撮影日和     

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2019年12月31日(火)
初冬の硫黄岳

硫黄岳から天狗岳と奥に蓼科山


硫黄岳からの横岳、赤岳、阿弥陀岳


赤岩ノ頭からの硫黄岳

冬山本番の前のプレ冬山のつもりで硫黄岳へ行ってきました。

12月14日(土)の午後に家を出発。途中で食料を買い、諏訪南ICから登山口の桜平を目指しました。林道がカーナビに載っておらず、八ヶ岳山麓をウロウロ。3頭の大きな鹿と遭遇し、危うくぶつかるところでした。唐沢鉱泉の手前で桜平への分岐を発見。初めての林道で夜間のドライブは少々緊張しましたが、20時に無事終点の駐車場に到着。この季節、駐車場はガラ空きでした。
 おでんをつまみに日本酒を飲み、車中泊。

翌15日(日)は4時半起床。ラーメンの朝食を食べ、ヘッドランプを点けて出発しました。急な林道を快調に進み、夏沢鉱泉で明るくなりました。沢の流れが所々で凍っていましたが、雪は全くありません。鉱泉の少し先で登山道になりました。凍り付いた雪が少しずつ現れ、一ヶ所、登山道を横切る流れが完全に凍結した場所を緊張しながら横切りました。オーレン小屋のベンチで休憩。樹木にかすかに霧氷が付いていますが、どんよりとした曇り空に写欲が湧きません。夏沢峠から稜線の登山道はかなり凍り付いていたので、アイゼンを装着。ピッケルは使わずストックで登ってゆきます。樹林帯を抜けると、ケルンが硫黄岳山頂まで点々と等間隔で続いているのが見えました。振り返れば天狗岳、蓼科山と、遠くに真っ白な北アルプスが見えます。雲が少しずつ減り、青空が広がり始めました。

硫黄岳山頂では風はそれほど強くなく、気温はマイナス7~8度程度。ケルンの陰に入ればほとんど寒さを感じません。のんびり腹ごしらえをしてから撮影。とはいっても、横岳、赤岳、阿弥陀岳は影になってしまい今ひとつ。早々に諦めて赤岩ノ頭へと下ります。こちら側は赤岳鉱泉から登ってくる登山者が多く賑やかです。赤岩ノ頭でしばらく待ちましたが光線条件が変わることはなく、オーレン小屋へと下ることにしました。ハイマツの間から雪の急な道をぐんぐん下ります。北斜面になるためか、今回初めて雪らしい雪の上を歩き、やっと冬山の気分を味わうことができました。オーレン小屋に着くと日だまりになっており、ひと休み。沢の氷を撮影しながら桜平へ下りました。

2019年12月11日(水)
今倉山~二十六夜山

今回一番綺麗だった落ち葉


ブナの尾根を行く


二十六夜山からの富士山

11月17日(日)、久しぶりの会社メンバーとの山行です。高尾駅で待ち合わせ、甲府行き各駅停車に乗り込みました。大月で富士急線に乗り換え、都留市駅から道坂隧道行きのバスに乗り込見ます。満員でした。

終点でバスを降り、今倉山を目指します。やはりここでも紅葉はダメダメで、透過光を利用しながら撮影しました。今回の撮影テーマは「山歩きの楽しが伝わる写真」と決め、積極的に前から後から人物も撮影しながら登ります。ほぼコースタイム通りに今倉山に到着。いつの間にか雲が広がってしまいました。ひと休みしてから、二十六夜山への稜線を辿ります。松山で素晴らしい展望が広がりました。御正体山の向こうに新雪の富士山。三ツ峠の後ろに南アルプス、そして八ヶ岳や奥秩父の山々。甲府方面には雲がないのに、富士山の方向は曇り空なのが残念。青空が勝ってくれることを祈って先に進みます。稜線の所々に雰囲気の良いブナ林があり、林道がある標高1240メートルのコル周辺では紅葉が比較的綺麗でした。願いが通じたのか、再び青空が広がってきました。

二十六夜山からの富士山も見事。眺めながら昼食を食べ、山頂を後にしました。尾根をぐんぐん下り、尾根を外れて沢に向かって下るようになると、紅葉がいい感じになってきました。風当たりが弱くあまり痛んでいないようです。仙人水では、登山道脇の岩場からいきなり豊富な水が湧き出していました。最後の沢沿いの道でも色づき始めた木々が綺麗でした。

車道に出て右に曲がると間もなく「芭蕉月待ちの湯」に到着。ゆっくり温まり、バスで都留文科大学前駅に出ました。30分ほど待って着た電車は満員でしたが大月からのホリデー快速で座ることができました。八王子で軽く打ち上げをしてから帰りました。

2019年12月10日(火)
全日本山岳写真協会 新人歓迎撮影会(2)

朝日に色づく霧氷


青空に映える西穂山稜

11月10日(日)、5時半に玄関前に集合し、白樺荘前の梓川のほとりに三脚を立てました。穂高は雲の中ですが、明るくなるにつれて少しずつ青空が見え始め、晴れる予感。そして、雲の間から赤く染まった稜線が顔を出し、みるみる晴れ上がってしまいました。明神岳の上の方の木々には霧氷が着いていました。太陽が上るにつれて山に光が回るようになり、その変化に合わせて心ゆくまでシャッターを押しました。

宿に戻って朝食を食べてチェックアウト。記念撮影をしてから右岸を明神へ向かいます。岳沢湿原や岳沢の流れ、名残の紅葉などを撮影しながら上流へ向かい、嘉門次小屋で昼食。日向のベンチはポカポカ陽気です。イワナの骨酒を飲めばすっかりいい気分。今回は左岸ではなく、右岸から戻ることにしました。来た時とは光線状態が変わり、また違う写真を撮ることができました。

バスターミナルにある上高地インフォメーションセンターで時間調整をして、16時20分のバスで上高地を後にしました。いつもの通り中央道で渋滞にはまり、22時に新宿に到着、解散となりました。

2019年12月9日(月)
全日本山岳写真協会 新人歓迎撮影会(1)

秋光に名残のカラマツの黄葉が光る


大正池と穂高連峰

11月9日(土)から、1泊2日で新人歓迎撮影会を実施しました。今年も上高地です。

朝、バスタ新宿に集合。今回は入会検討中という二人のゲストを迎え、総勢10名です。小仏トンネル付近まで渋滞はありましたが、30分程度の遅れで、昼過ぎに大正池に到着しました。

池の畔で昼食を食べてから撮影開始。穂高の雪は今年も少なく迫力に欠けますが、半逆光に浮かび上がる冬枯れの樹林や、面白い形の雲などを撮影してから田代池を目指します。ほとんどのメンバーが前ばかり見てどんどん先に行ってしまいましたが、水に映る風景や、振り返って逆光に輝く枯れた花などの宝探しを楽しみましだ。田代湿原で、Tさんがいつものように全員にコーヒーを振る舞ってくれました。田代池は、今回は光線条件が今一つ。ファインダーを覗いてあれこれ工夫してみましたが写真にならず、早々に諦めて田代橋へ向かいました。田代橋を渡り、六百山と霞沢岳を見上げながら右岸を上流に向かい、16時過ぎにいつもの宿、西糸屋に到着しました。

穂高にガスがかかってしまったので夕景の撮影を諦め、ゆっくり風呂に入りました。夕食の時に、改めて全員で自己紹介。夕食後は談話室で写真講座をやり、朝の撮影時間を決めてから解散。部屋に戻ると早々に寝てしまいました。

2019年12月8日(日)
晩秋の櫛形山

裸山からの白峰三山


サルオガセ


アヤメ平にて
11月2日(土)、大学の山岳部OB会で芦安温泉に行くついでに、櫛形山に登ることにしました。

早朝に自宅を出て、中央道を甲府へ向かいます。素晴らしい晴天で、甲府盆地から南アルプスの峰々をずらりと望むことができました。櫛形山中腹のグリーンロッジ周辺では紅葉祭りが行われており、駐車が規制されていましたが、係員に指示を仰ぎ、車を止めることができました。

中尾根登山道を登ってゆきます。3日前に大山に登ったので体が軽い。面白いように足が前に出て、ぐんぐん標高を稼ぎます。林道を横切ってさらに少し登った所で1回目の休憩。1時間で標高差500メートルを登ってしまい、自分でもビックリ。初めから期待はしていませんでしたが紅葉は全く冴えず、ほとんど撮影せずにひたすら登りました。祠頭で今日初めて登山者と出会いました。そのまま歩き続けてパラボタン平で休憩。冬枯れの木々にゆれるサルオガセが凄い。森の撮影には天気が良すぎますが、こういう櫛形山の写真も悪くありません。今日は原生林コースではなく、明るい裸山へのコースを歩くことにします。ここまで来ると登山者が多い。皆、中の茶屋登山口から登ってきたのでしょう。裸山山頂に立つと、西側が伐採されており、白峰三山、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山を望むことができました。アヤメ平へ向かいます。鹿除けのゲートを通ってアヤメ平に入ると、冬枯れの草原が美しい。枯れた花が木漏れ日に浮かび上がる様子が素敵です。

カップ麺とおにぎりの昼食を食べ、北尾根を下ります。柵の外に出ると枯れ草が全く無くなりました。これだけのものを食べ尽くす鹿の食欲には驚くしかありません。北尾根には比較的綺麗な紅葉があり、立ち止まって透過光で撮影。あとは快調にとばし、一気に下の林道まで下ってしまい、あとは林道をのんびりとグリーンロッジに戻りました。

芦安温泉の宿に直行し、山岳部OBのメンバーと合流。まずは風呂に直行して一日の汗を流しました。
2019年12月7日(土)
リフレッシュ休暇(6)

鍵掛峠からの大山南壁


鬼女台のススキの原

10月31日(木)、旅行の最終日は朝から気持ちよく晴れ上がりました。今日は、大山と蒜山の山麓をドライブしてから、鳥取道の無料区間から高速を利用することにします。最初は鍵掛峠へ。期待通りに大山の南壁をスッキリと望むことができました。紅葉は今一つですが、沢山のカメラマンが三脚を立てていました。続けて鬼女台のススキの原を見て、売店でお土産にきのこと梨を買いました。蒜山山麓は開放的な高原を走ります。道の駅でソフトクリームを食べて満足し、いくつか峠を越えて用瀬に出て、智頭ICで鳥取道に入りました。道の駅「あわくらんど」で昼食を食べ、あとはひたすら名古屋を目指しました。名古屋で一旦高速を出て、愛知芸術文化センターで開催中の全日本山岳写真展に立ち寄り、二人の会員と話しをすることができました。

再び高速に入り、サービスエリアで夕食。トラックばかりの新東名をのんびり走り、24時10分過ぎに横浜青葉ICに到着。予定通りに深夜割引の適用を受けることができました。

2019年12月6日(金)
リフレッシュ休暇(5)

下界は晴れ


稜線はガス


行者登山道はブナ林が美しい

10月30日(水)、6時に起きると、期待に反して大山は雲に包まれていました。7時に朝食を食べ、天気が回復することを願って出発。登山口まで車で移動。平日だというのに駐車場はほど満車でしたが、ギリギリ車を止めることができました。

