてそこには最高の幕場がありました。流れから一段高く、まっ平らで、焚き火スペースもバッチリ。
ちょうど雨が上がりました。テントを張ってから薪を集めて焚き火を起こします。日が暮れると雲も切れ、星空の下で夜更けまで酒盛りとなりました。

2015年8月21日(金)
池ノ沢~大井川東俣(2)

稜線から池ノ沢源頭へ


神秘的な池ノ沢池

9日(日)、3時起床。朝食にうどんを食べ、明るくなった5時過ぎに出発。1時間ほどで大門沢を離れ、急な樹林帯の登りになりました。樹林が日差しを遮ってくれるのがありがたいですが、それでも汗が噴き出してきます。小屋を出てから3ピッチと少しで樹林を抜け、小カール状の庭園のような所に出ました。素晴らしい開放感に、他の登山者も皆思い思いに休憩していました。シシウドのお花畑の中を最後のジグザグを切って登り、大門沢下降点に到着しました。ここで、朝炊いたご飯で昼食にします。雲が湧き始めた稜線を広河内岳へと向かいます。塩見岳が思いのほか近くに聳えています。広河内岳には誰も来ないと思いきや、白峰南嶺を北上してきたという単独の女性、逆にこれから向かうという単独の男性、また大門沢下降点から空身で往復する人達で山頂は賑やかでした。
広河内岳を後にして池ノ沢めがけて下ってゆきます。初めは稜線を進み、最低コルの手前からガラガラの岩の斜面を沢へと入って行きます。沢底には登山道の痕跡が残っていますが、時々ハイマツ等の藪をこぎながら進みます。やがて水が流れる音が聞こえ、苔むした美しい水源地に到着しました。三脚を立てて撮影してからさらに踏み跡を進むと、池ノ沢池が見えてきました。透明な水に周りの森の緑が写り、神秘的な雰囲気に包まれていました。ここで沢靴に履き替えます。池の右側を回って沢を下ると、間もなく水流が現れました。初めのうちは順調に下ってゆきますが、やがて倒木と流木で沢が埋め尽くされた状態となり、それを巻くのに時間がかかりはじめました。流木を避けて昔の道形を辿ってもすぐに崩壊地に出てしまいます。結局大井川まで出る前に暗くなり始め、早めに泊まり場を決めた方が良いというTさんの判断で、左岸の小平地を無理矢理整地して何とかテントを張ることができました。
水はいくらでも流れているので、まずまず快適な泊まり場といえます。日が暮れてから一時雨がパラつきましたが、本降りになることはありませんでした。たっぷり持ってきた酒に気持ちよく酔い、明日を楽しみにシュラフに入りました。

2015年8月20日(木)
池ノ沢~大井川東俣(1)

大門沢小屋への途中にあるカツラの大木

盆休みはA夫妻(KさんTさん)と3人で南アルプスの池ノ沢から大井川東俣へ行ってきました。

8月8日(土) の早朝4時15分に車で迎えに来てもらいました。圏央道経由で中央道に入り、甲府南ICで下り、コンビニで朝食を食べてから奈良田の駐車場へ。
よく晴れています。8時45分、暑い車道歩きからスタート。登山口付近は相変わらず砂防堰堤の工事が続いており、来る度に車道が山奥に延びているようです。やっと登山道に入って暑さから開放されたと思ったら、もう取水口の建物の所でした。ゆらゆらと揺れる吊橋を渡り、小古森沢を通過し、大古森沢を渡った所で昼食。ここから八丁坂の本格的な登りとなります。ジグザグの急登で一段上の台地状地形となり、静かな樹林の中を登ってゆきます。大きな桂の木を過ぎると、再び沢沿いを歩くようになりました。丸木橋で左岸に渡ってしばらく登ると大門沢小屋のテントが見えてきました。もう一度丸木橋を渡りひと登りで大門沢小屋に到着しました。13時5分。
早速受付をしてテントを張ります。既に沢山のテントがあり、我々の大きなテントを張れるスペースは一箇所しか残っていませんでした。顔を洗ってさっぱりしてから、ビールで乾杯。野菜たっぷりの麻婆茄子の夕食を食べ、明日に備えて早めにシュラフに入りました。

2015年7月29日(水)
トレーニング山行で権現岳へ

三ツ頭からの権現岳、阿弥陀岳、赤岳


権現岳頂上と富士山

夏休み山行前にもう一度しっかり歩いておきたいと思い、好天の7月26日(日)に権現岳へ行ってきました。

3時45分に自宅を出発し、3時間ほどで登山口の天女山に到着。駐車場は既に満車に近い状態でした。ストレッチをして、7時10分に出発。
素晴らしい天気です。ザックは軽く、足がどんどん前に出ます。強烈な日差しが肌に突き刺さり、たちまち汗が噴き出しますが、標高があるので日陰に入れば爽やかです。歩き始めは前後に大勢の登山者が居ましたが、全て抜き去り一人旅となりました。所々で展望が開け、澄み渡った大気に富士山や南アルプス、奥秩父の山々がくっきりと望まれました。1ピッチで一気に標高差700メートルを獲得。頭に被っていたバンダナを絞ると、ジャーと汗が流れ出しました。そこからさらに1ピッチで三ツ頭のピークに登り着くと、八ヶ岳の主峰群が目に飛び込んできました。ひととき眺めを楽しんでから権現岳へと向かいます。最後の急登の後岩場を登ると狭い頂上に到着しました。何枚かシャッターを押してから山頂を後の人に譲り、一段下の三角点の所で腰を下ろして昼食にしました。それにしても見事な眺めです。南北中央アルプスに、噴煙を上げる御嶽山も。間もなく行方不明者の捜索が再開されるそうですが、心の中で捜索隊の安全を祈りました。
40分ほどの滞在で山頂を後にします。下りも快調です。三ツ頭はノンストップで通り過ぎ、ぐんぐん標高を下げてゆきます。標高1930mを過ぎると傾斜は緩やかになり、ぐっと歩きやすくなり、気持ちよく飛ばして歩いていると、呆気なく駐車場が見えてきました。結局2時間で下ってしまい、13時10分に駐車場着。
それにしても暑い!車にザックを放り込み、速攻で甲斐大泉のパノラマの湯へ向かいました。気持ちよく汗を洗い流して帰途につきました。比較的早い時間帯だったにも関わらず中央道は大渋滞で、帰宅は19時前になりました。

2015年7月22日(水)
鳥海山(3)

