撮影日和     

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2022年12月31日(土)
丹沢トレーニング山行

大山で男鹿と出会った


大山からの富士山、赤石岳、表尾根


塔ノ岳はガスの中

12月29日(木)、2022年の登り納めとして、丹沢へトレーニングに行くことにしました。始発電車に乗り、6時30分に大山ケーブルバス停に着きました。

観光客が来る前の静かなこま参道を通り抜け、男坂を上ります。途中で太陽が昇り、石段が真っ赤に染まりました。阿夫利神社下社の登山道入口のベンチでひと息入れました。ここから山頂まで、久しぶりに汗びっしょりになりながら上ってゆきます。山頂の手前で立派な角を持った鹿に遭遇しました。大山山頂では空気が澄んでおり、スカイツリーがはっきり見えました。反対側に回り込むと富士山、赤石岳まで望むことができました。

イタツミ尾根を下り、ヤビツ峠を通過し一気に富士見橋まで歩いて休憩。二ノ塔への上りも汗だくです。一気に三ノ塔まで歩き、山頂のベンチで昼食にしました。カップラーメンが美味い。富士山、南アルプスと丹沢の山々の眺めが素晴らしい。上空には沢山のハンググライダーが旋回していました。

一旦大きく下り、烏尾山へ上り返します。ここから塔ノ岳まではアップダウンが続きます。午後は冬型気圧配置になり寒気が入って来るという天気予報通り、雲が多くなってきました。撮影するものも無いので、黙々と歩きに集中しました。塔ノ岳山頂はガスに包まれていましたが、風は弱く穏やかでした。ひと休みして行動食を食べ、大倉尾根を下ります。

足がかなり疲れてきましたが、ストックは使わずに長い階段を下ってゆきます。大倉尾根は毎日登山をやっているような速い登山者が多く、どんどん追い抜かれました。堀山ノ家で休憩を入れ、暗くなる前ギリギリに大倉に着きました。

ジオグラフィカのログを見ると、今日の累積標高差はなんと上り下り2000メートルもありました。予想以上に沢山歩くことができたことに満足して、帰途につきました。

2022年12月27日(火)
ふたご座流星群を撮影しに夜叉神峠へ

白峰三山と流星


静かな朝


白峰三山と残月

ふたご座流星群の極大日は冬型気圧配置となり、太平洋側では見ることができそうです。4年前にも夜叉神峠で撮影に臨みましたが、流星をとらえることが出来なかったので、今年再挑戦することにしました。

12月14日(水)、9時過ぎに自宅を発ち、国道20号線で甲府へ向かいました。道の駅甲斐大和で昼食を食べ、夜叉神峠登山口に14時15分に到着。

歩き始めてすぐに雪の上を歩くようになりましたが積雪量は少なく、スパッツは不要でした。凍ってもおらず歩きやすい。体が軽く、1時間10分ほどで夜叉神峠に着きました。峠の積雪は約5センチ。強い寒気の影響で、やはり白峰三山は濃密な雲に包まれています。自分以外には誰も居ません。

まずはテントを設営。日が暮れると一気に冷え込んできました。ご飯を炊き、レトルトのハンバーグと筑前煮の夕食を食べました。

体が温まったところで、19時20分頃に撮影のためにテントを出ました。既に-10℃まで下がっています。なんと白峰三山の雲が消え、山がはっきりと見えています! 24mmレンズを白峰三山に向けてシャッターを切り始めました。カメラが勝手にシャッターを切り続ける間、ずっと空を見上げます。今回は期待通りにかなりの数の流星を見ることができました。レンズの画角内にもいくつも流れてくれました。22時前、山に影が出来ているのに気がつきました。振り返れば、冬枯れの森の向こうに月が出ているのが見えました。月明かりが次第に強くなり、22時20分に撮影を終了。寒い中で3時間の撮影でしたが、流星群をしっかり撮影でき大満足です。冷え切った体を生姜湯で温め、23時にシュラフに入りました。

翌15日(木)は6時15分起床。雲ひとつない快晴です。とりあえずモルゲンロートの白峰三山を撮影してから、朝食にラーメンを食べ、ゆっくりテントを撤収しました。白峰三山に別れを告げ、夜叉神峠を後にしました。下りは速く、35分で登山口まで下りてしまいました。

帰路も国道20号線を走り、道の駅甲斐大和で昼食。15時半に帰宅しました。

2022年12月26日(月)
屋久島(6)

楠川歩道


苔むす森


わし掴み

12月2日(金)、6時起床。実質最終日は白谷雲水峡へ。朝食を食べて出発。宮之浦を通って白谷雲水峡まで1時間ほどかかりました。

小雨が降っており、ザックカバーを着けて歩き出します。白谷雲水峡の入口は平日でありながら多くの観光客で賑わっていました。混雑を避けるため、まずは最短の楠川歩道を苔むす森へ向かいます。雨に濡れた緑が美しく、往きは写真を撮らないつもりでしたが、なかなかそうもいかず、何度か三脚を立てました。苔むす森では我々のほかは誰も居ませんでした。あれほど居た観光客は、ここまでは来ないようです。さらに少し上った所で引き返し、白谷山荘の軒下で弁当を食べました。隣のベンチのガイドさんの話し声が聞こえてきます。15年前に屋久島に移住してガイドになり二人の子供を育て上げたこと、現在は仕事の8割が縄文杉への案内だということなど、興味深い話でした。

奉行杉コースを下ります。こちらにはほとんど人が居らず、気兼ねなく三脚を立てて撮影できます。いくつもの沢と尾根をトラバースし、水と緑の森を満喫しました。

駐車場に戻り、ホテルへの帰途につきます。土産物屋に寄ったりして遅くなってしまい、今日も慌ただしく風呂に入って夕食。今日は和食で、珍しい旭蟹や鹿児島黒豚のしゃぶしゃぶなど、大変美味しくいただきました。明日は10時の飛行機に乗るため、部屋に戻ってから荷物をパッキングしました。焼酎やフルーツなどお土産が重たい。


12月3日(土)、6時起床。最後まで晴れることはありませんでした。朝食を食べ、8時にホテルをチェックアウト。クーポン券の約半分を酒代の支払いに使いました。レンタカーを返却し空港で搭乗手続きをしましたが、飛行機の到着が遅れた影響で出発も15分ほど遅れました。離陸してすぐに雲の中に入ってしまい、屋久島の山は全く見ることができず残念。鹿児島空港の土産物屋でクーポン券の残りを消化し、昼食は「いわさきのキッチンさつま」で黒豚とんかつを食べました。羽田への便も15分ほど遅れて出発。気流が悪かったようで、かなり揺れました。

羽田空港で荷物を受け取りパッキングし直しましたが、あまりの重さで電車で帰る気になれず、リムジンバスで自宅に向かいました。

2022年12月25日(日)
屋久島(5)

大株歩道をゆく


縄文杉

12月1日(木)、3時20分起床。4時過ぎにフロントで弁当を受け取り、車で荒川登山口へ向かいます。一番乗りでしたが、車の中で朝食を食べている間に次々に登山者が到着し賑やかになってきました。

ヘッドランプを点けて出発。小杉谷集落跡まで来ると空が明るくなってきました。快調なペースで進み、大株歩道入口でトイレ休憩。ここから本格的な上りとなりますが、木の階段が整備されており歩きやすい。ウィルソン株で定番のハートマークを撮影。さらに登ると大王杉。新しく整備された木道(展望デッキ)から眺めると大迫力です。大王杉のすぐ上で夫婦杉を見て、しばらくアップダウンを繰り返すとようやく縄文杉を眺めるデッキに到着しました。8年前とはすっかり変わっており、北側の高い位置にもデッキが出来ていました。着いた時には濃かった霧がやがて薄くなり、縄文杉の全体を眺めることができました。二つのデッキを移動しながら30分ほど縄文杉の長い歴史に思いを馳せました。

後続のガイドパーティーが到着し賑やかになってきたので、縄文杉を後にしました。夫婦杉まで下り、木道の休憩スペースで昼食。今日もホテルの弁当が美味い。ウィルソン株では大勢の登山者が上ってきていました。大株歩道入口でトイレ休憩。雨が降り出しましたが、本降りになることはなく、しばらくして雨は上がりました。森林軌道をハイペースで歩き、朝はまだ暗かった小杉谷石塚集落跡で休憩を入れ、さらに1ピッチで荒川登山口に帰り着きました。かなりとばしましたが、たっぷり10時間行動の一日になりました。

結局今日もホテルに帰るのが遅くなり、慌ただしく風呂に入りました。夕食は和食のコースに舌鼓を打ちました。22時に就寝。

2022年12月24日(土)
屋久島(4)

大川の滝


志戸子のガジュマル

11月30日(水)、6時に起きると雨は上がっていましたが、朝食の時間には再び本降りの雨となりました。今日も山に入るのを諦め、観光することにします。

9時前にホテルを出て、再び大川の滝へ。期待通り昨日の雨で増水し、三日前とは見違えるような滝に変身していました。今日は屋久島を一周することにして、西部林道へ向かいます。今日も沢山のヤクシマザルとヤクシカと出会いました。島の北西側へ回り込んで行くと風が強くなり、海は激しく白波が立っていました。屋久島灯台と永田のいなか浜に寄り、志戸子ガジュマル公園でガジュマルの不思議な姿を観賞。この頃にやっと雨が上がった。昼食は宮之浦でトビウオの唐揚げ定食。午後は安房の屋久杉自然観へ行き、屋久杉と人との関わりの歴史に関する展示を2時間近くかけてじっくりと見ることができました。

16時半頃にホテルに戻りました。夕食は和洋折衷。今日も大満足。明日はいよいよ縄文杉を訪ねることにしました。21時に就寝。

2022年12月23日(金)
屋久島(3)

増水した千尋滝
夜中は激しい雷雨となりました。11月29日(火)は6時に起床。7時から美味しい朝食をゆっくり楽しみました。

今日は雨の屋久島を味わうべく、まずは増水した千尋滝へ。ちょうど雨の止み間に展望台へ。ガスの切れ間に姿を現した滝は凄まじい量の水を落とし、滝壺から豪快な水煙が舞い上がっていました。まさに期待通りの大迫力でした。次は宮之浦へ移動し、環境文化村センターで屋久島の紹介映像を観賞し、展示を見学。近くの食堂で昼食を食べ、お土産に鯖節と焼酎の愛子を買い、激しい雨の中をホテルに戻りました。

今日は早めにホテルに戻れたので、ゆっくり温泉に浸かることができました。今日も豪華な夕食(和食)を楽しみました。21時就寝。
2022年12月22日(木)
屋久島(2)

切株に抱きつく


太忠岳山頂の天柱石と一瞬の青空


巨木の森で
11月28日(月)、5寺20分起床。ホテルに頼んでおいた朝と昼のお弁当を受け取り、まだ真っ暗な6時過ぎにホテルを出ました。小一時間走って7時過ぎにヤクスギランドに着き、車の中で朝食を食べました。

出発する頃にはすっかり明るくなりましたが、ヤクスギランドの鬱蒼と茂った森は驚くほど暗く、手持ち撮影が難しい。あまり三脚を立てる時間は無いので、感度を上げて手持ちで撮影するしかありません。蛇紋杉から本格的な登山道になりました。苔と巨木の森の中をアップダウンを繰り返しながら少しずつ標高を上げてゆきます。平日だけあって登山者は少ないですが、時折、ガイド連れのグループとすれ違いました。標高1300メートルから最後の急登。花崗岩の大岩が目立つようになると、稜線を左に回り込むようにトラバースし、180度折り返して稜線上を太忠岳山頂へ向かいます。ロープが下がった岩場をいくつか越え、ガスの間に天柱石が見えてくると、その基部へ下ってゆきます。基部から太いロープにすがって上るとゴールのテラスでした。

風が強く、一瞬ガスが切れるとなかなかの高度感が怖い。再びロープで基部へ下り、そこで昼食にします。温かい味噌汁を飲みながら食べるホテルの弁当がとても美味しい。

景色が見えなかったのが残念でしたが、いずれまたここにやってくる予感がします。太忠岳を後にして、ヤクスギランドへと下ります。下りも意外に時間がかかり、蛇紋杉からは短い50分コースを通って車に戻りました。

車が走り出すタイミングで雨が降り始めました。すっかり暗くなってから宿に戻り、今日も慌ただしく風呂に入って夕食となりました。今日の洋食もまた大満足。明日は終日雨の予報なので、夕食後はのんびり過ごして22時に就寝。
2022年12月21日(水)
屋久島(1)

屋久島空港からの愛子岳


西部林道はサファリパークの様相
8年前に初めて屋久島に行きましたが、その後再訪したいと思い続けてきました。今回、全国旅行支援を利用して1週間の屋久島行が実現しました。

11月27日(日)、5時に自宅を出て羽田空港へ。まず手荷物を預け、朝食をと思いましたが、ほとんどのレストランがまだ閉まっており、結局、地下のパン屋のモーニングセットで済ませました。

鹿児島へのフライトは終始素晴らしい晴天で、富士山、南アルプスを見下ろし、鹿児島空港への着陸時は霧島連山をくっきりと望むことができました。屋久島へはプロペラ機に乗り換え30分ほどのフライト。桜島、開門岳を真下に見て、やがて屋久島の山々が目に飛び込んで来ました。いよいよやって来たのだと気持ちが高ぶります。

飛行機を降りると、一瞬ムッと感じるくらい気温が高い。小さな空港で手で運ばれてきた荷物を受け取ってゲートを出ると、レンタカー屋の迎えが来ていました。トヨタヴィッツに荷物を積み込み、1週間の屋久島生活がスタート。まず安房で昼食。閉まっている店が多く、やっと見つけたワルン・カランという店に入りました。ランチプレートはおかずの種類が多く、どれもがとてもおいしい。

午後は大川の滝へ。最近雨が少なかったのか水量が少なく、迫力が今一つでした。その後は西部林道へ。期待通り、ヤクザルとヤクシカをたっぷり見ることができた。来た道を引き返し、尾の間のAコープで買い物をしてから17時過ぎに屋久島いわさきホテルにチェックインしました。

