撮影日和     

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2020年12月30日(水)
丹沢トレーニング山行

塔ノ岳山頂では寒風に震え上がりました


大山が遠い。本当にあそこまで歩けるのか?


阿夫利神社では正月の準備が整っていました

冬山前にもう一度山を歩いておきたかったので、昨日12月29日(火)に、丹沢へ行ってきました。

大倉から歩き始めた時は晴れていましたが、間もなく曇ってしまいました。快調なペースで登ってゆきます。それでもトレイルランナーに次々に抜かれます。常に後ろから追い立てられているように感じて落ち着かないのは大倉尾根ならでは。標高1128メートルの天神尾根分岐まで一気に登り、ベンチでココアを作ってひと休み。気温はそれほど低くありませんが風が冷たく、冷え切った左手が利かず、食べ物のパッケージをなかなか開けられません。ここからはジャケットを着て一気に塔ノ岳へ。

山頂の気温はプラス5度でしたが風が強く、物凄く寒い。風下側で休憩。フリースとダウンを着込み、暖かいカップ麺とパンでで一息つきました。曇り空ですが表尾根と大山は見えています。遠い。あそこまで歩けるのでしょうか。

塔ノ岳を後に表尾根へ。大倉尾根よりもぐっと人が少ない。アップダウンを繰り返し、三ノ塔へ130メートル登り返して休憩。富士見橋へ下り、車道をヤビツ峠まで登り返したところで、今日はここから帰ろうかという誘惑にかられましたが、前回も同じ状況で帰ってしまったことを思い出し、今日は大山まで頑張ることにします。

30分ほど休んで暖かい飲み物とパンで腹ごしらえをすると、再びやる気が出てきました。16時30分の最終ケーブルに間に合わせるために、イタツミ尾根をハイペースでの登ります。自分の体のどこにこのパワーが残っていたのかと驚きました。表参道に出た所で、時間的に頂上往復を割愛することにしました。既にかなり足にきていたので、歩きにくい表登山道を転倒に気をつけつつもハイペースで下りました。

無事下社に到着。境内は既に正月の飾り付けが出来上がっていました。万歩計は4万歩を越えており、今日の目的は十分達成しました。予定通りケーブルに乗って山を下り、18時過ぎに帰宅しました。

2020年12月24日(木)
鳳凰三山(3)

山火事跡から朝の白峰三山

12月10日(木)、3時半にアラームで目を覚ましましたが、眠かったので二度寝して4時半に起床。外気温はマイナス2度と暖かい。朝食を食べてゆっくりテントを撤収し、明るくなってから出発。

快調に苺平へ上り返し、一気に山火事跡の白峰三山が見えるポイントまで歩いてしまいました。景色を眺めながらひと休みして、次は杖立峠を越えて一気に夜叉神峠手前まで歩きます。体が軽く感じられるのは、毎日のウォーキングの成果かもしれません。日だまりでザックに座って行動食を食べてから、夜叉神峠へ。峠で白峰三山に別れを告げ、登山口へ下りました。

下山後の温泉は、芦安の下の天笑閣に寄りました。経営が替わったのか名前が新しくなり、高温、中温、低温の浴槽も新しい感じです。すべすべの温泉でリフレッシュできました。

高速は使わず国道20号線をのんびり走り、夕方に帰宅しました。

2020年12月23日(水)
鳳凰三山(2)

雲間からの甲府の夜景


白峰三山に光が来ました


観音岳山頂からの大展望

12月9日(水)は3時起床。外の気温はマイナス5度。星は見えていません。今日は地蔵岳(赤抜沢ノ頭)を往復します。ラーメンを食べ、準備を整え、ヘッドランプを点けて出発。

登山道には雪がありますが、凍っていないのでアイゼンなしでぐんぐん登り、1ピッチで砂払岳まで上がってしまいました。今日も快調です。まだ真っ暗で曇っていますが、富士山は見えています。雲海の間から甲府の夜景が見えており、三脚を立てて幻想的な光景を撮影しました。

日の出まで時間があるので、一気に観音岳へ。雲に隠れて日の出は見られませんでしたが、野呂川の谷に雲海が入っており、天候の回復が楽しみです。

赤抜沢ノ頭へ向かいます。もったいないくらい下って登り返すと、赤抜沢ノ頭到着。空が明るくなってきたので、行動食を食べながらしばらく様子を見ていると、次第に青空が広がり、太陽が顔を出しました。野呂川の雲海が輝き、新雪の白峰三山が素晴らしい。地蔵岳も光線の条件が良く、夢中でシャッターを押し続けました。

観音岳に戻る頃には太陽が回って山々に陰影が生まれ、またまた撮影タイム。風が強くなってきました。満足して山頂を後にしました。砂払岳で最後に薬師岳を撮影して南御室のテントに下りました。

行動時間が長かったので脱水気味で、お湯と水をがぶ飲みし、スープとコーヒーも飲んでやっと落ち着きました。今日は自分以外に誰も居らず、テント場は完全貸切状態です。夕食後はシュラフに入ってしばらくラジオを聴き、20時に就寝。

2020年12月22日(火)
鳳凰三山(1)

南アルプスでも鹿をよく見かけるようになりました


南御室小屋のテント場

まだほとんど雪が無いことは分かっていましたが、撮影というよりはトレーニングのつもりで鳳凰三山へ行くことにしました。

12月8日(火)、4時40分に自宅を出発。甲府昭和ICで高速を下りてからは通勤ラッシュの渋滞に巻き込まれ、1時間ほどのロス。

夜叉神峠登山口の駐車場で準備をしていると、3人パーティーが先に登って行きました。ストレッチをしてから出発。冬枯れの登山道を1ピッチで夜叉神峠に着きました。体調は良いようです。白峰三山もはまだ雪は少ない。杖立峠の登りで2頭の鹿に出会いました。可愛いですが、夏は稜線まで上がり高山植物を食い荒らす厄介者です。自然界のバランスの難しさを考えさせられます。体が軽く、夜叉神峠から1ピッチで杖立峠まで登ってしまいました。杖立峠から100メートルほど下り、苺平までダラダラ登りが続きます。日だまりは暖かいですが森に入ると寒く、苺平から南御室への北斜面のトラバースでは、登山道は雪に覆われていました。

予定通り、2時半ぴったりに南御室に到着。先行の3人パーティーがテントを張っているところでした。僕もサッとテントを張り、水を汲んでからテントに入ります。今回、酒を忘れてしまったので、コーヒーと菓子で寛ぎます。17時前に、すぐ近くの携帯の電波が通じる場所へ行き、天気予報を入手しました。明日は弱い気圧の谷が通過するため、曇り後晴れとのこと。

テントに戻るともう暗くなってしまいました。18時前に夕食を済ませて、18時半にはシュラフに入りました。

2020年12月21日(月)
「山と溪谷」2021年1月号


発売中の雑誌「山と溪谷」2021年1月等に、私の写真と文章が掲載されています。

今回の特集「深田久弥と『日本百名山』」で、深田久弥がその山を百名山に選定した理由、選定した当時と現在とで変わったこと、そして今なお変わらずに人々を迎える山の様子などを、全国各地の有識者が分析し語るという内容です。

私も鳳凰山、北岳、間ノ岳、塩見岳の写真と文を執筆させていただきました。聖岳の写真も提供しています。ぜひご覧ください!(もしよかったら、お買い上げください
。)

2020年12月20日(日)
晩秋の御正体山

鉄塔広場からの富士山


山頂直下のブナ林で

11月21日(土)、山仲間に誘われ、4人で道志の御正体山へ。

東名高速はリニューアル工事のため所々で渋滞していましたが、比較的順調。御殿場で高速を下り、篭坂峠経由で登山口の山伏峠へ。途中、富士山を隠している雲が炎のようにオレンジ色に染まる光景が大迫力でした。トンネル手前の旧道スペースに車を止めました。

トンネルを歩いて道志側に抜け、旧道跡に少し入ったところから山伏峠に上がり、冬枯れの尾根を登ってゆきます。左側に富士山が見えますが、藪がうるさい。稜線に登り着いたところでひと休み。冷たい北風が吹き付けてきます。稜線を御正体山へ向かいます。1371m先の鉄塔が立つ広場で景色が広がり、雲がなびく富士山と、南アルプスの北岳から上河内岳までが一望の下。今回の山行で景色を楽しめたのはここだけで、あとはずっと冬枯れの樹林の中でした。アップダウンを繰り返し、最後に標高差250メートルを一気に登り、御正体山山頂に到着しました。山頂直下は雰囲気の良いブナ林でした。

山頂広場は風が無く、ポカポカの日だまりになっていました。シートを広げて弁当を食べ、仲間が持ってきたあずき缶でお汁粉をいただきました。記念写真を撮って山頂を後にしました。

登って来たコースを引き返し、鉄塔広場でもう一度景色を楽しんでから山を下り、石割の湯に寄ってさっぱりしてから帰途につきました。

2020年11月25日(水)
毛無山~雨が岳

ちょっとズレました


南アルプス展望台からの赤石岳と荒川三山


毛無山にて


気持ちの良い稜線を雨が岳へ


ススキの東海自然歩道をゆく

毛無山へダイヤモンド富士を実に行こうと山仲間から誘われました。久々に、夜間登山となる面白そうな計画です。

10月30日(金)の晩にGさんが車で迎えに来てくれました。東名高速で御殿場まで行き、篭坂峠経由で朝霧高原を目指します。きれいに晴れ上がり、月光に照らされた富士山がはっきり見えます。道の駅朝霧高原に21時半頃到着。冬型気圧配置で北風が強く、外はかなり冷え込んでいます。トイレを済ませてすぐシュラフに入りました。

夜中は車が揺れるほど風が吹いた。31日(土は)2時半起床。バウムクーヘンを腹に押し込んでから、登山口の駐車場まで車を移動。

真っ暗な中、ヘッドランプを点けて出発。林道を少し歩いて登山道に入る所で、獣の目が光っていました。明かりを向けると、すぐ脇にカモシカが佇んでいました。全く逃げる様子はなく、静かに我々を見送ってくれました。尾根につけられた登山道は急登の連続で、時々手を使うような岩場も出てきます。歩き出して2時間ほどすると、東の空が赤くなり始め、徐々に周りが見えるようになってきました。

富士山展望台には予定通り日の出前に到着。岩の上に三脚を立てて日の出を待っていると、いきなり右の山腹から強烈な光が噴き出しました。思わず二人で「あーっ、ずれた!」と声を上げてしまいました。事前にシミュレーションソフトで太陽が出る位置を確認していましたが、考えてみると立ち位置と日の出位置の標高を考慮していませんでした。残念。

気を取り直して出発。稜線に出た所で、大岩の上が南アルプス展望台。上河内岳から荒川三山までが一望できました。まだ雪はごく僅かしか着いていません。緩やかに少し登ると毛無山(1946m地点)に到着。記念撮影だけして先に進み、景色が開けた所で腰を下ろして朝食にしました。大沢崩れで大規模な崩落が起こったらしく、土煙が大きく舞い上がるのが見えました。富士山がどんどん崩れて低くなってしまいそうで、心配になります。

雨ヶ岳への縦走路は、笹原と樹林の気持ちの良い道が続きます。1ピッチでタカデッキ。ここから大きく下って少し上り返すと、眺めのよい笹原の雨ヶ岳に着きました。富士山の眺めが素晴らしいが、全く雲もなく、写真はあまり面白くありません。