あがりこ大王


豊富な水が湧き出す出壺

13日(月)、ゆっくり起きて宿の朝食を食べました。
8時過ぎにチェックアウトし、中島台へと向かいます。途中で美味しい水を汲みに行くということなのでどんな秘境だろうかと思ってついてゆくと、なんと田圃の脇に「水」という看板が立っており、太いパイプから豊富な水が流れ出ていました。全く風情はありませんが、手が切れるように冷たい、本当に美味しい水でした。
中島台ではSFさんの案内で、まず「あがりこ大王」へ。森の散策は曇り空になることを期待していましたが、今日も晴天で写真には向かない条件です。それでも木漏れ日さす緑に包まれた散策は実にいい気持です。「あがりこ大王」でのんびりした後は、「出壺」へ。豊かな流水が一旦地下に潜り、再び出てくる所です。ブナに囲まれ、水の底は苔に覆われ、一面緑の神秘的な光景です。踏みつけから保護するためにロープが張られ近づけないのが残念。この後、鳥海マリモの自生地を回りましたが、最近雨が少なかったそうで水量が少なく、マリモの上が落ち葉で覆われてしまったおり、ほとんど見ることができませんでした。管理事務所に戻り、SOさんが買ってくれたアイスが火照った体に最高でした。
昼食は、SSさんの知り合いという象潟の料理屋へ。部屋に通されると既に豪華な料理が用意されており、思わず「おぉ」と声が上がります。ところが、食べ始めるとさらに次から次へと地元の海で捕れた魚介料理が運ばれ、あまりの豪華さとボリュームはあきれるほどでした。とても食べきれる量ではなく、ちゃんと用意されていた容器に入れて持ち帰ることにしました。
お世話になったSSさん、SFさんとはここで別れ、帰途につきました。高速道路の所々に設置された気温表示が38度を指しており、びっくり。寒河江SAと那須高原SAで2回の休憩を入れ、その後は一気に東京まで走ってしまいました。狛江でOご夫妻を降ろし、23時頃に帰宅しました。

2015年7月21日(火)
鳥海山(2)

キスゲ咲く鳥海山


元滝

12日(日)、4時過ぎに起床、5時に車で鉾立に向かいます。登山口で、昨日東雲荘に泊まっていた福島のSFさんと出会いました。後から我々を追いかけるとのこと。展望台まで上がり、宿で作ってもらった弁当で朝食にします。
よく整備された道を1ピッチ登ると、雪渓から水が流れ出す賽ノ河原に着きました。所々に咲いているチングルマを撮影してひと休み。ここから花が咲く長坂道へ直接向かう道はまだ雪渓の下でした。雪渓に上がり、緩やかに登ってゆきます。スプーンカットが出来ているのでスリップの心配はありません。吹浦口の登山道を横切り、長坂道に出ると、ニッコウキスゲが出迎えてくれました。その向こうに鍋森と鳥海山が望まれ、期待通りの風景が広がっていました。しばらく撮影を楽しんでから、鳥ノ海へ向かいます。1か所急な雪渓のトラバースがあり、慎重に通過。鳥ノ海のほとりは期待したほどの花はありませんでしたが、静けさに包まれたすてきな場所でした。記念撮影をしてから、踏み跡を辿って御浜小屋へ登り返します。小屋の前は大勢の登山者で賑わっていました。ここから長坂道を通って朝の撮影ポイントへ戻ります。下り始めはニッコウキスゲの群落になっていました。ここで撮影中のSFさんと合流。登ってきた雪渓を一緒に下りました。
鉾立には14時に下り着きましたTHさんが今日象潟を15時過ぎの列車で帰るということなので、車のガソリンを入れがてら送っていくことにします。ついでに元滝を見に行くことにしたら、KYさんとSOさんもついてきました。象潟駅でTHさんを降ろしてからガソリンを入れ、元滝へ。駐車場に車を置き、10分ほど歩きあす。流れから冷気が漂ってきます。滝では観光客に混じって三脚を立て、シャッターを押しました。車まで戻る途中でも流れの中の石についた苔や、逆光に輝く緑を撮影し、思った以上に長居してしまいました。17時頃に大平山荘へ戻りました。

2015年7月20日(月)
鳥海山(1)

日本海に沈む夕日

4月に亡くなられた全日本山岳写真協会参与のTTさんを偲ぶ会を鳥海山でやろうというお誘いを受け、2泊3日で行くことになりました。現地メンバーも含め総勢10名です。

7月11日(土)、5時前に自宅を出発。狛江でO夫妻をピックアップし、東北道を北上します。タイミング良く梅雨の晴れ間にぶつかり、素晴らしい青空が広がっています。佐野SAで朝食を食べ、先を急ぎます。もう1台の車と連絡を取り合い、山形道の寒河江SAで合流しました。全員揃って昼食。雪が残る月山を右に見て庄内平野へ下ってゆくと、行く手に優美な姿の鳥海山が現れました。酒田ICで下りてイオンで行動食などの買い物をしてから鳥海山へ向かいます。吹浦で鳥海ブルーラインに入り、一気に標高1000メートルの大平山荘まで上りました。
現地では地元のSSさんが出迎えてくれました。チェックインを済ませ、少し昼寝をしてから、鉾立まで夕方の撮影に上がりました。駐車場から5分ほど上った展望台からは、緑に包まれた奈曽渓谷の上に鳥海山がそびえ、振り返れば海がキラキラと輝いていました。19時過ぎに太陽が海に沈むまで粘り、大急ぎで大平山荘へ戻りました。
夕食はSSさんから差し入れられた岩ガキに舌鼓を打ちました。夕食後は明日に備えてさっさと風呂に入って床に入りました。部屋の明かりを消すと、窓の外に星空が広がっていました。

2015年6月14日(日)
紫陽花幻想


梅雨に入り、あちらこちらで紫陽花が咲き誇っています。昨日は近所の緑道でランニングしましたが、都筑中央公園の谷戸にある紫陽花の群落が素晴らしく、今日改めてカメラを持って自転車で訪れました。
花を写すには丁度良い曇り空で、マクロレンズと広角ズームも動員して撮影を楽しみました。撮影後はトレーニングを兼ねて鶴見川の下流方面に向かい、30キロほど走ってきました。曇っていても紫外線は強いようで、長い時間ではありませんでしたがかなり日焼けしてしまいました。

2015年5月30日(土)
桧洞丸

桧洞丸山頂付近のトウゴクミツバツツジ


テシロノ頭のブナ林

丹沢は今がツツジの季節。週末は予定があり出かけられないため、29日(金)に仕事を休んで桧洞丸へ行ってきました。
早朝に家を出て、7時前に西丹沢登山教室から歩き出します。今回は定番のツツジ新道を登ります。曇り空ですが、丹沢の森の撮影には良い条件といえます。快調なペースで登りましたがツツジはなかなか咲いておらず、緑もすっかり濃くなり新緑という感じではありません。今年のツツジは裏年と聞いていましたが、季節の進行も早いようです。石棚山稜の分岐点付近で数株のトウゴクミツバツツジが咲いていました。10時前に桧洞丸に到着。風が強く、吹き付けるガスが木に付着し、水滴となって雨のように降り注いでいました。
帰りは石棚山稜を下ります。こちらは久しぶりですが、驚くほど整備されており道の両側にずっとロープが張られていました。さらに、鹿避けの金網が至る所にあり、林相の美しさにカメラを向けると必ず視野に入ってきます。細かく区切って囲むのではなく、もっと広範囲をまとめて囲ってくれれば景観が損なわれずにすむと思うのですが。テシロノ頭から新山沢ノ頭に向かう途中で、登山道を向こうからアナグマが歩いてきました。エサ探しに夢中でこちらに気がつきません。目の前まで来て、カメラのシャッター音で初めて気がつき逃げてゆきました。新山沢ノ頭には桂の古木があります。まだ生きているか心配でしたが、今回も圧倒的な存在感でそこに立っていました。しかし、すぐ横に接するように無粋な金網! あまりのセンスの無さに怒りがこみ上げてきます。金網の設置は今や必要なことだと思いますが、もっとやりようがあるでしょう。この先は尾根が痩せ、また雨が降り始めたので、カメラをザックに仕舞いました。いくつかアップダウンを繰り返すと板小屋沢ノ頭。ここから一気に500メートル下り、最後は15分ほど車道を歩いて14時に西丹沢自然教室の駐車場に戻りました。