到着が遅くなってしまったので大急ぎで風呂に入り、レストランで夕食。この日は和食でしたが大変おいしく、生ビールと三岳の原酒も飲み大満足。21時過ぎにベッドに入りました。
2022年12月20日(火)
上高地(新入会員歓迎撮影会)

大正池からの穂高連峰


イワナの産卵行動(田代池)


一瞬の光
所属する全日本山岳写真協会の新入会員歓迎撮影会で、上高地へ行きました。コロナ禍のため3年ぶりの実施となりました。

11月12日(土)、マイカーで松本へ向かいました。途中、双葉SAのレストランで朝食。松本で高速を下り、沢渡バスターミナルの駐車場に9時過ぎに着きました。紅葉シーズンを過ぎたこの時期、さすがに駐車場は空いていました。それでもシャトルバスは公共交通機関利用の観光客で満員でした。

大正池でバスを降り、大正池へ下りる所で会のTさんとバッタリ。朝から来て撮影していたとのこと。紅葉はすっかり終わっており、今回はカラマツの葉も全く残っていません。無風の穏やかな天気で、鏡のような水面に綺麗に穂高が映っていました。田代池ではイワナの産卵行動を見ることができました。田代橋のベンチで昼食を食べ、右岸歩道から今日の宿の上高地アルペンホテルに14時前に到着。まだ時間があり、明日は天気が悪くなる予報なので、今日中に岳沢湿原へ行くことにしました。静かな岳沢湿原を撮影してから河童橋に戻り、集合時間の16時ぎりぎりまで斜光の穂高を撮影しました。

ホテルで他のメンバーと合流。男女別に入ったハイカーズルームは2段ベッド形式で、コロナ禍においてはとても良い形式ですが、仲間と会話をするには今一つ。温泉に入ってから夕食を食べ、食後は広い部屋を借りて勉強会を開催。PCを使って、この日に撮影した写真を皆さんに見てもらいました。

翌13日(日)は5時半に起床。曇っており星は全く見えませんが、皆やる気満々なので、ダメモトでカメラを持って外に出ました。河童橋まで行き、白樺荘横に三脚を立てました。穂高は雲に包まれていましたが、日の出の瞬間だけ奇跡的に雲が赤く染まり、西穂側の斜面をスポットライトが照らしました。河童橋の対岸まで走り、スポットライトをとらえることができました。

朝食を食べて河童橋で集合写真を撮り、撮影会としてはこれで解散となりました。れから天気が崩れることは分かっているので、自分はこのまま帰ることにして、シャトルバスで沢渡へ向かいました。
2022年12月19日(月)
晩秋の東北(8)

朝霧漂う北上川

10月31日(月)、朝、部屋のカーテンを開けると、目の前が北上川でした。日の出前の川面には朝霧が漂っていました。朝食は久々のバイキング形式でした。

国道4号線を道の駅に立ち寄りながら南下します。昼過ぎまで下道を走り、利休で牛タンを食べ、泉ICから高速に入りました。首都高で都内を通り抜け、20時過ぎに帰宅しました。今回の旅で美味しい物を沢山食べたので、夕食はパンで簡単に済ませました。

2022年12月18日(日)
晩秋の東北(7)

かたまえ山森林公園からの田沢湖


小岩井農場にて

10月30日(日)、朝起きると昨夜からの雨はすでに上がり、田沢湖に日が差し始めていました。朝食を腹一杯食べ、ホテルをチェックアウト。

まずは旅行支援のクーポン券を使用すべくガソリンスタンドで給油してから、田沢湖を一周しました。途中でかたまえ山森林公園の案内板を見て寄り道。高台から見る田沢湖のエメラルドグリーンが美しい。田沢湖駅近くのグランマートでクーポン券を使い切り、小岩井農場へ向かいます。途中、道の駅雫石あねっこにも立ち寄りました。

小岩井農場では、まず昼食にピザとメンチカツを食べてからまきば園を散策。いかにも観光用に作られた公園でしたが、続けて入った上丸地区は重要文化財に指定された建物や小岩井農場資料館があり、小岩井農場のイメージそのままの世界を味わうことができました。農場見学後は下道をホテルシティプラザ北上まで下道を走り、18時前にチェックインしまし。

部屋に荷物を置いてから夕食に出ましたが、駅周辺には見事に飲食店がありませんでした。諦めてホテルに戻る途中でマルハンの中にある食堂を見つけ、なんとか夕食にありつきました。

2022年12月17日(土)
晩秋の東北(6)

焼森からの男岳と男女岳


岩手山を正面に焼森から下る

10月29日(土)、6時に起きて部屋のカーテンを開けると、素晴らしい景色が広がっていました。散り始めの紅葉の樹海の先に田沢湖が見えています。昨夜からの雨は上がり、少しずつ青空が広がるところでした。

朝食を食べてから登山の準備をして、車で八合目へ向かいます。八合目駐車場では冷たい風が吹いていました。フリースと雨具の上下を着込み、フリースキャップと手袋も着けて歩き出します。男女岳を半時計回りに巻くようにつけられた道を上ってゆきます。途中の片倉岳展望台からは田沢湖がよく見えました。再び空は曇ってしまい、男女岳にはガスがかかり始めました。阿弥陀池では寒風が吹き抜けています。避難小屋に入って小休止してから男女岳へ。途中では周りの山が見えていましたが、頂上に着くタイミングでガスってしまいました。記念撮影してから、風を避けて少し戻った登山道脇でカップラーメンとパンの昼食を食べながらガスが切れるのを待ちました。残念ながら食べ終わってもガスは切れず、山頂を後にしました。

帰りは焼森から赤倉尾根経由で八合目へ戻ることにします。避難小屋から横岳に上り返すと、反対側に女岳と小岳の箱庭的な風景が広がっていました。焼森までの稜線は冷たい強風が吹いていました。再び青空が広がり始め、岩手山の山頂部が雪で白くなっているのが見えました。焼森からは八合女駐車場が意外に近くに見えます。稜線から少し下ると風は弱まり、のんびりと駐車場まで下りました。

宿に戻り一休みしてから、周辺を散策しました。黄葉のブナ林を少し歩いてから、アルパこまくさまで上がり、ビジターセンターで秋田駒の紹介映像を観賞。夕日に色付く秋田駒と田沢湖を見て宿に帰りました。

ゆっくり温泉に浸かり、今夜も地ビールを飲みながら豪華な夕食を楽しみました。明日は観光しながらのんびり帰ろうという話になり、北上のビジネスホテルを予約しました。

2022年12月16日(金)
晩秋の東北(5)

八幡沼


鏡沼

10月28日(金)、6時前に起きて朝風呂へ。予想に反して青空が広がっています。朝食を食べ、その後隣のマタギ資料館を見学。スマホで解説を聞けるようになっており、マタギ文化の一端を知ることができました。

宿を出て、マタギ発祥の地といわれている根子集落に寄ってみました。車1台の狭いトンネルを抜けた山間に、ひっそりと小さな集落がありました。展望台から写真を撮ってから、来た道を引き返しました。

八幡平目指して車を走らせます。道中、ブナの森がの紅葉が見事でしたが、大沼まで登ると冬枯れの景色に変わってしまいました。八幡平温泉ゆららの食堂でとんかつ定食を食べてから八幡平登山口へ。一段下の無料駐車場に車を止めました。

天気は下り坂で、歩き始める頃にはすっかり曇ってしまいました。舗装された遊歩道を上り、まず八幡沼を1周。紅葉は終わっていますが、湿原の草紅葉が美しい。展望台で八幡沼とガマ沼を見てから八幡平頂上へ向かいます。一帯は平坦な樹林帯なので、頂上には大きな櫓が建てられていました。上に登ると、森吉山や八甲田山を望むことができました。「八幡平頂上」の標識の前で記念撮影をして、めがね沼、鏡沼を通って登山口に戻りました。

今日の宿、田沢湖温泉のホテルグランド天空へ向かいます。田沢湖駅近くのスーパーで秋田駒登山の昼食とお土産に稲庭うどんを購入。降り出した雨の中を宿へ向かいます。着く頃にはすっかり暗くなっていました。

温泉で温まり、豪華な夕食を腹一杯いただき、今日も大満足。明日の天候回復を祈りつつ布団に入りました。

2022年12月13日(火)
晩秋の東北(4)

小又峡を歩く


落葉にも足が止まる

昨晩は星の撮影で体が冷え切ってからシュラフに入ったため、夜中も寒くて何度も目が覚めてしまいました。10月27日(木)、6時起床。今日も快晴です。マイナス2度くらい。昨日ほどではありませんが、芝生は霜で真っ白です。朝食に味噌煮込うどんを食べ、霜でびしょ濡れのテントを日光で乾かしながら撤収します。山腹の散り残りの黄葉が美しく、何度も作業を中断して撮影しました。

管理人に挨拶をしてから9時半に出発。太平湖の遊覧船乗り場へ向かいます。10時30分の船にぴったりのタイミングで着きました。チケットを購入し、乗り場まで10分ほど斜面を下りました。船から見る湖岸の紅葉はちょうど今がーク。30分弱で小又峡桟橋に着き、ここから三階滝まで遊歩道を歩きます。個性的な滝や深い淵、甌穴などの渓谷の奇観と美しい紅葉を存分に楽しむことができました。途中で昼食を食べてゆっくり過ごし、桟橋に戻りました。帰りの船に乗る頃には曇ってしまいましたが、しっとりとした紅葉もまた美しいものです。今日の小又峡は期待以上に楽しむことができ、充実した1日となりました。

今日の宿、打当温泉マタギの湯には16時過ぎにチェックインしました。ゆっくり温泉に入り、豪華な夕食を食べ、ビールと久しぶりに日本酒もいただき大満足。食後は部屋で久しぶりにテレビを見ながら寛ぎました。

2022年12月12日(月)
晩秋の東北(3)




石森からの森吉山(向岳)


森吉山山頂にて

10月26日(水)、5時起床。快晴です。マイナス3度くらいまで冷え込みました。芝生はまるで雪が降ったかのように一面霜で真っ白です。今日は森吉山へ登る日。朝食を食べ終える頃、キャンプ場に朝日が射し込み、霜が美しく輝きました。出発の準備を一時中断して、霜と紅葉のコラボを撮影しました。

キャンプ場を7時半頃出発し、阿仁スキー場へ車を走らせます。山の反対側なので、1時間15分ほどかかりました。

長いゴンドラで一気に標高1167メートルの山頂駅へ。ゴンドラの中から、遠く鳥海山が見えました。山頂駅まで来ると紅葉は終わっており、冬枯れの景色です。クマザサの切り開きの道を石森まで登ると、目の前に森吉山のたおやかな山容が広がりました。凍った池塘や赤い実だけになったナナカマドを見ながら緩やかに登って行くと、森吉山の山頂に到着。

山頂標識の前で記念撮影をして、景色を眺めながら昼食にします。岩手山、鳥海山、岩木山、八甲田山は山頂部が雲に隠れていましたが、秋田駒ヶ岳から乳頭山にかけての稜線がよく見えました。

このまま下山しても早すぎるので、山人平まで行ってみることにしました。ゴンドラとは反対側の道は登山者が全くおらず静寂が満ちていました。森吉山から150メートルほど下ると木道となり、しばらく進むと山人平の標識がありました。今日はここを終点とし、記念撮影をしてから山頂へ上り返しました。山頂からはゴンドラ駅まで1時間で下ってしまいました。

ゴンドラで下山し、阿仁前田温泉駅のクウィンス森吉に寄ってを汗を洗い流し、近くの観光案内所の売店でリンゴを買ってから親子キャンプ場へ帰りました。

今日の夕食はカレーライスとマッシュポテト。サニタリー棟の照明が消える22時から星を撮影し、23時にシュラフに入りました。

2022年12月11日(日)
晩秋の東北(2)

クマゲラの森を行く


桃洞滝

夜中は冷えて何度もトイレに起きてしまいました。10月25日(火)は6時半起床。今日は桃洞滝へ行く日ですが、どんよりと曇っています。朝食にラーメンを食べ、出発の準備をしていると、時々パラパラと雨粒が落ちてきました。防寒も兼ねて雨具上下を着込み、車で登山口の野生鳥獣センターへ移動しました。

歩き出す頃には雲が切れて時々日が射しはじめました。クマゲラの森に入ってゆきます。紅葉は終盤となり、少し風が吹くと樹上から一斉に枯れ葉が舞います。何度も立ち止まって美しい晩秋の森を撮影し、コースタイムの倍ちかくかけて桃洞滝に着きました。滝を観賞してから引き返します。桃洞横滝で昼食休憩。キラキラと輝く黄葉と滝を眺めながら温かいスープを飲み、パンを食べ、のんびりと至福のひとときを過ごしました。その後ふたび雲が増え寒くなってきました。帰りは撮影はほどほどにして野生鳥獣センターへ向かいました。

昨日は風呂に入らなかったので、今日は一番近いそまの湯に入りに行きました。古い宿で設備も粗末ですが、ゆっくり温まりさっぱりしました。温泉の後、携帯の電波を求めて阿仁前田方面へ車を走らせ、森吉山ダムで電波を拾うことができました。

テントに戻った時にはすっかり暗くなっていました。急いで米を炊き、夕食のおかずはレトルトのもつ煮込みと海藻サラダ。今夜も冷え込みそうです。21時就寝。

2022年12月10日(土)
晩秋の東北(1)

テントで焼肉!