端足峠へは一気に500メートル下ります。元気があれば竜ヶ岳を往復する予定でしたが、早朝からの行動で二人とも疲れてきたので、今回は大人しく下ることにしました。A沢貯水池まで下り、駐車場を目指して東海自然歩道を歩きます。所々に広大なススキの原があり、その向こうに富士山が素晴らしい。やがて、豪雨による土砂崩れで迂回路を歩くようになりますが、その後は道標が非常に分かりにくく、とうとう藪漕ぎまでする羽目になってしまいました。なんとか本来の道に戻り、かなり疲れて駐車場に到着しました。東海自然歩道でこんなに苦労するとは予想していませんでした。

帰路は富士宮へ回って天母の湯に寄り、さっぱりしてから帰途につきました。東名高速で久々に渋滞に巻き込まれましたが、18時過ぎには帰宅できました。

2020年11月24日(火)
東北・紅葉の山めぐり(8)

カーテンを開けると…


一面の黄葉の先に田沢湖が

10月24日(土)、とうとう最終日です。部屋のカーテンを開けると、おぉー、一面の紅葉の海の先に田沢湖が。窓の隙間から写真を撮った後、朝風呂にゆっくり浸かりに行きました。美味しい朝食を腹いっぱいいただき、のんびり支度をしてからチェックアウト。

紅葉の中を田沢湖まで下ると、日が射してきました。田沢湖駅近くのスーパーでお土産を買ってから、国道46号線を盛岡方面へ。仙岩トンネルを抜けると、すっかり青空になりました。道の駅雫石あねっこにも立ち寄ってお土産の買い物。さらに、道の駅紫波にも寄って地酒を買い、お土産はこれでおしまい。昼食は仙台あたりで海鮮を食べようと、高速に乗らずに下道をひた走りましたが、昼までにとうてい仙台には届かないことがわかり、スマホで見つけた北上の海鮮料理屋で昼食。コスパがよく、地元の人気店のようでした。

北上江釣子インターで東北道に入り、横浜へむけてひた走りました。栃木県では激しい雷雨となり、さらに事故渋滞があり、カーナビに従って途中で高速を降りたり、再び高速に入ったりして、深夜に帰宅しました。

2020年11月23日(月)
東北・紅葉の山めぐり(7)

田沢湖のウグイの大群


田沢湖・御座石神社


鶴ノ湯は風情たっぷり

10月23日(金)、予報通り明け方から雨になりました。ゆっくり朝食を食べ、雨具を着てテントを撤収。びしょ濡れのテントをビニール袋に入れて車に押し込みました。

今日は車で周辺の観光。まずは田沢湖を一周。定番観光地のたつ子像へ。説明書きによると、観光のために伝説が作られたような感じで、なぜこんなに有名になったのかちょっと理解不能です。透き通った湖面に餌付けされたウグイの大群が見え、圧巻でした。続けて御座石神社へ。御座石の上に立派な鳥居と境内の雰囲気も悪くありませんが、スピーカーから流れる俗っぽい音楽があまりにもアンバランスで興ざめでした。

この後どこへ行こうかとスマホで調べようとしましたが、なぜかネットが繋がりません。田沢湖駅の観光案内所まで行きましたがフリーWiFiも繋がらず、どうやら回線のトラブルのようです。無駄に時間が経過し昼になってしまいました。ようやく繋がったネットで見つけた近くの和食屋で昼食。我々以外に客は居ませんでしたが、安くて美味しくて感激ものでした。

特に行きたい場所があるわけでもないので、興味本位で秋田駒八合目まで入ってみました。紅葉の中、舗装はされているものの細い道をクネクネと上って行きました。当たり前ですが八合目の駐車場はガスで真っ白闇。来た道を引き返し、今度は乳頭温泉郷まで車を走らせます。妙ノ湯の前の紅葉が素晴らしく、車を降りて傘をさしながら撮影しました。鶴ノ湯にも行ってみました。雨に濡れた紅葉と古い建物の風情が素晴らい。

今日の宿は田沢湖温泉のホテル。部屋の窓からは、眼下に見事な紅葉が広がっていました。早速温泉へ。露天風呂も目の前に紅葉。夕食も大変美味しく、大当たりでした。

2020年11月22日(日)
東北・紅葉の山めぐり(6)

登山道脇に湧き出す温泉


乳頭山からの岩手山


秋田駒ヶ岳をバックに


黄葉の中を下る

10月22日(木)、4時起床。曇りなので、今日は吹きさらしの秋田駒は止めて乳頭山に登ることにしました。

車で乳頭温泉郷へ。蟹場温泉まで入りましたが登山口が分からず、黒湯温泉へ移動。黒湯の駐車場の先に駐車スペースを見つけ車を止めました。

黒湯温泉の前を通って沢に下り、沢沿いの登山道を上って行きます。紅葉の中に黒湯の源泉がもうもうと湯気を上げており、なかなか凄い風景です。1ピッチ歩いた所が一本松温泉跡。登山道脇の広場のあちらこちらで温泉が湧き出しています。お湯にふれると温度はまちまち。少し下に素掘りの湯船の跡があり、そこは丁度良い湯加減でした。土と湯の花が堆積しており、ちょっと入る気にはなりません。

ここからは沢を離れて本格的な上りになります。登山道が浸食されており、両側の藪が高く、景色は見えません。木の階段の登山道をぐんぐん登り、標高1270メートルで藪を抜けると景色が広がりました。曇り空ながら秋田駒から乳頭山へ続く稜線が見え、山腹の笹原に点在する落葉したダケカンバの白い幹が印象的でした。

景色を楽しみながら小一時間で頂上に着きました。反対側に岩手山が大きい。ぐるりと見渡せば、湿原が多いたおやかな山並みが続いています。お湯を沸かして昼食を食べてから、岩手山をバックに記念撮影、と思ったら山が隠れてしまいました。背景を秋田駒に変更して撮影。

頂上を後に田代平へ向かいます。笹原の間に木道が敷かれていますが、雨で深く浸食されて木道が崩壊している場所もあり、割と歩きにくい。田代平山荘は立派な避難小屋で、小屋の正面に小さな湿原がありました。さらに緩やかに下ってゆくと、広々とした田代平に出ました。草紅葉の向こうに乳頭山や秋田駒を眺めながら休憩。我々以外に誰もおらず、木道に座ってのんびりしました。この後樹林帯に入って下ってゆくとなだらかになり、雰囲気の良いブナ林の中の気持ちの良い道になりました。

蟹場分岐で休憩し、乳頭温泉へ向かって紅葉の中へと下って行きます。予想外に日差しも出てきて、輝く紅葉に何度も立ち止まりシャッターを押しました。妙ノ湯からは林道を歩いて黒湯に戻ります。道沿いの紅葉も素晴らしい。

休暇村に寄って温泉に入り、スーパーで夕食に刺身を買ってキャンプ場に戻りました。キャンプは今晩が最後。夕食の後、雨に備えて全ての物をフライの下に入れてから就寝。

2020年11月21日(土)
東北・紅葉の山めぐり(5)

法体園地キャンプ場の朝


法体の滝


角館の武家屋敷で

10月21日(水)、夜中は冷え込みましたが快晴の朝です。ベンチには霜が降りていました。朝食後、法体の滝を見に行きました。完全に逆光なのが残念でしたが、水の濁りは無くなっていました。

今日は田沢湖への移動日。途中、道の駅と神社に寄り、スーパーで食料を買い、角館へ。駅前の駐車場に車を置き、昼食にお狩場焼き定食を食べてから武家屋敷通りを散策しました。コロナ対策で屋敷の中を見学できないところが多いですが、外観を見るだけでも味わいがあります。特に、大木が茂る庭は歴史を感じさせるものでした。

夕方、田沢湖キャンプ場に到着。週の中日だけにがら空きでどこにでも張り放題。天気が下り坂なので、駐車場のすぐ近く、トイレと水場にも近い場所に決めてテントを張りました。林の中の土のサイトで設備は綺麗ですが、須川湖と法体園地のロケーションがあまりにも良かったため、ちょっと見劣りしてしまいます。今夜は比内地鶏を入れた鍋にをつつきながら、ビールと日本酒で乾杯。

2020年11月20日(金)
東北・紅葉の山めぐり(4)

男甑山からの女甑山、左下に名勝沼


ウィルソンカツラの中から上を見る


名勝沼からの女甑山

10月20日(火)、4時起床。朝食を食べ、車で甑山の登山口へ向け出発。甑林道は狭く急な砂利道が続き、車高が高い四駆でないと厳しい道です。名勝沼入口に車を止めました。

甑峠への登山道は、秋田杉の森からブナ林と雰囲気の良い森の中を緩やかに登って行きます。甑峠を越えて東面に出ると、日差しが暖かい。明るいブナ林の中を緩やかにキャンプ場跡まで下り、今度は男女のコルへの道を辿ります。途中の「目甑大カツラ」は木の勢いが無くなり枯れかけているように見え、期待外れでしたが、その手前のカツラの巨木が見事でした。ここからコルまでは急登となりました。コルでひと休みしてから目甑山を往復します。山頂まで一直線の登りはすさまじい傾斜で恐怖を感じるほど。ここで今日初めて単独の男性と出会いました。慎重に登り切った頂上で、展望を楽しみながら昼食。昨日の栗ごはんで作ったおにぎりが美味しい。

コルまで慎重に下り、今度は男甑山への急登です。頂上直下で振り返れば、女甑山が凄い角度でそそり立っていました。男甑山頂上の展望はそれほどではありませんが、天を突くようにそそり立つ烏帽子岩が印象的でした。

男甑山から県境尾根を下ります。やはり急な下りですが、ここまでの急な道と比べれば歩きやすい普通の登山道です。名勝沼への道に入れば、ようやく平坦になり、深い森の中をゆったりと歩きます。木々の間から名勝沼が見え始めた所にウィルソンカツラがありました。屋久島のウィルソン杉に似ていることからこの名前が付けられたそうで、中が空洞で入ることができます。外側には様々な植物がびっしりと着生しており、なんともいえない風格がありました。

名勝沼は水面に周りの木々を映し、静まりかえっていました。午後の光を受けた女甑山も映っており、広角レンズでも収まらないほど急な角度で聳えたっていました。

名勝沼から登山口の林道に戻る道は若干分かりにくく、久しぶりにコンパスと地図でルートを確認しながら歩きました。小粒ながら、なかなか面白い山でした。

近くに温泉が無く、やや遠くなりますが猿倉温泉の鳥海荘まで車を走らせました。時間が遅くなってしまったため、鳥海荘の食堂で夕食を食べてからキャンプ場に戻りました。

2020年11月19日(木)
東北・紅葉の山めぐり(3)

須川湖からの秣岳


小安峡の大噴湯

10月19日(月)、4時起床。夜半から雨音がしていましたが、明るくなる頃には止み、テントを撤収する頃には晴れ間も出てきました。ラッキー。

ゆっくり荷物を片付けて、キャンプ場を後にしました。今日はたっぷり時間があるので、まず小安峡に立ち寄りました。当初あまり期待していませんでしたが、峡谷沿いに温泉が吹き出す大噴湯は迫力満点でした。

湯沢の町では昼食に稲庭うどんと比内地鶏の親子丼のセットを食べ、リーズナブルな値段で味、ボリュームともに大満足。

午後はスーパーで食料の買い出しをしてから三輪神社に寄り、道の駅で情報収集してから法体の滝キャンプ場へ向かいました。

キャンプ場は広大な芝生が気持ちよく、無料なのがうれしい。テントを張ってから、すぐ近くの法体の滝を見に行きまし。立派な滝ですが、上流で雨が降ったのか、水が茶色く濁っていたのが残念。