2015年5月19日(火)
針ノ木岳・マヤクボ沢滑降

扇沢の新緑


針ノ木雪渓(大沢小屋付近)


針ノ木岳山頂からの立山連峰と剱岳

週末は山スキーをしに針ノ木岳へ行ってきました。これまでに山中で何度か肩を脱臼したことから山スキーだけは単独では行かないと決めていましたが、今シーズンは滑り足りない思いがあり、日曜日は最高の天気になるという予報を聞き、居ても立っても居られなくなりました。ポピュラーな山域なら窮地に陥ることはまず無いと判断し、急遽一人で行くことを決めました。

5月16日(土)の午後に横浜を出発。夕刻に信濃大町のスーパーで食料を買い、扇沢の駐車場の車中でのんびり夕食を食べました。いつもは金曜の晩に出発して深夜に現地に着くというパターンなので、今回はとてもゆったりした気分です。21時過ぎにはシュラフに入りました。

17日(日)は4時に起床。朝食を食べているうちに明るくなり、準備をしていると山が赤く染まりました。素晴らしい天気です。
5時40分に出発。朝日を受けて新緑が輝いています。登山道は冬の間の積雪の影響で藪がかぶっており、ザックに付けたスキーが引っかかるのを避けて車道を上ってゆきます。20分ほどで雪が出てきました。いくつかの堰堤を左から越えると大沢小屋。ここでスキーを着けました。針ノ木雪渓を見上げれば、点々とスキーヤーが登っているのが見え、雄大な谷の景観に胸が高鳴ります。緩み始めた雪にシールが良く効き、快調なペースで登ってゆきます。標高が上がるにつれて、背後の爺ヶ岳がせり上がってきました。マヤクボ沢に入るとぐっと傾斜が増し、途中からスキーを背負ってアイゼンに替えました。マヤクボのコルに登り着くと、反対側に立山と剱岳が聳えていました。こちら側とは雪の量がまるで違います。コルにスキーをデポして雪のない稜線を登りますが、山スキー靴はガラガラの岩場が実に歩きにくく、非常に気を遣いました。30分ほどで針ノ木岳頂上に到着。大展望を満喫してからコルへ引き返しました。
腹ごしらえをしてから、いよいよ滑降です。滑り出しの急斜面ではほどよく緩んだ雪に恐怖心は全く湧かず、完璧な滑りで気分は最高です。所々で立ち止まりながらですが、あっという間に針ノ木雪渓に合流しました。雪渓上に散らばる石を避けながら慎重に滑り、コルから30分ほどで車道まで下ってしまいました。
久しぶりのスケールの大きな滑降に大満足して帰途につきました。

2015年5月7日(木)
茶臼岳~上河内岳(3)

ウソッコ沢小屋にて


上河内沢の流れ

5月4日(月)、4時半起床。夜中には雨が降っていましたが、今は止んでいます。外を見ると曇り空ながらガスってはおらず、意外に遠くまで見えていました。朝食を食べテントを畳んでいると、再びパラパラと雨粒が落ちてきました。これで踏ん切りが付き、幕営地を後にしました。
茶臼小屋までは1時間もかかりませんでした。美味しい水を補給し、緩んだ雪を踏み抜かないように気をつけながら下ってゆきます。1ピッチであっけなく雪が消え、ピッケルをザックに付けてぐんぐん下ってゆきます。横窪沢小屋から少し登り返し、横窪峠でひと休み。時折サーッと小粒の雨が強まり、雨具を着ようかと迷っているうちに止んでしまいます。蒸し暑く、雨具を着ないで済むのは有難いことです。ウソッコ沢小屋までさらに急な下りが続きます。かなり足にきており、つまらない所で転倒しないよう、慎重に足を運びました。ウソッコ沢小屋の少し手前のコル状の所から左の上河内沢の河原に寄り道した新緑と流れを撮影。その後ヨレヨレになってウソッコ沢小屋に到着しました。小屋の中で昼食を食べていると、単独の釣り人が上がってきました。岩魚釣りだそうです。小屋を後に、沢に沿って下ってゆきます。吊橋を3回渡り、今回最後の登りは散々疲れた足にはかなりきつく感じられます。ようやく登り着いたヤレヤレ峠。絶妙なネーミングです。ここからしばらく山腹をトラバースし、鉄塔の所から尾根を下ると大吊橋。吊橋を渡りながら見る新緑は、雨に濡れて緑が実に鮮やかでした。最後に林道をひと頑張りで沼平に到着しました。
白樺荘で温泉に入り、帰途につきました。東名高速は大渋滞し、21時半の帰宅となりました。

2015年5月7日(木)
茶臼岳~上河内岳(2)

茶臼岳からの南アルプス南部の山なみ


上河内岳を望む幕営地


竹内門付近で出会った雷鳥

夜中は満月で、ヘッドランプが要らないほどの明るさでした。5月3日(日)、3時に起床。明るくなる頃に出発しました。
昨日はゆっくり休養できたのですっかり疲れが取れ、快調なペースで標高を上げます。1時間に400メートルのハイペースです。途中の水場で休憩。この先すぐに残雪の上を歩くようになり、スパッツを着け、ピッケルを出しました。トレースは夏道を外しており、尾根をかなり上まで登ってからトラバースし、少し下って茶臼小屋に到着。小屋の前から見える富士山はほとんど雪が残っていませんでした。嬉しいことに小屋の横の水場が使えます。おいしい水をたらふく飲みました。稜線へは小屋から15分ほど。分岐にザックをデポしてカメラだけ持って茶臼岳をピストンします。頂上では残雪の山なみの素晴らしい眺めが拡がっていました。分岐まで戻り、上河内岳へ向かいます。縦走路には雪はなく、二重山稜へ下る所だけ雪の上をトラバースします。二重山稜の間の亀甲状土地帯を通り抜けて、再び雪の上を歩き、標高2555メートル地点のハイマツの間にテントを張りました。
テントに入って昼食を食べ、昼の天気予報を聞きます。今日の午後には曇りとなり、明日は雨とになるとのこと。残念ですが、こればかりは仕方がありません。今日中に上河内岳をピストンすることにしました。テントを出た時は青空でしたが、竹内門まで来ると聖岳に雲がかかっていました。雲が切れるまで待って撮影。ここから先は雲が増えるのと競争するように上河内岳を目指しましたが、頂上に着く頃にはガスに包まれてしまいました。小1時間ほど待機しましたが、赤石岳が少し見えただけで、諦めて山頂を後にしました。竹内門の近くで雷鳥のつがいに出会いました。全く逃げる様子が無く、じっくり撮影することができました。
テントに戻ってウイスキーを飲みながら天気図を書きます。西から二つの低気圧が接近しており、明日の天気は絶望的です。酔いが回ってきたころ、外の明るさにテントを出てみると、ガスが晴れていました。慌ててカメラを持って竹内門まで登り返しました。太陽光線は弱々しく条件としては今ひとつでしたが、静かな夕景を撮影し、一応満足してテントに戻りました。
明日は早起きをしても仕方が無いので、ゆっくり夕食を食べ、21時にシュラフに入りました。

2015年5月6日(水)
茶臼岳~上河内岳(1)