夏山登山道はよく整備されていますが、延々と階段が続きます。少し登ると紅葉の中に入ってゆきます。久しぶりの登山なので自信がないと言っていたかみさんは快調なペースです。ブナの林相が美しい。日差しがないのは森の撮影には好条件ですが、今年の黄葉は状態が悪く、ブナの葉はチリチリに枯れており、残念な状況。時折ガスが着れて麓の宿が見えましたが、稜線はずっとガスに包まれたままです。標高を上げ、高い木が無くなると、傾斜がが緩くなりました。一面に大山キャラボクの群落が広がっています。木道を歩いてゆくと、立て替え工事中の頂上小屋に到着。残念なことに、弥山の頂上自体も工事のため立入禁止となっていました。

小屋の手前に造られた仮説の休憩スペースで、カップ麺とおにぎりの昼食を食べました。ガスで全く展望はありませんが、仮の頂上プレートの前で記念撮影をして頂上を後にしました。

大山キャラボクの間を歩いて石小屋跡に寄るルートを回って下ります。六合目の下からは行者登山道に入り、元谷へ向かって一気に下ってゆきます。尾根を外れると風当たりが弱いためか、紅葉が美しくなってきました。沢が近づくと素晴らしいブナ林となり、何度も立ち止まってシャッターを押しました。水流が無い元谷を渡ると緩やかな道となり、間もなく昨日訪れた大神山神社に着きました。

宿に帰る途中で大山自然歴史館に寄ってみました。ちょうど武並完治さんの大山の写真展が開催されており、ご本人とも話すことができました。山、森、動物、蝶などバラエティに富んだ素晴らしい写真展でした。

国民宿舎の今日の宿泊客は3組でした。風呂でさっぱりしてから、夕食は美味しい焼き肉。旅行の目的を完遂したので、ビールも格別でした。

2019年12月5日(木)
リフレッシュ休暇(4)

大山と対面


大山寺

10月29日(火)、ビュッフェ形式の朝食をたっぷりいただき、8時過ぎにチェックアウトしました。今日は大山への移動日。境港で昼食を食べたかったので、のんびり日本海側をドライブしながら向かうことにします。途中、瀬戸鼻灯台の道標を見て脇道に入ってみたところ、とんでもなく細い道で、Uターンもバックもできず、両脇の藪に車体をこすらせながら終点まで入ってしまいました。終点の広場から下の方に小さな灯台が見えましたが、そこまで歩く気になれず、Uターンして引き返しましたが、車体側面が擦り傷だらけになってしまい、トホホです。チェリーロードを走って美保関へ。美保神社へお参りし、青石畳通りを歩きました。漁港からは対岸に大山が大きく聳えていました。美保関灯台を見てから境港へ。昼食は水産物直売センターに寄って海鮮丼を食べました。

大山を目指します。夏山登山道登山口の駐車場に車を止め、大山寺と大神山神社を参拝する。鬱蒼とした森の中の階段を上った大山寺、そこからさらに古い石畳と階段を上った神社、どちらも歴史を感じさせる立派なものでした。

今日の宿はスキー場にある国民宿舎。なんと宿泊客は我々二人だけでした。今日は先に風呂に入ってから夕食。これまでと比べると質素ですが、美味しくいただきました。明日の登山に備えて、早めに布団に入りました。

2019年12月4日(水)
リフレッシュ休暇(3)

出雲大社にて


宍道湖の夕日

10月28日(月)は朝風呂に入り、7時に美味しい朝食。8時過ぎにチェックアウトし、松江城へ。快晴の空に天守閣が映えます。力強く美しい外観を見てから中を見学。内部の黒光りした太い柱や戦のための様々な仕掛けに、日本史が苦手の私でも戦国時代に思いを馳せ、歴史を感じるひとときとなりました。城内を散策した後、お堀沿いを歩いて城下町の風情を楽しみましだ。

この後、出雲大社へ移動。昼食に出雲そばを食べ、一旦参道の入り口まで下ってから、参拝しました。境内の神聖な雰囲気は他の神社では感じることのできない独特のものでした。二礼四拍手一礼でお参りしてからご本殿を一周し、最後に日本最大の注連縄を見て終了。

今日は玉造温泉のの宿に泊まります。昨日よりも天気が良いので、宍道湖の夕日撮影に再チャレンジすることにしました。宿ににチェックインしてから湖畔の夕日スポット「とるば」へ向かいます。道を間違えたりして日没ギリギリになってしまいましたが、美しい夕景とマジックアワーを撮影することができました。

今日も遅くなってしまったため、風呂の前に夕食。和牛のすきやきと刺身にかに、脂の乗ったのどぐろの塩焼きなど、絶品でした。デザートも「お好きなものをお好きなだけ」と言われたので、「じゃあ、全部」と遠慮なく頂き、幸せ。

温泉でリフレッシュしてから、早めに布団に入りました。

2019年12月3日(火)
リフレッシュ休暇(2)

足立美術館の庭園


今夜は贅沢

10月27日(日)、朝食を食べて7時過ぎに出発。島根の足立美術館を目指します。順調に走りましたが途中で昼を回ってしまい、サービスエリアで昼食を食べ、現地には14時に到着しました。

ガイドブックに掲載された庭園の写真がいかにも人工的で、あまり期待していませんでしたが、実際に見る庭園は見事なもので、日本画、陶芸、童画なども素人が見ても素晴らしいものばかりでした。解説を読みながらゆっくり見ていたらあっという間に2時間が経ってしまいました。

宍道湖で夕景を撮影したかったので、大急ぎで移動します。夕方のちょうどよい時間に到着しましたが雲が多い。それでも時々雲間から夕日が顔を出し、水平線に太陽が沈む瞬間を撮影することができました。日没後20ほど粘って撮影してから、今日の宿へ向かいました。

川が見える10畳の広い部屋に案内され、まずは夕食。普段泊まる宿よりも格上だけあって、見た目も味も絶品でした。食後に温泉に浸かり、9時には寝てしまいました。

2019年12月2日(月)
リフレッシュ休暇(1)

岐阜城


夕日に輝く長良川

10月26日(土)から31日(木)まで、休暇を利用して夫婦で西日本を旅行してきました。

26日の朝6時過ぎに自宅を出発。東名高速は御殿場の手前の事故渋滞で約1時間のロス。その後は順調に新東名を走ります。新雪の富士山が見事でした。昼食は名古屋の手前のサービスエリアで味噌かつと海老フライの定食。岐阜勤務となった長男の家に14時頃に到着しました。

息子の近況を聞きながら一休みした後、歩いて岐阜城まで行ってみました。金華山の山裾に沿って歩いてゆくと、途中に神社や寺が沢山あり、かみさんは御朱印をゲット。岐阜公園からロープウェイで金華山へ上ります。午後はどんよりと曇っていましたが、この時間になって雲が消え、太陽の光を浴びて岐阜城が白く輝いていました。城の4階は展望台になっており、濃尾平野の眺めが見事。長良川が夕日に輝いていました。ロープウェイで山を下り、帰りも歩きました。夕食は名鉄岐阜駅前のスーパーで買い出し。

今日はほとんど歩かないと思っていましたが、結果的には2万歩は歩いたと思います。ビールを飲みながら夕食を食べ、風呂に入って22時に就寝。

2019年11月23日(土)
秋の北岳撮影行(2)

朝の北岳


間ノ岳とひつじ雲

10月6日(日)は5時に起床。9時間も寝てしまいました。やや雲が多い天気ですが切れ間もあり、東の空が赤くなってきました。撮影ポイントに三脚を立てて日の出を待ちます。太陽が少し昇ったところで雲の間から顔を出し、北岳が赤く染まりました。太陽が高くなるにつれて、間ノ岳山腹の紅葉が輝きだしました。紅葉の色づきが悪いといっても、朝の太陽を浴びるとぐっといい色になるものです。バットレスに雲の影がかかったり、白峰三山上空に羊雲がかかったり、刻々と変化する光景に、夢中でシャッターを押しました。

7時半に撮影を切り上げて朝食にしました。テントを撤収し、八本歯ノ頭へ向け出発する頃にはガスが湧き始め、バットレスは隠れてしまいました。それでも、少し進むと急にガスが切れてバットレスが現れ、慌ててカメラだけを持って来た道を少し戻って撮影し、再び歩き出してはまたガスが切れて引き返し、の繰り返し。八本歯ノ頭からコルへの下りでバットレスの最後の撮影をして、大樺沢へと下りました。曇ってしまったのでほとんど立ち止まることなく歩き、二俣で休憩しただけで意外に早く広河原まで下ってしまいました。

乗合タクシーで芦安へ下山し、車で金山谷温泉に寄ってさっぱりしてから帰途につきました。

2019年11月22日(金)
秋の北岳撮影行(1)

大樺沢二俣にて


八本歯ノ頭


ボーコン沢ノ頭からの北岳

しばらくぶりの更新です。
今年の南アルプスの紅葉撮影は、土日しか休めなかったので、手軽に行ける北岳にしました。

10月4日(金)、夕食後に家を出て、深夜0時半に芦安の駐車場に到着しました。

10月5日 (土)は4時半に起きましたが、乗合タクシーは既に満員でバス停も既に長蛇の列。バスに乗ることはできたものの、広河原まで立ちとなりました。

広河原山荘前のベンチで朝食を食べてから大樺沢コースを登ります。二俣の手前でバットレスが見えてきましたが、今年は紅葉がかなり遅れている感じです。大樺沢のナナカマドも葉がチリチリになっており、比較的綺麗な赤い紅葉は1本しか見られませんでした。今日は吊尾根に泊まる予定なので、大樺沢の源頭で水を5リットル補給しました。一気に重たくなったザックにヨレヨレになりながら岩稜のハシゴを登ってゆきます。八本歯のコルからの痩せた岩稜を慎重に通過し、なんとか八本歯ノ頭に登り着きました。10月とは思えない気温に汗だくになってしまいました。

稜線がちょうど紅葉のピークでした。アップに耐える紅葉はありませんが、遠景であればそこそこ綺麗。景色を眺めながら一休みしてから、ボーコン沢ノ頭へ向かいます。何度も立ち止まり、立体感あふれる午後のバットレスを撮影しました。ボーコン沢ノ頭まで来てみると、やはりバットレスの下部が隠れてしまいインパクトに欠けます。結局、少し引き返し、いつもの場所にテントを張りました。

北岳がガスに包まれてしまったので、ゆっくり休んでから夕食を食べ、早めにシュラフに入りました。

2019年9月30日(月)
和賀岳釣り登山(2)

ブナ林の急登


コケ平からの和賀岳


山頂を後にする

9月8日(日)は5時頃起床。ラーメンの朝食を食べ、日帰り装備で和賀岳へ。ブナ林の急登が続きます。気温が高く、汗の量が尋常ではありません。上部では登山道が雨による浸食で深くえぐれ、歩きにくい状態でした。樹林帯を抜けて傾斜が緩くなると、間もなくコケ平に着きました。一気に展望が広がり、たおやかな尾根が森吉山の頂上へ続いていました。

ここで大休止をとり、腹ごしらえと写真撮影。ウメバチソウが沢山咲いていました。気持ちのよい尾根道を頂上へ向かいます。最後に草原の急な斜面を登ると頂上に到着。

晴れているものの雲が多く、残念ながら遠くの山を見ることはできませんが、田沢湖を見下ろすことができました。思いのほか時間がかかったので、水が不足気味。息子が水が足りないと話すのを聞いていた男性が、水を沢山譲ってくれました。腰を下ろして休んでいると、トンボが沢山飛んでおり、秋の気配を感じます。記念撮影をしてから山頂を後にしました。