テントの前のベンチでビールと焼酎を飲みながら夕食の栗ご飯作り。酔いが回るのに合わせて日が暮れてゆきます。今日はテントが4張りしかなく静かです。ゆっくりと会話を楽しみながら夕食を味わいました。

2020年11月18日(水)
東北・紅葉の山めぐり(2)

気持ちがいい朝


名残ヶ原からの栗駒山


山頂で

10月18日(日)、4時起床。沢山の星がまたたいています。気温は6度くらい。朝食のうどんを食べ、登山の準備をしていると、外が次第に明るくなり、須川湖を囲むブナ林の紅葉の色彩が次第に浮かび上がってきました。秣岳山頂を照らした朝日が次第に山を下り、やがて湖畔のブナ林が金色に輝きました。昨日は到着が遅くよく分かりませんでしたが、須川湖は今まさに紅葉最盛期。

朝の撮影を終え、キャンプ場を出発。須川温泉まで車道を歩きます。途中で振り返ると、遠くに冠雪した鳥海山が見えました。登山道に入り、須川温泉の源泉の脇を登ってゆきます。名残ヶ原までは、登山道脇のあちらちらで湯気が立ち上っているのが面白い。須川コースは昭和湖の硫化水素のため通行止めになっており、今回は産沼コースを登ります。足元がぬかるんでおり、だらだらと長い上りに体力を消耗します。産沼まで来ると、ようやく頂上が近づいてきました。

栗駒山の頂上は、いわかがみ平から登ってきた登山者で大混雑していました。記念写真だけ撮り、頂上の先の登山道脇に座って昼食を食べました。いつの間にか雲が湧き出してきたため遠望はあまりききませんが、登って来た須川側を見下ろすと紅葉の絨毯が見事でした。

山頂を後にして、天馬尾根を下ります。広々とした気持ちの良い尾根ですが、登山道自体はあまり整備されておらず歩きにくい。秣岳との最低鞍部まで思いのほか時間がかかってしまいました。いつの間にかすっかり曇てしまったので、あまり写真は撮らず、歩きに専念します。秣岳まで小さなアップダウンが続きます。突然湿原が現れ、その先に頂上へ続く最後の登り、と思ったら完全に騙されました。岩頭の上に立つと、その先に本当の頂上が見えていました。岩頭でひと休みしてから頂上へ向かいました。

秣岳は苦労した割には特徴のない頂上で、長居はせずに下山にかかります。滑りやすい急な下りを慎重に歩きます。ブナ林に入れば全身が染まってしまいそうな見事な紅葉です。ゆっくり撮影したいところですが、温泉入浴の受付終了まで余裕がないため、先を急いぎました。最後は車道を30分ほど歩いてキャンプ場に戻りました。

車で栗駒山荘の温泉へ。乳白色の温泉らしい温泉が最高でした。日曜の今日のキャンプ場はがら空きです。周りのテントは無くなっており、ほとんど貸切に近い状態。夕食は豚汁。ビールとワインと焼酎ですっかりいい気分になりました。

2020年11月17日(火)
東北・紅葉の山めぐり(1)

中尊寺の境内で


テントで焼き肉!

1週間ほど、夫婦で東北の山旅に出掛けることにしました。天気の様子を見つつ臨機応変に動くために、最終日のみホテルを予約し、あとは全てテント泊です。

10月17日(土)、5時過ぎに雨の横浜を出発。羽生SAで朝食を食べ。中尊寺がある一関までひた走ります。高速を下りる頃には雨は上がっていました。中尊寺の駐車場に車を止め、食堂で昼食を食べてから拝観します。立派な杉並木の参道を行くと、所々で紅葉が色づき始めており、みちのくの秋の風情が感じられました。昭和37年に解体修理が行われた金色堂は光り輝いていました。

一関のスーパーで食料を買って、須川湖へ向かいます。標高が上がるにつれて木々が色づき始め、須川湖ではちょうどピークでした。

キャンプの受付をして、なんとか日暮れ前にテントを張ることができました。しっかりしたウッドデッキの上の快適なキャンプ。目の前に須川湖と栗駒山を望む最高のロケーションですだ。広いテントの中にテーブルを入れて、焼き肉を食べながら、ビールとワインが美味しい。

2020年11月11日(水)
初秋の尾瀬(4)

ヤマドリゼンマイの紅葉


だんだんいい色に


最後はとうとう雨に

10月1日(木)、今日も3時半起床。全く冷え込んでおらず、星は見えません。かみさんが、夜中に何かの影がテントに触れたと言います。間違いなく熊と思われます。食料を山小屋に預けたのは正解でした。

テントを撤収しているうちに明るくなりました。どんよりとした曇り空で、湿原には朝霧も出ていません。燧ヶ岳も、至仏山も、雲の中です。朝の撮影を諦めて、木道をどんどん進みます。我々以外にほとんど誰もおらず、風もなく、静寂そのもの。牛首分岐から、ヨッピ吊橋への道に入ります。湿原の縁や拠水林で見通しが悪い場所に設置されている熊よけの鐘を慣らしながら進みます。東電小屋の手前で、木道の上を動く小さな生き物を発見。よく見るとアカハライモリの赤ちゃんでした。ゼンマイ仕掛けのおもちゃのようなぎこちない動きが可愛く、動画で撮影しました。この天気で作品にはなりませんが、ヤマドリゼンマイの紅葉が美しい。

東電小屋のベンチで湿原を眺めながらひと休み。ここから少し林の中を歩き、再び湿原に出ると只見川を渡ります。やがて見晴からの道に合流。温泉小屋までの道では、色づき始めて3色になったモミジや足元の小さな赤い実に、深まりゆく秋を味わいます。

段吉新道は森の中の湿っぽい道が続きます。いくつかの小さな沢を横切り、三条ノ滝からの道に合流すると燧裏林道となります。割とアップダウンが多く、全体的にはダラダラと上っている感じです。西田代に出るあたりから雨が落ちてきました。風は無いので、傘をさして歩きます。西田代、上田代は草紅葉が美しくなかなかよい雰囲気ですが、雨とガスなのが残念。上田代から御池へは木の階段を下ってゆきます。御池田代から緩やかに上ると御池の駐車場に着きました。

車で片付けをしてていると、後から来た人が御池田代で小熊に遭遇したと話しかけてきました。我々は熊に出会えず良かったような残念なような複雑な気分です。

車の中で昼食を食べてから桧枝岐で駒ノ湯の寄り、道の駅たじま、道の駅やいたで買い物をして帰途につきました。

2020年11月10日(火)
初秋の尾瀬(3)

森林限界から朝霧の尾瀬ヶ原を望む


至仏山山頂にて


上州武尊山と笠ヶ岳

9月30日(水)、3時半起床。2時間かけてゆっくり朝食と準備をして、熊を避けるため明るくなってから出発。

朝霧漂う研究見本園を抜けると、いきなり至仏山への急登が始まりました。外傾した木の階段と滑りやすい蛇紋岩の登山道をぐいぐい登ってゆきます。朝霧が消える前に尾瀬ヶ原を撮影したかったので、森林限界まで一気に登っりました。

樹林を抜けた1700メートル地点で先着のおじさんが三脚を立てており、その隣に三脚を立てさせてもらいました。尾瀬ヶ原に立ちこめる霧にちょうど朝日があたり始めたところで、絶好のタイミングでした。刻々と変化する霧と光に、夢中でシャッターを切りました。燧ヶ岳は初めは雲の中でしたが、次第に雲が取れて姿を現しました。

十分満足し、再び頂上目指して歩き出します。今日は空気が澄んでおり、標高を上げるにつれて日光連山や利根川源流の山々も見えてましきた。登山道の傾斜がゆるやかになると、間もなく至仏山の頂上に登り着きました。

今日はまさに360度の大展望です。燧ヶ岳から右に、奥日光の山々、皇海山、赤城山、富士山、上州武尊山、南アルプス、八ヶ岳、浅間山、谷川岳、朝日岳、巻機山、利根川源流の山々、中ノ岳、越後駒ヶ岳、平ヶ岳、景鶴山、会津駒ヶ岳などが丸見えです。お湯を沸かして昼食を食べ、1時間半も長居してしまいました。
山頂を後にして鳩待峠へと下ります。小至仏山まで気持ちの良い稜線歩きを楽しみ、樹林帯に入ってからは緩やかな歩きやすい道になりました。賑やかな鳩待峠でひと休みして、よく整備された木道を山ノ鼻へ下ってゆきます。山ノ鼻の少し手前ですれ違った人が、すぐ先で熊に出会ったとのこと。我々は会うことはありませんでしたが、木道の上に粉々になった樹肌が散乱していたり、樹上に熊棚があったり、熊の気配を強く感じました。

山ノ鼻に戻ると、今日はテントが2張しかありませんでした。今日もベンチでビールを飲みながら夕食を食べました。暗くなってテントに入りましたが、すぐ横の林で30分ほどガサガサバキバキと明らかに熊のものと思われる音がして、落ち着きませんでした。20時頃、シュラフに入りました。

2020年11月9日(月)
初秋の尾瀬(2)
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霧に浮かぶ燧ヶ岳


小さい秋


ヒツジグサが色づき初めていました

9月29日(火)は3時40分に起床しました。満天の星です。昨晩の残りでうどんを作り、朝食後は長蔵小屋裏の展望デッキで朝の撮影。期待通り尾瀬沼に朝霧が漂い、その上に燧ヶ岳が聳えていました。久しぶりに動画も撮影し、大満足です。

テントを撤収し、尾瀬沼北岸を回って尾瀬ヶ原へ向かいます。樹林と湿原が交互に現れる道を楽しく歩きます。実にすがすがしい気候です。沼尻から白砂峠へはわずかな登りで、あとは見晴まで緩やかな下りが続きました。見晴では尾瀬ヶ原と至仏山を正面に望むベンチで昼食。のんびり1時間以上休んでしまいました。

尾瀬ヶ原を山ノ鼻へ向かいます。草紅葉の中にヤマドリゼンマイの紅葉が見事ですが、午後になって曇ってしまったのが残念です。下ノ大堀川を過ぎたあたりで、TV撮影隊らしき一団がやってきたと思ったら、先頭を山の編集長ことHさんが歩いていました。NHK「にっぽん百名山」の撮影でした。

山ノ鼻でテントの受付をすると、熊対策に関する説明を受けました。かなりの頻度で出没しているそうで、夕方~早朝の行動はしないこと、寝るときは食料を山荘に預けること、夜のトイレは公衆トイレではなく山荘のトイレを使うように、とのこと。

テントを張り、外のベンチでビールを飲みながら麻婆茄子の夕食。すっかりガスってしまいましたが、外での食事は実に気持ちよい。テントに戻ると隣のテントから声をかけられ、なんと知り合いのSさんでした。今日は知っている人に2回も会ってしまいました。小屋に食料を預け、19時にシュラフに入りました。

2020年11月8日(日)
初秋の尾瀬(1)