見事な星空

九重から帰った3日後、夫婦で晩秋の東北へ向かいました。

10月24日(月)、4時45分に自宅を出発。国道16号を経由しあきる野ICから圏央道、東北道へと車を走らせます。雨が降ったり止んだりの天気ですが、朝食休憩で羽生SAに入った時には雨が上がりましたた。東北道をひたすら北上します。寒気が入っている影響でずっと雲が多く、日光や安達太良辺りまで山は見えません。盛岡手前のサービスエリアで昼食休憩。車を降りると、かなり空気がひんやりと感じられました。盛岡では岩手山が大きく望まれました。鹿角八幡平ICで下り、給油してから森吉を目指します。細い山道を延々と走りますが、紅葉が目を楽しませてくれました。

親子キャンプ場に16時半に到着。管理棟でテントの受付をします。今日は我々だけ。熊が普通に居るので、食料とゴミは車の中に保管するようにとのこと。管理棟からさらに少し車を走らせると、芝生の広々としたキャンプサイトでした。我々だけのためにサニタリー棟に電気を点けてくれました。水場もトイレもものすごく綺麗。ここが無料とはちょっと信じられません。

さっそくテントを張りましたが、日が暮れると強烈に冷え込んできました。テントの中で焼肉の夕食。食後は星の撮影。近くに人家がないので天の川がはっきり見えました。21時20分にシュラフに入りました。

2022年12月9日(金)
九州遠征・紅葉の九重連山(6)

法華院温泉山荘と三俣山


坊ガツル湿原と平治岳

10月21日(金)、最終日はゆっくり下山するだけです。朝食後のコーヒーを飲んでいると、山荘のおかみさんが挨拶に来ました。4連泊のお礼ということで、名物の山小屋だんごとバンダナをもらいました。

8時半に法華院温泉山荘を後にしました。朝の光に輝く坊ガツルのススキが美しく、撮影のために何度も足が止まってしまいました。雨ヶ池への上りで樹林帯に入ってからは歩きに専念します。雨ヶ池付近では紅葉の三俣山が目の前にそそり立っていました。長者原まであと30分の休憩所のベンチでコーヒータイムとし、ガス缶を使い切りました。

12時半に長者原に到着。レストハウスで昼食を食べてから、宿に預けていたお土産を引き取りに行き、ついでに風呂に入らせてもらい、ゴミまで引き取ってもらいました。本当に有り難いことです。

汗を洗い流してさっぱりして熊本空港行きのバスに乗り込みましだ。景色を楽しみながらの2時間45分の快適なバス旅でした。空港で赤牛の焼き肉定食を食べ、20時発の飛行機に乗り込みました。金曜日の夜とあって、出張帰りと思われるビジネスマンで満席でした。羽田には21時40分頃に到着、23時過ぎの帰宅となりました。

2022年12月8日(木)
九州遠征・紅葉の九重連山(5)

立中山からの大船山


久住山からの阿蘇山


久住山からの三俣山(左)と天狗ヶ城、遠くに由布岳

10月20日(木)、6時起床。カーテンを開けると快晴で、真っ白に霜が降りていました。かなり冷え込んでいます。法華院温泉山荘の朝食は連泊者にコーヒーのサービスがあり、とても美味しいコーヒーでした。

立中山に出発する8時40分にはだいぶ暖かくなってきました。爽やかな天気の下、なだらかな道を鉾立峠まで30分ほど登ります。峠のベンチで小休止してから、ひと登りで立中山に到着。広く開けた山頂で、ぐるりと取り囲む山々の眺めを楽しみます。大船山は山頂部が紅葉に染まっており、白口岳と中岳は険しくそそり立っています。三俣山は特異な山容が印象的です。そして平治岳の端正な三角形。ゆったりとした時間を満喫し、12時に宿に戻りました。

宿の前のベンチで弁当を食べ、午後は母は部屋で休憩、私は昨日登り残した久住山を往復することにしました。昨日十分撮影できたので、今日は一眼レフをやめてコンデジだけ持ち、ほとんど空身で出発。普段これほど身軽で山を歩くことは無いので、飛ぶように登ることができるのが実に楽しい。わずか1時間半で久住山まで登ってしまいました。14時40分に到着。

山頂からの眺めは期待以上で、阿蘇カルデラのスケールが凄い。九重連山はジオラマを見るようです。夢中でコンデジのシャッターを押しました。

久住山を後にして、夕方の斜光線で立体感を増した三俣山を撮影しながら宿へ下ります。上りと同じ1時間半で法華院温泉山荘に戻りました。

温泉と夕食の後、坊ガツルまで星の撮影に出かけました。今日は朝から夜まで一片の雲もなく、天の川をはっきりと見ることができました。

2022年12月7日(水)
九州遠征・紅葉の九重連山(4)

中岳からの日の出、左は平治岳


三俣山 色づく大鍋


小鍋付近の紅葉

10月19日(水)3時半起床。満天の星です。天気が回復し空気が入れ替わったようで大分冷え込んでいます。水でショートブレッドを流し込んでから4時半に宿を出ました。

ヘッドランプの明かりで久住分れを目指します。だだっ広い北千里ヶ浜は、ヘッドランプだとルートが若干分かりづらい。岩の斜面を登り切った所が久住分れ。だいぶ空が明るくなってきました。御池を右に見ながら10分ほどの急登で6時5分に天狗ヶ城に着きました。

足元の岩は霜で真っ白です。温度計は0℃を指していますが風が強く、体感温度はそれよりかなり低い。先客の女性と話をしながら日の出を待ちます。かなり待たされて、ちょうど中岳のピークから太陽が顔を出しました。朝日を受けて立体的に浮かび上がる山々の大観を存分に撮影しました。撮影が一段落したところで湯を沸かし、味噌汁を作って弁当を食べました。腹一杯になり、日の光を浴びるとようやく体が温まりました。

中岳まではすぐでした。眼下に坊ガツルを見下ろし、周りを取り囲む山々が素晴らしい。ここでも沢山シャッターを押しました。

来た道を引き返します。久住分れからは正面に三俣山を見ながら下ります。このまま宿に戻るにはまだ時間が早いので、三俣山にも登ることにしました。諏蛾守越からの上りは泥で滑りやすい急登が続きます。西峰から振り返ると、朝登った中岳と天狗ヶ城、星生山がよく見えました。さらにひと登りで三俣山本峰に到着。登ってきたのと反対側を覗き込むと、大鍋を取り囲む斜面の紅葉が見事です。

味噌汁を作って弁当を食べてから北峰へ向かいます。本峰からの下りは木にぶら下がりながら下るような激坂です。鞍部から北峰へ上り返します。ミヤマキリシマの間の細い道を登ってゆく辺りから見事な紅葉となり。何度も立ち止まり、雲の影の変化を見ながらシャッターを押しました。小鍋側の最低鞍部から急坂を南峰へ上り返し、大満足で三俣山を後にしました。今日は長時間行動になりましたが体は軽く、法華院温泉まで1時間で下ってしいました。15時に帰着。

温泉でゆっくり温まり、夕食時は生ビールが最高でした。

2022年12月6日(火)
九州遠征・紅葉の九重連山(3)

大船山頂にて


大船山を振り返る

10月18日(火)、4時15分起床。外はガスっていましたが、予定通り立中山まで行ってみることにして、準備を整えて外に出ました。ところが、そのタイミングで雨が降り出したため、出掛けるのを止めて部屋に戻りました。

2度寝して6時起床。談話室で朝食の弁当を食べていると、霧が動き出し、時々山が姿を現すようになったので、今日は大船山へ行くことにしました。出発する7:50頃には日も射すようになりました。気持ちの良い坊ガツルキャンプ場を通り抜けると樹林の中の登りとなり、母のペースに合わせてゆっくり登ってゆきます。途中から雲の中に入ったようで、濃いガスで体が濡れるため雨具を着ました。段原までは急登が続きます。段原から頂上直下まではなだらかな道を進みます。途中、苔むした木に光が射し込み、枝に着いた滴が美しく輝きました。頂上直下の急登でガスの切れ間から紅葉の山腹が姿を現し、登山者から歓声が上がりました。

大船頂上に11時半に到着。平日とは思えないほど大勢の登山者で賑わっています。ちょうど良いタイミングでガスが切れ、火口の池と周りの見事な紅葉が姿を見せ、皆が一斉にカメラを構えました。ガスに隠れたり、見えたり、日が射したりとめまぐるしく変化し、夢中でシャッターを押します。ひとしきり撮影してから弁当を食べ、山頂を後にしました。段原から振り返る大船山は見事な色づきでした。

転倒しないよう、ゆっくり時間をかけて坊ガツルへ下りました。これから天気がよくなるからか、テント場にはテントが増えていました。本当に気持ちが良さそうなテント場です。

16時に宿に戻り、温泉で温まるとすぐに夕食。母は明日は休養日にするというので、一人で天狗ヶ城まで朝駆けすることにして、20時前に布団に入りました。

2022年12月5日(月)
九州遠征・紅葉の九重連山(2)

雨ヶ池への上り


坊ガツル湿原

10月17日(月)、6時に起きた時は2日前からの頭痛が残っていましたが、しばらくベッドでウトウトしていたら治まりました。予報通り雨が降っています。7時半から朝食を食べ、ゆっくり準備をして、9時半に宿を出ました。

小雨が降る中、レインスーツを着て出発。湿原の木道を少し歩いてから森の中の道となり、雨ヶ池越へ向かって緩やかに登ってゆきます。霧に煙る森の雰囲気が素敵です。所々にはっとするほど鮮やかに色づいた木が現れ、コンデジのシャッターを押しました。傾斜がきつくなると間もなく雨ヶ池に到着。雨が降っているのに池に水はありませんでした。大雨の時に池になるようです。霧で何も見えないのでそのまま先に進みます。雨ヶ池越えで、二人連れと10分ほど立ち話。山の上は紅葉しているとのこと。ここからしばらく下ると突然視界が開け坊ガツルに着きました。ちょうど雨が上がったので、ベンチに座って弁当を食べます。周りの山々が霧に見え隠れしています。ここから20分ほど緩やかに上り、14時過ぎに法華院温泉山荘に着きました。

受付をして部屋に入ると、再び雨が本降りになりました。まずはゆっくり温泉に浸かって冷えきった体を温め、その後、談話室でコーヒーを飲んで寛いぎまし。夕食はおでんと鳥の唐揚げ。ご飯をおかわりし、腹一杯。明日の朝は天気が良ければ撮影に出るため、20時半に布団に入りました。

2022年12月4日(日)
九州遠征・紅葉の九重連山(1)

眼下に富士山

5月に続き今年2回目の九州遠征です。母と法華院温泉に連泊し、紅葉の九重を撮影します。

10月16日(日)、羽田空港で母と合流。10時15分の便で熊本へ。乗客が少なく機内はガラガラです。今日は雲が多めでしたが視界が良く、富士山や地形図のような海岸線の眺めを楽しみながらのフライトになりました。12時過ぎに熊本に到着。空港のフードコートで昼食を食べてから九州横断バスの乗り場へ。建物から出ると、Tシャツ1枚で良いほどの暑さです。

バスは雄大な阿蘇カルデラの中を走り、外輪山を越えて九重へと向かいます。2時間半かけて登山口の長者原に到着しました。今年は紅葉が遅れており心配しましたが、三俣山を見上げると山頂部は紅葉しているようでホッとしました。

今日の宿、オーベルジュコスモスにチェックイン。今日の泊まり客は我々だけとのこと。全国旅行支援のクーポン券3000円をもらいましたが有効期限が明日までとのことなので、部屋に荷物を置いてから買い物に出ました。残念ながら近くにあったモンベルでは使えず、土産物屋でピッタリ3000円分を買いました。宿に戻ってゆっくり風呂に入り、18時から夕食。刺身、ステーキ、ニジマスの塩焼きなどボリュームたっぷり。部屋に戻ってからテレビを見ながら日記を書き、21時半にベッドに入りました。

2022年11月26日(土)
北沢峠をベースに紅葉の南アルプスへ(4)

雲の多い朝


一瞬の光を受ける仙丈ヶ岳


目の前には巨大な甲斐駒ヶ岳

10月3日(月)、今日も午前2時にアラームが鳴りましたが、猛烈に眠たい。昨日も、一昨日も早起きして沢山歩いたので疲れがたまっているようです。星は見えず曇っている感じです。行くのを止めようかという気持ちが一瞬頭をもたげましたが、後になって行かなかったことを後悔したくないので、思い切ってシュラフから抜け出しました。急いで朝食を食べ、テントを出ました。

小屋の前の橋を渡ってすぐ栗沢山の直登コースに入ります。真っ暗な森の中、ヘッドランプの明かりが登山道を照らします。聞こえるのは自分の足音と、時折吹く風の音だけ。あれほど眠かったのに今は頭が冴え、足取りもいいペースです。平日の今日は誰も居ないので、やはり熊が怖い。時々ストックを打ち鳴らします。空が次第に明るくなるのと競争するように登高を続け、日の出前ぎりぎりに栗沢山に到着しました。

すぐに三脚を立てましたが、雲が多くなかなか光が来ません。やがて東の雲の切れ間から太陽が山々を照らしました。仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳が立体的に浮かび上がり、夢中でシャッターを切ります。ドラマはほんの一瞬で終わってしまいましたが、その後も遠く御嶽山、北アルプスが朝日を受けて神秘的に浮かび上がっていました。

今日2番目の登山者が上がってきたのと入れ替わりに山頂を後にします。下る途中、森の中で休んでいると、頭上からカサ、カサ、という音が聞こえました。見上げると1匹のリスが木から下りてくるところでした。写真を撮りたくてもカメラはザックの中。素早い動きにスマホを出す時間もありませんでした。残念。

1時間20分ほどでテントまで下ってしまいました。一旦テントに入り早めの昼食(2回目の朝食?)を食べ、テントを撤収。10時発の一番のバスに乗るために北沢峠へ向かいました。

仙流荘で車に戻ったのは11時頃。温泉の営業は12時からなので、そのまま杖突峠を越え、道の駅信州蔦木宿の「つたの湯」で4日分の汗を洗い流しました。風呂上がりにソフトクリームを食べ、お土産を買い、下道をのんびり走って18時半に帰宅しました。

2022年11月25日(金)
北沢峠をベースに紅葉の南アルプスへ(3)