下山は息子を先頭に、母を間に挟んでゆっくり慎重に下ります。テント場まで思いのほか時間がかかってしまいました。

とりあえず水をがぶ飲みしてから、今日も釣りに出かけました。その間、母にはテントでゆっくり休んで体力の回復に努めてもらいます。限られた時間で気持ちが焦っているためか、なかなか釣れません。時間ギリギリまで粘って、なんとかお土産4尾を釣ることができました。

テント場に戻り、息子と母に先行してもらい、私はテントを撤収して後を追いました。高下岳分岐で二人に追いつき、ここでヘッドランプを出し、とっぷりと日が暮れる頃、登山口に着きました。

ほっとゆだ駅で温泉に入り、秋田道で帰途につきました。田舎のサービスエリアは既にレストランが閉まっていたため、途中で一旦高速を降りてファミリーレストランでようやく夕食にありつきました。このまま高速を運転するには疲れすぎていたので、道の駅の暗がりにテントを張って仮眠し、翌日、台風10号とすれ違うように家を目指しました。

2019年9月29日(日)
和賀岳釣り登山(1)

ブナの森を行く


本日の釣果


静かなキャンプ

次男が数年ぶりに山へ行きたいと言い出したので、面白いコースにということで、東北の和賀岳で登山と釣りを楽しむことにしました。母も行きたいと言い出し、親子孫三代の登山になりました。

9月7日(土)の4時に自宅を出発。できるだけ早く歩き始めて釣りの時間を確保したいので、息子と運転を代わりながら東北道を飛ばしました。登山口には12時半に到着。駐車場は登山者と釣り人の車でほぼ一杯でした。

腹ごしらえをしてから歩き始めました。気温と湿度が高く、たちまち汗が噴き出します。赤沢分岐で尾根に乗ると、そこからは見事なブナ林の中を登ってゆきます。時折薄日が射すものの、すぐにガスってしまい、大気中に湿気が充満している感じです。高下分岐から山腹をしばらくトラバースしてから和賀川へ下ってゆきます。途中の水場で休憩。尾根のすぐ下に美味しい水が湧き出ていました。沢音が次第に大きくなり、和賀川の河原に下り立ちました。沢靴に履き替えて徒渉し、一段上の台地に上がれば今日の幕営地に到着。どうやら貸し切りのようです。

テントを張ると、早速息子と釣りに出かけました。最初の淵で息子が試しに竿を出したところ、一投目でいきなり立派な岩魚がかかりビックリ。気を良くして釣りながら遡ってゆきますが、なかなか後が続きません。時間切れ寸前まで粘り、なんとか3尾をキープしました。

テントに戻り、夕食の準備。たき火はできましたが、岩魚を焼くのは時間がかかるので、今日は初めて蒲焼きにしてみましたが、これがなかなか美味しく出来上がりました。アラは味噌汁に入れ、レトルトのカレーも暖め、サラダも作り、酒を飲みながら豪華な夕食を楽しみました。

2019年8月27日(火)
北岳(4)

みるみるガスってきました


マルバダケブキの群落

8月13日(火)、2時半起床。夜中は風が強くほとんど眠れませんでした。眠い目をこすりながら星の撮影に出ました。今日は空が澄んでおり良い条件でしたが、やはり思うように流れ星は写りませんでした。難しいものです。

朝食を食べてからカメラだけ持って北岳へ向かいます。日の出直後から怪しい雲が流れたかと思うと、あっという間にガスってしまいました。頂上では時折青空が覗くけれども展望はゼロ。諦めてテントへ戻りました。少しウトウトしてからテントを撤収。いつの間にか霧雨になっていました。

雨具を着て、汗をかかないようゆっくり下ります。小太郎山分岐の下のお花畑ではシナノキンバイはほとんど咲いていませんでした。花の時季がいつもとはズレています。下るにつれてマルバダケブキの群落が旬でした。一時的に雨が本降りになりましたが、白根御池小屋の屋根のあるベンチで昼食を食べていると雨が上がり、日が射してきました。台風10号の影響が出てきているようで、不安定な天気です。急な樹林帯を慎重に下れば広河原山荘。幸い、晴れ間が続いてくれました。

水場で頭を洗って体を拭き、Tシャツを着替えてからバス停へ行くと、甲府行きのバスが来ており、すぐに乗り込みました。往路とは違い普通のバスで、冷房もしっかり効いていました。甲府でバスを降りると灼熱でした。ビールを買って各停に乗り込み、残り物をつまみに独りで打ち上げ。

2019年8月26日(月)
北岳(3)

尾無尾根上部からの北岳


ほのぼの親子


夕焼けと仙丈ヶ岳
8月12日(月)、2時起床。朝食を食べてから星を撮影。流れ星は見えましたが今日も写らず。薄雲があり条件的にもイマイチでした。

今日は間ノ岳を往復します。中白峰の手前で日の出。意外に大気が澄んでおり、山々がくっきりと浮かび上がりました。風が冷たく、間ノ岳までずっと雨具を着たまま歩きました。間ノ岳頂上にはチングルマとアオノツガザクラが咲いていました。やはり今年は花が遅いようです。

尖った北岳を撮影するために尾無尾根へ下ります。地図を見ながら農鳥岳方面へ少し下ったところから左にトラバースすると、ドンピシャで尾無尾根の上部に乗ることができ、格好良い北岳を撮ることができました。出来れば尾根を少し下って細沢カールに下りたかったのですが、急な尾根の足場が不安定なので、諦めてここから戻ることにしました。間ノ岳まで登り返し、光線条件が変わった北岳眺めながら、北岳山荘のテントに戻りました。

早くもガスが湧いてきました。テントを畳み、昼食を食べてから出発、肩の小屋を目指します。北岳の登りにかかると、今日もまたライチョウの親子に出会いました。目の前3メートルほどの所でのんびりと餌をついばんでおり、良い写真が撮れました。頂上まで急登の連続ですが、花が美しく、頑張って1ピッチで登ってしまいました。頂上はガスで何も見えず、少し休憩してから肩の小屋へ下りました。

テントを張ってから水場へ下り、頭から水をかぶって体も拭いてさっぱり。テントでビールを飲み、昼寝をして、夕食を食べ終わる頃、ガスが動き始めました。昨日と同じパターンで晴れる予感。カメラを持って稜線で待機すると、少しずつガスが切れ、日没後に素晴らしい夕焼けとなりました。
2019年8月25日(日)
北岳(2)

北岳トラバース道のお花畑


親子仲良く砂浴び


夕方になってガスが晴れました

8月11日(日)は2時半に起きて星を撮影しました。ペルセウス流星群を目視できましたが写真には写りこんでくれませんでした。

急いで朝食を食べてテントを撤収し、一番のバスが着く前に出発。1週間前の山行の効果で体が軽く感じられます。盆休みとは思えない静かな登山道を味わいながら順調に二俣着。青空にバットレスが聳えています。二俣から上は傾斜が強まり、さすがにきつくなりました。最後の岩稜帯で、バスで来た軽装の人達が追いついてきました。早くもガスが湧き始め、八本歯のコルでは展望はありません。北岳トラバース道は霧の中に咲く花がきれいです。特にイブキトラノオの群落が見事でした。北岳山荘への下りでは、登山道の真ん中でライチョウの親子が砂浴びをしていました。登山者が集まってカメラを構えても、全く気にする様子はありません。こんなに無警戒で大丈夫なのか、心配になるほどです。

北岳山荘で受付をして、間ノ岳側に少し離れた静かな場所を選んでテントを張りました。午後はラジオを聴きながらビールを飲み、のんびり寛ぎます。時々パラパラと雨が落ちてきます。夕方トイレに行くと、山荘の周りはテントが過密状態になっていました。夕食を食べ早めに寝ようとしていたところ、急に外が明るくなってきました。ベンチレーターから覗くと、西の空が晴れています。防寒着を着込んでカメラを持ってテントを飛び出しました。稜線に三脚を立てると雲が切れて北岳が姿を現しました。西の太陽と雲も美しい。この夏初めての夕景に、夢中でシャッターを押しました。

2019年8月24日(土)
北岳(1)

広河原のテント場

せっかくの盆休みですが台風10号の動きが微妙です。天候の状況に合わせてた臨機応変に動ける山ということで、通い慣れた北岳へ行くことにしました。混雑を避けるために時差登山を計画、8月10日(土)は広河原で泊まることにしました。

午前10時に家を出て、各停で甲府へ。灼熱の甲府から広河原行きのバスは、午後なのに満員でした。見るからに車体がポンコツで、エアコンは効かず、坂道発進では何度もエンストし、怖い思いをさせられ最悪です。16時過ぎに広河原に到着。バスを降りてホッとしました。

さっそく広河原山荘で受け付けをしてテントを張りました。テント場は賑わっており、隣には連泊して釣りをするというおじさんでした。ビールを2本飲んで心地よく酔い、スパゲティの夕食を食べて19時にシュラフに入りました。

2019年8月23日(金)
赤石岳~荒川三山(6)

千枚岳山頂にて


千枚岳からの悪沢岳


千枚岳からの赤石岳

月3日(土)、最終日です。1時に目覚ましを仕掛けていましたが、5分前に目が覚めました。湯を沸かして朝昼2食分のごはんを作り、コーヒーだけ飲んでテントを撤収しました。小屋の前にザックをデポし、カメラと朝食だけを持って千枚岳へ。

予定通り3時に撮影開始。ちょうど悪沢岳の上に銀河がかかり、最高の構図です。今日も流れ星が沢山見ましたが、残念ながら写真には写り込みませんでした。3時半に空が白み始めたので星の撮影はおしまいい。寒くはないだろうと油断していましたが、やはり山頂でじっとしていたので冷え切ってしまいました。岩陰で風を避けて朝食を食べ、夜明けを待ちます。一人、また一人と登山者が登ってきました。今日も大気が淀んでおり、ぼんやりとした太陽が昇ってきました。山がなかなか赤くなりません。一応シャッターを押して満足し、山を下ることにしました。

小屋に戻ってザックを回収し、カメラをザックに仕舞って椹島を目指します。見晴台の手前で、大きなザックを背負った人が物凄いスピードで上がってきました。何者かと思ったら、少し間を空けて田中陽希とカメラマンが登ってきたのにビックリ。「あ、陽希さんですね。頑張ってください!」「どうもー」と言葉を交わすのが精一杯でした。見晴台に寄って山は見納め。今日も既に雲が湧き始めていました。下るにつれて気温が上がり、汗が噴き出します。標高1755メートルのベンチで腹ごしらえ。鉄塔ピークからの最後の急下降は足に疲れが来ているので、意識して慎重に下りました。

椹島には計画通り11時キッカリに到着。シャワーを浴びてさっぱりしてから、ビールを飲みながらラーメンを作りました。

13時の送迎バスは満員。サックを抱えて1時間の辛抱です。畑薙第一ダムで静鉄バスに乗り換え。静岡まで約3時間半もの時間がかかりますが、こちらは快適な旅です。いつものことながら、狭い山道を曲芸のような運転に感心します。静岡から新横浜までは、ひかりでわずか40分。あっという間でした。

2019年8月22日(木)
赤石岳~荒川三山(5)