大江湿原にて


大江湿原にて


三平下付近からの燧ヶ岳

今年は5月末でサラリーマンを卒業し、またコロナ渦で南アルプスに入りにくいので、いつもとは違う山へ行く機会が増えました。今回、家内と尾瀬へ行くことにしました。私は尾瀬沼は時々行っていますが、尾瀬ヶ原を歩くのは実に33年ぶりです。紅葉のピークには少し早い時期の平日に、静かな尾瀬をじっくり味わおうというコンセプトです。

9月28日(月)、5時20分に自宅を出発。素晴らしい晴天になりました。東北道に入ると、すぐに奥日光の山々が見え始めました。空気が澄んでいます。西那須野塩原ICで高速を出て、檜枝岐へ向かいます。山間部に入ると雲が増え、所々で路面が濡れていました。まさに天気が回復したばかりという感じです。檜枝岐の集落を通り抜け、11時過ぎに御池の駐車場に到着。平日なので空いています。

車の中で昼食を食べてから荷物をパッキングし、12時10分の沼山峠登山口行きシャトルバスに乗り込みました。以前は普通のバスでしたが、今回、電気バスに代わっていました。

沼山峠への樹林帯の上りはひんやりとした冷気が心地よく感じられます。峠から緩やかに下ってゆくと、木々の間から一面草紅葉の大江湿原が見えてきました。大江湿原の木道歩きは実に爽やかです。雲が所々に影を落とし、日が当たっている所が光り輝いていました。

1ピッチで尾瀬沼に到着。尾瀬沼ヒュッテでテントの受付をして、林間のウッドデッキにテントを張ります。実に快適です。夕食は豪勢にすき焼き。焼酎を飲みながら美味しくいただきました。夕食後は頂上小屋裏の展望デッキで沼の夕景を撮影しました。日が沈むと一気に冷え込んできたので、さっさと19時前にシュラフに入りました。

2020年9月28日(月)
静かな飯豊連峰へ(3)

朝の杁差岳山頂にて


影杁差と新潟の街。遠方に佐渡島も


雄大な飯豊連峰。左遠方が飯豊本山

9月6日(日)は、3時15分起床。文句なしの晴天です。朝食後、山頂に上がると反対側の眼下に見事な滝雲が流れていました。日の出前なのでスローシャッターを使っていい写真が撮れました。一面の雲海からの日の出。雄大な飯豊の山々に、小さな山小屋がアクセントを添えています。西側には日本海、そして越後平野に杁差岳が影を落としていました。

テントを畳み、杁差小屋を後にしました。朝の光を受ける花を撮影しながら歩きます。昨日苦労した鉾立峰も、下りは意外にあっけない。大石山への上り返しは風がなく、今日も汗が噴き出します。大石山から見た頼母木小屋が意外に近く感じられたので、休憩せずに一気に行くことにしました。昨日汲んだ水ではなく、頼母木小屋の美味しい水を飲みたい。実際に歩くと意外に時間がかかりましたが、水の引力で頑張ることができました。

昨日賑わっていた頼母木小屋ですが、今日は誰も居ません。水をたらふく飲み、持っている水も入れ替えて30分ほど休憩し、元気を取り戻しました。頼母木山へ登ってゆくと、沢の源頭斜面の先に杁差岳が格好いい。地神北峰まで登って休憩。ここで最後の展望を楽しみ、丸森尾根を下ります。

丸森尾根は草原の中の登山道が雨で浸食されてガラ場状になっており、歩きにくい。涸れ滝のような岩場の段差もあり、転倒しないよう細心の注意を払って下ってゆきます。道の真ん中に熊の糞がありました。2日前くらいの感じです。樹林帯に入っても道が深くえぐれている所や、スリップしたらアウトのザレ場が多い。ストックが大活躍し、上半身も使いながらの下りです。夫婦清水は尾根道から脇に入ってすぐの所に流れる素晴らしい水場。ここでもたっぷりと給水。尾根の最後は岩稜となり、疲れた足で踏み外さないよう、声を出して自分自身に注意喚起しながら慎重に下りました。車道を少し上り返して車に戻りました。

汗まみれの服を着替えて車にザックを放り込み、温泉を探しました。道の駅に隣接している桂の関温泉ゆーむに寄って3日間の汗を洗い流しました。帰路は高速を利用しました。日本海東北道の荒川胎内ICから入り、北陸道、関越道で練馬まで。距離は長いですが、休日にも関わらずコロナの影響で渋滞はなく、22時半に帰宅しました。やはり高速は早い。

2020年9月27日(日)
静かな飯豊連峰へ(2)

門内小屋のテント場からの北股岳


地神北峰からの頼母木山


杁差岳が姿を現しました。大きい!

9月5日(土)は3時起床。天気予報が外れ、晴れています! 朝食後、テントのすぐ横に三脚を立て、日の出を待ちます。北股岳から梅花皮岳の東面が一望のもとに眺められるベストポジションです。日が昇ると稜線にちょうど良い光が当たり、前景に咲き残りの花を入れたり工夫しながら撮影を楽しみました。

軽いザックで北股岳をピストンします。清々しい朝の光の中、飯豊らしい雄大な風景を楽しみながらの稜線漫歩。頂上には自分一人しか居ません。記念撮影をしてテントに引き返しました。

テントを撤収し、杁差岳を目指します。ゆっくり歩いているつもりでも、コースタイムよりも早めです。1ピッチで地神山まで来てしまいました。ガスが湧いてきました。これから向かう頼母木山と、その先の稜線上に頼母木小屋がポツンといい雰囲気で眺められます。なだらかな稜線をのんびり進み1ピッチで頼母木小屋に到着しました。稜線にある小屋なのに、なんと小屋の前まで水を引いてあるのが嬉しい。美味しい水をガブ飲みしながら昼食にします。ここは人気があるようで、既にテントが3つ張られていました。

ここに泊まりたい気持ちを振り切って出発。大石山の登りに差し掛かったところで、不意にガスが切れて杁差岳が姿を現しました。大きい! 最後の登りがきつそうです。大石山から一気に140メートル下った鞍部で休憩し、鉾立峰の登りに取り掛かりました。今日一番の急登に厳しい暑さが加わり汗が吹き出します。鉾立峰からまた少し下って登り返すと、霧の中から杁差小屋が現れました。最後でヨレヨレになってしまいました。

風が強くなってきました。テントを張ってから水を汲みに行きましたが、かなり下った所に湧き出した水が溜まっているのをすくう形で、イマイチでした。

テントに戻り、水場で冷したビールを開けました。最高!ですが、あっという間に飲み干してしまいました。遠くで雷がゴロゴロ鳴っています。音が少しずつ近づき雨もパラパラと落ちてきたので、いよいよ雷雨になるかと思いましたが、結局これでおしまい。突然明るくなったかと思うとガスが切れて夕日が見えました。急いでカメラを持ってすぐ近くの山頂に上がりました。しかし、このまま天気が回復するわけでもなく、ガスに包まれたり太陽が出たりの繰り返しで、あまり成果はありませんでした。夕食後も星空になったので三脚を立てましたが、すぐに濃密なガス包まれてしまい三脚もカメラもびしょ濡れに。シャッターを押すことはありませんでした。20時に就寝。

2020年9月26日(土)
静かな飯豊連峰へ(1)

湯沢峰にて


夕方になってガスが晴れ、北股岳が姿を現しました


最高のロケーション

人が少ない山を求めて、久しぶりに飯豊連峰へ行ってきました。

9月3日(木)の早朝5時前に車で自宅を出発し、高速を使わず一日かけてのんびり登山口まで走りました。途中のスーパーで食料を買い、夕方に温泉にも寄り、暗くなる直前に登山口の天狗平に到着。早速車の中に居住空間を作って一人宴会をして車中泊。

翌4日(金)は4時起床。夜中は暑かった割には良く眠れました。平日ですが、車が数台やってきました。隣で準備していた人が地元の方で、今の時期に気温が24℃もあるのはこれまで経験したことがないと言っていました。

橋を渡って梶川尾根に取り付きました。いきなり壁のような急登です。樹間から主稜線が見えます。調子はまずまずですが、吹き出す汗の量が半端ではありません。頭に巻いたバンダナも、首にかけた手拭いも、何度も汗を絞るほどびしょ濡れになってしまいました。

湯沢峰で視界が開けましたが、稜線はガスに包まれてしまいました。一旦湯沢峠に下り再び急登になったところで、いきなり本降りの雨。慌てて雨具を着ましたが、間もなく小降りとなり、あまりの暑さにすぐに脱いでしまいます。この後は降ったり薄日が射したりで、何度も雨具を脱ぎ着することになりました。

水の消費が激しく、五郎清水で給水。水場は登山道から少し下りますが、全身に染み渡る美味しい水でした。ここで腹ごしらえも。

梶川峰まで激しい登りが続きましたが、梶川峰からは樹林帯を抜け、広々とした緩やかな尾根となりました。雨は小康状態となり、一瞬薄日も射しました。稜線に出た所が扇ノ地紙。門内小屋までは、なだらかな稜線を1ピッチ。トリカブトの群落を撮影したりしながら、のんびりと歩きました。

テントを張ってから水場へ。水の出が細く、水筒に入れるのに時間がかかりますが、冷たくて美味しい水です。テントに戻り、背負ってきたビールで一人乾杯。またパラパラと雨が落ちてきましたが、夕方になってガスが晴れ、飯豊の山々姿を見せてくれました。残念ながら夕日は見ることができませんでした。

明日の天気は、予報によると期待薄です。19時にシュラフに入りました。

2020年8月19日(水)
この夏は白山へ(4)

手取峡谷


白山比咩神社


瑞泉寺山門

8月5日(水)、朝風呂に入り、おいしい朝食をいただきました。せっかく石川県まで来たのだからどこかに寄ってから帰ろうと地図を眺め、手取峡谷の綿ヶ滝、白山比咩神社へ行くことにしました。

綿ヶ滝では急な階段を滝壺まで下り、大迫力の眺めを楽しみ、上の展望台から峡谷と綿ヶ滝の全容を眺めました。気温が高く、強烈な日差しに汗がしたたり落ちます。

白山比咩神社は立派な神社で、境内の巨木に神々しさを感じます。緑に包まれた参道の雰囲気も素晴らしいものでした。

昼食を食べる所を探して南砺市井波まで来ると、古い門前町の雰囲気を残す街並みがあり、そこで蕎麦を食べることにしました。更級天ぷら蕎麦で満腹になったところで、奥にある瑞泉寺へ。立派な山門に圧倒され、本堂を拝観しました。佳代子はここでも御朱印をもらった。

蕎麦屋の隣の造り酒屋でお土産に一升瓶を買って帰途につきましたが、今日の本当のハイライトはここからのドライブでした。カーナビの「距離優先」のルートで通った国道471号線の楢峠越えがとんでもない道でした。とても国道とは思えない車1台がやっとの狭さで、崖っぷちにガードレールは無く、ちょっとしたミスが大事故に直結しかねません。山道の運転には自信があるつもりでしたが、カーナビ画面に延々と続くクネクネ道には本当に心が折れそうになりました。帰宅してから調べたら、毎年、冬季閉鎖直前の数週間しか通り抜けられない「開かずの酷道」とのこと。大変貴重な経験でしたが、もう二度と通りたくありません。高山付近で激しい雷雨に遭い、平湯でやっとよく知っている道となりました。松本から高速に入り、諏訪湖SAで遅めの夕食を食べ、深夜0時30分に帰宅しました。

2020年8月18日(火)
この夏は白山へ(3)