朝の双児山から鳳凰三山方面


駒津峰からの甲斐駒ヶ岳


甲斐駒ヶ岳山頂の大展望

10月2日(日)、2時起床。星空ですが昨日ほど大気は澄んでおらず、水蒸気が多い感じです。朝食を食べ、昨日よりも早く出発しました。

林道を北沢峠まで戻り、そこから双児山を目指します。自分以外誰も居らず、熊が怖いのでストックを打ち鳴らしながら歩きます。樹林帯の急登がどこまでも続きます。ヘッドランプが暗くなったので電池を交換していると、高校生くらいの団体が追い越して行きました。東の空が少しずつ赤くなり、やがて綺麗な朝焼けとなりました。樹林の中なので、残念ながら撮影出来ません。日の出直後に双児山に着きましたが、東の空の雲が邪魔をして光線条件は今ひとつ。

双児山を後にして駒津峰へ向かいます。駒津峰の登りから振り返ると、双児山を前景にした仙丈ヶ岳がなかなか良い。駒津峰に着くといきなり目の前に甲斐駒ヶ岳が現れました。山腹の黄葉が半逆光に輝き素晴らしい。今回初めてまともな黄葉の写真が撮れました。

ここから岩場が続くのでストックを仕舞います。六方石まで下り、その少し先でトラバースルートに入ります。樹林を抜けるとザレザレの急斜面が延々と続き、ただ我慢して一歩一歩登ってゆきました。

甲斐駒頂上で岩陰で風を避けて大休止とします。大展望を楽しみながら腹ごしらえ。1時間ほどして下山しようと腰を上げると、山頂標識周辺は登山者でごった返していました。

滑りやすい急斜面を慎重に下ります。途中で摩利支天に立ち寄りました。摩利支天頂上はおそらく初めてですが、なかなかいい山頂でした。六方石から駒津峰へ登り返しではかなり体力を消耗しました。駒津峰では残り少なくなった水をちびちび飲みながら少し食べてエネルギー補給。足にも疲労が来ており、仙水峠への下りは慎重に足を運びます。仙水峠からは森の写真を撮りながらのんびり歩きました。

長衛小屋のテント場は、昨晩の混雑が嘘のようにテントが減っていました。テントの中で全身を拭いてさっぱりしてから、今日はビールを買い、ほろ酔い気分で夕食を作りました。明日は下山ですが、栗沢山で朝の撮影をしたいので、今日も18時半にはシュラフに入りました。

2022年11月24日(木)
北沢峠をベースに紅葉の南アルプスへ(2)

馬ノ背からの仙丈ヶ岳


霜が降りていた

10月1日(土)、2時半起床。満天の星です。5℃くらいまで冷え込んでいます。急いで朝食を食べ、日帰り装備で身軽に出発。

ヘッドランプの明かりを頼りにグングン登ってゆきます。前後にも明かりが見え、お互いに刺激し合っているのか結構なハイペースになっています。1時間半ほどで大滝ノ頭まで上ってしまいました。日の出の時刻となり、馬ノ背が赤く染まりました。ここでは休憩せず、そのまま馬ノ背へのトラバース道に入ります。藪沢一帯の広葉樹林は秋の佇まいですが、色づきはあまり良くありません。葉が痛んでチリチリになっていました。

馬ノ背ヒュッテのベンチで休憩してから朝日を受ける馬ノ背の稜線に上がります。丹渓新道に少し入ってみると、紅葉を前景にした仙丈ヶ岳が素晴らしい。透過光になるので紅葉がなんとか見られる感じです。仙丈小屋まで登り、甲斐駒と鋸岳を正面に眺めるベンチで大休止。温かいスープとパンでひと息つきました。カールの縁をひと登りで仙丈ヶ岳頂上に到着。

頂上は小仙丈尾根からの登山者で大賑わい。30分ほど眺めを楽しんで頂上を後にしました。小仙丈尾根の下りは、続々と上ってくる登山者とすれ違うのが大変。小仙丈ヶ岳も超満員。樹林帯まで下るとさすがにすれ違いは減り、快調なペースで下りました。

長衛小屋に帰ってくると、テント場が一杯になっておりビックリ。隣の人から聞いた話では、今日はなんと400張だそうです。久々に晴天の週末になったからでしょう。ノンアルコールビールでひと息ついてから少し昼寝をして、16時過ぎに夕食。18時半にはシュラフに入りましたが、テント場のあちらこちらで酒盛りをしており騒がしい。それも19時には静かになりました。

2022年11月23日(水)
北沢峠をベースに紅葉の南アルプスへ(1)

北沢峠・長衛小屋のテント場


天の川

この秋は精力的に全国の山に出掛けていたため久しくブログを更新できませんでしたが、これからまとめてアップしたいと思います。

9月30日(金)、4時半に家を出発。今日は北沢峠のテント場へ行くだけなので高速には入らず、のんびり下道を走ります。甲斐大和の道の駅で朝食。甲府周辺で若干の渋滞はありましたが、それ以外はきわめて順調。途中、甲斐駒ヶ岳の眺めが見事でした。杖突峠を越え、11時前に仙流荘の駐車場に着きました。

車の中で昼食を食べてからバス乗り場に並びましだ。手回り品切符だとザックを抱えて乗らなければなりませんが、小荷物切符だと座席にザックを置けることがわかり、迷わず小荷物料金を支払いました。12時10分のバスで北沢峠へ。車窓からは大迫力の鋸岳の眺めを楽しみました。

13時前に北沢峠に到着し、すぐに長衛小屋のテント場へ直行。3泊分の料金を支払ってテントを張りました。コーヒーを飲んでひと休みしてから、カメラを持って散策に出ます。初めに北沢上流へ向かいましたが被写体が見つからず、一旦引き返して北沢峠へ。林道脇の苔むした倒木と樹林を撮影して遊びました。

テントに戻ると、日が陰り一気に10℃くらいまで冷えてきました。17時前には早めの夕食を食べ、18時半にはシュラフに入りました。20時頃にトイレに出ると星空とテント場の夜景が美しく、三脚を立てて撮影しました。

2022年10月14日(金)
爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳(3)

爺ヶ岳南峰の朝


爺ヶ岳南峰より針ノ木岳と奥に薬師岳

9月17日(土)、南峰まで一人で朝の撮影に行くため、4時に起床。朝食は食べずにテントを出ました。

今日も気温が高い。昨日よりも空気が澄んでいます。山頂に着くと見事な雲海が広がっていました。朝日を受けた剱岳と立山が素晴らしい。雲が扇沢の谷間を埋め、その上に蓮華岳と針ノ木岳、その奥に薬師岳。期待通りの景観を心ゆくまで撮影できました。

種池に戻ると、小屋前のベンチで家内がコーヒーを用意して待っていてくれました。一休みしてからテントで朝食を食べてからゆっくりテントを撤収し、満足して種池を後にしました。やはり下りは早い。たっぷり汗をかきましいたが、3時間少々で車に戻ることができました。

まずは温泉へ。大町温泉郷の薬師の湯に寄ってさっぱりした後、近くのそば屋を検索しましたが、時間的に開いている店が見つからず、とりあえず車を走らせます。松川の道の駅近くで農産物直売所に立ち寄ると、うまい具合に敷地内にそば屋がありました。昼の閉店間際でトッピングが残り少なかったのがちょっと残念でしたが、リーズナブルな値段で美味しいそばを食べることができ、大満足。安曇野ICから高速に入り、大月からは渋滞を避けて裏道で自宅へと向かいました。

2022年10月13日(木)
爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳(2)

鹿島槍ヶ岳へ向かう


鹿島槍ヶ岳山頂の大展望


輝くチングルマの果穂

9月16日(金)、3時起床。9月とは思えない暖かさです。朝食を食べ、ヘッドランプを点けて出発。

緩やかで歩きやすい道を爺ヶ岳へ向かいます。次第に明るくなり、背後には立山と剱岳がせり上がってきます。日の出には間に合いませんでしたが、南峰頂上では大展望が広がっていました。一旦下って中峰へ上り返します。鹿島槍ヶ岳が格好いい。冷池へ向かって少し下ったところで3羽のライチョウと遭遇。逃げはしませんでしたがこちらを向いてくれず、満足のいく写真は撮れず。さらに下ったところで別の3羽に遭遇し、今度はしっかり撮影できました。

樹林帯に入れば間もなく最低鞍部。そこから一段上がると冷池山荘に到着しました。小屋前のベンチで一休み。鹿島槍へは稜線の信州側のお花畑の中を上ってゆきます。登山道の両側にチングルマの果穂が続いています。この辺りからガスが湧き始めましたが、道が黒部側に移るとスッキリと青空が広がりました。後立山連峰ではよくある気象条件です。布引山で昼食の大休止。振り返れば歩いてきた縦走路が一望の下。最後の急登を1ピッチ頑張り鹿島槍ヶ岳南峰に到着しました。

ここまで来てはじめて北側の五竜岳から白馬岳へ続く稜線が見えましたが、ベタ光線となってしまい写真的には面白くありません。すぐ隣に鹿島槍北峰が見えていますが、鞍部まで下って上り返すのが辛そうに感じられ、今回もパスすることにしました。

展望を楽しんだ山頂を後にして、来た道を引き返します。冷池山荘までの下りは順調でしたが、爺ヶ岳への上り返しは疲れてきた足に応えます。いつしか頭上は雲に覆われて暗くなり、気分的にも上りが長く感じられました。中峰、南峰とも巻いて通過すれば、あとは種池まで下るのみ。再び日が差してきました。朝の暗い中では気がつきませんでいたが、種池の手前に広大なチングルマの群落が広がっていました。逆光を受けて輝く果穂が見事です。しばし夢中でシャッターを押しました。

山荘の前は沢山の登山者で賑わっていました。我々もベンチを確保し、ビールで乾杯。テント場に戻ると、昨日よりもかなりテントの数が増えており、こちらもかなり賑やか。汗まみれの服を着替えてから夕食を食べ、早めにシュラフに入りました。

2022年10月12日(水)
爺ヶ岳~鹿島槍ヶ岳(1)

種池山荘に到着


山荘前からの赤沢岳

久しぶりの夫婦山行です。

9月15日(木)、4時半に自宅を出発。八王子からの中央道はどんよりと曇っていましたが、笹子トンネルを抜けると青空になりました。釈迦堂PAで持ってきた朝食を食べ、あとは安曇野ICまで一気に走り、松川の道の駅で2回目の休憩を入れました。柏原新道登山口の駐車場は既に満車でしたが、少し上の無料駐車場に車を止めることができました。

登山口まで5分ほど車道を戻り、種池山荘目指して柏原新道を登ります。樹林が日差しを遮ってくれますが、とても湿度が高くたちまち汗が噴き出してきました。道はとても歩きやすく整備されており、さすが北アルプス。道幅も南アルプスの登山道の3倍はありそうです。標高1900mあたりから道は尾根をトラバースするようにつけられており、ずっと上の稜線に種池山荘が見えました。振り返れば針ノ木岳と蓮華岳が大きい。ガラ場をトラバースし、最後の急登をジグザグに登ると種池山荘の前に上り着きました。

小屋の前のベンチでひと休み。扇沢の谷間から湧き上がるガスの切れ間から赤沢岳のシルエットが姿を現し、なかなかの迫力です。テントの受付をしてテント場へ移動。テント場は樹林に囲まれあまり広くありませんが、テントの数は少ない。一番奥の隅に張ることができました。夕食に麻婆茄子を食べ、早めの19時半にシュラフに入りました。

2022年8月19日(金)
南アルプス南部縦走(7)

ヤレヤレ峠まで来ればあとひと息


畑薙大吊橋ゴールイン!

8月3日(水)、4時起床。今回初めてたっぷり寝た気がします。今日も良い天気。朝食を食べてテントを撤収。パッキングを済ませるとかなりコンパクトになりました。ウソッコ沢小屋まで一気に下って休憩。居合わせた人と話をするうちに、白樺荘まで車に乗せてくれるという話になりましたが、考えてみるとバスの時刻まで時間が有り余ってしまうので、予定通り歩くことにして丁重にお断りしました。上河内沢沿いの道をのんびりと下ってゆきます。逆光に光る水面と木々の緑が美しい。ヤレヤレ峠で1回目の昼食。大吊橋までのトラバースの道は意外に悪く、慎重に足を運び、ついに大吊橋にゴールイン。車道に出てからは木陰を選びながら2時間ちょっとで白樺荘に到着しました。

1週間分の汚れを落とし、食堂で2回目の昼食、カツ丼を注文しました。14時35分のバスに乗り込むと乗客は10人ほどとガラ空きでした。3時間15分かけて静岡駅に着き、新幹線に飛び乗れば1時間15分ほどで自宅の最寄り駅に着いてしまいました。

2022年8月18日(木)
南アルプス南部縦走(6)

縦走最後のピーク、茶臼岳までもうすぐ


茶臼岳から、越えてきた山々を振り返れば感慨深い

8月2日(火)、2時半起床。朝食後にトイレに出ると星空があまりにも美しく、三脚を立てて小屋の灯りとテントと夜明けの星空の風景を撮影しました。そのため、予定より若干出発が遅くなりました。

朝の稜線歩きは清々しい。樹林帯の足元に、点々とイチヤクソウが咲き残っていました。急登となり森林限界を抜けると、見晴らしの良い岩頭に出ました。ここでしばし撮影タイム。今日は風があり、吹きさらしの稜線上は寒いですが、左の静岡県側に入ると風が当たらずポカポカ陽気です。南岳では庭園のような場所にチングルマの群落がありました。その向こうに上河内岳。三脚でしっかり構図を作って撮影しました。上河内岳の肩にザックをデポして頂上へ。頂上にはGMさんが居ました。毎日同じコースで抜きつ抜かれつするうちに友達のようになってしまい、しばらくお互いのことを話し込みました。今日は夕立の気配もなく、素晴らしい眺望を楽しめました。肩に戻って昼食を食べ、茶臼岳へ向かいます。竹内門から亀甲状土地帯にかけて庭園のような風景が続きます。長かった縦走のフィナーレが名残惜しく、ゆっくり味わって歩きます。茶臼小屋分岐にザックをデポして茶臼岳をピストンします。頂上で越えてきた山々を振り返れば感慨深い。本当によく歩いたものです。茶臼小屋で、光岳まで縦走するというKTさんとGMさんに別れを告げ、横窪沢小屋へと下りました。