中岳より、朝の赤石岳


水滴が輝いていました


悪沢岳山頂でガスに包まれました


悪沢岳山頂直下で猿の群れと遭遇

8月2日(金)、1時40分に目覚ましを鳴らしましたが眠たくて仕方がありません。それでも日の出の時刻に中岳まで登りたかったので、気合いを入れてシュラフから抜け出しました。急いで朝食を食べ、テントを撤収。3時45分には出発できました。

ヘッドランプを点けて登ってゆきます。入山5日目になり、ザックが大分軽くなりました。体も慣れてきたのか、足が楽に前に出ます。富士山上空がほのかに赤く染まり始めました。太陽と競争するように休まずに歩き、赤石岳に光が当たるのと同時に中岳に着きました。今日はいかにも大気中の水蒸気が多い感じで、北部の山々は厚い大気の層に沈んで霞んでいます。山頂の南側に、花が終わりかけのチングルマとタカネヤハズハハコを見つけ、それを前景にして赤石岳を撮影。その他のモチーフを探して山頂をウロウロしていると、先ほどの登りで追い越したご夫婦が追いついてきました。今日はこの後ずっとこのお二人と抜きつ抜かれつとなりました。

悪沢岳へ向かいます。高山植物の葉についた水滴が太陽に輝いています。最低鞍部から悪沢岳への登りにかかる頃、早くも赤石岳に雲が湧き始めました。昨日よりも2時間も早い。悪沢岳山頂ではすっかりガスってしまいました。千枚岳から来る登山者と交差する所となり、大勢の登山者で賑やかです。ひと休みしてから山頂を後にしました。

途中で猿の群れに遭遇しました。南アルプスの稜線で猿を見るのは初めてです。ライチョウの雛が猿に食われたというニュースを思い出しました。すると今度は丸山で1羽のライチョウと遭遇。全く警戒する様子も無く、羽繕いなどをしながらずっととどまり、沢山写真を撮らせてくれました。楽しみにしていた千枚岳手前のお花畑はほとんど花が咲いていませんでした。やはり今年は梅雨時の極端な日照不足で花期が遅れているようです。それでもツメクサ等の小さな花たちがけなげに足元を彩っていました。千枚岳でひと休みしてから千枚小屋へ下りました。

小屋の前で例の夫婦と立ち話。四国から来たそうで、今日下山し、その後は北アルプスへ行くとのこと。「まだ四国には行ったことがない」と言うと、ぜひ来てくださいという話になり、住所を交換してから分かれました。

テント場は一番乗りでした。テントを張り、昼食を食べて寛いでいると、三々五々登山者が到着。14時頃から雷鳴が聞こえ、15時に雨が降り始めました。今日も激しい雷雨を覚悟しましたが、結局雷雲が近づくことはなく、普通に降って2時間ほどで上がりました。明日は千枚岳山頂で星を撮りたいので、今日も早めにシュラフに入りました。

2019年8月21日(水)
赤石岳~荒川三山(4)

荒川のお花畑からの赤石岳


夢心地です


花たちに囲まれて

8月1日(木)、今日も2時に起きて天の川を撮影します。流れ星が多い。写真にもしっかり写っていました。今日は荒川のお花畑まで散歩の予定です。日が当たる時間に合わせてゆっくり行けば良いので、シュラフに戻ってもうひと眠りして、4時過ぎに起きました。朝食を食べているとテントに日が射してきた。たまにはゆっくりするのも良いものです。

他の登山者がほとんど出発した後に、軽い荷物で出発。荒川小屋周辺は昨年は花が沢山咲いていましたが、今回はほとんどありませんでした。少し登って樹林帯を抜けると展望が広がりました。今日も良い天気です。標高を上げてゆくと、赤石岳から大沢岳、中盛丸山の緑あふれる稜線の眺めが広がりました。ジグザクの急登から小尾根を回り込むと、荒川のお花畑に到着。鹿柵の扉を開けて花園の中へ入ってゆくと、今日は赤石岳がバッチリ見えています。光線状態が最高で、花たちが輝いていました。花の色が薄いシナノキンバイも咲いていました。白花でしょうか。お花畑の中をゆっくりと一番上まで上がります。上から見下ろすと、花の密度が若干低く感じられますが、見事な眺めです。撮影しながら、またゆっくりと下がってゆきます。結局。2時間たっぷり遊ばせてもらいました。

満足して荒川小屋へ下り、今日も水場で全身を拭き、さっぱりしてから昼食にしました。10時にまたガスが湧いてきました。昼寝をして、焼酎を飲みながら記録を書きます。木陰のテントは涼しくて快適です。鳥のさえずりが美しい。14時頃から雨がパラつきはじめ、やがて激しい雷雨になりました。寒くなったのでシュラフに入ってうとうとしながらラジオを聴いていると、激しい雨音に聞こえなくなってしまいました。

夕食後、歯を磨いているとようやく雨が小降りになりました。トイレと水場へ行き、ラジオを聴きながら記録を書き、18時にシュラフに入りました。

2019年8月20日(火)
赤石岳~荒川三山(3)

北沢源頭で、赤石岳が朝日に染まった


ナナカマドの花と荒川三山

7月31日(水)も2時起床。足音を忍ばせて玄関に荷物を運んで着替え、外に出ました。満天の星を眺めながらベンチでラーメンを食べて出発。

ヘッドランプの灯りで登ってゆきます。富士見平では昨日十分撮影したので、今日は日の出を待たずに先に進みます。砲台休憩所まで来たところで、山腹が朝日に染まりました。北沢源頭の急斜面を登ってゆきます。ゆっくりペースですが、撮影せずに歩いたので、意外にあっさり北沢カールに着きました。昨日よりも早い時間帯なので光線条件が良く、今日も花と赤石岳を撮影。

稜線に出た所にザックをデポしてカメラだけを持って赤石岳をピストンします。ガスが湧く前なので素晴らしい展望です。広い山頂を歩き回って沢山シャッターを切りました。

ザックを回収して小赤石岳へ。そのまま山頂を通過して肩まで下ると、正面に荒川三山が見事です。ちょうど良い所に咲いていたナナカマドを前景にして撮影。ここで急にガスが湧き始めました。やはり南アルプスは10時前にはガスが湧くのが普通のようです。ダマシノ平ではチングルマが咲いていました。今回は花の咲き方がいつもとは違うような気がします。

荒川小屋には昼前に着きました。まだほとんどテントは無く、木陰の静かなスペースを確保できました。テントを張ると早速水場へ行き、頭から水をかぶり、全身を拭いてさっぱり。さらに、汗まみれの服を洗濯しました。テントの前に服を干してからビールを飲み、昼寝。最高にいい気持ち。夕方、ガスが濃くなり、遠くで雷鳴が鳴ったかと思うとパラパラと雨粒が落ちてきましたが、本降りにはなりませんでした。夕食を食べて19時にシュラフに入りました。

2019年8月19日(月)
赤石岳~荒川三山(2)

富士見平にて


北沢カールにて

7月30日は2時起床。静かです。テントのジッパーを開けると満天の星空。ぐっすり寝たおかげで頭痛は消えていました。

今日は北沢源頭まで、のんびり撮影の予定です。小屋の裏にある展望台で星を撮影してから、軽い荷物で出発。富士見平で朝を迎えました。今日は空気がとても澄んでいます。荒川三山に薄雲がたなびいています。日の出とともに赤石岳が赤く染まりました。ラクダの背のトラバースルートから北沢源頭へ。咲き乱れる花を心ゆくまで撮影。結局、北沢カールまで上がってしまいました。カールの花は盛りを過ぎていた感じですが、或いはこれから咲くのかもしれません。状態が良い花を選べば十分写真になります。稜線を行く登山者が豆粒のようです。大岩の上で景色を眺めながら昼食を食べていると、稜線に雲が湧き始めたので、下ることにしました。

今日はテントを畳んで小屋に素泊まりです。受付をしてから、外のベンチでビールを飲み、気持ちよくなったところで小屋に入って1時間ほど昼寝をしました。雲が多くなりましたが夕立はなく、外のベンチで夕食。小屋はあまり混雑しておらず、快適に眠れそうです。18時過ぎに就寝。

2019年8月18日(日)
赤石岳~荒川三山(1)

苔むす森をの中を登る


赤石小屋に到着

昨年の夏、天候不順でほとんど成果が無かった南アルプス南部へ、今夏も行くことにしました。

7月29日(月)、夜行バスでほとんど眠れないまま、5時30分に畑薙第一ダム下流の夏期臨時駐車場に到着。送迎バス乗り場に一番に並びました。椹島に着くと、いつもと様子が違います。芝生の広場がつぶされ、リニア工事のための飯場になってしまっていました。

椹島から赤石岳へ登るのは何年ぶりでしょうか。赤石小屋まで、ひたすら樹林帯の登りですが、実際に歩き始めると登山道脇の風景が次々と思い出されれてきました。寝不足の体にはなかなか辛い上りですが、頑張って1時間に標高300メートルのペースをキープして登りました。

赤石小屋でテントを張り、中に入って休んでいると、激しい雷雨になりました。ビールを飲むどころか食欲がなく、頭痛薬を飲んでそのまま寝てしました。

2019年7月12日(金)
「山と溪谷」8月号


「山と溪谷」8月号の南アルプス特集で仕事をさせていただきました。
 巻頭グラフ8ページと南部大縦走のフォトエッセイ、そして光岳~茶臼岳のガイドです。
それにしても、これほど中身の濃い南アルプス特集がこれまであったでしょうか。北部編、南部編、深南部・安倍奥編の三部構成で、南アルプスの魅力が満載です。登山者が北アルプスよりもはるかに少ないため、南部では夏のハイシーズンにしかバスが運行されないという困った現状がありますが、もう少し登山者が増えて、もう少しアプローチが便利になってくれたらなぁと思います。
ヤマケイ8月号、ぜひご覧ください。


2019年6月25日(火)
花を見に平標山~仙ノ倉山へ

登山口近くの森で


一瞬、雲が割れた


咲き始めにハクサンイチゲ

6月1日(土)、花の開花状況を見に、平標山へ行ってきました。当初、テントで1泊を予定していましたが、日曜日にちょっとした仕事が入ってしまったため、急遽日帰りで行くことにしました。

早朝3時半に家を出て、7時過ぎに登山口の駐車場に着きました。既に沢山の車が止まっており、登山者が次々に出発してゆきます。松手山の尾根に取り付くと、林床にシダの鮮やかな緑が広がっていました。木や石で階段が整備された急登をぐいぐい登ってゆきます。傾斜が緩くなってくると、間もなく森林限界を抜け、松手山に着きました。平標山へ続く尾根に一部雪が残り、ガスが漂い、雄大な眺めが広がっています。時折日が射したりガスったりする中を登ってゆきます。所々にシャクナゲが咲き、満開のミネザクラが点在しており、何度も立ち止まってカメラを構えるので、すっかり歩くペースが落ちてしまいました。

平標山頂ではガスに包まれてしまいましたが、仙ノ倉山方面への縦走路は見えており、時折雲が割れて青空が見え、仙ノ倉山も一時頂上が姿を現しました。腹ごしらえをしてからガスの中を仙ノ倉山へ向かいます。鞍部では高山植物がやっと芽を出したばかりで、ハクサンコザクラやハクサンイチゲ等が小さく咲き始めたところ。本格的に咲くのは、あと1~2週間後のようです。