天池からの別山


縦走路の急斜面に咲き乱れる花たち


花に囲まれた南竜ヶ馬場のテント場で

8月4日(日)も3時起床。夜中はテントがライトで照らされているかと思うほどの月明かりでしたが、3時に起きると、不穏な雲が広がっていました。昨日からかみさんが腰痛になったため、別山からチブリ尾根を下る予定を変更し、一人で別山を往復することにしました。
 
今日は人が少ないコースなので、熊鈴を慣らしながら歩きます。テント場の奥から別山へのコースに入り、湿原の木道から赤谷まで50メートルほど下りました。流れを渡り油坂を登ってゆくを、背後に御前峰が大きく望まれるようになりましたが、朝の光が無いばかりか、雲がピークを隠し始め、がっかりです。油坂の頭から別山までの縦走路は花あり池ありで、晴れていればさぞかし素晴らしいことでしょう。アップダウンを繰り返し、次第に別山が近づいてきましたが、頂上に着いた時ににはすっかりガスってしまいました。記念写真だけ撮り、別山神社の祠の前で風を避け、パンを食べました。

山頂を後にします。咲き乱れる花を撮影しながら、来た道をゆっくり戻ります。油坂のお花畑で日が差し始めましたが、山はなかなか姿を見せてくれません。諦めて下りましたが、テントに着くタイミングで一気に晴れ上がってしまいました。なんだ、もっとゆっくりしていればよかったと後悔しましたが、今日下山なのであまりのんびりもしていられません。

昼食を食べてからテントを撤収し、南竜ヶ馬場を後にしました。トラバース道でニッコウキスゲを撮影。振り返れば別山がくっきりと見えています。砂防新道に入ると登山者が一気に増えました。下るにつれて気温が上がり、汗だくに。別当出合に着くとシャトルバスが止まっていました。

市ノ瀬でバスを降り、汗を拭いて車にザックを放り込み、今日の宿、一里野高原ホテルへと向かいました。チェックインしてすぐに温泉に入り、さっぱりしてから広い和室でビールを飲みゆったりと寛ぎます。至福のひととき。夕食は炭火焼き。岩魚の塩焼き、猪、飛騨牛、野菜、どれも絶品でした。夕食後に二度目の風呂に入り、21時頃には布団に入ってしまいました。

2020年8月17日(月)
この夏は白山へ(2)

室堂にて


南竜のテント場の静かな夕暮れ
8月3日(月)は3時に起床。期待を裏切り冴えない天気です。上の方はガスに包まれています。

軽いアタック装備で出発。トンビ岩コースを登ってゆきます。景色が見えないのが残念ですが、花が美しい。チングルマ、アオノツガザクラ、コイワカガミ、ハクサンコザクラ、ハクサンシャクナゲなどなど、咲いたばかりと思われるフレッシュな花たちに何度も立ち止まってシャッターを押します。トンビ岩からは緩やかになり、霧の中から室堂の建物が現れました。かみさんは白山比咩神社祈祷殿で御朱印をもらい、御前峰へ向かいます。花を愛でながら小一時間で頂上に到着。霧と強風のため、予定していた池めぐりをやめて、記念写真を撮って室堂へ引き返しました。室堂のベンチで昼食のパンを食べていると、雨が降り始めました。慌ててビジターセンターに駆け込み、軒下で昼食を食べ終え、新しいトイレへ。ウォッシュレット完備の綺麗さにビックリ。高山でどうやって分解しているのでしょうか?

雨が小降りになったところで展望歩道へ。こちらも花が素晴らしい。雪渓の脇にミヤマキンバイが咲き乱れ、黒百合の群落も。稜線を下ってゆくと天気が回復し始め、振り返ると御前峰が姿を現しました。東側の急斜面に咲き乱れる花を楽しみながら、ゆっくりと下りました。稜線から外れて少し下ると木道となり、南竜ヶ馬場に戻って来ました。

午後はテントの前にマットを広げてビールと焼酎を飲んでのんびり過ごしました。夕方には綺麗に晴れ、明日の天気が楽しみです。
2020年8月16日(日)
この夏は白山へ(1)

別当出合から歩き始める


長閑な南竜ヶ馬場

コロナ渦の影響で、アルプスのテント場は営業中止か完全予約制となってしまったため、この夏はアルプスを避けて、夫婦で白山へ行くことにしました。

なかなか梅雨が明けず日程を延ばし延ばしにしていましたが、8月に入ってようやく梅雨が明け、8月2日(日)の早朝3時50分に出発。新東名をひた走り、名神、北陸道経由で白山を目指しました。晴れていますが、山には雲がかかって見えません。11時過ぎに市ノ瀬に到着しました。途中で買ってきた弁当を新しい休憩所で食べ、12時のシャトルバスで登山口の別当出合に入りました。

立派な吊橋を渡り、砂防新道を登ります。気温が高く、すぐに汗が噴き出しました。日曜日だけあって、下山者とのすれ違いが多い。中飯場から少し上がった所で、右に立派な不動滝が見えましたが、滝の下には巨大な堰堤が出来ていました。砂防新道というだけあって、長年にわたり大規模な砂防工事が行われているようです。甚之助避難小屋は新しくなっていました。綺麗なトイレと、立派な水場(水道)があり、快適に泊まれそうです。小屋前のベンチで休憩し、南竜ヶ馬場まで最後のひと登り。最後のトラバース道では斜面に咲き乱れる花に癒されました。綺麗な沢をいくつか横切り、南竜ヶ馬場に到着しました。

テント場は空いており、快適な草の上にテントを設営。夕方になってガスが晴れ、御前峰が姿を現しました。持参のビールを飲みながら夕食を食べ、19時半にはシュラフに入りました。

2020年7月13日(月)
平標山~仙ノ倉山

夏の苗場スキー場


ガスの日ならではの贈り物(ガクウラジロヨウラク)


ワタスゲ

梅雨の晴れ間になりそうだったので、急遽平標山~仙ノ倉山へ行くことにしました。

6月28日(日) 夕食を食べてから、19時半に家を出ました。練馬から月夜野まで関越道を利用。日曜夜の下り線はガラガラに空いていました。月夜野から三国峠への17号線も、ほとんど他の車に出会うことなく、23時には登山口駐車場に到着しました。途中で何度か雨が降りましたが、ここでは星空が広がっていました。すぐにシュラフを広げて就寝。

29日(月)、4時半起床。期待は裏切られ、どんよりと曇っています。フロントガラスが濡れており、ひと雨降ったようです。天気は回復傾向の筈なので、朝食を食べて出発しました。

松手山への急な尾根を快調なペースで登ってゆきます。平日にもかかわらず、割と登山者が多く、抜いたり抜かれたりしながら一気に松手山まで登ってしまいました。頂上方面は雲の中で、昨年の6月と同じような天気。すぐに霧の中を登るようになり景色は全く見えませんが、足元に可憐な花が咲いています。霧が水滴となって付着した様子が美しい。今回マクロレンズを持ってきて大正解でした。午後の天候回復に期待し、花を撮影しながらのんびりと歩きました。

何も見えない平標山頂上でひと休みしてから、仙ノ倉山へ向かいます。鞍部を中心にお花畑が広がっていますが、最盛期は過ぎていました。とりあえず仙ノ倉山まで行き、頂上で昼食休憩していると、空が明るくなったかと思うと、一瞬青空が広がりました。このまま一気に晴れるかと思いきや、再び青空は消えて白一色になってしまいました。しばらく待ちましたが状況は変わらず、諦めて平標山に戻ることにしました。

仙ノ倉山から下り始めると、時々ガスが切れるようになり、足元に咲く花を撮影するために立ち止まることが多くなりました。鞍部のお花畑に沢山のハクサンコザクラが咲いていたましが、どの花も痛んでおり、かなり探しましたが綺麗な状態の花を見つけられなかったのが残念。平標山から平標山ノ家へ下ってゆく頃には、仙ノ倉山が姿を現し、雲間から所々に日が差すようになりました。所々でワタスゲが風にそよいでいました。

山ノ家のベンチで仙ノ倉山を眺めながら休憩してから、平標新道を下山します。雰囲気の良いブナ林を快調に下り、林道をのんびりと駐車場へ向かいました。

平日なので、帰路は高速を使わないことにして、温泉は省略。沼田のスーパーの総菜コーナーで買った夕食を道の駅で食べ、下道をひた走りました。

2020年7月12日(日)
三頭山

コアジサイ


今回のメンバー


雰囲気のよいブナ林

Gさん、Kさんとかみさんも加わり、4人で三頭山へ行くことになりました。

6月21日(日)5時に家まで車で迎えに来てくれました。五日市へ向かう道中で雨が降り始め、山が近づくにつれて一時本降りになり、モチベーションがどん底まで下がりましたが、登山口の都民の森に着く頃には雨は上がりました。さすがに駐車場は空いていいます。

霧の中を出発。森林館から、木のチップが敷き詰められた遊歩道を三頭大滝へ向かいます。大滝は濃い霧に包まれていましたが、深まる緑の中を流れ落ちる様子は深山の趣きが感じられました。ここからは普通の登山道になり、大沢山目指して登ってゆきます。登山道脇にはコアジサイが沢山咲いており、霧に霞む緑の森が美しい。大沢山でオレンジを食べながら小休止。一旦、ムシカリ峠へ下り、ひと登りで三頭山山頂(西峰)に到着しました。

シートに座って昼食にします。空が明るくなり、一瞬薄日が差しました。Gさんがいつものようにコーヒーを淹れてくれました。足首がチクチクすると思ったら、沢山の小さな虫にたかられていたので、慌てて追い払いました。(翌朝になって猛烈にかゆくなり、ヌカカだったことが判明。)食後はKさん持参のゆであずきでぜんざいのデザート。

記念写真を撮ってから山頂を後にしました。中央峰、東峰を通過して鞘口峠へ下ります。この尾根道は森の雰囲気が素晴らしい。木々を見上げると、葉の緑が霧に滲んでいます。撮影のために何度も立ち止まりました。鞘口峠まで来れば、森林館まではもうわずか。最後に、森林館の下にあるトチの大木に立ち寄りました。霧の中に大きな葉を広げる姿が素晴らしく、角度を変えてシャッターを押しまくりました。

駐車場に戻ると満車になっていました。結構汗だくになったので、数馬の湯に立ち寄り、さっぱりしてから帰途につきました。

2020年6月9日(火)
桧洞丸

ツツジ新道のブナ林を登る


桧洞丸山頂付近からの同角ノ頭


きのこのファミリー

山仲間のGさんから桧洞丸へ行きましょうと誘われ、二つ返事で行くことにしました。

6月6日(土)、4時半にGさんが迎えに来てくれました。高速経由で、1時間40分ほどで西丹沢に到着。駐車場には既に沢山の車が止まっていました。

すぐ近くの山も霞んでおり、かなり湿度が高い感じです。歩き出すとすぐに汗が噴き出しました。ゴーラ沢出合で休憩を入れてから、ツツジ新道の尾根に取り付きます。快調に標高を上げてゆきますが、顔から汗がぽたぽたとしたたり落ちてきます。標高1060メートル付近の展望台のベンチで休憩。いつの間にか樹木が生長し、あまり眺めは良くなさそうです。もちろん、今日は富士山は見えません。石棚山稜の分岐手前から、チラホラと咲き残りのツツジが目につくようになりました。時折薄日が差し、新緑が目に鮮やかです。