ウソッコ沢小屋付近の新緑


横窪峠からの上河内岳

GWは南アルプスの上河内岳へ撮影に行きました。

5月1日(金)の21時45分に自宅を出発。東名高速は所々で渋滞があり、新静岡で下りたのは24時半を過ぎていました。深夜の山道ではよく動物に遭遇します。今回もカモシカとイタチに出会いました。富士見峠に25時半に到着し、車中泊。

2日(土)は7時に起床。清々しく晴れています。朝食を食べてから畑薙ダムを目指し、ゲートのある沼平には8時半に着きました。
新緑を楽しみながら林道を歩き、40分ほどで畑薙大吊橋に到着。そのまま渡り、ヤレヤレ峠まで休まず一気に歩きました。峠で休んだ後、上河内沢を吊橋で渡り返しながら上流へ向かいます。岩魚が居そうな渓相に、時々立ち止まって目をこらして見ましたが、魚影は確認できませんでした。ウソッコ沢小屋の前で、輝く新緑を眺めながら昼食にします。再び吊橋を渡り、尾根に取り付き、今日一番の急登となりました。寝不足の体には辛い登りですが、順調に標高を稼ぎます。汗びっしょりになって横窪峠に着くと上河内岳が眺められました。50メートルほど下って横窪沢を渡った所が横窪沢小屋。まだ13時40分です。予定よりも早かったのでこのまま茶臼小屋まで頑張ろうか迷いましたが、体調を考えて今日はここまでとしました。
広く快適な幕営地にテントを張ってから、沢の流れで全身を拭いてさっぱり。テントに戻ってウイスキーを少し飲んだらたちまち睡魔が襲ってきました。そのまま1時間ほど昼寝。17時には夕食を食べ、18時半にはシュラフに入りました。

2015年4月26日(日)
サイクリングで三条の湯撮影行

輝く新緑に見とれる


新緑の流れ

今日は新緑を求めて自転車で三条の湯へ行って来ました。

奥多摩駅まで輪行し、駅前で自転車を組み立てて8時15分に出発。爽やかな快晴です。日向は暑いくらいですが、日陰に入ると朝の冷気が残っています。多摩川の新緑が朝の光を受けて輝いています。あまりの美しさに、写真を撮るために何度も自転車を止めました。小河内ダムまでは上りが続きます。トンネルが多く交通量も多めなので、やや緊張しながら走りました。ダムまで上りきれば、あとは奥多摩湖畔の平らな道を気持ちよく飛ばします。お祭(地名)で後山林道に入ると、いきなりダートの急な上りになりました。ギヤをインナー・ローに入れてノロノロと走ります。急坂は長くは続かず、概ねなだらかに標高を上げてゆきます。新緑の中に山桜が点々と咲いています。道に居た猿が驚いて斜面を登っていきました。やや長い急坂を上ると林道の終点に着きました。自転車をデポして三条の湯まで歩きました。ここまでくると、まだ芽吹きといった感じで、森が明るく感じられます。25分程の歩きで今日の目的地、三条の湯に着きました。キャンプ場のベンチで疲れた脚をゆっくり休めながら腹ごしらえをしました。
今日はここから来た道を戻ります。林道に出る手前で一旦沢に下り、三脚を立てて新緑と流れを撮影。あとは林道を下るだけと思いきや、ガタガタの路面の下りはサドルから腰を浮かせたままゆっくり走るしかなく、予想以上に脚に応えました。膝が痛くなってしまい、国道に出てからは向かい風となり、ダムまでが非常に長く感じられました。ダムで休憩した後は下り坂を一気に下り、14時45分に奥多摩駅に到着しました。
自転車を分解して輪行袋に入れ、満足感を胸に電車に乗り込みました。

2015年4月19日(日)
道行山~小倉山

銀山平を埋める朝霧と日の出


越後駒ヶ岳をバックに


荒沢岳を背に登山者が登ってきました


山麓のブナの芽吹き

4月6日の週ははっきりしない天気が続いていましたが、日曜日だけはバッチリ晴れるという天気予報を聞き、以前から泊まってみたかった道行山へ撮影山行を実行しました。久しぶりに写真仲間のTさんに声をかけ、二人でのんびり1泊のテント山行となりました。

4月11日(土)、Tさんの車で出発。生憎の雨ですが時間が遅いほど天気が回復する方向なので、のんびり道中です。80~90キロの省エネ運転で10時過ぎに小出に到着。雨は上がっていました。スーパーで晩の鍋のための肉と刺身を買ってから「薬師そば」で昼食。美味しい蕎麦に満足し、シルバーラインを銀山平へと向かいます。今シーズンは雪が多く、トンネルを出ると、石抱橋までの道の両側は完全に雪の壁になっていました。
橋の袂に車を止め、スノーシューを着けて出発。雪原を横切って林道をショートカットしようとしましたが、多雪のため林道に上がる斜面に割れ目が出来ており、結局少し戻ってから上がりました。北ノ又川を左に見ながらトラバース気味に上流へ向かいます。再び雨が降り始めました。骨投沢を過ぎ、柳沢を渡った所から尾根に取り付きます。先行トレース辿って快調なペースで登ってゆきます。1064メートル標高点の先に先行パーティーのテントが張られていました。再び登りとなったところで行く手の雪が大きく崩壊していましたが、幸い左側に夏道が出ており、問題なく通過することができました。道行山直下の斜面はホワイトアウト気味でしたが忠実に尾根状を登り続け、やがて見覚えのある頂上の藪が目に入ってきました。
藪のすぐ横の残雪斜面をスコップで整地し、テントを張り終えた頃にTさんも到着しました。テントに入ってホッと一息ついたところで刺身をつまみながら鍋の夕食。21時にシュラフに入るまで雨がテントを叩いていましたが、22時に外に出たTさんから「満天の星空だ」との声が聞こえました。

翌12日(日)は5時に目が覚めました。すっかり明るくもうすぐ日の出の時刻です。慌ててカメラを持ってテントを飛び出しました。素晴らしい天気です。銀山平を埋める朝霧が雲海となっています。太陽が顔を出すと雲海はオレンジ色に輝き始めました。振り返れば越後駒もほんのりと色づいています。期待通りの展開に、思う存分に写真を撮ることができました。
満足してテントに入り、昨日の鍋の残りで朝食を食べ、Tさんは留守番、私は小倉山を往復することにしました。カメラと非常食だけを持ち、アイゼン、ピッケルの装備で出発。まだ雪面は締まっており、爽快な稜線歩きです。南斜面の所々に大きな割れ目があり、雪が緩む時間帯は怖くてとても近づけませんが、今は雪が固く締まっているので撮影の前景に使えます。1時間かからずに小倉山に到着。振り返ると、登山者が続々と続いていました。3分の2くらいが山スキーヤーです。暫く登山者を撮影してから来た道を引き返しました。下りは速く、30分で道行山のテントに着いてしまいました。
コーヒーで一息いれてからテントを撤収し、道行山を後にします。初めはスノーシューを着けましたが、やはり急な下りは歩きづらく、すぐに外してしまいました。雪の崩壊地点は登山道を慎重に下り、再び雪の上に出ればひと安心。北ノ又川までツボ足で快調に下りました。再びスノーシューを着け、北ノ又川に沿ってのんびりと石抱橋まで歩きました。
伝之助小屋に寄って風呂に入らせてもらい、コーヒーをご馳走になってから銀山平を後にしました。