仙ノ倉山山頂もガスで全く展望なし。すぐに見切りを付けて平標山へ引き返しました。平標山から平標山ノ家へと下ります。小屋は頂上からずっと見えていましたが、意外に距離があります。途中で2回、階段を覆う残雪の上を歩きました。小屋に着く頃には天気が良くなってきました。小屋前のベンチで山を眺めながらひと休み。

ここからブナ林の中を下ります。林の中では、鮮やかな新緑の中にオオカメノキの白い花が沢山咲いていました。登山道から林道に出てのんびり歩いていると、雲間からの光が森に射し込み、透き通るような緑に森が輝きました。「これはいただき!」と興奮し、夢中でシャッターを切りました。この後も河内沢の流れや駐車場近くの堰堤の上の池の立ち枯れの木などを撮影し、大満足で帰途につきました。

2019年5月29日(水)
皇海山と赤城山(2)

一瞬の霧の晴れ間から大沼が見えました


アカヤシオツツジと駒ヶ岳


咲き乱れるツツジ

道の駅は通りから離れているため、夜中はとても静かでした。5月19日(日)は5時起床。曇っていますが、所々に雲の切れ間があります。朝食を食べてから、赤城山の大沼へ向かいます。標高を上げるにつれて新緑から芽吹きへと季節が逆戻り。外輪山を越えると、大沼周辺は濃い霧に包まれていました。おのこ駐車場も時折濃霧が押し寄せてくる状態で、一瞬、登るのをやめて帰ろうかとも思いましたが、予報では本格的に崩れることはない筈なので、とにかく登ってみることにしました。

車道を15分ほど歩いた黒檜山登山口から山に入ります。岩混じりの急登は1歩が大きく、昨日の疲れが残っている足には少々きつく感じられますが、ぐんぐん標高を稼ぎます。一瞬の霧の切れ間から大沼の湖面と赤城山神社を望むことができました。木にぶつかった霧が枝をぬらし、雨のようにパラパラと降りそそいでいました。稜線に出て左へ100メートルほどで黒檜山頂上。霧で眺めはなく、一休みして駒ヶ岳へ向かいます。木の階段で一気に標高を下げると、笹に覆われた大ダルミ。ここで、霧に濡れた小さな桜の花に出会いました。ミネザクラでしょうか。ここから登り返した所が駒ヶ岳。そのまま頂上を通り過ぎ、広々とした気持ちのよい尾根を下ってゆきます。霧が晴れ、空が明るくなってきました。途中に篭山へのサブルートという道標があり、それに従って尾根通しの踏み跡を下ってゆくと、アカヤシオが咲き乱れる中に入っていきました。タイミング良く青空も覗きはじめ、霧に濡れた花びらがキラキラと輝いています。しばらく撮影を楽しんでから、腰を下ろして行動食を食べたりして、かなり長居してしまいました。計画ではここから小沼を通って地蔵岳まで回る予定だでしたが、ここですっかり満足してしまい、ツツジはここだけということもあり、今日はここから駐車場へ戻ることにしました。鳥居峠手前の篭山にもアカヤシオの見事な群落があり、なかなかいい写真を撮ることができました。鳥居峠から覚満淵を歩いておのこ駐車場に戻りました。

朝はガラ空きだった駐車場が、車とバイクで一杯になっていました。時間が十分早いので、帰りは高速道は使わずのんびりと帰りました。

2019年5月28日(火)
皇海山と赤城山(1)

登山口までの林道は若葉とツツジが綺麗


不動沢のコルからの鋸山


鋸山からの皇海山

5月中旬、新緑の季節です。以前から気になっていた皇海山に登ることにしました。皇海山だけでは勿体ないので、翌日はツツジを見に赤城山も歩こうという欲張りプランで出かけました。

5月18日(土)4時前に起きて家を出ました。嵐山PAで朝食を食べ沼田ICで高速を下りました。吹割の滝付近から皇海山登山口までの栗原川林道は噂通りの酷道でしたが、途中の新緑が美しく、何度か車を止めて撮影しました。登山口の駐車場には水洗トイレがありビックリ。今日はちょうど満車といったところですが、登山シーズンは相当混むのでしょう。

不動沢沿いの登山道を登ってゆきます。明るいカラマツ林の中を、沢を渡り返しながら標高を上げてゆきます。木々の芽吹きが逆光に輝いていました。稜線直下は沢を離れ、崩壊して泥壁に近くなった道をロープと木につかまりながら登ります。不動沢のコルに着くと、先行していた登山者に追いついきました。いつの間にか曇ってしまいましたが、鋸山が名前通りの険しい姿を見せていました。まず鋸山へ向かいます。小ピークを一つ超えると、最後の急登です。岩場と滑りやすいザレが続き、ロープに頼りながら登ります。振り返れば皇海山がどっしりとした姿を見せていました。頂上からはまだ残雪を抱えた奥日光の山々が望まれました。軽く食べてから山頂を後にします。下りは慎重に。

不動沢のコルから、今度は皇海山へ向かいます。こちらは険しい部分はありませんが、所々で残雪の上を歩きました。雪の上も踏み跡がしっかりついているので問題はありませんでした。皇海山頂上は樹林に囲まれ、木の間越しに日光白根山が見える程度。標柱の前で記念写真を撮ってから昼食にしました。下山は、不動沢のコル直下の泥壁の通過を考えると憂鬱な気分でしたが、いざその場になると何とかなるもので、順調なペースで標高を下げました。最後はのんびり沢の写真を撮りながら下りました。

車に荷物を放り込み、長い林道を走り、まずはスーパーで夕食を買い、それから道の駅に向かいました。温泉に入ってさっぱりした後は、車の中で独り宴会。ビールと地酒を飲みながら一日を振り返りました。

2019年5月27日(月)
GWの南アルプス(5)

林道からの甲斐駒ヶ岳(左奥)と双児山


山麓は若葉の緑が目に眩しい

5月5日(日)は4時半起床。快晴です。今朝もマイナス1度まで冷え、フライシートがバリバリに凍っています。薬を飲んだお陰かよく眠れた気がすします。朝食のラーメンを食べると、食料袋が空になりました。テントを撤収して入念にパッキング。ザックは大分軽くなったように感じられます。

歌宿への林道歩きはほとんど下りなので、景色を楽しみながらのんびりと歩きます。2時間と見ていましたが、かなりゆっくりのペースで、長衛小屋から1時間45分で着いてしまいました。日向ぼっこをして寛いでいると、予想通り臨時のバスを出してくれました。バスが戸台へ向けて下るにつれて木々の芽吹きの中へと入ってゆきます。一面の新緑の向こうに白銀の中央アルプスという最高のポイントがあり、歩いて写真を撮るのもいいと思いました。林道で沢山の人が大きな捕虫網を持っていました。運転手の説明ではカミキリムシを捕っているとのこと。調査のためでしょう。

仙流荘に着いたら、まずは風呂に直行。高遠行きのバスまで2時間以上あるので、ゆっくり風呂に入った後に、食堂でビールを飲みながらとんかつ定食を食べ、さらに昼寝も出来ました。高遠でバスを乗り継ぎ、伊那市駅へ。ここも無人駅で普通乗車券の券売機があるのみ。車内で横浜市内までの乗車券とあずさの特急券を購入しました。岡谷で特急の座席指定を受けようとしたところ、当然ながら満席だったので、普通で帰ろうと思い特急券の払い戻しを頼んだところ、手数料がかかるろいう。全く納得がいかないので大クレームをつけ、30分ほど駅員とのやりとりがあり、非常に不愉快な思いをしました。あずさの自由席廃止とわけのわからない仕組みで、こちらは迷惑です。幸い、各停は小淵沢で1回乗り換えただけで、高尾までゆったり座って帰ることが出来ました。

2019年5月26日(日)
GWの南アルプス(4)

朝の小仙丈ヶ岳とテント場


栗沢山森林限界付近から見上げる甲斐駒ヶ岳は巨大


北岳から塩見岳までの山々

5月4日(土)、3時半起床。快晴。マイナス1度まで冷え込み、テントのフライは霜で真っ白です。今日、栗沢山までテントを持ち上げるか思案しましたが、疲れ具合と明日の帰りの時間を勘案し、無理はしないことにしました。今日は日帰り装備で栗沢山、できればアサヨ峰まで往復することに決めました。

仙水峠へのコースはよく踏まれており、凍った雪面にアイゼンを効かせて軽い荷物で快調に登ってゆきます。北沢小屋を過ぎ、森から岩塊の斜面に出ると、強烈な朝の日差しを浴びました。雪が無い岩にアイゼンをガリガリいわせて進むと、まもなく仙水峠に着きました。休んでいると栗沢山の方から1人のおじさんが下りてきました。トレースが無く途中で引き返してきたとのこと。GWでも人が入っていないのでしょうか。登り始めるとすぐにおじさんのトレースは無くなり、古いトレースを追って登ってゆきます。雪を踏み抜くようになったので、アイゼンの上からワカンを着けました。森林限界に達したところで一休み。甲斐駒ヶ岳がもの凄い迫力で迫ってきます。ここでワカンを外し、アイゼンだけで登ります。結構雪が消えて夏道が出ているのが助かります。急な登りに息が上がりますが、ゆっくり登っていても着実に頂上は近づいてくるものです。山頂直下の雪壁を慎重に登り、大きな岩を越えると頂上に飛び出しました。

いつの間にか雲が湧き出し、甲斐駒ヶ岳とアサヨ峰が隠れてしまいました。時折、雲の間から甲斐駒の頂上が顔を出す瞬間を撮影します。これはこれで悪くありません。北岳と仙丈ヶ岳には雲はかからず、望遠レンズで撮影。アサヨ峰方向に向かうトレースは無く、天気も今ひとつなので、今回アサヨ峰は諦めここまでとします。

昼食を食べてから山頂を後にしました。直下の雪壁は雪が緩み始めたためステップを信頼出来ず、緊張しました。無事通過し、あとは着実に下ってゆきます。森林限界で再びワカンを着けました。ワカンの威力は絶大です。これが無かったらズボズボだったでしょう。仙水峠まで来ればひと安心。あとは歩き慣れた道。途中でアイゼンを外し、のんびりと下って行きました。

今日もビールが美味しい。飲んだ後は昼寝とゴロゴロして2時間ほど過ごしました。空はすっかり雲が広がってしまいましたが、時折日が射すとテントの中は暑いほど。でも陰るとまた寒くなるの繰り返し。夕方には山もガスに包まれてしまいました。くしゃみと鼻水が止まらず、夕食の後風邪薬を飲んでシュラフに入りました。
んでシュラフに入りました。

2019年5月25日(土)
GWの南アルプス(3)

ぼんやりとした朝


地蔵尾根を振り返る。出発点は遠すぎて見えません


仙丈ヶ岳山頂で出会ったライチョウ

5月3日(金)は4時半起床。マイナス3度。晴れてはますが霞が強く写真になりません。朝食を食べていると、単独の登山者がテントの横を登っていきました。

今日はストックを仕舞ってピッケルで登ります。朝は雪面が凍っており、アイゼンがよく効きます。藪沢カールの縁に出ると、頂上はもう目の前。振り返れば歩いてきた地蔵尾根がはるか彼方まで続いており、達成感は半端ではありません。疲れがたまった体が重く、何度も立ち止まりながら、やっと頂上に着きました。