横窪沢小屋は今年は営業しておらず、泊まり客はテント2張だけでした。ここまで下るとさすがに気温が高く、アブなどに虫が多いのに閉口しましたが、日暮れと共に居なくなりました。早く温泉に入って美味しいものを食べたい。里心がついてきたようです。19時半就寝。

2022年8月17日(水)
南アルプス南部縦走(5)

朝の中盛丸山から聖岳へ続く稜線


聖岳を正面に、聖兎のコルへ


雨上がりの聖平

8月1日(月)は今回の山行で一番長い一日となるので、1時起床。またまた満天の星です。朝食にシリアルを食べて急いでテントを撤収。

ヘッドランプの灯りを頼りに稜線を目指します。初めから厳しい登りです。大沢岳と中盛丸山の鞍部まで上ると、夜明けの空に南アルプスの山々のシルエットと富士山が美しく、三脚を立てて撮影しました。中盛丸山へはこれでもかという程の急な上り。山頂を越えると、今度は岩場混じりの急下降。鞍部から小兎岳へまた上り。南アルプスの巨大な山々の眺めを楽しみながら一歩一歩足を運びます。小兎岳を越えると目の前に兎岳が迫ってきました。これまた急な上りにあえぎましだ。兎岳山頂には数株のタカネビランジが咲いていました。ここで1回目の昼食。いよいよ今日の行程の核心部となる聖兎のコルへ向かいます。岩混じりの険しい道を慎重に40分ほど下った所が最低鞍部。ここから聖岳までは一気に400メートルの上り。左手に緑濃い赤石岳が素晴らしい。途中で2回休憩を入れましたが、11時前に聖岳頂上に着きました。上出来です。かなりガスが湧いてきましたが、まだ赤石岳は見えています。ここで2回目の昼食。頂上に居合わせた3人組の中の男性が、ここで百名山完登ですと言って喜んでいました。

ガスの中を聖平へ下ります。なんとか雨に遭わずに着く事ができました。テントを張り、水場で体を拭いていると、いきなり超大粒の雨が落ちてきました。急いでテントに飛び込むとバケツをひっくり返したような豪雨となりました。テント場は川のようになり、グラウンドシートがぶよぶよ浮く状態に生きた心地がしませんでしたが、1時間浸水せずに耐えてくれました。昔、次男と二人で聖岳から豪雨の中を下ったことを思い出しました。

夕食はカレーライス。改めてカレーは美味いと思いました。マッシュポテトに刻んだサラミを入れたら、これも大正解。食事が美味しく、いつもの体調に戻ったことが嬉しい。19時前にシュラフに入りました。

2022年8月16日(火)
南アルプス南部縦走(4)

大沢岳と中盛丸山のコルより夜明けの富士山


小赤石岳肩からの荒川三山

7月31日(日)、2時起床。今日も満天の星です。ラーメンの朝食を食べてテントを撤収し、東の空が赤らむ頃出発。富士山が美しい。

今日は風が有り寒いので、レインジャケットを着て歩きます。ダマシノ平ではチングルマが咲いていました。三脚を立て、チングルマを前景にした荒川三山の構図をじっくり作画、いい作品が撮れました。カメラを片付けていると、KTさんともう一人(GMさん)が追いついてきました。少し言葉を交わし、先に登って行きました。小赤石岳の肩までの上りがきつい。立ち止まらないようゆっくりペースで足を運び登りきると、荒川三山の眺めが見事です。小赤石岳で赤石岳を撮影していると急にガスが湧き始め、一瞬で真っ白な世界になってしまいました。この急変には驚きました。赤石岳頂上でもガスは晴れず、風も冷たかったので、小屋の先の窪地に下りて昼食休憩にしました。ガスは山頂部のみで、百間平に向かって少し下ると晴れており、大沢岳から聖岳へと続く緑濃い山々が素晴らしい。何度も立ち止まって撮影しながら、最も奥深い南アルプスを味わいました。百間平から大沢岳を正面に見ながら一気に下り、百間洞のテント場に到着。今日はのんびり歩きましたが、まだ昼前です。

テントを張り、沢の音と鳥のさえずりを聞きながらしばし微睡みました。今日も午後には曇ってしまい、15時半に雨が降り出しました。明日は早立ちのため夕食を早めました。スパゲッティとマッシュポテトとスープ。今日は体調が戻ってきたようでしっかり食欲があり、美味しく食べられました。17時に雨は上がりました。まだ明るい17時30分にシュラフに入りました。

2022年8月15日(月)
南アルプス南部縦走(3)

カールから振り返れば昨日歩いた緑の稜線


崩壊が進む前岳稜線


荒川のお花畑は見頃を過ぎていた

7月30日(土)、3時起床。満天の星空です。テントが意外に乾いておりホッとしました。朝食を食べてテントを撤収していると、隣の男性(KTさん)が話しかけてきました。三伏峠から畑薙まで抜けるとのことで、私と同じコースのようです。

一足先に出発します。前岳のカールまでは、急斜面の深い森の中を延々とトラバースしてゆきます。朝の光を受けた緑がみずみずしい。カールの入ると急登が始まります。振り返れば昨日歩いた稜線がびっしりと樹林に覆われていました。森林限界でKTさんが追いついてきました。休憩しながら話を聞くと、62歳で登山を始め、今は72歳とのこと。しかも当初は鳳凰三山から茶臼までの計画で出発したが、体調不良で北沢峠で下山し、今回はリベンジで三伏峠から入山したとのこと。驚きました。今日はこの後一緒に行動することになりました。延々と続く急斜面を黙々と登り稜線に出ると、そこは荒川大崩壊地の縁です。今にも落ちてしまいそうな危うい登山道が続きます。所々で本当に登山道が無くなり、ハイマツの斜面の踏み跡を進む所もありました。前岳の頂上に寄り、コルにザックをデポして中岳を往復。コルに戻って昼食を食べるため、KTさんには先に行ってもらいました。楽しみにしていた荒川のお花畑は、ほとんど花は終わっていました。今年はかなり花が早かったようです。

荒川小屋でいつもの場所にテントを張り、水場で洗濯しました。午後は昼寝で体を休めます。次第にガスが湧き、夕方になってやはり雨が降りました。レトルトの鳥の炭火焼きと牛丼の豪華な夕食にしましたが、今ひとつ食欲が無く、無理矢理押し込みました。18個30分にシュラフに入りましたが、19時過ぎまで小屋の泊まり客が外で大声で話し込んでおり、うるさくて参りました。

2022年8月14日(日)
南アルプス南部縦走(2)

小河内岳から荒川三山が大きい


マルバダケブキ咲く高山裏避難小屋
明日登る前岳のカールがはるか上に見える

7月29日(金)夜中に再び雷雨になりましたが、4時に起きると雲一つない晴天です。睡眠不足ですが予定通り起きて朝食を食べ、ズブ濡れのテントを畳みました。

三伏峠からの稜線歩きは爽快です。烏帽子岳から小河内岳まで、大展望を満喫しました。夏の高い太陽に荒川三山は北面まで光が回り、写欲をそそられます。小河内岳で昼食を食べるため大休止。休んでいる間に雲が増えてきました。ここから一気に標高を下げ、樹林帯に入りました。なだらかなアップダウンが続きますが、昨日からの疲れが出てきたのか上りがきつい。眠気もあり、のろのろと進みます。板屋岳の上りではバテ気味でした。あとは高山裏へ下るだけですが、途中で雷雨に捕まってしまいました。レインスーツを着て下ること1ピッチでマルバダケブキのお花畑に建つ高山裏避難小屋に着きました。

テントの受付をして、土砂降りの中でテントを張りました。荷物を放り込んでから、まずは水場へ。小屋の前から5分ほど下った沢で水を汲んでいると雨が小降りとなり、テントに戻る頃には青空が見え始めていました。テントに入ってお茶を飲みひと息ついてから、カメラを持って周辺を散策。マルバダケブキのお花畑とテント場の下の苔が美しい森を撮影しました。

テントに戻って夕食の準備をしていると再び雨が降り出し、慌てて外に干していたものを取り込みました。雷雨の第二波は軽く済み、日没の時間帯には再び晴れました。19時30分にシュラフに入りました。

2022年8月13日(土)
南アルプス南部縦走(1)

鳥倉登山口からスタート

コロナ禍により南アルプス南部は実質クローズ状態でした。この夏は3年ぶりに入山できるようになり、欲張ってあれこれ計画を考えるうちに、三伏峠から茶臼岳まで6泊7日の大縦走プランになりました。これまで何度も通っている山域ですが、南アルプス南部を一気に縦走するのは学生時代の合宿以来。久々のビッグな計画に気持ちが高ぶります。

7月28日(木)、八王子6時35分発の松本行きに乗り、岡谷で飯田線に乗り換え、伊那大島で下車。駅舎を出ると強烈な日差しが暑い。鳥倉登山口行きのバスの乗客は二人だけでした。登山口に近づくにつれ雲が多くなり、標高が上がるにつれて涼しくなってきました。

1週間分の食料が詰まった27㎏のザックを背負ってスタート。30分ほど歩いたところで雨が降り出しました。ザックカバーを付け、レインパンツを穿いて傘を差しました。湿度が高く汗が噴き出します。豊口山のコルで休んでいると雨は本降りとなり、雷も鳴り始めました。行動食を少し食べてから再び歩き出します。やがて激しい雷雨は通り過ぎ、雨はほとんど上がりました。ふと気がつくと、足元の苔の上にイチヤクソウが点々と咲いていました。今日は時間が無いので撮影を我慢して先へ進みます。ほとけの清水で小休止。今日はテントを張った後で水場まで行く時間がないと思い、ここで3.5リットル汲んで持っていくことにします。ずっしりと重たくなったザックを背負い、最後のピッチが長く感じられましたが、無事三伏峠に到着しました。

テントを張り、すぐに夕食の準備。暗くなってから、遠くでゴロゴロ雷が鳴り、ピカピカと空が光っています。携帯の電波が入らず、明日の天気が心配です。20時30分にシュラフに入りました。

2022年8月11日(木)
湿原広がる田代山~帝釈山

熊が棲んでいそうな深い森を行く


会津駒ヶ岳を見ながら田代山湿原を行く


ワタスゲの中にコバイケイソウ


帝釈山にて

7月9日(土)、山仲間3人で南会津の田代山~帝釈山へ日帰りで行ってきました。田代山は航空写真で見るとプリンのような形をしており、カラメルソースの部分が湿原となっています。一度登ってみたいと以前から気になっていた山です。

4時に迎えの車が来てくれました。予報では今日は微妙な天気ですが、東北道はよく晴れています。空気が澄んでおり、奥日光の山々が山肌まではっきり見えていました。西那須野塩原で高速を下り、山スキーで通い慣れた桧枝岐へのルートを走ります。湯ノ花温泉から砂利道を延々と走り、家を出てから4時間で猿倉登山口に着きました。週末なのに、駐車場は思ったほど混んでいません。上空は青空で、今のところ上々の天気です。

林道を300メートルほど歩き、登山口から森の中へ入ってゆきます。よく整備され歩きやすい道を登ってゆくと、足元にはゴゼンタチバナが沢山咲いていました。珍しい花がないか目を凝らしていると、イチヨウランが咲いていました。傾斜が緩くなると間もなく目の前が開け、小田代でした。風に揺れるワタスゲに思わず歓声が上がります。タテヤマリンドウの小さく青い花が点々と咲いていました。再び樹林に入り100メートルほど上ると、いきなり田代山湿原の一角に飛び出しました。感動的な展開です。
緑の湿原に木道が伸び、両側にワタスゲが揺れていました。青空には白い雲。凄い数の赤トンボ。その先には会津駒ヶ岳から三岩岳のなだらかな山が並んで見えていました。田代山の山名標識の所で記念写真を撮り、弘法大師堂へと向かう所は凄い密度のワタスゲの原になっていました。

弘法大師堂から再び樹林に入りました。一旦50メートルほど下り、なだらかな稜線を帝釈山へ向かいます。道の両側に沢山のゴゼンタチバナが咲いていました。最後は一気に150メートル上り、帝釈山に到着しました。

山頂からは見渡す限り深い緑が広がっており、奥深い山に居ることを実感します。会津駒はもちろん、至仏山、燧ヶ岳、平ヶ岳、中ノ岳も望むことができました。今日もGさんが沸かしてくれたコーヒーを飲みながら昼食を食べ、記念写真を撮ってから山頂を後にしました。

田代山まで戻って来ると大分雲が多くなり、時々霧が流れてくるようになりました。一面に広がるチングルマの果穂やモウセンゴケ、サワランなどを撮影して田代山とはお別れ。樹林帯の歩きやすい道を一気に猿倉登山口へと下りました。結局、雨に降られることもなく、素晴らしい山行となりました。

湯ノ花温泉には駐車場が無いため、たかつえスキー場の白樺の湯に寄ってから帰途に就いきました。

2022年7月7日(木)
キタダケソウに会いに北岳へ(3)

自然からの大サービス


ダケカンバの新緑と北岳

6月28日(火)も2時半起床。満天の星空ですが、相変わらず強風が吹いています。

朝食を食べてから、撮影機材を持って北岳山頂へ向かいます。小屋の前では白み始めた空に富士山が浮かんでいました。ちょうどその時、富士山上空に火球が流れ、バラバラになるところまでしっかり見ることができました。撮影できなかったのが残念! 両俣分岐まで上ると、北岳山頂にはガスが流れていました。ここより上に登っても写真は撮れないと判断し、ここで待機することにしました。一時的に雨粒が落ちてきましたが、ちょうどガスと晴れの境目の位置なので、流れるガスと朝日、そして虹やブロッケンなど、思わぬ収穫がありました。