2015年4月5日(日)
会津駒ヶ岳~大戸沢岳 山スキー

会津駒ヶ岳へ


燧ヶ岳と至仏山


会津駒ヶ岳山頂のシュカブラ


Tさん必死の滑り(大戸沢岳山頂直下)

今回もTさんと檜枝岐周辺を滑ることになりました。3月26日(木)の晩に横浜を発ち、27日(金)の朝、待ち合わせ場所の下大戸沢スノーシェッドの駐車スペースに到着しました。

Tさんの車をその場にデポし、私の車で会津駒ヶ岳登山口の滝沢橋へ移動。8時ちょうどに会津駒へ向けて出発。最初の林道から積雪が多いのに驚きました。週の前半の冷え込みで50センチほども新雪が積もったようです。林道を外れて植林帯をしばらく登り、左にトラバースして尾根上に出てからは雰囲気の良いブナ林の中を登ってゆくきます。ブナの梢の向こうに真っ青な空が広がる清々しい天気ですが、前夜の寝不足で眠気と戦いながら黙々と歩きます。やがて樹林帯を抜け、頂上一帯の純白の斜面が視野いっぱいに広がり、燧ヶ岳がくっきりと秀麗な姿を見せていました。眠気が吹き飛び、しばし撮影。雪に埋もれた駒の小屋を通り過ぎ、最後の斜面を登って会津駒ヶ岳に到着。頂上一帯にはシュカブラが出来ており、構図を変えながら沢山シャッターを押しました。
行動食を食べてから、シールを着けたまま大戸沢岳へ移動。稜線からは守門岳、浅草岳、飯豊山、吾妻連峰、磐梯山、安達太良山、そして会津朝日岳などの山々の眺めが素晴らしく、中門岳の純白の斜面は芸術的な美しさです。すっかりのんびりしてしまい、大戸沢岳に着いたのは15時近くになっていました。
急いで滑降の準備をします。ここでアクシデント発生。Tさんが樹木の近くで雪を踏み抜き、身長よりも深い大穴に落ちてしまいました。中が真っ暗とのことなのでまずヘッドランプとピッケルを手渡し、スコップで上と下から掘り、10分ほどかかってようやく脱出。落ちる時に左膝を捻ったということで、まともに滑るのは厳しいようです。とりあえず中ノ沢と桑場小沢の中間尾根に向かって滑り込みます。雪質は予想ほど悪くなく、重めのパウダーといったところ。何度か転倒しながらも気持ちよくターンを刻みます。Tさんは斜滑降とキックターンで下ってきます。尾根がはっきりする手前から、ベターの雪質を求めて北斜面になる中ノ沢に滑り込みました。読み通り源頭斜面の雪は状態が良く、Tさんもなんとかプルークボーゲンで下っています。遮光を受けた三岩岳が美しい姿を見せていますが、じっくり撮影している時間的余裕はありません。日が傾き沢底が陰ってくると、とたんにブレーカブルクラストになってしまいました。こうなるともうスキーは曲がりません。急斜面は、いつ割れるか分からないクラストした雪面の横滑り、緩斜面は斜滑降とキックターンで下りますが、時間がかかって仕方がありません。途中からシールを貼って直滑降で下ることにしました。これが意外に正解で、緩斜面は歩かなければならないものの、結果的にはスピードアップとなり、日没前に下山することができました。
滝沢橋の車を回収して駒の湯へ直行。明日のスキーは中止し帰るだけとなったので檜枝岐で泊まる必要はなく、南郷の道の駅「きらら289」まで、途中で買い物をしながら移動しました。今回もTさんの車の中で無事下山の打ち上げをやって22時にシュラフに入りました。

28日、すっかり明るくなってから自然に目が覚めました。田舎の道の駅は静かで爆睡できました。それぞれの車の中で朝食を食べて、山の装備の後片付けをしてからゆっくり帰途につきました。

2015年3月30日(日)
仙ノ倉山/平標山 山スキー初滑り(2)

笹穴沢源頭を滑るTHさんとTさん


広大な笹穴沢と大源太山

23日(日)、今日も晴れです。7時に平標山登山口の駐車場に全員が集合。昨日と同じコースを平標山まで登ります。昨日よりもかなり靄がかかっており、遠くの眺めはありません。朝から日が当たる笹穴沢源頭斜面は雪がほどよく緩み、ザラメになっています。SさんとYHさんは、昨日落とした久トーを探しに仙ノ倉山へ行ってみるとのこと。笹穴沢の下で合流することにして一旦分かれました。
平標山山頂で滑降の準備を整え、源頭斜面に飛び込みました。期待通りの快適な雪質で、ターンが気持ちよく決まります。歓声を上げながらぐんぐん下ります。今シーズンの多雪で大滝が埋まっていると思われ、その下まで滑るつもりでしたが、手前に大規模なデブリが出ていました。結局、いつものように標高1600メートルまで滑った所で登り返すことにしました。シールを着けて休憩していると、SさんとYHさんも滑り降りて来ました。
沢の中は風が無く、照りつける陽光に、さながらフライパンの中に居るようです。汗をしたたらせながらゆっくりと登ってゆきます。左の谷に入り、標高1810メートル尾根上に出ました。一転して冷たい風が吹いていました。ここでシールを外し、トラバース気味に平標山ノ家の上まで滑り込みました。ここから南西に延びる尾根を下ります。雪が若干重くなってきましたが、適度な傾斜のブナの林間滑降を楽しみました。最後は林道をのんびりと滑って登山口に戻りました。
皆で握手をしてから解散。関越道は大渋滞しており、帰宅は21時になりました。

2015年3月29日(日)
仙ノ倉山/平標山 山スキー初滑り(1)

広大な鞍部を仙ノ倉山へ向かう


東ゼンを滑る


デブリに埋まった東ゼン(右上が大滝


西ゼンとの出合で
いつも一緒に山スキーに行くTさんから仙ノ倉山の東ゼンの滑降に誘われました。この冬は例年になく雪が多く積もったため大滝が埋まっているというのです。3月も下旬ですが、私にとってはようやく今シーズンの初滑りとなりました。