頂上で腰を下ろして休憩しながら今後の行動を考えます。計画では今日栗沢山まで登る予定でしたが、疲れすぎておりとても無理。今日は長衛小屋でテントを張ることに決めました。景色を撮影していると、一羽のライチョウを発見。逃げる様子もなく、沢山写真を撮らせてもらいました。

勝手知ったる小仙丈尾根の下りはしっかり踏まれたトレースで実に歩きやすく、これまでと比べると遊歩道に感じられます。小仙丈ヶ岳で昼食を食べていると仙丈ヶ岳の上に面白い雲が出現し、シャッターを押しました。大滝の頭でも休憩。かなりヨレヨレに疲れてきました。ピッケルからストックに持ち変えて、アイゼンを引っかけないように慎重に下りました。

長衛小屋でテントを張り、今日はビールで乾杯。1時間ほど昼寝をして、夕食はレトルトのさんま蒲焼きと野菜の煮付けでちょっと豪勢に独り誕生祝い。今日はしっかり食欲があるので、明日までには少しは疲れが取れるでしょうか。

2019年5月24日(金)
GWの南アルプス(2)

森林限界付近からの大仙丈ヶ岳


幕営地からの馬ノ背と甲斐駒ヶ岳


最高のロケーション

夜中は時折雨音がしていましたが、明け方には静かになりました。5月2日(木)は5時起床。小屋の外に出ると青空が覗いていました。ゆっくり朝食を食べ、小屋を綺麗にして出発。

尾根の上に登り返すと、森に立ち込める霧に朝日が光芒となって射し込んでいました。慌ててカメラを構えましたが、残念ながら2回目はありませんでした。諦めて歩き出します。地蔵岳を登ってゆくとすぐに雪が現れ、アイゼンを着けました。昨日のものと思われる先行トレースがあり助かりますが、地蔵岳の巻き道で雪を踏み抜くようになり、アイゼンの上からワカンを着けました。これがなかなか有効でした。丸山沢ノ頭の手前のピークに、トレースの主のものと思われるテントがありました。持ち主はアタックに出ているようです。丸山沢ノ頭を巻き終わると、最後の本格的な急登に取りかかります。重荷にバテ気味でどんどん時間が過ぎてゆきます。森林限界を抜ける頃、空が綺麗に晴れ上がりました。青空に向かって雪の急斜面を一歩一歩登ってゆきます。右の尾根にトラバースする所で谷側の足が雪を踏み抜き、山側の足は木の根に引っかかり、危うくバランスを崩すところでした。落ちれば止まりそうもない急斜面です。慎重に体勢を整えて這いあがることができました。やれやれ、危なかった。尾根上に出ると、目の前に大仙丈ヶ岳の岩稜が迫っていました。今回初めて見るアルペン的な眺めです。ここからは気分の良い尾根道。テントを張れる場所を探しながら歩きます。標高2830メートルに尾根が小広くなった場所があり、雪田を整地してテントを張りました。甲斐駒の眺めが素晴らしい最高の幕営地です。

テントに入ってゆっくり休憩し、夕食を食べてから夕景の撮影に出ました。西の空に雲はなく、山々が期待通りに赤く染まってくれました。暗くなってからは伊那谷の夜景と星を撮影し、満足して20時にシュラフに入りました。

2019年5月23日(木)
GWの南アルプス(1)

登り始めの柏木の集落で


孝行猿の遺跡


松峰小屋

GWは南アルプスを計画しました。本当は南部に入りたいところですが、交通機関が無く断念。以前からずっと気になっていた地蔵尾根から仙丈ヶ岳に登り、さらに栗沢山からアサヨ峰の稜線でも撮影するという欲張りな計画を立てました。

山の上で晴天となるように、雨の予報の5月1日(水)に出発しました。八王子発6時35分の松本行き普通列車に乗りましたが、天気が下り坂なので車内は空いていました。曇り空から時々雨粒が落ちてきますが、甲府から小淵沢にかけて富士山と鳳凰三山を見ることができました。岡谷で飯田線に乗り換え、伊那市で下車。すぐにバスが接続し、高遠駅での乗り換えもスムーズでした。市ノ瀬公民館でバスを降りると、待っていたかのように雨が降り出した。公民館の軒下を借りて昼食を食べて出発。

久しぶりにザックが30キロ越えなので、ダブルストックでゆっくりペースを意識しながら柏木集落の中の車道を登って行きます。至る所に咲き乱れる春の花が美しい。登山道に入り、孝行猿の遺跡で最初の休憩。ここからは明るいカラマツ林の中を、林道を絡みながら緩やかに登ってゆきます。標高1600メートルからは尾根の南側を巻くようになり、なかなか標高が上がりません。ヤマレコに書かれていた標高1800メートルの水場辺りでテントを張ろうと思っていましたが、水が枯れていたため、松峰小屋まで行くことにします。日没との競争になりそうです。穴沢ノ頭と松峰の間のコルで最後の休憩を入れました。松峰の巻道は右下がりの片斜面が延々と続き、歩きにくい。右下に、林道が近づいたり離れたりしながら並行してしており、林道を歩いた方が楽だったかもしれません。巻道が終わり、2087m標高点へ最後の登り。ここで凍った雪が出てきたのでアイゼンを着けました。ピークを越えると雪は消えたましが、アイゼンを着けたまま先を急ぎます。松峰小屋の分岐が見え、ホッとしました。右に入り少し下った所に小屋がありました。

小屋にザックを下ろしてすぐに水場へ。沢を数分下ると水が流れていました。濡れた服を乾かすために小屋の中にテントを張りました。温かい飲み物でホッと一息。それから飯を炊き、夕食は20時になってしまいました。21時過ぎにシュラフに入りました。

2019年5月22日(水)
月山周辺の山スキー(2)

月山と葉山


稜線をゆく


1428m峰からドロップイン

4月13日(土)は5時半起床。のどかな晴天です。コンビニに寄って朝食を買ってから、葉山登山口の畑集落へ。高い山ではありませんが裾野が大きいようで、細いクネクネ道を結構走りました。畑集落まで除雪されていましたが、集落は冬季には無人となるようです。登山口の駐車場に車を止めました。朝食を食べていると数組の登山者がやってきましたが、スキーは我々だけのようです。

集落の雪原から林に入り、コルから尾根を登ってゆきます。所々の樹林の切れ間から、まっ白な月山が大きく望まれました。やがて雰囲気の良いブナ林となりました。稜線に出ると反対側は険しい斜面となっており、弧を描く稜線とともに、守門岳を小さくしたような雰囲気です。葉山頂上まではアップダウンがあり、部分的にはスキーでは上がれずツボ足で登りました。

頂上の先には葉山神社がありますが今回はパス。広い頂上で腹ごしらえをしてから来たルートを300メートルほど戻った所でシールを剥がしました。ここから真南の沢の源頭に滑り込みます。重たい雪ですがよく回ります。先行したTさんが足元からスラフが雪崩れて転倒しましたが、規模が小さく問題なし。標高差200メートルほど楽しんでから、シールを着けて1428メートル標高点へ登り返しました。ピークで再びシールをはがし、南の沢へ滑り込みます。広く快適な斜面を快適に滑り、沢が狭くなってからは左岸を巻き気味に下り、あっという間に標高930メートルの、谷が集まる小平地まで下ってしまいました。周りを山に囲まれ、静けさが漂い、随分と奥深い山懐に居るような気分になる場所です。南東の小さな沢をシールで15分ほど登ると、登りのルートに合流しました。あとは登山口までのんびりと滑りました。

今日も、昨日と同じスーパーで夕食の買い出しをして、道の駅「にしかわ」で温泉に入りました。料金は今どき300円と格安でしたが、綺麗な施設でいい湯でした。今日は姥沢の駐車場に泊まって翌朝の写真を撮ることにして、道路のゲートが閉まる前に雪山の中へと上っていきました。今夜もTさんの車の中で宴会。

4月14日(日)は明るくなった5時に起床。早速カメラを持って駐車場前の開けた展望地へ。湯殿山は月山の影になり朝日が当たらず、朝日連峰がうっすらと赤く染まった程度で、期待したほどのドラマはありませんでした。

ゆっくり朝食を食べてから月山を後にしました。寒河江から国道287号線を南下。朝日、飯豊の山々を眺めながらの快適なドライブを楽しみ、米沢でTさんと分かれました。国土13号線で福島に出て、福島飯坂ICから東北道、圏央道を経由し、17時頃に帰宅しました。

2019年5月21日(火)
月山周辺の山スキー(1)

月山リフトを背に姥ヶ岳を目指す


湯殿山へ


湯殿山からの月山


湯殿山南面を滑る


会心のシュプール

最近更新が滞っていますが、頑張って挽回したいと思います。
Facebookでも近況を発信しています。写真を沢山アップしていますのでご覧いただけると嬉しいです。

4月の上旬、しばらく週末の積雪地帯の天気が悪い周期にはまっていましたが、ようやく運が回ってきたようです。Tさんと連絡をとったところ月山方面へ行くというので、金曜を休暇にして合流することにしました。

4月12日(金)の朝7時に月山の冬季ゲートで待ち合わせなので、11日(木)は定時キッカリに会社を飛び出し、大急ぎで買い物をして帰宅。慌ただしく風呂と夕食とパッキングを済ませ、20時15分に出発しました。あきる野IC、圏央道経由で東北道へ。できるだけ距離を稼いでおきたかったので、いつもより飛ばし、深夜2時過ぎに山形蔵王SAまで来ることができました。ここで車中泊とします。

12日(金)は5時半に起き、朝食を食べて再び走ります。右手に葉山が見えましたが、月山は雲の中です。終点の月山ICを下りて、月山スキー場を目指します。7時3分前に冬季ゲートに着き、Tさんと合流しました。

車1台をネイチャーセンターの下に置き、もう1台でスキー場へ。急な道を登るにつれて雪の量がみるみる増え、すぐに雪の廊下のようになりました。さすが月山です。
スキー場の駐車場からスキーを担いでリフトへ向かいます。15分ほど歩きますが、雪上車でスキーを運んでくれる無料のサービスがあり、利用させてもらいました。リフトは雪面すれすれの高さしかなく、掘り出されて雪の壁になっている部分もあり、半端ではない積雪の多さが感じられます。上の方ではブナ林に霧氷が輝いていました。

リフトを降り、月山は視界が悪そうなので直接姥ヶ岳へ向かうことにしました。無立木の斜面にシールを効かせて1ピッチで広い山頂に着きました。風が強く寒い。当初考えていた西斜面は雪の付きが悪そうなので、スキー場方向へ滑ってから石跳沢へ回り込むことにしました。非常に重い雪でしたが何とか転ばずに石跳沢まで滑り込みました。

一休みしてから湯殿山への尾根に取り付きます。ちょっとしたシュカブラやナイフリッジのような雪の造形を撮影しながら標高を上げました。湯殿山の頂上では雄大な姥ヶ岳と月山の眺めが広がっていました。流れる雲の影に何枚もシャッターを切りましたが、霞が強いのが残念。月山の反対側には羽黒山神社を見下ろすことができました。