テントに戻り、2度目の朝食を食べてから撤収。風が収まらないのでテントを畳むことができず、フライシート付きのまま丸めて袋に押し込みました。

小太郎尾根分岐までは、仙丈ヶ岳の雄大な山容を楽しみながら吹きさらしの稜線歩き。稜線を離れると風は弱まり、暖かくなりました。ダケカンバの芽吹きと若葉、咲き始めの花が素晴らしく、のんびり撮影しながら白根御池へ下りました。白根御池小屋の前で昼食を食べ、広河原までの樹林帯をできるだけ汗をかかないようにゆっくりと下りました。

広河原14時発のバスで甲府に下ると、気温36度の酷暑でした。ガラガラの各駅停車に乗り、19時に帰宅できました。

2022年7月6日(水)
キタダケソウに会いに北岳へ(2)

光さす大樺沢


ハクサンイチゲの中に咲くキタダケソウ


キタダケソウ

6月27日(月)、2時半起床。夜中には満天の星空が広がっていましたが、起きた時には雲が多くなっていました。朝食を食べ、テントを撤収して出発しようとしたタイミングで吊尾根に朝日のスポットライトが当たり、慌ててカメラを構えました。光の状態を見ながらシャッターを切っているうちに、出発が遅れてしまいました。

森の中の水平道を辿って大樺沢二俣に出ると、ここでもいい光が大樺沢を照らしてくれました。大樺沢にはまだたっぷり雪渓が残っていましたが、左岸の夏道を登ることができます。所々で雪渓を避けてより上の踏み跡に上がりますが、濡れた岩で足を滑らせ、右腕を強打してしまいました。大樺沢上部では雪渓に下りましたが、雪面は意外に固く、アイゼン無しのキックステップは若干緊張しました。雪渓を離れて岩稜に取り付いた所でひと安心。連続するハシゴをゆっくり着実に上ってゆきます。八本歯のコルに着くと、主稜線は雲に包まれて見えませんでしたが、足元の咲いたばかりのハクサンイチゲが美しい。やがて自分もガスの中へと入ってゆきます。北岳トラバース道ではすでにハクサンイチゲが優勢で、キタダケソウは咲き残りがチラホラという感じでした。主稜線に出て北岳山頂へ向かいます。最後の厳しい登りでは、点々と咲くフレッシュな花に慰められました。頂上ではガスで何も見えず、スマホで記念写真だけ撮り、肩の小屋へ下りました。

肩の小屋のテント場は空いていましたが、東斜面には雪が残っており、平坦なスペースは意外に少なく、小屋の北側に一段下がった稜線上にテントを張りました。テントに入った時は時折日が差していましたが、次第に暗くなって強風が吹き始め、15時頃には激しい雨と雹が降りました。1時間ほどで雨は上がり、風も一旦収まりましたが、夕食を食べていると再び強風に。日没前には晴れてきたのでカメラを持って撮影に出たものの、あまりの強風に撮影を断念。早々にテントに引き返しました。今日、関東甲信越の梅雨明けが発表されたようです。明日の天気に期待して19時にシュラフに入りました。

2022年7月5日(火)
キタダケソウに会いに北岳へ(1)

白根御池近くの苔むす小滝


白根御池と鳳凰三山

今年は空梅雨気味で、ここ数日は梅雨の晴れ間、というよりこのまま梅雨が開けてしまいそうな猛暑になっています。24日から広河原へのバスが運行を開始したので、キタダケソウが咲いているうちに北岳へ行くことにしました。

6月26日(日)、八王子6時35分発の各停に乗り、甲府を9時5分発の広河原行きバスに乗り込みました。日曜日のこの時間から入山する登山者は少なく、2台のバスにゆったり乗ることができました。甲府では晴れていましたが、広河原でバスを降りると小雨が降っていました。天気予報通り大気の状態が不安定なようです。

コンビニで買ってきたおにぎりの昼食を食べて出発。幸い雨はすぐに止みました。今シーズンは大樺沢コースの二俣までが通行止めになっており、その代わり白根御池へのコースは階段が新しくなり、歩きやすく整備されていました。急登が続きますが体調は良く、ゆっくり歩いているつもりでも順調に標高を稼ぐことができました。白根御池手前の苔むした小滝をじっくり撮影。今回は余裕を持って小屋に到着しました。

受付をしていつもの場所にテントを張ります。テント場は空いており静かです。鳥のさえずりが山に響いていました。テントに入り、お菓子を食べながらラジオを聞き、まったりとした時間を過ごしました。早めに夕食を食べ、19時半にシュラフに入りました。

2022年6月24日(金)
甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根(2)

朝日に染まる雲海


山も自分も染まる


降雪に霞む甲斐駒ヶ岳

6月10日(金)、疲れ過ぎのためかよく眠れないまま2時半のアラームで起きました。気温は5℃。満天の星空です。予報よりも天気が良いようです。急いでラーメンを食べ、明るくなり始める頃、頂上を目指して出発しました。

鳥のさえずりが賑やかです。しばらく登ると残雪を見るようになり、時折雪の上を歩く箇所も出てきますが、雪は凍っておらず問題ありません。森林限界を抜けると、足元に見事な雲海が広がっていました。やがて奥秩父の左から太陽が顔を出しました。次第に雲海が金色に染まります。振り返れば甲斐駒が真っ赤に染まっていました。ところが、輝く雲海に目をこらすとポツポツと雨粒が落ちているのが見えます。やはり寒気が入っている影響で大気の状態は不安定なようです。朝のドラマは一瞬で終わり、上空に黒い雲が広がってきました。八合目御来迎場では鳳凰三山と富士山、北岳を望むことができました。ここから、山頂への最後の岩場が始まります。足場が遠くちょっと苦労するような鎖場をよじ登り、ルンゼ状の岩場を登っていると、急に雨脚が強くなってきました。レインジャケットを着ている間にみぞれから雪に変わりました。どうするか思案しましたが、無理して登っても写真が撮れる可能性は低く、悪天下での岩場の危険性も考慮し、ここで引き返すことにしました。

下りはじめてすぐ、日帰りと思われる人とすれ違いました。一体何時に下を出てきたのでしょうか?このパワーが羨ましいです。テントに戻り、軽く2度目の朝食を食べてからテントを撤収。雨はほとんど止んでいました。再び重たいザックを背負って長い下りにとりかかります。五合目までの鎖とハシゴを慎重に下り、五合目小屋跡で休んでいると、時折薄日が差すようになり、下ってきた尾根がガスに見え隠れしています。30分ほど粘って撮影しましたが、思うようなカットを撮ることはできませんでした。ここから約100メートル登り返し、黒戸山を巻き、刀利天狗まで下った所でストックを仕舞ってまた岩場です。刃渡りを過ぎたところで悪場は終わり、ほっとしたところで腹ごしらえ。まだ1200メートルの標高差が残っており、ストックを使って体力を温存しながら足を運びました。ハルゼミの声が賑やかになってくるとゴールはもうすぐ。吊橋を渡り、ヨレヨレになって車道を緩やかに登ると駐車場に到着しました。

2022年6月23日(木)
甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根(1)

イワカガミ


苔の道

甲斐駒ヶ岳には何度も登っていますが、夏の黒戸尾根をまだちゃんと撮影したことがなかったので、今回梅雨の晴れ間を狙ってテント1泊で出掛けることにしました。

6月9日(木)、4時半に家を出ました。費用節約のため、上野原から高速に入り韮崎で下りました。所要時間4時間ほどで登山口の尾白渓谷駐車場に到着。平日なので空いています。

駒ヶ岳神社の境内を通り抜けて尾白川を吊橋で渡り、黒戸尾根に取り付きます。今回、ザックの重さは25㎏ほど。初めはジグザグにつけられた歩きやすい道を順調に上ってゆきます。新緑が美しい。笹ノ平分岐で小休止。八丁坂を上ってゆくと、低い笹で覆われた林床に苔むした巨石が点在し、その上に育つ木が巨石を包むように根を張っていました。その後一面苔むした森を抜け、刃渡りを慎重に通過。ここから鎖とハシゴが連続するようになり、一旦ストックを仕舞いました。登り切った刀利天狗でひと息入れます。苔むした石碑の袂に咲くイワカガミが美しい。再びストックを出して五合目を目指します。一面苔に覆われた森がいかにも黒戸尾根らしい雰囲気です。五合目から七丈小屋までハシゴと鎖の連続となり、またストックを仕舞います。最初のハシゴの所にクモイコザクラが咲いており、ハシゴにつかまりながら片手で撮影しました。連続するハシゴが足に応えます。ヘロヘロになる頃に七丈小屋に到着しました。

テント泊の受付をして、水を汲み、さらに5分ほど上のテント場へ。今日のテントは一人だけとのこと。テントを張るとすぐに夕食の準備。今日は豪華にレトルトのハンバーグと筑前煮。あすの朝は早いので、19時半にシュラフに入りました。

2022年6月22日(水)
トレーニングで丹沢の畦ヶ丸へ

本棚


緑の天井


尾根道の下の方に咲いていたヤマツツジ

6月2日(木)、トレーニングを兼ねて、新緑の畦ヶ丸へ行くことにしました。アプローチは公共交通機関を利用しました。新松田からのバスは道路混雑で20分ほど遅れて8時45分に西丹沢ビジターセンターに着きました。

西沢沿いの登山道は大分荒れており、木の橋が流されたままの所もありましたが、水量が少なく靴を濡らすことはありませんでした。下棚に寄って撮影してから西沢へ戻り、流れを撮影しながら本棚へ。鮮やかな緑の中を流れ落ちる白い飛沫が本当に美しい。30分近く撮影を楽しみましだ。本棚沢の出合へ戻り、ここで沢を離れて善六のタワへと登ってゆきます。善六のタワから畦ヶ丸頂上まで、ブナ林の緑が素晴らしい雰囲気です。滝の撮影で時間を使ってしまったので、頂上にはかなり遅い到着となりました。

誰も居ない頂上で昼食を食べているとガスってきました。今日は下山後に温泉に寄りたかったので、先を急ぐことにします。大滝峠上まで、ブナ林の中を足早に下ります。途中、ヤマツツジがポツンと下の方に咲いており、光のタイミングを見ながら何枚か撮影しました。大滝沢まで下れば、緩やかな歩きやすい道となり、一軒屋避難小屋で5分ほど休憩しただけで一気に大滝橋へ。さらに中川まで30分ほど車道を歩いてぶなの湯に到着しました。

ぶなの湯は休日は混んでいるためなかなか入れず、今回が初めてです。バスの時間まで1時間以上あったので、ゆっくり風呂に入った後、2階の休憩室で残りの菓子を食べながら休憩できました。17時18分のバスに乗り、20時に帰宅。近場で中身の濃い山行ができました。

2022年6月21日(火)
九州撮影ツアー(5) 大崩山山麓

小積ダキの大岩峰


祝子川と小積ダキ


めかりPAからの関門海峡

5月17日(火)はのんびり車で延岡周辺の神社や道の駅めぐりをしました。

5月18日(水)、5時起床。すばらしい晴天です。朝食を食べ、大崩山の登山口まで車で移動。平日だというのに、すでに林道脇にはずらりと車が並んでおり、この山の人気ぶりが窺えます。松本ナンバーの車も止まっていました。

登山の準備をして出発。登山道は道形が不明瞭ですが、マークがしっかり付けられており、迷うことはありません。尾鈴山と同様に落葉に覆われていますが、天気が続いているのでよく乾いておりヒルの心配はないようです。ハシゴを越え、きれいな水が流れる小沢を横切ると大崩山荘に着き、中に入って小休止。囲炉裏があり快適そうですが、床がほこりまみれであまり使われていないようです。山荘から先の道は険しさが増し、慎重に足を運びます。ロープ頼りに大岩をトラバースする部分もありました。ワク塚分岐から祝子川の河原に下ると渡渉ポイント。対岸には小積ダキの大岩峰が聳えています。

河原の木陰で休憩と撮影をしてから、渡渉点を探します。大岩伝いにジャンプして渡れそうでしたが、さすがに母には無理と判断し、残念ですが今回はここまでとすることにしました。そうと決まれば時間はたっぷりあるので、ゆっくり昼食を食べ、存分に撮影を楽しみ、来た道を慎重に登山口へと引き返しました。車でコテージに戻る途中で、道路脇に流れ落ちる苔むした小さな滝を撮影しました。

コテージでシャワーを浴びてさっぱりした後、昼寝やパソコンなどしてのんびり過ごし、九州最後の夜は、昨日買ってきた立派な鯛を入れた豪華な鍋を食べました。

5月19日(木)、3日ぶりに全ての荷物を車に積み込み、道の駅や展望台など寄り道しながら北上し、大分の佐伯市で昼食を食べてから帰途につきました。途中で1泊し、20日の21時に帰宅。10日間で約3100㎞の走行、よく走りました。

2022年6月20日(月)
九州撮影ツアー(4) 尾鈴山瀑布群

矢研の滝


足元にはヒル!