自宅を前夜に発って途中で車中泊し、3月22日(土)の6時15分に平標山登山口の駐車場に到着。今回のメンバーであるTさん、YさんTHさんと合流しました。
駐車場からスキーを着けて出発。別荘地の外れから山に入ると林道がただの雪の斜面となっており、例年よりもかなり積雪が多いことが分かります。穏やかな天気で、すぐに汗ばんできます。ヤカイ沢に入ると、我々以外にもスキー、ボード、歩きと様々な形態のパーティーが山頂を目指していました。ルートが右に折れる所で休憩していると、THさんと同じ会のSさん、YHさんがやってきました。我々が東ゼンを滑ることを話すと、ここから一緒に行動することになりました。クトーを着け、ガリガリに凍った雪面にジグザクを切って登り、尾根の上に出ます。さらにひと登りで仙ノ倉山を望む広大な雪原に出ました。平標山には寄らずに仙ノ倉山との鞍部まで笹穴沢の源頭斜面をトラバースしてゆきます。鞍部に出ると、真っ白な越後の山々が出迎えてくれました。稜線を仙ノ倉山へと向かいました。
仙ノ倉山で滑降の準備をして、東ゼンへと滑り込みます。滑り出しは西向き斜面のためまだアイスバーン状態で、転倒しないよう慎重に滑ります。完全に谷に入るとザラメ雪となり、しばらく快適に下ってゆきます。やがて谷全体がデブリに覆われていたため、右にトラバースして三ノ字沢に滑り込みました。ここでYさんが大滝の様子を偵察しに滑って行きました。Yさんの姿が消えて待つことしばし、登り返してきたYさんから「来い」の合図。皆で慎重に大滝の上まで滑ってゆくと、Yさんが右岸の尾根に上がるトレースを付けてくれていました。一旦スキーを外し、ピッケルを借りて2メートルほどの雪壁を這い上がりました。ここから大滝を見下ろすと、雪の急斜面に穴が空き、滝の一部が出ていました。再びスキーを着けてさらに右にデブリを越えてトラバースし、横滑りで慎重にデブリの下まで下ったところで危険地帯は終わり、一気に西ゼンとの出合まで滑り込みました。大滝を振り返ってひと休み。おそらく東ゼンの初滑降だそうです。全員で記念撮影をしてから、広々とした仙ノ倉谷の滑降を楽しみまし。群馬大ヒュッテでタクシーを呼び、毛渡橋までのダラダラと長い林道にスキーを滑らせました。
タクシーで平標山登山口の駐車場に戻って今日は解散。Tさんと越後湯沢まで夕食の買い出しに行き、岩の湯でさっぱりしてからみつまたの道の駅へ移動し、いつものようにTさんの車の中で宴会となりました。Tさんが我々と同じ駐車場でSさんとYTさんを発見。明日はこの二人とTHさんも再び合流し、一緒に笹穴沢を滑ることになりました。
2015年3月14日(土)
高畑山~倉岳山

苔生す小滝


ダンコウバイ


静かな倉岳山山頂

山スキーのシーズンだというのに毎週末の天気が今ひとつで、なかなか出かけることができません。このままでは体が鈍ってしまうのでとにかく歩きに行こうと思い立ち、今日は高畑山から倉岳山へ行ってきました。

始発電車に乗り中央線鳥沢駅で下車。7時前に歩き始めました。甲州街道から路地に折れ、線路をくぐってから坂を下り、桂川を渡ります。住宅地の中を抜けて山へ入ってゆきます。右に貯水池を見て沢沿いにつけられた登山道を登ってゆくと、苔むした綺麗な小滝がありました。三脚を立てて撮影。ここから少しで穴路峠と高畑山の分岐です。高畑山への道に入ると沢から離れ、ぐんぐん標高を上げてゆきます。今日は体が軽く感じられ、トレーニングのつもりでハイベースで山頂まで一気に駆けるように登ってしまいました。高畑山山頂は誰も居らず、キツツキのドラミングの音だけが聞こえていました。雲が多く、残念ながら富士山は見えません。
倉岳山へ向かいます。冬枯れの尾根を辿って天神山を越えると穴路峠。昔は大月と秋山の集落と集落を結ぶ生活の道だったそうです。いかにも峠といった風情があります。明るい雑木林の尾根をひと登りで倉岳山に到着。山頂のベンチでカップうどんを食べながらひと休み。ここから見下ろす鳥沢周辺がミニチュアのようです。
急な山頂直下を慎重に下り、あとはハイペースであっという間に立野峠。峠からジグザグに下ると「倉岳山水場」と書かれた水場がありました。ここから月屋根沢に沿った道です。苔むした流れが美しく、ここでも三脚を出しました。道が良い所は小走りでとばし、あっという間に車道に出てしまいました。11時15分に柳川駅に到着。結局、半日登山でした。
ホームのベンチでコーヒーを飲みながら電車を待ちました。

2015年3月1日(日)
芸術の一日

3月11日まで富士フイルムスクエアにて開催中


今森光彦/森(琵琶湖周辺の里山)


中村征夫/海(東京湾)

昨日は二つの写真展をハシゴした後に合唱のコンサートを聞き、芸術三昧の一日を過ごしました。

最初は、六本木の富士フイルムスクエアで開催されている「森と海」。今森光彦さんの里山(琵琶湖周辺)と中村征夫さんの海(東京湾)のコラボ展です。どちらも身近な自然がテーマという点で共通しており、昔から続く日本の里山の風景に懐かしさを感じ、豊かな表情を見せる東京湾の海底の生き物の営みに驚きました。会場には「撮影・公開OK・・・ぜひ会場の様子をお知り合いにご紹介ください」という珍しい表示があったのもユニークに感じられました。(そのようなわけで、会場風景をここに掲載します。)

次は、新宿のヒルトピアアートスクエアで開催されている山岳写真同人四季の「我が心に映える山」。こちらは私が所属している全日本山岳写真協会と交流が深い会なので、今年はどんな作品が展示されているのか関心を持って鑑賞しました。日本全国の山々の季節感たっぷりの力作が並び、カラー、モノクロともにプリントも美しく、大いに刺激を受けて会場を後にしました。http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/8787/

午後は、全日本山岳写真協会の仲間のTさんが代表を務める大田区民第九合唱団の演奏会へ。今回は、やはり全日本山岳写真協会の仲間でチェリストのベアンテ・ボーマンさんとそのお仲間の根来由美さん(1stバイオリン)、イスライエリヤン・カレンさん(2ndバイオリン)が加わり、プロ、アマ混成の豪華な演奏会でした。ミュージカル曲の合唱、朗読付きの合唱組曲に続き、チェロとバイオリンによる超絶技巧演奏、全メンバーによろるミサ曲、最後には来場者も参加して早春賦を歌って幕を閉じました。演奏の素晴らしさもさることながら、とても暖かな気持ちになれた演奏会でした。
終了後は、合唱団の皆さんの打ち上げに厚かましくも参加させていただき、音楽談義のひとときを楽しみました。

2015年2月18日(水)
厳寒の八ヶ岳(4)

下る途中でようやく姿を現した阿弥陀岳

2月11日(水)、4時に起床。おぼろ月です。朝食を食べ、ヘッドランプを点けて硫黄岳へ向かいます。周りはガスっていましたが、赤岩ノ頭で一瞬赤岳が雲の上に姿を見せ、思わず声を上げてしまいました。今日の天気はバッチリ、いただき!と思ったのですが、赤岳はすぐに隠れてしまい、再び現れることはありませんでした。明るくなったのでヘッドランプを消して硫黄岳へ。吹き付けるガスで眼鏡がすぐに凍ってしまいます。頂上も強風とガスで、すぐに折り返しました。赤岩ノ頭の直下で三脚を立ててしばらく待機しましたが、シャッターチャンスは訪れず、テントまで下りました。
一旦テントに入って冷えきった体を暖めてからテントを撤収します。パッキングが終わるころにガスが切れ始めましたが、撮影するところまではいかず、山を下りることにしました。昨日苦労してラッセルしたルートをあっという間に下ってしまいました。赤岳鉱泉まで来るとようやく稜線の雲が取れ、横岳西壁が姿を現しました。ここでアイゼンを外しました。あとは、よく踏まれて歩きやすい登山道を飛ばし、2時間で美濃戸まで下ってしまいました。
バスが来るまでたっぷり時間があったので、バス停前の山荘で入浴。風呂上がりにビールを飲みながらバスを待つひとときは最高でした。


2015年2月17日(火)
厳寒の八ヶ岳(3)