南側の斜面に滑り込みます。雪は重いですが、誰も滑っていない無垢の斜面にシュプールを刻むのは爽快です。写真を撮り合いながらブス沼付近まで滑り、そこからカワクルミ沢沿いにブナ林の中を滑ると石跳川に出ました。石跳川はスキー場のコースのように整地されていました。のんびりと滑ると間もなくネイチャーセンター。さらに少し滑ると車のデポ地点に着きました。

上の駐車場に置いた車を回収してから志津温泉へ。さっぱりした後は寒河江のスーパーで鍋の材料を買って寒河江の道の駅へ向かいました。
いつものようにTさんの車で宴会をやり、20時には切り上げて早めにシュラフに入りました。

2019年5月12日(日)
春の奥多摩・大岳山~御岳山

森の哲学者


海沢・ネジレの滝


御岳山参道の土産物屋


花咲く丹三郎集落

4月7日(日)、始発電車を乗り継ぎ、立川から奥多摩行きの青梅線に乗り込みました。ちょうど桜が満開で、車窓に広がる山村の風景は桃源郷の趣です。

無人駅の白丸で下車し、しばらく国道を歩いてから海沢沿いの林道に入りました。若葉とツツジの花が逆光に透けて輝いています。海沢園地少し手前で、林道脇の斜面でカモシカがじっとこちらを見ていました。静かに話しかけながら、写真を沢山撮らせてもらいました。こちらが立ち去る際も首を曲げてずっとこちらを見つめていました。

海沢園地から登山道に入るとすぐに三ツ釜ノ滝。右側の階段を登ってしばらく行くと、今度はネジレノ滝。暗く苔むしたゴルジュの中に捻れるように落ちる2段の滝が独特の雰囲気を醸し出しており、三脚を立ててじっくりと撮影しました。さらに登って行くと大滝の分岐の広場に着きました。ここから左へ数分下ると大滝の滝壺です。数枚シャッターを切ってから分岐の広場へ戻り、軽く腹ごしらえをしました。

急な小尾根をしばらく登ってから、トラバース気味に上流を目指します。左側の沢床が再び上がってきました。沢と登山道が同じ高さになったところで右岸に渡ります。倒木が多く、放置されて荒れたわさび田が散在していました。詰めの急斜面を頑張って登ると尾根の上に飛び出し、尾根をしばらく辿ると縦走路に出ました。分岐点の道標が撤去されており、登ってきた登山道の入り口は倒木で塞がれていました。いつの間にか廃道となっていたようです。ここまで来れば頂上はもうすぐそこ。登山者で賑わう頂上の一角に腰を下ろして昼食にします。春霞が強く富士山が見えないのがちょっと残念でした。

山頂直下の急斜面を下った所に大岳神社と、その下に大岳山荘がありました。トイレに寄ってから御嶽山を目指します。トラバースルートを歩く人が多いようですが、今日は稜線ルートを行くことにします。次第に曇り空になってきました。鍋割山を越えると、次に鋭くとがった奥の院峰が目の前に。ここも岩混じりの急坂を登ってゆきます。頂上には小さな祠がありました。反対側に一段下って奥の院を過ぎて急坂を下った後は、御嶽山まで緩やかな道が続きます。広い道に合流すると、そこは御嶽山の一角でした。

大勢の観光客に混じって御獄神社の参道を下ってゆきます。集落の中の道はわかりにくく、地図首っ引きです。大塚山への分岐を見つけてほっとしました。ここから先は観光客の姿は消え、再び静かな山歩きに。大塚山の山頂で最後の休憩を入れてから、歩きやすい道を丹三郎へと下りました。山麓には沢山の花が咲き、まさに春たけなわ。万世橋で多摩川を渡ると間もなく古里駅。駅のベンチで行動食の残りを食べながら電車を待ちました。

2019年3月23日(土)
仙ノ倉山・ダイコンオロシ沢滑降

エビノシッポと平標山


Yさんの滑り


ダイコンオロシ沢を振り返る

3月9日(土)に仙ノ倉山のダイコンオロシ沢を滑ってきました。

前夜に土樽PAで車中泊し、朝6時に下山予定の毛渡橋でTさんと合流。ここに私の車をデポし、Tさんの車で火打峠へ向かい、ここでYさんと合流しました。

昨日まで3日間くら降り続いたと思われる新雪が積もっており、別荘地の車道はスキーを着けて歩ける状態でした。ヤカイ沢を快調に登ってゆきます。山の中は30~40センチは積もっていますが、積雪は比較的安定している感じ。今日は期待できそうです。稜線まで上がっても雪面は氷化していません。平標山と仙ノ倉山の暗部へ、シュカブラの間を大トラバースしてゆきます。仙ノ倉山への稜線では北側斜面がエビノシッポで覆われており、素晴らしい光景です。何度も立ち止まってシャッターを押しました。

仙ノ倉山頂上でも素晴らしい展望が広がっていました。西ゼンに沢山のシュプールがついているのが見えます。行動食を食べ、シールをはがして山頂を後にしました。三ノ字ノ頭からシッケイ沢側へ200メートルほど下げてから北尾根へトラバースします。カリカリのアイスバーンでしたが、表面がザラザラしておりエッジはしっかり引っかかります。シッケイの頭から急な藪の間を慎重に横滑りで下るとダイコンオロシ沢のエントリーポイント。沢にシュプールはありません。Tさんがトップで、続けて私、Yさんの順で沢に滑り込みました。期待以上の素晴らしいパウダーです。少し下るとデブリがありましたが、雪が柔らかく、滑降の支障になりません。気持ちいぃ!と言い合いながら、あっという間に仙ノ倉谷との出合まで下ってしまいました。ここでザックを下ろし、シュプールを振り返りながら大休止。大満足の滑降でした。仙ノ倉谷の滑降は所々でストップスノーでずっこけそうに。群大ヒュッテから毛渡橋までは大汗をかきながスキーを漕きました。

私の車で火打峠へ戻り、Yさんとはここでお別れ。Tさんと二人で宿場の湯に入ってさっぱりしてから湯沢のスーパーで買い物をして、南魚沼の道の駅で車中で打ち上げをしました。

2019年2月25日(月)
桧枝岐山スキー(2)

1308メートル標高点付近


ブナ林の滑降

11日(日)は6時起床。障子を開けると雪が降っており、20センチほど積もっていました。朝食の後、今日の行く先を相談。結局Mさんと今日合流するお仲間と一緒に三岩岳へ行くことにしました。

他のメンバーと別れ、小豆温泉の少し下の夏の登山口へ。シールとクトーを付けて夏道通りに尾根に取り付きましたが新雪の下にある堅い層のために登りにくく、北側の沢から980メートルのコルに合流するルートに転進しました。沢も積雪が少なく登りるのに苦労しましたが、何とかコルに出た。ここからはジグザグに順調に標高を稼ぎます。ブナ林が見事です。今日もしんしんと雪が降り、なかな良いムード。1308メートル標高点まで登り、さらに登るMさん達をここで見送り、我々は来た道を滑ることにしました。

ブナ林の滑降は板が新雪によく浮き、まずまず楽しむことができました。標高差150メートルほどを滑ってから1回シールで登り返し、再度滑降を楽しみました。沢に下りると狭い場所やデブリに苦労しましたが、1回も転倒することなく車に戻りました。

車でたかつえスキー場に移動し、大混雑の「白樺の湯」で温まり、Tさんとはここで解散。車の中でゆっくり昼食を食べてから帰途につきました。高速には入らず、国道4号線をのんびり帰りました。

2019年2月24日(日)
桧枝岐山スキー(1)

雪化粧した森の中を登る


見事なブナ林を沼ノ平へ向かう


しんしんと雪が降る笹沼


静けさに包まれる笹沼

昨シーズンから恒例行事となった桧枝岐の民宿「檜扇」集結山スキー。2月10日(土)の朝、桧枝岐の道の駅でTさんと合流することになり、前日の21時に家を出ました。圏央道から東北道を走り、0時過ぎに西那須野塩原で高速を下りました。一気に桧枝岐まで行きたかったのですが、睡魔に勝てず、結局いつも通り田島の道の駅で車中泊となりました。

10日(土)は5時に起床。朝食を食べてから桧枝岐へ。観測史上最強クラスの寒気が来ているという割には雪が降った形跡が無く、路面は部分的に凍っている程度でした。7時5分前に桧枝岐に到着。Tさんと今日の行動を相談し、ほとんど新雪が無いのでスキーはあまり楽しめないと判断し、只見に移動して浅草岳の沼ノ平へ行くことになりました。以前から行きたかった場所なので、これはこれで嬉しいことです。1時間以上かけて叶津まで移動し、除雪の終点に車を止めました。

降り始めた雪の中を出発。登山口まで、叶津川沿いの車道の上を歩き、スノーシェッドの所から沢沿いに登ってゆきます。少雪で沢が埋まりきっていないため、ルート取りが少々難しい。左岸を登り、傾斜がきつくなるところで右岸に移りました。気温が高めなので木の枝に雪が付着し素晴らしい雰囲気です。いつの間にか20センチほどの新雪を踏んでいました。写真を撮りながらゆっくりと登り、標高690メートルからトラバース気味に山神ノ杉へ。山神ノ杉からは見事なブナ林の中を進みます。ブナ太郎、ブナ次郎の巨木を見てからシールを着けたまま小三本沢へ滑り込み、スノーブリッジを渡り、30メートルほど登り返すと沼ノ平に着きました。

笹沼にしんしんと雪が降り、静寂に満ちていました。雪が小降りになると、水面は鏡となり、ブナ林が映り込んでいました。ザックを下ろしてひと休みしてから、笹沼を半周して曲り沼へ向かいます。樹林の中をアップダウンしてゆくと、先の方に雪原となった曲沼が見えてきました。曲沼の雪原を少し歩いてから引き返すことにしました。笹沼を残り半周して岸に出ると、さきほどは見えなかった浅草岳山腹の尾根が姿を見せていました。

沼ノ平を満喫できたので、下山することにします。帰りもシールを着けたまま小三本沢へ滑り込み、山神ノ杉まで登り返した所でシールを外しました。ここから標高差350メートルほどの滑降です。底がある新雪といった雪質で、十分楽しむことができました。平坦な車道をストックでスキーを漕いで車に戻りました。

桧枝岐に戻り、檜扇に着いたのは17時を過ぎていた。先に部屋に入っていたYさん、Iさん、Aさん、Mさんに挨拶し、隣の燧の湯に入って宿に戻るとすぐに夕食。豪華な料理が並び、ビールと日本酒が美味い。部屋に戻ってからも飲み会が続きましたが、昨夜3時間睡眠だった自分は先に布団に入りました。

2019年2月23日(土)
初山スキーで平標山へ

賑やかなパーティー


激しい雪煙が舞うピーク


ヤカイ沢右俣を滑る

2月の最初の週末、平標山へ今シーズンの初山スキーに行きました。天気が良い日曜日に平標沢を滑ることになり、2日(土)土曜日はのんびりと一般道を走って南魚沼の道の駅でTさんと合流することにしました。

9時半に家を出発。今回は国道16号線から407号線経由で17号線へ。渋滞は無いものの、やはり時間はかかります。月夜野まで来た所で日が傾いてきました。ここしばらく雪が降っていないようで、三国峠までの路面は乾いていましたが、トンネルを抜けると雪が降り始め、下るにつれてなんと雨に変わりました。湯沢の街では予想外の渋滞に巻き込まれてしまいました。スーパーで夕食の買い出しをして、19時半にようやく南魚沼の道の駅に到着。既に出来上がっていたTさんと合流し、車中で宴会。