軌道跡のトンネル

5月16日(月)、起きると雨が降っていました。小雨なので渓谷と森の撮影には好条件。予定通り尾鈴山瀑布群へ向かいます。登山口の駐車場に車を止めて準備をしながら、服の上に動くモノに気がつきました。なんとヒルです。慌てて払い落としましたが、家内も母もヒルに襲われ大騒ぎに。足元に入念にヒル対策を施してから、まず矢研の滝へ向かいます。キャンプ場を抜け、軌道跡から登山道へと進みます。ヒルが次から次に上がってくるので油断ができません。左から落ちる若葉の滝の前を通ってさらに進むと、前方に大迫力の矢研の滝が姿を現しました。滝壺まで道が続いていないのが残念ですが、雰囲気は最高。三脚を立ててしばし撮影を楽しみましだ。

深い森を撮影しながら駐車場まで戻り、車の中で昼食。午後は家内は車で都濃神社へ行き、母と二人ですだれの滝まで行くことにしました。すだれの滝へのコースも軌道跡でした。道が谷から大分高く、濃い樹林に遮られて流れは見えません。ヒルの攻撃は相変わらずです。軌道跡は何度も折り返しており、なかなか行程がはかどりません。コースタイムを大幅に超過して「すだれの滝」の看板まで来ましたが、樹林に遮られてしまい、対岸に滝があることがかろうじて分かる程度でほとんど見えませんでした。時間も無いので、ここで引き返すことにしました。携帯の電波が通じたので祝子川キャンプ場のコテージの予約を家内に頼むことができました。戻る途中で木の橋の上に三脚を立てて小滝を撮影しましたが、やはり一瞬の隙にヒルが這い上がってきました。ヒルにはうんざりですが、森の深さと自然度の豊かさは驚くばかりです。その後、アカショウビンの声も聞くことができました。車に戻りヒルから解放されました。やれやれ。

高速で延岡へ移動し、スーパーで食料を買ってからキャンプ場へ向かいます。祝子川に沿って細い道を延々と山の中へ入ってゆくので心細くなりますが、キャンプ場周辺は小さな集落になっており、人が住んでいることは驚きです。近くにある美人の湯の閉館時間に間に合わないことが分かりガックリきましたが、キャンプ場のコテージに着くと、台所だけでなく風呂まで付いていることが分かり、一気にテンションが上がりました。交代で風呂に入ってさっぱりしてから、買ってきた刺身と総菜で夕食。明日の天気は曇り。連日の行動で皆疲れがたまっているので、明日は休養日とし、コテージを1泊追加し3泊することにしました。

2022年6月19日(日)
九州撮影ツアー(3) 鹿ヶ原のミヤマキリシマ、青島

鹿ヶが原のミヤマキリシマと高千穂峰(御鉢)


青島神社へ

5月15日(日)、朝起きるとどんよりと曇っていました。天気予報をチェックすると、昨日時点での好天予報が変わっており、間もなく雨が降り始めるとのこと。高千穂峰に登る予定でしたが中止を決め、ミヤマキリシマを見に鹿ヶ原へ行くことにしました。

ホテルをチェックアウトしてすべての荷物を車に押し込み、登山口の高千穂河原へ。日曜日の今日はこのような天気でも登山者と観光客で賑わっていました。パラパラと雨が降る中、鹿ヶ原へ向かいます。林の中のほとんど平坦な道を20分ほど進むと前方が開け、ミヤマキリシマの鮮やかな色が目に飛び込んできました。満開に近い部分とほとんどつぼみの状態の部分がありますが、全体的には5分咲きくらいでしょうか。1時間半ほど撮影を楽しんで鹿ヶ原を後にしました。

霧島温泉市場へ移動し、昼食に黒豚のヒレカツを食べ、先に帰るNさんとはここでお別れ。次の目的地の都濃へ移動します。途中、宮崎ICで高速を下りて青島神社に寄りました。青島は貝殻の破片が堆積して出来た島とのこと。天然記念物の鬼の洗濯板や特別天然記念物の熱帯・亜熱帯植物の密林が見事でした。

再び高速を都濃まで走り、インターを下りてすぐのビジネスホテルにチェックイン。なんと一人約5千円で2食付き。部屋は二段ベッドで窮屈ですが、値段を考えれば上等です。

2022年6月18日(土)
九州撮影ツアー(2) 白鳥山と韓国岳

ガスに包まれた白鳥山山頂


韓国岳より高千穂峰と新燃岳


大浪池へ向かって下る

5月14日(土)、まだ暗い4時40分にホテルを出ました。辺りは深い霧に包まれていました。ヘッドランプを点けて、よく整備された道を白鳥山へ向かいます。展望台まで来る頃には明るくなりましたがガスは晴れず、白鳥山頂上でもガスの中にポツンとミヤマキリシマが咲くだけでした。諦めて白紫池を回って帰ることにします。所々にミヤマキリシマが咲く森が美しく、時折薄日が差し始めました。鹿との出会いもありました。

ホテルで朝食を食べている間にすっかり晴れ上がり、予定通り韓国岳へと出発。Nさんを先頭にミヤマキリシマが咲く明るい森を上ってゆきますが、沢山のシャクトリ虫が木の枝からぶらさがっているのに閉口します。2.5合目の展望台から、すぐ下に噴煙を上げる硫黄山、今朝登った白鳥山、そして台形の甑岳が望めました。さらに登ると樹林を抜け、大浪池が見え始めました。所々にミヤマキリシマの鮮やかなピンクが点在しています。足元にはフデリンドウも咲いています。登るにつれて大浪池が低くなり、岩がむき出しの山頂に到着しました。土曜日の今日は大勢の登山者で賑やかです。

高千穂峰は頂上が雲に隠れていましたが、昼食を食べている間に雲が取れました。新燃岳は溶岩が火口を埋め尽くして一部が溢れている様子がよく分かります。韓国岳火口の断崖が凄い迫力です。大浪池の先に桜島も見えています。付近を歩き回りながら写真を撮り、結局1時間以上長居してしまいました。

下山は正面に大浪池を見ながら、韓国岳避難小屋へと下ります。急な木の階段が所々壊れており気が抜けません。やがて樹林帯に入り、傾斜が緩くなると避難小屋につきました。あとは韓国岳の山腹をトラバースするようにえびの高原へ向かいますが、沢を横切る所がアップダウンになっており、思ったよりもきついコースでした。木からぶら下がるシャクトリ虫の数も凄い。えびの高原の車道に出てホッとしたところで振り返れば、快晴の空に韓国岳がはっきりと見えていました。

やはり、山に登った後の温泉は最高です。天気が回復し韓国岳に登ることができて、本当によかったと思います。明日の午前中まで天気が持ちそうなので、高千穂峰を目指すことにします。

2022年6月17日(金)
九州撮影ツアー(1) 千里ヶ滝と高千穂神宮

千里ヶ滝


霧島神宮にて

5月11日(水)の早朝に車で横浜を発ち途中で1泊、12日(木)に雨の霧島へやってきました。今回のメンバーは家内と私の母、そして飛行機でNさんが合流し、4人です。

5月13日(金)は予報通りの雨。山には登れないので、霧島神宮へ行くことにしました。車を走らせていると「千里ヶ滝→」の標識があり、寄ってみることに。細い道を下り、終点の広場に車を止めました。ここからは傘を差して森の中の歩道を下ってゆきます。次第に急な階段となり、コンクリート製のトンネルをいくつか抜けて100メートルほど下ると、樹林の切れ間から立派な滝が現れました。さらに下まで下ってみましたが、道は発電所で行き止まりでした。滝が見える所まで上り返して滝を撮影。上から垂れ下がった枯れ枝を取り除こうと引っ張ったところ、腐った大木が倒れそうになり、肝を冷やしました。霧に煙る森を撮影しながら車まで上り返しました。

霧島神宮へ移動。今年の2月に国宝に指定されたそうです。入口にある池では蛙が賑やかに鳴いていました。雨に濡れた鮮やかな緑の中に鳥居の朱色が映えます。本殿に続く参拝路に人影が映る情景に、なんともいえない風情を感じました。昼食は霧島民芸村のうどん屋へ。その後、民芸村の屋久杉資料館で見事な木彫りや陶芸品を見てからホテルに引き返しました。

ゆっくり温泉で温まった後、夕食を楽しみました。明日は天気が回復するとの予報に期待が高まります。

2022年6月15日(水)
残雪の高妻山(2)

妙高山を望む幕営地


高妻山からの眺め
左から、金山、焼山、火打山、妙高山



高妻山を振り返る


山麓では水辺の至る所にミズバショウが咲いていた

4月28日(木)、夜中にトイレに出ると下の雲が減り町の明かりが見えていました。頭上には北斗七星。テントから三脚を取り出し、しばらく撮影しました

朝は4時20分に起床。だいぶ明るくなっており、コーヒーだけ飲んで撮影開始。テントの前に三脚を立ててマジックアワーの微妙な色彩の山々を撮影する至福のひととき。日が出たところで高妻山を望むポイントに移動。春霞がかかっているため雪面は期待したほどは色づきませんでしたが、心ゆくまでシャッターを押しました。1時間半ほどで撮影を切り上げてテントに戻り、朝食を食べてアタックの準備。

今日は初めからアイゼンを着けて出発。いくつかのコブを越えてゆきますが、最初の登りから結構な斜度なので、ストックからピッケルに持ち替えました。気温は高く、すぐに雪は緩んできました。ルートはほとんど雪の上を歩きますが、いよいよ急になってくるとうまい具合に夏道が出ており、順調に進みます。2053m標高点の次のコブを越えると、いよいよ高妻山の上りに取りかかります。雪の大斜面は上部へ行くほど急になり、休憩できる場所が無いため、着実にアイゼンを蹴り込みながらゆっくりペースで上り続けました。最後は夏道に移って少し上ると傾斜がなくなり、間もなく頂上に到着しました。

今日は素晴らしい天気となり、360度大展望が広がっています。灌木はすべて雪の下なので視界を遮るものがありません。雨飾山、金山、焼山、火打山、妙高山、黒姫山など頸城の山々、北アルプス、近くは戸隠連峰などの眺めを独り占めです。沢山のツバメが飛び交っており、シャッターを押すときにどうしても写り込んでしまうので、これは後で消すしかありません。写したり食べたりするうち、あっという間に1時間が過ぎてしまいました。記念写真を撮って山頂を後にしました。

大分雪が緩み足元が不安定なので、直下の急斜面はずっとバックステップで下ります。コルまで下ったところで一安心。あとはのんびり写真を撮りながら五地蔵山のテントに戻りました。

テントを撤収し、五地蔵山を後にします。素晴らしいテント場でした。残雪は登山道部分が空洞になっている所があり、気をつけていても何度か踏み抜いてしまいました。1596m標高点でアイゼンを外し、雪が消えた登山道を戸隠牧場へと下りました。

沢を渡る所は減水しており、靴を脱がずに何とか渡ることができました。フキノトウを採ったり、ミズバショウを撮ったりしながら、のんびりと車に戻りました。結局、2日間誰にも会わず、全山貸し切りでした。いい山行ができました。戸隠神告げ温泉に寄ってさっぱりしてから戸隠高原を後にしました。

2022年6月14日(火)
残雪の高妻山(1)

ブナ林の尾根を登る


五地蔵山から暮色の高妻山

久しぶりに山の上で泊まって撮影したいと思い、残雪の高妻山に登ることにしました。

4月27日(水)、6時に家を出発。どんよりとした空からパラパラと雨が降っていましたが、次第に明るくなってきました。横川まで来ると妙義山が見え、山腹の芽吹きが素晴らしい。更埴ICで高速を下り、コンビニに寄って昼食を食べてから戸隠へと車を走らせます。登山口の駐車場に12時に到着。辺りは霧に包まれていましたが上空は明るく、天気は予報通りに回復傾向のようです。

戸隠キャンプ場の中を進みます。あちらこちらの水辺にミズバショウが咲いています。戸隠牧場に入り、道路が沢を横切る所は雪解けに昨日からの雨が加わって増水しており、靴を脱いで渡渉しました。弥勒新藤入口の沢も増水しており、再度靴を脱いで渡渉。

想像よりも雪解けが進んでおり、土の登山道を上ってゆきます。標高1420mにある「ブナ仙人」の辺りで休憩。ブナ林の向こうに戸隠山が見えてきました。1596m標高点辺りから残雪が見られるようになりました。ブナ林が美しい。この先、傾斜が強くなってきた所でアイゼンを着けましたが、陽当たりが良い所の雪は消えており、アイゼンがドロドロになってしまいました。五地蔵山の直下は急な雪面にアイゼンを蹴り込んで慎重に登ります。焼山、火打山、妙高山、黒姫山、飯綱山が見えてきました。

五地蔵山頂上(六弥勒)から一不動方向へ少し下った雪の上を整地してテントを張りました。その後、カメラを持って高妻山が見えるポイントへ。上空がまだ曇っており、写真には今ひとつ。テントに戻って水を作り、夕食を食べた後はテントの夜景を撮影してシュラフに入りました。

2022年5月7日(土)
新緑の高尾山

6号路をゆく


輝く新緑

4月22日(金)、新しいハイキングシューズの足慣らしを兼ねて、夫婦で高尾山へ行ってきました。

朝食を食べてから家を出て、高尾山口駅近くの駐車場に9時半過ぎに到着。甲州街道から小綺麗な土産物屋の間を抜けてケーブルカーの清滝駅まで来ると、遠足の団体でごった返していました。

高尾山はまさに新緑が一番美しい季節。昨日の雨が上がり湿度は100%ありそうな感じですが、沢沿いの6号路はひんやりしており半袖が気持ちよい。小さな山なのに、所々で遭遇する巨木に自然度の高さが感じられます。若葉が日差しを受けて輝いています。時々、賑やかな遠足の団体に巻き込まれながら登ってゆきます。最後は沢から離れ、尾根を100mほど一気に上ると1号路に合流し、山頂に到着。平日だというのに凄い人出です。晴れていますが富士山は雲に隠れて見えませんでした。

記念写真を撮って山頂を後にして1号路を下ります。薬王院にお詣りして、巨木に感嘆しながらケーブルの山頂駅へ。駅を過ぎると登山者はぐっと少なくなりました。舗装された道をぐんぐん下れば山麓駅前に到着。

駅前の蕎麦屋で昼食を食べ、満足して帰途に就きました。

2022年5月6日(金)
浅草岳 山スキー

クラックが開いた尾根を登る


浅草岳山頂からの守門岳


守門岳を見ながらムジナ沢を滑る

Kさんからお誘いがあり、浅草岳を滑りに行くことになりました。高速代節約のため前日に現地へ向かい、小出の道の駅で車中泊しました。

4月6日(水)、朝食を食べ出発の準備をしていると、KさんとYさんが到着。各々の車で登り口の五味沢へ移動しました。

シールを着けてスタート、樹林の間を上ってゆきます。Yさんがいつもように凄いペースで先に行き、僕とKさんはのんびり後を追うパターンです。やがて雰囲気の良いブナ林になりました。背後に守門岳がせり上がってきます。右手遠くには越後三山も見えてきました。朝から高曇りでしたが青空の範囲が少しずつこちらに近づいており、これから天気は良くなりそうです。広い尾根を上って前岳まで来ると、鬼ヶ面山の大岩壁が凄い迫力で切れ落ちているのが見えました。緩やかに少し下ってひと登りで浅草岳に着きました。