夕照の大同心 (赤岩ノ頭の幕営地にて)
2月10日(火)は5時に起床。気温マイナス15度。ガスっており、雪がチラチラと降っています。ラジオの天気予報は午後には寒気が抜けると言っており、今日はとりあえず硫黄岳まで行ってみてから先のことを判断することにしました。
テントを撤収して出発する頃には雪が止み、心なしか空が明るく感じられます。初めはトレースがありましたが途中からジョウゴ沢の方へ行ってしまい、結局ラッセルになりました。尾根上に出た辺りから急に雪が深くなり、アイゼンからスノーシューに替えました。重たい雪質で、スノーシューでもかなりきついラッセルです。急な所では一旦ザックを置いて空身でトレースを付けてから改めてザックを背負って登り返しました。3時間かかってようやく森林限界近くまで来ました。計画していた天狗岳まで行くにはもはや体力&時間切れ。ここでテントを張り、夕方の撮影に賭けることにしました。樹林帯の急斜面を大がかりに整地してテントを張ってホッと一息。中で水を作っていると、急に日が射してきました。カメラを持ってテントを飛び出し、スノーシューを着けて赤岩ノ頭まで登ります。青空は出てきましたが、横岳から赤岳にかけての稜線は押し寄せる雲に包まれたまま出てきません。一旦諦めてテントへ引き返しました。15時頃には大同心、小同心の岩峰が姿を現し、テントのすぐ近くで日没まで撮影を楽しみました。
2015年2月16日(月)
厳寒の八ヶ岳(2)

雪煙に包まれる赤岳

2月9日(月)は4時半過ぎに起床。雲が多いながらも星が見えます。朝食を食べ、準備をしてテントから出ると、ちょうど赤岳が雲から出てくるところでした。気温はマイナス20度近くまで下がっていました。雲がもの凄い勢いで流れています。先行者のトレースを辿って行者小屋へ。ここでアイゼンを着けて地蔵尾根を登ります。青空が広がり、樹林の切れ間からは樹氷を前景に阿弥陀岳が綺麗です。樹林帯を抜けてハシゴと鎖の急斜面を登ってゆくと、ゴーゴーと凄い風をもろに受けるようになりました。凍傷の可能性があり、下手をすれは風に飛ばされて滑落の危険もあり、無理は禁物。すでに稜線直下まで来ていましたが引き返すことにしました。赤岳鉱泉への帰路に立ち寄った中山展望台からは、時折稜線に凄まじい雪煙が上がるのが見えました。
暖かいテントに戻って一息入れていると、西から雲が押し寄せてきました。天気図は強い冬型で、この冬一番の寒気が来ているようです。夕方になって雪が本格的に降ってきました。計画していた天狗岳への縦走は厳しそうです。明朝の天気で行動を判断することにしましたが、何となく下山の方向に気持ちが傾いてきました。

2015年2月15日(日)
厳寒の八ヶ岳(1)

激しく雪が降る美濃戸にて

2月8日(日)から11日(水)の3泊4日で八ヶ岳へ行きました。赤岳鉱泉にテント張って赤岳~阿弥陀岳に登ってから、硫黄岳~天狗岳を縦走するという欲張りプランです。

8日(日)、雪降る茅野駅からバスで美濃戸口へ入りました。バスを降り、4日分の食料と装備に撮影機材が入った重たいザックを背負って赤岳鉱泉を目指します。日曜日なので入山者は少なく、下ってくる大勢の登山者とすれ違いました。それでも、トレースには本降りの雪がみるみる積もってゆきます。気温は高めでジャケットに付いた雪が溶けて塗れてしまうのが気になります。順調なペースで赤岳鉱泉に到着し、テントを設営。厳冬期だというのに、小屋で水をもらえるのがとても有り難いです。
夕方の気象通報で天気図を書くと、これから冬型の気圧配置が強まるようです。盛大にストーブを炊いて濡れた体を乾かしながら夕食を食べ、20時にシュラフに入りました。

2015年1月12日(月)
丹沢・氷と権現山

凍る下棚


ここで引き返しました
どうということは無さそうですが・・・

丹沢で氷の写真を撮りたいと思い、とりあえず行きやすく日が当たらない場所へということで、昨年秋に行った本棚と下棚へ再度行ってみることにしました。ついでにトレーニングを兼ねて権現山にも登ってみることにしました。

1月11日(日)、いつものように車で西丹沢自然教教室まで入ります。登山届を出して出発。西沢の流れに氷は全く見られず、滝が凍っているとはとても思えませんでした。下棚沢を通り過ぎ、先に本棚沢へ入ります。すぐに目の前に現れた本棚は、流れは凍っていませんでしたが、両側の岸壁に飛沫が凍り付き、意外に見応えがあります。望遠レンズで切り取ると結構な迫力です。1時間近く長居して撮影を楽みました。続けて下棚へ。こちらは南向きのため全く期待していませんでしたが、日が当たらない下部は飛沫が凍り付き、さながらシャンデリアのようでした。
目的を達成し、下棚沢出合の少し下から権現山への道に入ります。廃道となっているため、入口には「この先行き止まり」の立て札がありました。道は急斜面にジグザグにしっかり付けられており、ぐんぐん標高を稼ぎます。小さな山ですが意外に地形は険しく、上部では尾根が痩せている部分が何ヶ所もあり、難しくはないもののちょっとした失敗が大事故につながる危険を感じました。山頂直下の急斜面は見た目はさほど難しく感じられませんでしたが、実際に取り付いてみるとザレの下の地面が凍っており、非常に滑りやすい状態でした。木につかまりながら少し登った所で危険を感じ、引き返すことにしました。丹沢で撤退というのは初めてのことで、少々悔しい気持ちがありましたが安全第一です。
少し戻った1050メートルの小さなピークで昼食にします。自分以外に誰もいない静かなひとときを過ごし、西丹沢自然教室へと下りました。

2015年1月6日(火)
冬の北岳撮影行(3)

寒さしのぎに雪洞を掘って遊ぶ(Nさん撮影)


夜明け


朝日に色づく農鳥岳と間ノ岳


Nさんと私

30日(火)は4時に起床。満天の星空です。気温は約マイナス10度。手早く朝食を済ませ、アタック装備を準備してテントを出ると・・・なんと曇り空からチラチラと雪が舞っていました。先頭でラッセルをしてボーコン沢ノ頭を目指します。東の空は赤く、きっとこれから晴れるだろうと期待が高まってゆきました。しかしボーコン沢ノ頭に三脚を立てて待機しますが雪は激しさを増し、絶望的な雰囲気です。次々に登山者が登ってきましたが、皆諦めて引き返していきました。我々は2時間粘りましたがもはや寒さに耐えられず、一旦テントに引き返しました。
温かい飲み物で一息入れて天候の様子を見ますが、一向に良くなる気配がありません。それでも13時過ぎにもう一度上がってみることにしてテントを出ました。標高2800メートルまで登ったところの尾根脇のダケカンバ林で風を避けて待機します。じっとしていると寒いので、ピッケルで雪洞を掘って遊びます。ここで2時間以上待ちましたが雪は激しく降り続いており、結局諦めてテントに引き返しました。
残りの酒で気持ちよく酔い、カレーの夕食の後小用で外に出ると、なんと月が出ていました。もう少し早く晴れてくれたらと思いましたが、こればかりはどうしようもありません。明日の朝に期待して、20時にシュラフに入りました。