山頂は意外に空いており静かでした。空いているベンチを見つけ、いつものようにGさん君が淹れてくれたコーヒーを飲みながらおにぎりの昼食を食べ、大休止。

記念写真を撮ってから犬越路目指して出発。霧の山稜も丹沢らしくて好ましい雰囲気です。アップダウンを繰り返し、小笄を過ぎた所で立ち枯れのブナに沢山のキノコが生えていました。可愛らしい様子に、望遠レンズに付け替えてじっくり撮影しました。犬越路が近づくと、ムシカリの花が沢山咲いていました。

犬越路のベンチで休憩してから、用木沢へと下ってゆきます。昨年の台風で峠下の登山道が荒れていましたが、迷うほどではなく、1時間ほどで車道に出ました。西丹沢までの車道沿いのキャンプ場は家族連れで賑わっていました。

中川温泉でJAF割引がある「丹沢ホテル時之栖」に立ち寄りました。入口に「予約制」と表示されていましたが、空いていたためすぐに入ることができました。受付で検温してから料金を払い、ゆっくり露天風呂に入ってリフレッシュ。帰りの東名高速は渋滞もなく、16時過ぎに帰宅できました。

2020年6月8日(月)
陣馬山 2ヶ月ぶりの山歩き

一ノ尾根を登る


林床にフタリシズカが沢山咲いていた


山頂の草原にて

新型コロナの緊急事態宣言が解除され、6月4日(木)に2ヶ月ぶりに近場の山歩きに出掛けました。当初は高尾山へと思いましたが、県外への移動は避け、神奈川県側から陣馬山に登ることにしました。今回は家内と私の母、妹夫妻が加わり総勢5人。

沢井の駐車場に車を止め、車道を少し戻った所が登山口。集落の中のつづら折れの道を登り、一ノ尾根の登山道に入ります。曇り空ですが気温が高く、すぐに汗が噴き出してきました。花や樹肌などの小さな被写体を見つけては立ち止まり、ベンチがあれば休憩しておしゃべりタイム。久しぶりの山歩きは実に清々しい気分です。手入れが行き届いた杉林が美しい。林床のあちらこちらにフタリシズカが咲いていました。尾根上部の雑木林も風情があり、何度か立ち止まってカメラを構えました。

茶店が見えてくると間もなく山頂に到着。一段下の草原にシートを広げて昼食。ニガナの群生に沢山のモンキチョウが舞っています。山々は霧に霞んでおりいかにも湿度が高い感じですが、そよ風が心地よい。

記念撮影をしてから山頂を後にしました。高尾山への縦走路を少し進んで栃谷尾根へ入ります。天気が良くなり、薄日が差してきました。木漏れ日の森を気分良く下ってゆきます。531メートル標高点で尾根を外れると畑の中の道となりました。栃谷集落の中をつづら折れに標高を下げ、栃谷川沿いの道を下ってゆくと間もなく登山口に戻りました。

結局、3時間30分のコースをのんびり8時間かけて陣馬山の神奈川側を満喫しました。充実した一日に満足して帰途につきました。

2020年4月22日(水)
長者ヶ岳~天子ヶ岳

長者ヶ岳の上りからの富士山


足元にバイケイソウの芽生え


輝く若葉
4月4日(土)、Gさんが早朝4時半に車で迎えに来てくれました。新東名高速の新富士ICから西富士道路を北上します。富士山頂にかかる笠雲が美しい。6時半には田貫湖畔の駐車場に車を止めました。新型コロナウィルスの影響で人出が少ないかと思いきや、駐車場は既にほとんど満車状態でした。湖畔に桜が咲いています。まずは水面に映る富士山を撮影。

長者ヶ岳目指して、駐車場の裏から登山道へ。植林帯から尾根の上に出ると、あとは冬枯れの尾根をひたすら長者ヶ岳まで上ってゆきます。振り返れば春霞の上に笠雲を纏った富士山が聳えています。

2ピッチで長者ヶ岳に到着。東側が伐採されており、眼下に田貫湖とその向こうに富士山が箱庭のように眺められました。山頂の反対側には真っ白な南アルプスの峰々。時間が早いので、コーヒーを飲んでゆっくり休みました。

天子ヶ岳への稜線歩きは、130メートルほど下り、再び登り返します。予想に反して終始樹林の中の道で、展望はありません。所々でバイケイソウの芽生えの緑が鮮やかです。

天子ヶ岳の最高点を通り過ぎて少し下った所が山頂広場になっていました。東側に、樹林が伐採された展望台があり、富士山が見えるようになっていました。ここで腰を下ろして昼食にしました。

天子ヶ岳からは東の尾根を下ります。初めは急な坂で一気に標高を下げ、後半は緩やかな道になりました。鮮やかなツツジが咲いていたり、木々の芽吹きが目を楽しませてくれます。標高600メートルの車道に出た所で休憩。マメザクラが満開です。この車道を田貫湖まで緩やかに上ってゆきます。道端に咲くミツマタやスミレなど、春を味わいながら歩きます。最後は休暇村富士からサクラが咲く湖畔の遊歩道を歩いて駐車場に戻りました。ウィルス感染が怖いので温泉には入らずに帰途につきました。

帰りの新東名は空いており、駿河湾沼津SAに寄ってお土産を買い、15時半には帰宅できました。
2020年4月21日(火)
山スキーと福寿草(2)



3月8日(日)、5時起床。どんよりと曇っています。朝食を食べ、6時半に走り始めました。只見線に沿って走っていると、こんな早い時間に思わぬ所に車が泊まっていたり、人が居たり。初めは何かと思いましたが、三脚を見て撮り鉄だと気が付きました。考えてみれば鉄道マニアに人気の路線でした。磐越西線の山都駅前を通り、国道459号線を北上し、福寿草の案内に従って脇道に入ってゆきます。間もなく誰もいない駐車場に着きました。

福寿草祭り中止の貼り紙がああります。こんな所にも新型コロナウィルスの影響がでていました。カメラを持って遊歩道を散策。太陽が出ていないので、開いている花はあまりありません。大群落なので、天気が良ければさぞかし素晴らしいことでしょう。それでも、花開いている美人を捜しながら撮影するひとときを楽しみました。

ここでTさんと別れ、帰途につきました。帰りも高速代を節約するために国道4号線をひたすら走り、18時半に帰宅しました。

2020年4月19日(日)
山スキーと福寿草(1)

燧ヶ岳と至仏山


会津駒山頂まであと少し


Tさんの滑り


会心のシュプール(右端が私)

雪不足でなかなかスキーに出掛けられませんでしたが、ようやく初滑りです。いつものスキー仲間のTさんと会津駒ヶ岳へ行きました。

3月6日(金)、のんびり一日かけて桧枝岐へ移動し、道の駅でTさんと合流。久しぶりに車中宴会。

7日(土)は5時前に起床。きれいに晴れ上がりました。マイナス9度まで冷え込んでいます。朝食を食べていると、YさんとIさんがやってきました。彼等も会津駒ですが、挨拶だけして今日は別行動です。

登山口の駐車場に車を移動し、準備を整えて出発。滝沢橋かからの林道は、かろうじて雪がつながっているような状態。沢状の急斜面から尾根に出ると、いつもならブナ林の快適な上りですが、今年はかなり藪っぽい。上る分にはあまり支障はありませんが、滑りを考えると気が重くなります。それでも標高が上がってくると積雪は順調に増え、稜線が見えてくる頃にはほぼ例年並みの積雪になってきたように感じられます。風が冷たくなってきたのでジャケットを着込みました。燧ヶ岳が見えてくると間もなく樹林帯を抜け、頂上へ続く広大な雪の斜面が広がりました。山頂直下には早くもシュプールが刻まれています。駒の小屋の下をトラバースし、最後の斜面をひと登りで頂上に到着。ここで、先行していたYさん、Iさんに追いつきました。

風が強い。期待していたシュカブラは出来ていませんでしたが、素晴らしい眺望を楽しむことができました。ここから滑降するYさんとIさんを見送ってから、軽く食べて、我々も滑降の準備をする。どこを滑るかTさんと相談しましたが、雪の状態に今一つモチベーションが上がらず、結局我々も山頂から源六郎沢へ滑り込むことにしました。

既に雪面はかなり荒らされており、ノートラックの斜面を求めて左へトラバース気味に滑り込みましだ。やや重たい新雪ですが、問題なく曲がることができます。ウェーデルンが気持ちよく決まり、お互いに写真を撮り合いながら、あっという間に標高差350メートルを滑ってしまいました。沢が狭くなる所で滑降を終わり、休憩してからシールを着けて上り返します。尾根の上に出るとシュプールだらけになていました。あとは消化試合です。尾根上部ではそこそこ楽しめましたが、下がるにつれて藪だらけとなり、楽しむどころではなく、林道に出た時には足はパンパン、汗だくになってしまいました。登山口でスキーを外しながら、今シーズンは会津駒はもういいかなという感じです。

車に戻って装備を片づけ、明日は喜多方の方へ福寿草を見に行くことになりました。只見を目指して走り、季の郷・湯ら里で温泉に入ってさっぱりした後、只見のスーパーで夕食の買い出し。さらに車を走らせ道の駅「奥会津かねやま」へ。ほとんど人が居ないので、室内の快適なベンチでキムチ鍋の宴会。綺麗に片付けてから、21時にそれぞれの車で就寝。

2020年4月17日(金)
伊豆ヶ岳

山里をゆく


伊豆ヶ岳山頂


稜線の気持ちの良い道

新型コロナウィルス感染予防のため職場が休業になり、家の片付けや、溜まった山行記録の整理など、日頃なかなかやれない事がはかどっています。更新が遅れ気味だった「撮影日和」も、キャッチアップするチャンス。

2月23日(日)に、会社の山中間と3人で奥武蔵の伊豆ヶ岳へ行ってきました。伊豆ヶ岳は初めてです。

6時15分に菊名で待ち合わせ、西武線直通列車に乗り込みました。飯能を過ぎると山あいの単線となり、ローカル色満点です。車窓からは点々と満開の梅の花が。

正丸で下車すると、駅前はハイカーで一杯でした。トイレを済ませ、急いで準備を整えて団体より先に歩き出しました。山里の舗装道路を30分ほど歩き、登山道に入ります。小さな沢沿いに上ってゆくと、やがてロープがある滑りやすい急登となり、ひと頑張りで尾根の上に出ました。さらに尾根を登って稜線に出ると、寒風が吹き付けてきました。山頂直下の男坂の岩場は通行止めになっていたので女坂へ。だがこちらも登山道の崩落があったっそうで、付け替えられた道を登ってゆくと、あっさり伊豆ヶ岳の頂上に到着。

まだ時間が早いので、3人で記念撮影だけして先へ向かいます。一旦急下降して登り返したところが古御山。東屋の影で風避けて昼食にします。いつものようにGさんが淹れてくれたコーヒーと、食後のおしるこに体が温まります。その後、天目指峠で休憩してからアップダウンを子の権現へ向かう途中で、ふと背中のザックに三脚が付いていないことに気が付きました。慌てて天目指峠まで引き返しましたが、そこにはありません。古御山か伊豆ヶ岳山頂に忘れてきた可能性が高いので、ここで二人と別れて僕だけ引き返すことにしました。

息を切らせて古御山まで引き返しましたが、三脚はそこにもありません。ベンチに座って休憩し、行動食を少し食べてから、伊豆ヶ岳へ。山頂直下の急登を登り切ると、山頂の岩に畳みかけの三脚が立てかけられていました。やれやれ。