10日(日)は5時起床。星が出ていました。コンビニで朝食を買って火打峠へ向かい、駐車スペースを確保してからゆっくり朝食を食べ、登山の準備。

別荘地から林道に入り、いつもの通りヤカイ沢へ。スキーヤーだけでなく登山者も多く、10人ほどの賑やかなパーティーと抜きつ抜かれつ登ってゆきます。シールが利く雪質で、快調に標高を稼ぎます。森林限界の手前で休憩。いい天気ですが、心なしか春霞がかかっているように感じられます。稜線に出ると少し風が出てきました。山頂に雪煙が上がっているのが気になりますが、足元のシュカブラを前景に仙ノ倉山を撮影しながら広大な斜面を登ってゆきました。

平標山の頂上に着くと、一気に風が強くなりました。南風でです。北斜面へ一段下がって風を避け、今後の行動を相談しました。平標沢の下り口となる隣のピークに激しい雪煙が上がっており、今回は行くのを止めてヤカイ沢を滑ることにしました。

ゆっくり休んでいられる状況ではないので早速シールを外して山頂を後にしました。ヤカイ沢右俣の下り口まで下がると風が弱まったので、ザックを下ろしてひと休み。景色を眺めながら腹ごしらえをします。次第に曇ってきましたが、苗場山にいい光が当たっており、しばし撮影タイム。ヤブの間を抜けて沢に滑り込みます。ブレーカブルクラスト気味ですが曲がることはできます。下るにつれて重たいパウダーになり、まずまず楽しめます。あっという間に上りのトレースに合流し、林道まで下ってしまいました。別荘地の車道も雪に覆われていたので、車までスキーを履いたままで楽々戻ることができました。

2019年2月21日(木)
丹沢・畦ヶ丸

本棚


大室山は雲の中


幻想的なミツマタの群生

久しぶりの更新です。
1月20日に畦ヶ丸に行ってきました。今回は新松田まで小田急で行き、そこからバスで西丹沢ビジターセンターまで入りました。

ゆっくり準備をして、トイレを済ませて歩き出します。西沢沿に、いくつかの堰堤を越えて登り、標高700メートル付近で左の下棚沢に入ると、すぐに下棚に到着。この冬は気温が低めなので氷の写真が撮れるだろうと予想して行きましたが、期待に反して全く凍っていなませんでした。西沢へ引き返し、少し上流で左の本棚沢に入ります。こちらもすぐに本棚に着くが、やはり全く凍っておらず、がっかり。それでも三脚を立てて何カットか撮影しました。気持ちを切り替え、善六のタワまではトレーニングのつもりでハイスピードで登るりました。気持ちよく汗をかき、善六のタワの少し上のベンチで休憩。ここから畦ヶ丸まで、冬枯れのブナ林の尾根を味わいながら登りました。

頂上ではすっかりガスってしまい、寒くなってきました。ベンチでお湯を沸かし、カップうどんとおにぎりの昼食。温かいうどんが美味しい。ゆっくり休んでから山頂を後にします。山頂すぐ先の避難小屋から大勢の人の声が聞こえて来ました。下山は大滝沢コースへ。14時台のバスに間に乗りたかったのでハイペースで下ります。途中、所々にミツマタの群生があり、幻想的な美しさをカメラに収めました。

大滝橋バス停に着いてから10分ほどでバスがやってきました。途中からの乗車なので座れないだろうと予想していましたが、休日だというのにおり、新松田からの電車も始発でガラ空き。快適に、早い時間に帰宅できました。

2019年1月18日(金)
正月山行 塩見岳(4)

雪の朝


雪に閉ざされた三伏峠小屋

山行の最終日、5日(土)は5時に起床。夜中に雪が降り始め、テントの表面をサラサラと落ちる音がしていました。今日は朝の撮影はせずに下山することにまりました。朝食の後、テント以外の全てをパッキングしてテントを出ます。ちょうどそのタイミングで雪が止みました。テントを撤収し、3泊したテン場を後にしました。

10センチほど積もった新雪を踏んで三伏峠小屋へ。小屋の周りには全く足跡がありません。昨晩峠に泊まったのは自分一人だけだったようです。自分が正月休み最後の下山者ということです。新雪を踏んでどんどん下ります。塩川分岐から下も道形ははっきりしておりほとんど問題ありませんでしたが、最初のルンゼをトラバースする所は上から流れてきた雪が溜まり、雪の急斜面と化していました。ここは緊張しながら慎重に1歩ずつ通過しました。1ピッチで豊口山のコルまで下ってきました。ここで休憩を入れ、あとは雪が少なくなった道を登山口まで下りました。

アイゼンを外して林道を歩きます。積雪は僅かですが、所々で雪の下がツルツルに凍っているため、ストックが手放せません。雲が激しく動き、所々の切れ間から青空が見えるようになってきましたが、主稜線は依然として雲に包まれたままです。夏期駐車場を過ぎて尾根を回り込んだ所に水場がありました。道路の真ん中にザックを置き、おいしい水をたっぷり飲んで休憩しました。冬季ゲートまであと1ピッチ。夕立神パノラマ公園まで来たところで、一気に青空が広がりました。日だまりをのんびり歩き、冬季ゲートに到着。充実したよい山行でした。

車にザックを放り込み、松川インター近くにある村営の温泉「清流苑」へ。安くて立派な温泉でさっぱりしてから食堂でソースカツ丼の昼食。大満足して帰途につきました。

2019年1月17日(木)
正月山行 塩見岳(3)

烏帽子岳からの仙丈岳、間ノ岳、塩見岳


最高のロケーション

4日(金)、4時にアラームが鳴りましたが、とても起きる気になれず、結局6時に起床。昨夜は水筒で湯たんぽを作ってシュラフに入れたおかげでよく眠れました。

朝食を食べて、すっかり明るくなってから烏帽子岳へ向かいます。こちらもトレースはバッチリです。昨日の疲れは残っているものの、一晩でかなり回復しました。烏帽子岳の頂上でのんびりと写真を撮りました。風は弱く、何だか雪山ハイクといった気分です。今日は北アルプス全山まではっきりと見渡すことができます。冬型の気圧配置が緩んだようです。時間はたっぷりあるので、前小河内岳まで行くことにしました。撮影のモチーフを探しながらの稜線漫歩を楽しみ、前小河内岳山頂でもゆっくり休んでから引き返しました。塩見岳に光が回り、先ほどとはまた違う眺めを楽しみます。烏帽子岳では北斜面のシュカブラにも光が回り、それを前景にした富士山のカットを撮影できました。満足してテントへと下りました。

午後はお茶を飲みながらのんびり過ごしました。きれいな水もたっぷり作りました。今日の夕方も夕照の前小河内岳、小河内岳、塩見岳を撮影。夕食後に星のタイムラプス撮影を始めましたが、1時間ほどで曇ってしまい、途中で断念して寝ることにしました。気温は昨晩より10度も高いマイナス8度。

2019年1月16日(水)
正月山行 塩見岳(2)

朝日に染まる


塩見岳山頂直下の岩場


山頂を独り占め

3日(木)、4時起床。予想に反して曇っていますが予定通り塩見岳へ向かうことにして朝食を食べ完全装備でテントを出ます。今日はヘルメットも被りました。

ヘッドランプを点けて出発。三伏山からは西が晴れているのが見えました。南アルプスのピークは全て雲がかかっている状態。今日はこの後晴れると予想し、先に進みます。本谷山の登りで日の出を迎え、雲と霧氷が赤く染ました。本谷山から望む塩見岳は依然として雲に隠れています。権右衛門山をトラバースし、急な樹林の中を登ってゆくと、再び稜線に戻り、やがて森林限界を抜けました。山にかかっていた雲が消えつつありました。霧氷が美しい。ひと登りで塩見小屋。ここで塩見岳のピークも姿を現しました。ストックからピッケルに持ち替え、気を引き締めて最後の登りにかかります。トレースがついているのでルートの心配はありませんが、滑落は致命的。緊張を持続させながら慎重に足を運びました。

なんとか昼前に西峰に登り着きました。久々の冬の3000メートル峰です。東峰をピストンしてから西峰で大休止。大展望を眺めながら腹ごしらえをし、記念写真を撮りました。

さあ下山です。明るいうちに三伏峠に戻れるか微妙ですが、頂上直下の岩場は絶対にミスは許されません。上り以上に慎重に一歩一歩足を運びました。それでも下りは早く、あっという間に塩見小屋を通過。樹林帯に入ったところでストックに持ち替えて先を急ぎます。本谷山への登り返しは覚悟はしていたもののやはり長く、ギアを入れ替えて重荷モードでゆっくり立ち止まらないよう意識して登りきりました。再び下り、三伏山への最後の登り返し。日が傾き、急激に冷え込んできました。長い一日に体力もそろそろ限界が近い感じ。山々が赤く染まる頃、ヨレヨレになって三伏山に登り着きました。ここでテルモスが空になりました。夕照の山々を撮影してテントへと下りました。格別の達成感です。

テントの外の温度計を見ると、マイナス18度を指していました。まずはお湯を沸かしてたっぷり水分補給。それから水作りと夕食。21時にシュラフに入りました。

2019年1月15日(火)
正月山行 塩見岳(1)

冬期ゲートから林道歩きスタート


前小河内岳と小河内岳(鳥倉林道から)


夕照の塩見岳

年明け最初の山行は、2日(水)から塩見岳を目指しました。

早朝に横浜の自宅を出て中央道を西へ。小淵沢を過ぎると急に雪が降り出し、たちまち路面が白くなりスピードダウン。除雪車も出動していました。辰野あたりで天気は回復し、積雪も無くなりました。松川ICを下り、小渋川に沿って大鹿村へ。急傾斜の集落の中の細い道をぐいぐい上って鳥倉林道へ入ってゆきます。標高が上がると雪道になりました。標高1460メートル地点に冬季ゲートがあり、ゲートの前に車が3台止まっていました。自分は少し戻った所の駐車場に車を置きました。

さあ、林道歩きの始まりです。夕立神パノラマ公園までは上りですが、そこからは夏期ゲートまではほぼ平坦な道が続きます。夏期ゲートの手前からは、真っ白な前小河内岳と小河内岳が望まれました。夏期ゲートから登山口までは、再び上り坂。

登山口の広場で腹ごしらえをして、ゆっくりと登り始めましたが、わずかな雪が凍って滑りやすく、すぐにアイゼンを着けました。豊口山のコルから次第に積雪が増えましたが、しっかり踏まれており快適に歩けます。ルンゼのトラバースも特に問題ありません。塩川分岐からの最後の登りがきつく、所々で樹間から見える塩見岳や仙丈岳に励まされながら頑張りました。

三伏峠小屋のテン場には大きなテントが2張り。ここを素通りして、少し下の開けたお花畑の所にテントを張ることにします。ちょうど塩見岳が夕日に染まるところでした。まずは塩見岳を撮影してからヘッドランプを点けて入念に生地し、テントを張りました。気温はマイナス13度。テントに入ってしょうが湯で体を温めてから水を作り、夕食。明日は塩見岳往復の長い一日になるので、急いでシュラフに入りましたが、20時30分になっていました。

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