31日(水)、4時起床。夜中は強風が吹いていましたが明け方になって収まってきました。満天の星空。気温約マイナス10度。今日中に下山しなければならないので、残念ですがボーコン沢ノ頭まで上る時間はありません。テントの撤収とパッキングを全て済ませてから、一段上の展望ポイントで撮影することにしました。北岳は見えませんが、間ノ岳と農鳥岳はボーコン沢ノ頭から見るよりも形が良いかもしれません。東の空が次第に明るくなり富士山の左から太陽が昇ると、山がオレンジ色に染まりました。時折強風が来るので三脚を押さえながらの撮影となりましたが、舞い上がる雪煙が良いアクセントになりました。我々の横を、北岳を目指すパーティーが次々と通り過ぎて行きました。
撮影できたことで一応満足し、8時に下山開始。しっかりトレースのついた雪道は快適で、登りの倍以上のスピードであっという間に池山御池まで下ってしまいました。池山を過ぎ、道が急になる手前で小休止。ザックに腰掛けて見上げれば見事な森です。ここからあるき沢橋までは転倒に気をつけて慎重に足を運びます。いくつものパーティーが登ってきますが、若者が多いのが嬉しく感じられます。冬の北岳でこれほどの登山者を見るのは初めてのことで、登山ブームを実感しました。足がガクガクになりかけた頃、あるき沢橋に着きました。雪が積もった林道を歩き、荒川発電所の手前で林道を離れ野呂川の吊橋へと下ります。大した距離はありませんが、何度通ってもいやらしい場所です。吊り橋を渡って鷲住山を登り返します。疲れた足には本当に厳しい登りですが、止まらずに歩けるペースでゆっくりと歩を進め、2ピッチで鷲住山登山口の林道に出ました。ここまで来れば気持ち的には着いたも同然。振り返れば主稜線はすっかり雪雲に包まれていました。ここでも冷たい風が吹いており、稜線上はかなり厳しい条件になっていることでしょう。林道をのんびりと歩き、最後に夜叉神トンネルを抜け、16時過ぎに駐車場に到着。Nさんと固い握手を交わしました。
芦安の温泉は全て休業中だったので、竜王の名取温泉に寄ってさっぱりしてから帰途につきました。

この日、北岳で2名パーティーから救助要請があったとのニュースが流れました。後日一人が救助され、もう一人は遺体で発見されました。朝の好天でアタックを開始し、天候の急変でルートを失ったのでしょうか。改めて冬山の厳しさを実感しました。亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。

2015年1月5日(月)
冬の北岳撮影行(2)

池山御池の朝


富士山を背にボーコン沢ノ頭への最後の登り


なかなか姿を見せてくれない北岳
28日(日)、5時起床。朝食を食べ、パッキングをしてテントを出ると、雪原の向こうの樹林が朝日に染まっていました。
8時前に出発。良く踏まれたトレースをノーアイゼンで登ってゆきます。快調なペースで2時間かからずに城峰を越えました。ここから森林限界まで急登が続きます。鳳凰展望台で初めて展望が開け、ここで撮影休憩。ここからさらに30分ほど登り、正午に森林限界手前の見覚えのある幕営地に着きました。ここで3泊するので、念入りに整地してからテントを張りました。
午後はボーコン沢ノ頭まで行ってみるつもりでしたが、急に雲が出てきたので諦め、テントに入ってのんびり過ごしました。夕 方の気象通報で天気図を書いたところ、低気圧が接近しており、明日は停滞になりそうです。夕食は寄せ鍋を腹一杯食べました。18時頃から雪が降り始めました。特にやることもないので19時過ぎに就寝。

29日(月)、多忙だった年末と2日間の行動の疲れで10時間も寝てしまい、5時半に起床。湿雪が降っており暖かい朝です 。まずテントの周りを除雪してからゆっくり朝食を食べ、ラジオの音楽を聴きながらおしゃべりをして過ごします。昼食の後う たた寝をしていると、急に外が明るくなってきました。外の様子を見ると青空が覗いていたので、ボーコン沢ノ頭まで行ってみることにしました。
支度をしてテントを出ると、驚くほどの暖かさです。温度計は0度を指していました。登り始めて振り返ると富士山を覆ってい た雲が徐々に少なくなってゆきます。ボーコン沢ノ頭に着く頃には富士山が綺麗に姿を現しました。この時は白峰三山は雲に包まれていましたが、農鳥岳・間ノ岳から雲が取れ、最後まで北岳にかかっていた雲も次第に薄くなってきました。まだかまだかと待っていると、一瞬バットレスと頂上が姿を見せ、霧中でシャッターを押しました。その後再び雲に包まれてしまい、待っても雲は厚くなる一方で北岳が姿を現すことはありませんでした。
テントへ引き返します。気温は急激に下がり、マイナス6度になっていました。天気図を書くと、明日は冬型の気圧配置になるが寒気はさほど強くないようなので、北岳に登頂できるかもしれません。夕食前に酒を飲み気持ちよく酔い、今日も野菜たっぷりの鍋に舌鼓を打ちました。
2015年1月4日(日)
冬の北岳撮影行(1)

南アルプス林道からの北岳


南アルプス林道からの間ノ岳

あけましておめでとうございます。今年も山と写真を愛する皆さんにとって実り多い年になりますように。

2014年の締めくくり山行のレポートです。
この冬は北岳に登頂したいと思い、全日本山岳写真協会の仲間で山の大先輩であるNさんを誘い、二人で行ってきました。

12月26日(金)の晩にNさんが車で迎えに来てくれました。道路は空いており芦安まで順調に来ましたが、林道入口のゲートが閉まっており夜叉神に入ることができませんでした。明日奈良田側から入るしかなさそうです。とりあえず今日はここで寝ることにして金山沢温泉の隣の第5駐車場にテントを張りました。

翌27日(土)は5時に起床。快晴です。朝食を食べてから、念のためゲートまで行ってみることにして坂を上ってゆくと、山岳館の前でおまわりさんが安全登山のチラシを配っていました。話を聞くと、積雪のため暫くゲートを閉めていたが今日の8時に開くとのこと。ラッキー。
夜叉神の駐車場では大勢の登山者が出発の準備をしていました。我々もパッキングをして8時50分に出発。悪名高い林道ゲートをトラブル無く通過し、15分かけて夜叉神トンネルを抜けると真っ白な山が目に飛び込んで来ました。林道は日陰部分はツルツルに凍結しており、転ばないように気をつけて歩きます。鷲住山の登山道に入ると僅かに残った雪が凍り付き、なんともいえないいやらしさです。頂上を越えて少し下った所でたまらずアイゼンを装着しました。野呂川を吊橋で渡り、反対側の林道へ上り返します。途中にあるいやらしい岩場は覚悟していたためか、意外にあっさり越えることができました。林道を30分ほど歩けばあるき沢橋。4時間歩いて漸く登山口に着いたといった感じです。ここからすさまじい急登が始まります。息が上がらないペースでゆっくり歩き、1時間で標高差200メートルを稼ぎます。2ピッチで対岸の林道と同じくらいの高さとなりました。3ピッチ歩いて尾根上に出た所で最後の休憩を取り、ヘッドランプを点けて池山御池を目指しました。ヨレヨレに疲れた頃、前方にテントの明かりが見えてきました。17時40分に池山御池に到着。
池の雪原の端を整地してテントを設営。水を作ってから夕食を食べ、22時に就寝。


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