安心して山頂を後にしました。気を緩めて転んだりしないように、ゆっくりと下ります。途中で登山道脇の岩に軽く右足がぶつかりました。その時は一瞬痛っと思っただけでしたが、車道に出てから違和感を覚えてズボンをまくってみると、子供の拳ほどに晴れ上がっておりビックリ。幸い、歩行に支障はありませんでした。

正丸駅でGさんに無事下山のメールを入れたところ、二人は一本前の電車に乗ったとのこと。それでも結局は飯能始発の列車待ちで合流し、一緒に帰ることができました。

2020年4月4日(土)
九州遠征(4)

菊池渓谷の朝


大観望からの阿蘇五岳


草千里の駐車場より

最終日、2月11日(火)は4時半起床、5時に出発。菊池渓谷を目指しました。途中で道路の真ん中に子鹿が座っていたのにビックリ。夜明け前に遊歩道入口の駐車場に到着。思いのほか冷え込んでいましたが、昨日荷物を家に送ってしまったので薄着です。寒い。

ヘッドランプを点けて遊歩道へ。空が少し明るくなってくる頃、目当ての黎明の滝に到着。思い思いに三脚を立て、暗いうちから撮影開始。マジックアワーの紫がかった色がなかなかいい感じです。完全に明るくなってもなかなか光芒が入らず、今日は駄目だったと判断し、遊歩道を一回りすることにしました。ところが、5分ほど歩いたところで谷間に朝日が入ってきたのに気がつき、慌てて黎明の滝に引き返しました。再び三脚を立てるのとほとんど同時に、水面から立ち上る水蒸気に見事な光芒が射し込んできました。5人とも大興奮でシャッターを押し続けました。期待以上に素晴らしい光景に満足して菊池渓谷を後にしました。

次に阿蘇外輪山の大観望へ。駐車場から少し歩き、岬のように突き出た阿蘇の展望台です。阿蘇山は靄に霞んでいたが、雄大なカルデラ地形が手に取るようです。振り返れば懐かしい久住連山も。いかにも火山王国といった眺めだでした。

外輪山を下り、阿蘇山へ。近づくにつれて噴煙の迫力が凄い。草千里の少し先のヘリポートが噴煙を眺めるベストスポットでした。道路終点の駐車場から先は立入禁止。路面には火山灰が積もり、車にもすぐにうっすらと火山灰が。間近で噴煙を見ることができ、貴重な経験でした。最後に草千里の上の展望台で阿蘇山を眺めてから熊本空港へ向かいました。

フライトの2時間前にレンタカーを返却し、昼食に熊本ラーメンを食べ、おみやげを買い、熊本を後にしました。

2020年4月3日(金)
九州遠征(3)

中岳山頂にて


池ノ小屋

2月10日(月)は2時に起床 2時半に宿の玄関を出ると満月が輝いていました。山にかかる雲が凄い勢いで流れています。上空は強風のようです。

車で牧ノ戸峠へ。健脚組とロートル組に分かれて出発。沓掛山あたりから風が強くなり始めました。ヘッドランプの明かりに浮かび上がる霧氷が美しい。扇ヶ鼻分岐を過ぎるとアップダウンの少ない道になりますが、全体的にだだっ広い地形なので、初めて来て夜間行動するのは難しそうです。地元のNAさんはさすがに慣れており、迷わずどんどん進みます。久住山避難小屋を通り過ぎ、左下に凍った御池を見ると、間もなく池ノ小屋に到着。強風を避けるために小屋に飛び込みます。石造りの小屋は別天地。朝食を食べてしばらく様子を見ますが、風は強くなる一方で、とても小屋から出る気になれません。暫くするとTSさん以外の後続メンバーも到着。外が明るくなってもガスが晴れることはなく、強風も収まりません。中岳での朝の撮影は叶いませんでしたが、NEさんと僕は中岳の山頂を踏んでおきたかったので、NAさんの案内で山頂を往復しました。山頂一帯には見事な霧氷が広がってきました。全く景色が見えないのが本当に残念です。

小屋へ戻り、下山することにしました。下るにつれて強風は収まり、霧の中の霧氷をゆっくり撮影しながら下りました。久住山避難小屋で休憩し、星生山の下でTSさんと合流。今日中に帰るというNAさんとSUさんとは途中でお別れ。沓掛山まで来ると天候が回復してきたため、ゆっくり撮影を楽しみましだ。

2020年4月2日(木)
九州遠征(2)

男池


九重夢大吊橋

2月9日(日)、夜が明けると麓も雪景色になっていました。今日は山の天気がダメなので麓の観光に変更。朝食を食べ終わった頃、NAさんがやってきました。

2台の車に分乗しして男池へ。NAさんの案内で平治岳登山道を少し進んだ所の明るい森を散策してから男池へ。小さな池にまろやかで美味しい水が湧き出していました。ここから500メートルほど下流の清水の滝まで足をのばし、うっすらと雪が積もった苔の森を味わいました。

車でちょっとお洒落なレストランへ移動し昼食を食べ、九重夢大吊橋へ。往復500円の通行料を払い、歩行者専用の立派な吊橋から振動の滝と女滝を眺めました。どんよりとした曇り空で山も見えないのが残念。長者原まで戻り、ビジターセンターに展示されている九重の写真を見てから宿に戻りました。

風呂に入ってビールを飲んだらすっかりいい気持ちになってしまい、1時間ほど昼寝。夕食は8人のメンバー全員が集まりました。これからやる写真展の話や会の話などで盛り上がり、最後に明日の予定を確認して早めのお開きとなりました。

2020年4月1日(水)
九州遠征(1)

沓掛山からの三俣山(左)と星生山(右)


三俣山に満月が昇る

九州に縁がある仲間が集まり、九重連山へ撮影ツアーに出かけることになりました。

2月8日(土)の朝、羽田空港にメンバ-5人が集合し、熊本行きに乗り込みました。飛行機の窓から、真下に雪の南アルプスを見下ろすことができ、興奮。

熊本空港からTSさん運転のレンタカーで宿へ向かいます。国道57号線の災害迂回ルートで阿蘇山の外輪山を越え、雄大な眺めを楽しめるドライブ。カルデラ内の町を通り、再び外輪山を越え、やまなみハイウェイで九重の牧ノ戸峠へ。九重連山は雪化粧していた。峠を越えると間もなく長者原にある宿、に到着しました。ここでTAさん、SUさんと合流。

午後は牧ノ戸峠から沓掛山まで夕景の撮影に出掛けました。土曜日の午後だけあって峠の駐車場には車が一杯。大勢のハイカーで賑わっていました。雪の登山道を30分ほどで沓掛山に着きました。ドウダンツツジに積もった雪が、まるで白い花が咲いているようです。日が傾く頃に山にかかっていた雲が取れ、素敵な夕景が展開しました。三俣山の上には満月。夕日が沈むまで粘り、ヘッドランプを点けて車に戻りました。

温泉で温まってから、夕食と酒で22時まで盛り上がりました。

2020年3月30日(月)
南アルプス・鳳凰三山へ(3)

朝日に染まる雪面


農鳥岳の稜線に雪煙が上がっていた

2月3日(月)、3時半起床。マイナス8度、昨日よりもかなり暖かい朝です。晴れていますが稜線の風の音がゴーゴーと聞こえてきます。

朝食の後テキパキとテントを撤収し、ワカンを着けてヘッドランプの灯りで歩き出します。苺平へ登り返し、杖立峠へ向けて下る途中で日の出尾迎えました。樹林が開けた所から朝日を受ける白峰三山を望むことが出来ました。高い雲が広がってきました。ワカンからアイゼンに替え、杖立峠から一気に夜叉神峠へ下りました。

夜叉神峠では、主稜線に激しく舞い上がる雪煙が見えました。立っていられないような強風が吹き荒れているのでしょう。ここでアイゼンを外し、登山口までのんびり下りました。

芦安周辺の温泉はどこも休業だったので、双葉SA近くの「湯めみの丘」で温泉に入って帰途につきました。平日の道は空いており、15時に帰宅できました。

2020年3月29日(日)
南アルプス・鳳凰三山へ(2)

朝陽に染まる砂払岳と奥に観音岳


観音岳からの仙丈岳、甲斐駒ヶ岳、地蔵岳


富士山と薬師岳

翌2月2日(日)は 3時40分起床。無風の静かな夜でした。マイナス18度まで冷え込みましたが、シュラフに湯たんぽを入れたので寒くはありませんでした。

急いで朝食を食べ、アタック装備を準備して出発。ヘッドランプの灯りでトレースを辿ります。東の空が赤く染まり始めると気持ちが焦りますが、オーバーペースにならないように気をつけながら歩き、余裕で砂払岳に着きました。

日が昇ると山々が赤く染まりました。今回撮りたかった薬師岳と、定番の白峰三山を撮影してから薬師岳へ向かいます。薬師岳の稜線は、いつもはあまり雪が付きませんが、今回はべったり雪が付いています。シュカブラなどのモチーフを探しながらのんびり観音岳へ向かいます。時々雪を踏み抜くので途中からワカンに替えました。早くも疲れを感じ、当初の計画通り地蔵岳まで行くかどうか迷う気持ちが生まれてきました。ゆっくりし過ぎて、時間的にも微妙なところです。

観音岳山頂は独り占めでした。正面の北岳バットレスが凄い迫力です。甲斐駒方向はベタ光線で写真になりません。薬師岳と富士山の定番構図は、やはり写さないわけにはいきません。観音岳から先はトレースが付いていなかったので、ここで引き返すことにしました。

薬師岳に戻ると朝とは光の状態が変化し、シュカブラが良い感じです。撮影のため1時間近く長居してしまいました。すっかり腹が減り、砂払岳でゆっくり休んで行動食を食べました。風はすっかり収まり、ポカポカ陽気です。下りは早く、50分でテントまで戻って来ました。

まず水場で給水し、FMで音楽を聴きながら紅茶を飲み、続いて焼酎を飲み、午後のひとときをゆったりと過ごしました。17時過ぎに夕食。今日は食欲があり、ペロリとと食べてしまいました。今日はテントは自分一人だけ、静かな夜です。19時にシュラフに入りました。

2020年3月28日(土)
南アルプス・鳳凰三山へ(1)

驚くほど雪が深い


北岳


夜叉神峠は純白の世界

久しぶりの更新です。
週末は冬型の気圧配置で日本海側の天気が悪く、スキーに行けないので、鳳凰三山へ行くことにしました。

前日の晩に慌ただしく準備をして、2月1日(土)の朝は少し遅めの5時半に家を出ました。中央道の甲府から見る南アルプスは真っ白です。両側に雪が残る林道を走り、9時過ぎに夜叉神峠登山口に着きました。駐車場には車が数台。入山者は居るようです。

登山道は初めから雪の上を歩きます。登るにつれてどんどん雪が深くなり、夜叉神峠では50センチほどの積雪。今までで一番深い。今週前半の大雨が、山の上では大雪だったようです。快晴の空に真っ白な白峰三山が美しい。杖立峠への長い上りはいつもの通りですが、トレースがあるので助かりました。それでも、所々で固くクラストしているので、途中でアイゼンを着けました。杖立峠を越え、今度は苺平への長い上り。苺平の手前で踏み抜きが始まり、アイゼンからワカンに替えました。できれば今日中に薬師小屋までと思っていましたが、時間的の無理なようです。今日は南御室小屋までとし、のんびりと下っていきました。

 南御室小屋の前にはテントが5張ほどありました。場所を決めて雪面を整地し、テントを張りました。やけに冷え込んできたと思ったら、マイナス13度まで下がっていました。ありがたいことに水場に水が出ており、水を作る手間が省けました。少し焼酎を飲んでから夕食を食べました。疲れ過ぎなのか食欲がなく、無理矢理押し込んみました。20時半に就寝。

2020年1月29日(水)
塔ノ岳雪景色(2)

雪化粧した表尾根の向こうに日が昇る


美しい、、、

1月19日(日)、夜中の0時にトイレに行った時はまだ雪が降っていましたが、4時半に起きると夜景が広がっていました。カメラ都三脚を持って外に飛び出しました。夜景を撮影していると、もう大倉尾根を登って来た人が居ます。この人も山頂をあちこち移動しながら撮影していました。夜景と夜明け前の景色を撮影したところで一旦小屋に戻り、大急ぎで朝食を食べ、再び日の出の撮影に出ます。木々にはびっしりと霧氷が付き、日が昇ると次第にオレンジ色に染まりました。期待通りの素晴らしい光景に、夢中でシャッターを押します。富士山も真っ白に化粧しました。その右には南アルプスがずらりとんでいます。不動ノ峰や蛭ヶ岳など丹沢主稜の山々は霧氷が前景を飾っていました。

一通り撮影したところで小屋に戻って荷物をまとめ、日高とのコルまで撮影に向かいました。北斜面はやはり積雪が多い。霧氷で真っ白に化粧した木々はため息が出る美しさ。たっぷり撮影してから塔ノ岳へ戻りました。

日が高くなってくると気温が上がり、霧氷がバサバサと落ち始めたので、山頂を後にしました。今日の大倉尾根は登山者が続々と登ってきます。下り始めはなかなかすれ違うことができず待つ時間ばかりでしたが、下るにつれて人が少なくなり、後半は快調なペースで下ることができました。

昼過ぎには大倉に着き、15時頃帰宅しました。

2020年1月28日(火)
塔ノ岳雪景色(1)

幻想的な世界


降りしきる雪に藪も美しく変身

1月18日(土)、南岸低気圧が週末にやって来たので、2週連続ですが丹沢へ撮影に行くことにしました。土曜日は塔ノ岳に登って尊物山荘泊まりなので、朝食を食べてからゆっくり家を出ました。

バスが大倉に着くと、ちょうど雨から雪に変わりました。雨具を着て、できるだけ汗をかかないペースでゆっくり歩きます。登るにつれて木々が雪化粧しはじめました。枝振りが美しい場所でザックからカメラを出して撮影。登山者が少なく静かな大倉尾根を黙々と登ります。花立まで来ると、気温が大分下がってきました。積雪は10センチ程。金冷シで少し寒風に吹かれ、最後のひと登りを頑張って塔ノ岳に着きました。着く頃には雪は止むと予想していましたが、依然として降り続いていました。

山荘で素泊まりの受付をして、部屋に荷物を置いてから玄関のベンチでお湯を沸かし、焼酎のお湯割りを飲みます。すっかりいい気持ちになり、同じテーブルに座った人と話が弾みます。隣のテーブルでは5人の若者グループが賑やかです。夕方、彼らは完全装備で雪降る中へ雪遊びに出掛けていきました。天候が回復せず、夕食後も特にやることがなく、ずっと話をしていました。

2020年1月27日(月)
鍋割山から丹沢三ツ峰へ

鍋割山からの相模湾


一瞬光が入った。


撮るものがなく寂しい稜線

正月から食べ過ぎ飲み過ぎに加えて写真展のパーティーもあり、明らかに体が鈍っている感じがあったので、思いっきり歩きたくなり、1月12日(日)に鍋割山から丹沢三ツ峰を縦走することにしました。予報では今ひとつの天気ですが、歩きが目的なので構わず行くことにしました。

朝一番のバスで大倉へ。歩きはじめは気持ちよく晴れていました。西山林道を快調にとばし、林道終点で休憩。ここから鍋割山まで、急登を一気に登ってしまいました。鍋割山では曇ってしまいましたが、相模湾が太陽の光で輝いていました。ここからは少しペースを落とし、小丸、大丸を越えて大倉尾根に合流してひと登りで塔ノ岳。ダウンを着込んでラーメンを作り、体を温めました。

丹沢山へ向かう塔ノ岳北斜面の登山道は、所々に残った雪が凍っていました。丹沢山のベンチで休憩していると、チラチラと雪が舞い始めました。明らかに天気が崩れてきたので、進むか戻るか少し迷いましたが、時間的には明るいうちに下山可能と判断し、予定通り丹沢三ツ峰へ向かいます。太礼ノ頭、円山木ノ頭、本間ノ頭を一つずつ越えてゆきますが、足にかなり疲れが出てきました。雪が本降りとなったので、雨具を出しました。三ツ峰の先は、ピークは巻きながら少しずつ高度を下げてゆきます。金冷シは痩せ尾根の岩場に一瞬緊張しました。あとは歩きやすい道をバスの時刻を気にしながら、さっさと下ってゆきました。

三叉路パス亭にはバスが来る30分前に到着。いやー、歩いた歩いた。まだポットにお湯が残っていたのでコーヒーを飲みながらバスを待ちました。バスが来る頃には暗くなり始めました。一日目一杯歩き、満足感一杯で帰途につきました。

2020年1月7日(火)
聖岳(4)

雨の林道で

30日(月)、4時起床。予報通りチラチラと雪が降っています。朝食を食べ、暗い内にテントを撤収。風が無いのが助かります。薊畑の分岐まで登り返し、西沢渡への尾根を下ります。トレースがバッチリ付いており、快適に標高を下げてゆきます。次第に雪が減り、アイゼンを外しました。雪はやがて雨に変わり、汗だくになってきました。尾根の下部は傾斜が強くなり、数ヶ所の危険地帯を慎重に通過しました。

西沢渡の籠渡しを渡ってホッと一息。ここから軌道跡を1ピッチで便ヶ島。東屋で雨を避けてお湯を沸かし、スープを作って大休止をとりました。あとは車道をのんびり歩き、2ヶ所の崩壊地を迂回すると芝沢ゲートに到着しました。

荷物を車に載せ、さあ温泉へ。ところが北又渡から下栗へ向かって林道を上った所でタイヤがパンクしてしまいました。幸い携帯の電波が通じたのでJAFを呼ぶことができました。2時間近く待ち、すっかり暗くなった頃に救援車がやってきました。手際よく応急タイヤに交換してもらい、やっと「かぐらの湯」に向かいました。温泉に入ってさっぱりしてから、レストランで夕食を食べて帰途につきました。最後にトラブルはあったものの、大満足の山行でした。

2020年1月6日(月)
聖岳(3)

小聖岳からの聖岳


聖岳山頂にて


聖岳からの赤石岳

29日(日)、4時起床。快晴です。気温はマイナス13度。朝食を食べ、アタック装備を整え、ワカンとアイゼン併用で聖岳を目指して出発。

ブレーカブルクラストの雪にワカンの効果は絶大でした。Iさんとラッセルを交代しながら進みます。日が昇ると半分雨氷のような樹氷が美しく輝いきました。小聖岳手前の森林限界までトレースをつけ、休憩してワカンを外していると、後続パーティーが追いついてきました。ダウンを着込み、目出帽を被って小聖岳へ。小聖岳からは、目の前に聖岳の大斜面が広がっていました。14年前の冬はほとんど雪が無いガラガラの斜面でしたが、今回はベッタリと雪が付いています。斜面を登り始めると、先行トレースがあるのは有難いものの、夏道を無視して急な東寄り斜面を直登しているので、かなり歩きにくい。入山3日目で疲れが溜まっているのか、ペースが上がりません。頂上直下は傾斜がきつい上に雪面が固くクラストしており、アイゼンは刺さるもののあまり効かないという雪質で、緊張しました。

聖岳頂上では強風が吹き荒れていました。Iさんが持ってきたツエルトを被って休憩し、周りの風景を撮影して山頂を後にしました。

下りは上り以上に緊張し、一歩一歩慎重に足を運びます。標高を下げるにつれて雪が緩み、普通に歩けるようになりました。樹林帯まで戻って来たところでホッと一息。デポしておいたワカンを回収し、安全な雪道をのんびりとテントまで下りました。

テントに着く頃、空に雲が広がってきました。天気が下り坂で夕方の撮影は期待できないので、テントに入り、酒を飲みながらのんびり過ごしました。夕方になって外の様子を見ると、すっかりガスってしまいました。温かい鍋の夕食を食べ、水を作り、20時前にシュラフに入りました。

2020年1月5日(日)
聖岳(2)

薊畑からの上河内岳


聖岳を望む幕営地

28日(土)、4時起床。満天の星空ですが、あまり冷え込みませんでした。朝食を作っていると、何かがテントの周りを歩き回る音がしています。こちらが声を出しても逃げないので不気味でしたが、しばらくしたら音がしなくなりました。鹿だったのでしょうか。

ヘッドランプを点けてテントを撤収し、尾根に取り付きました。いきなり急登が続きます。雪はほとんどありませんが、所々で険しい岩場のトラバースがあり、慎重に通過しました。ペースは快調、2ピッチで標高差500メートルを登りました。その後も1時間に標高差300メートルのペースで登りますが、雪が出てくるとさすがにペースが落ちてきました。また、9月の台風によると思われる倒木の通過で体力を消耗。稜線の手前では膝下のラッセルとなり体力的に参り居ましたが、薊畑の合流点で上河内岳の遠望が一気に広がり、疲れが吹き飛びました。

聖平方向へ少し下ってテントを張り、日没まで撮影を楽しみました。撮影している間に後続のパーティーが登って来ました。自分がトップでトレースをつけた事が少し誇らしく感じられます。澄み渡った空に夕日が輝き、山がオレンジ色に染まりました。日が沈むと一気に冷え込んできたので、急いでテントに戻りました。

水を作ってから夕食を食べ、20時半にシュラフに入りました。

2020年1月4日(土)
聖岳(1)

芝沢ゲートから出発


上河内岳の稜線が見えて来ました

年末山行、聖岳の報告です。

12月27日(金)、自宅近くの駅でIさんの車にピックアップしてもらいました。昨夜からの雨は上がりましたが、気温が高く、甲府では霧が出ていました。長坂のあたりで俄雨が降り、綺麗な虹が出ていました。伊那谷で日差しが戻りましたが、時々雨粒が落ちてくる不安定な天気です。南アルプスは不気味な黒い雲に包まれていました。松川ICで高速を下り、みぞれ混じりの雨の中を下栗から芝沢ゲートへと向かいます。芝沢ゲートの駐車場では我々の車だけ。車の中で昼食を食べているうちに雨は上がりました。

林道を歩き出してすぐに林道が崩壊した場所を大きく高巻きました。さらにもう一ヶ所崩壊した所を小さく迂回。あとは便ヶ島までひたすら歩きます。便ヶ島から西沢渡までの軌道跡の道も所々で崩壊し荒れ気味です。天気が次第に良くなり、上河内岳の真っ白な稜線が見えてきました。西沢渡では籠渡し(手動のロープウェイ)で一人ずつ対岸へ渡ります。上半身の重労働で汗が噴き出します。二人が渡るのに30分かかりました。

渡った所にテントを張りました。水が手に入り、気温も暖かく、快適なキャンプです。夕食を食べ、19時過ぎにシュラフに入りました。

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