山頂ではやや風が強く寒かったものの、素晴らしい眺望が広がっていました。ひと休みして行動食を食べ、記念写真を撮り、シールを着けたまま前岳まで戻って滑降の準備。

ムジナ沢源頭の広大な斜面に滑り込み、若干重たい雪に気持ちよくターンを刻みました。写真を撮り合いながらぐんぐん標高を下げてゆきます。傾斜が緩くなると時々ストップスノーに足を取られましたが、楽しく滑ることができました。正面に守門岳を眺めながら標高を下げ、標高800メートル辺りで左の大地に上がり。林道と思われる切り開きにを下ってゆくと浅草山荘に下り着きました。

スキーをここにデポし、車道を15分ほど歩いて車に戻りました。車で浅草山荘に引き返してからのんびりと後片付けをして、ここで解散。帰りも高速を使わずにずっと下道を走り、夜遅く帰宅しました。

2022年4月19日(火)
笠間アルプス

吾国山からの筑波山


吾国山にて


開きかけのカタクリ


愛宕山にて

4月2日(土)に、山仲間3人で茨城の吾国山から愛宕山を縦走してきました。今回誘われて初めて聞いた山名でしたが、調べてみると「笠間アルプス」と呼ばれているらしい。これは何となく聞いたことがある気がします。という事で、新鮮な気持ちで現地へ向かいます。

家の車で4時に出発し、仲間をピックアップして湾岸道経由で常磐道へ。日が昇れば快晴です。久しぶりに冷え込んでおり、車の温度計は外気温マイナス1℃まで下がりました。岩間ICで高速を下り、常磐線岩間駅前の駐車場に車を止め、常磐線から水戸線へ乗り継ぎ福原駅へ向かいました。

ローカル線の風情たっぷりの福原駅から歩き出します。住宅地を抜けて広々とした畑の間を吾国山へ向かいます。いくつもの角を曲がりますが、道標が整備されており迷うことはありません。畑が終わると植林帯に入り、本格的な上りになりました。木々の芽吹きが目を楽しませてくれます。吾国山山頂の手前に、楽しみにしていたカタクリ群生地がありました。すでに陽が当たっていますが、気温が低いためかまだ花が開いていません。群生地の中にブナの大木が散在し、なかなか良い雰囲気です。とりあえず山頂まで行き、あとで戻って来ることにしました。

吾国山頂上には祠があり、筑波山と加波山が眺められました。春霞がかかっていますが、日光の山もかすかに見えていました。のんびりコーヒーを飲みながら腹ごしらえをしてから、カタクリ群生地に戻りましたが、なかなか花は開かず、数輪見つけた開いた花だけを撮影し、先へ進むことにしました。残念。

道祖神峠へ標高差200メートルの下り。峠で車道を渡り、難台山目指して再び上りです。最高地点の難台山は552.8メートルしかありませんが、縦走路はアップダウンが多い上に登山道が直線的につけられている所が多く、結構しごかれます。難台山を過ぎてもアップダウンは続きます。屏風岩や団子石など、所々に大岩があるのが不思議です。足元のいたる所にスミレが咲いていました。

南山展望台まで来ると、行く手に最後のピークである愛宕山を見下ろすことができました。ここでぜんざいを作ってひと休み。アップダウンは終わり、愛宕山へ向かって緩やかに下ってゆきます。愛宕山は観光地となっており、5分咲きの桜の中を通り抜け、神社の階段を上った所が頂上の愛宕神社でした。神社にお詣りしてから岩間駅へと下ります。途中、満開の桜が見事でした。

車に戻り、ほとんど汗をかかなかったということで温泉は省略。JAの農産物特売所でお土産を買って帰途に就きました。高速は空いており、19時に帰宅できました。

2022年4月17日(日)
丹沢・鐘ヶ岳~大山 ミツマタを愛でに

鐘ヶ岳の浅間神社


ミツマタ群生地


ハナネコノメ


ガッスガスの大山頂上

昨年に続けて今年も不動尻のミツマタ群生地を訪ねることにしました。トレーニングも兼ねて鐘ヶ岳を越えて不動尻に入り、ミツマタを撮影した後は大山を越えて小蓑毛へ抜ける計画です。

3月30日(水)、5時20分に自宅を出て、伊勢原7時発のバスに乗りました。広沢寺温泉入口でバスを降りて車道を上って行くと、行く手に鐘ヶ岳が現れました。住宅地を抜け、石段を登って鳥居をくぐると登山道になりました。古い丁目石があり、ミニ大山といった趣です。適度な傾斜で歩きやすい道が続きましいたが、頂上直下は急な長い石段となっており、一段の奥行きが浅く足が半分しかかからないため、バランスを崩しそうになり少々怖い。昔の人はこんなに足が小さかったのか?などと考えながら石段をを登り切ると浅間神社があり、その裏が鐘ヶ岳の頂上でした。

頂上は樹林に囲まれ展望は無く、ベンチに座って軽く腹ごしらえをしてから山神峠へ向かいます。少し下った所で芽吹きの中に小さな桜が咲いていました。峠から山神隧道へ下り、舗装された車道をしばらく歩けば不動尻に到着。見事なミツマタの群落が迎えてくれました。曇り空から時折薄日が射すという、まさに森の撮影日和。ミツマタだけでなく、流れの脇には小さく可愛いハナネコノメも咲いていました。

たっぷり撮影し、昼食を食べた後は大山へ。ミツマタが群生する斜面にジグザグにつけられた道を上って行くと、大山へ向かう登山道に合流しました。唐沢峠の手前からガスの中に入りました。峠のベンチで休憩。ここからは冬枯れの風景の中を登ってゆきます。雷ノ峰尾根に合流すると、相模湾からの湿った空気の直撃を受けるようになり、木の枝に付いた霧が雨のように降り注ぎます。たまらずレインジャケットを着込みました。

平日の午後、ガスに包まれた大山頂上にほとんど登山者は居ません。頂上の広場では整備工事が行われていたので、一段下の広場のベンチで温かいコーヒーを飲みながらひと息入れました。

山頂を後にして表参道を下り、16丁目で表参道から別れて南尾根に入ります。しばらくは急な下りが続きますが、階段が整備されており表参道よりも歩きやすい。標高850メートルまで下ると道はなだらかになり、足取り軽く下ってゆきます。古い参拝道らしく、古い丁目石や女人規制の碑、お地蔵さんなどが見られました。蓑毛越のベンチで休憩。日没までの時間とこの先のコースタイムを確認し、予定通り不動越まで歩くことにします。林道を歩く部分もあり順調に進み、不動越で尾根を離れて横畑へと下ります。ゴルフ場の横を通って横畑の集落に着くと、花が咲き乱れる桃源郷のような所でした。才戸入口バス停までの車道歩きも畑の脇の春の花を愛でながら楽しく歩くことができました。

やって来たバスは乗客ゼロ。運転手が「蕎麦を食べてきたんですか?」と話しかけてきました。近くに有名な蕎麦屋があるらしい。次回は寄ってみたいものです。

2022年3月20日(日)
西山 山スキー

西栗沢を登る


立派なブナ


至仏山を眺めながらの滑降

Tさんと、近場の山スキーに行こうという話になり、尾瀬の近くの西山へ行くことになりました。前日の夕刻に片品の道の駅でTさんと合流し、車中泊しました。

3月10日(木)4時半起床。朝食を食べ、戸倉スキー場へ向け出発。スキー場手前で鳩待峠への林道のゲートがあり、その少し手前に除雪スペースを見つけ、車を止めました。

西栗橋までスキーで滑ってからシールを着けます。林道にはスノーモビルの跡が続いていました。1061m標高点から西山山頂へ突き上げる尾根に取り付きます。急斜面をトラバースしながら上って尾根上に出ると、細く急な上に藪っぽく、左側が雪庇になっており、スキーで登るにはいやらしい感じです。相談した結果、仕切り直して素直に西栗沢から登ることにしました。

林道を進み、左側が開けてくると西栗沢出合です。沢に入ってゆくと、予想よりも藪っぽく狭い。豪雪の割には完全に埋まっておらず、所々で流れが見える状態です。右に支流を分ける辺りから雰囲気の良いブナ林に変わりました。標高1290mの二俣で、どこから登ろうかとしばし思案。地図を見る限りどこから登っても急斜面に変わりなく、結局、「真ん中の急な尾根から行ける所まで行ってみよう」ということになりました。取り付いてみるとシールがよく利く雪質で、樹林の間隔も広く、順調に標高を稼ぎます。標高1480m付近のブナの大木の下で休憩。周りの木の上には沢山の熊棚がありました。標高1700m付近では尾根が細くなり、左は雪庇で真ん中の雪面はうねっており、右側の藪っぽい常緑樹の中へ迂回しながら通過しました。再び広くなった尾根を登ってゆくと、背後に奥白根山や、アヤメ平の上に燧ヶ岳が見えるようになりました。やがて稜線に到着。至仏山が見えていますが、樹林が邪魔で頂上部分は隠れて見えないのが残念です。西山の頂上はパスして、ここから滑降することにしました。

滑降モードに切り替え、登った尾根の北側の沢に滑り込みます。写真を撮り合いながら、気持ちの良いパウダーを楽しみました。あっという間に標高を下げ、標高1500m付近から右へトラバースして尾根に戻り、ブナの間を滑りました。林道に出てからは微妙な上りが長く、汗だくになってしまいました。西栗橋でスキーを外してザックに付けて、つぼ足で上り返して車に戻りました。

初めはコースがスッキリせず不安感が漂いましたが、結果的には雰囲気の良いブナ林と展望、そして滑降も楽しむことができ、満足できる山行となりました。

2022年3月18日(金)
平標沢・山スキー

南面の雪崩。破断面が凄い。


平標山山頂の展望


平標沢を滑る


山麓も積雪量が凄い

前日の昼過ぎに家を出発し、節約のため高速は使わず一般道を走り、月夜野の道路情報ターミナルで車中泊しました。

2月26日(土)の朝Tさんが合流し、国道17号線を三国峠へ向かいます。すぐに道路脇に雪を見るようになり、峠に近づくにつれてどんどん積雪が増えてゆきます。開通間近の新しい三国トンネルを横目に見てトンネルを抜けると、新潟県側は凄い積雪でした。国道の両側は雪の壁になっており、苗場スキー場がよく見えないほどです。

今シーズンから除雪されるようになった登山口の駐車場に車を止めると、知り合いのYさんから声を掛けられました。Yさんは今日はイイ沢を滑るととのこと。

初めは別荘地の中を進みます。道の両側は今まで見たことがないような雪の壁になっていいました。いつものルートでヤカイ沢を登ってゆくと、ドーンという凄い音がしました。驚いて目を向けると、松手山の南斜面が大きく雪崩れるところでした。これでは今日は南面には怖くて立ち入れません。

ブナ林を登り、樹林帯を抜けた所で休憩していると、後から見覚えのある二人が登ってきました。HさんとSさんです。Sさんの車が毛渡沢橋にデポしてあり、今日は毛渡沢を滑るとのこと。車に便乗できるなら、我々は平標沢を滑ろうということに。ここから平標山までは広大な斜面に広がるシュカブラを撮影しながら登ります。

平標山頂上は大賑わい。見下ろす西ゼンには既に沢山のシュプールがついていました。大展望を楽しんでから、平標沢のドロップポイントまで稜線を移動し、シールを外しました。我々の他にここまで来る人は居らず、沢にシュプールはありません。滑り込めば雪質は最高。交互に写真を撮り合いながら、あっという間に標高を下げてゆきます。傾斜が緩くなるとラッセルになりましたが、仙ノ倉谷に合流してからはしっかりしたシュプールがあり、快適にスキーを滑らすことができました。

群馬大ヒュッテを過ぎれば傾斜はほとんど無くなり、汗だくでスキーを漕ぐことが多くなります。途中にある小さな小屋の屋根に載った雪を見て、今シーズンの積雪量の凄さを実感。毛渡沢橋でスキーを外し、Sさんのレヴォーグの前で30分ほど二人の到着を待ちました。

登山口駐車場まで送ってもらい、ここで解散。帰りは高速を使い、21時に帰宅しました。

2022年3月17日(木)
丹沢三峰トレーニング山行

塔ノ岳山頂から


気持ちの良い竜ヶ馬場の笹原


丹沢山北面のブナ林

1月に上河内岳から帰宅した直後に体調を崩し、しばらく山を控えていましたが、医者からOKが出たのでトレーニングのために日帰りで丹沢三峰へ行くことにしました。

2月2日(水)、一番のバスで登山口の大倉へ。平日なのでバスは空いていました。大倉尾根の上りも、いつものように後ろから追い立てられる感じはなく、落ち着いてマイペースで歩くことができます。駒止茶屋のベンチで休憩を入れた後は急登が続きます。久しぶりに大汗をかきながら延々と続く階段を登りますが、以前よりもペースが落ちている気がします。花立でも休憩。富士山と相模湾が眺められますが、今日は霞が強い。金冷シを過ぎれば、塔ノ岳まであとひと息。最後の階段がいつもよりも長く感じられました。

平日の塔ノ岳山頂は登山者が少なくベンチも空いていましたが、冷たい風に震え上がり、風下側の風が当たらない所に移動しました。お湯を沸かしてカップラーメンとパンで腹ごしらえをしました。

丹沢山へ向かいます。北斜面には雪が残っていましたが、アイゼンもスパッツも必要ない程度。竜ヶ馬場の気持ちの良い笹原を抜け、少しずつ標高を上げ、ちょうど1時間で丹沢山に到着しました。

ベンチで軽く休んで時刻を確認。日暮れ頃の下山は可能と判断し、予定通り丹沢三峰の縦走路へ足を踏み出しました。三峰の手前まではぐんぐん下ってゆきます。この辺りはブナ林の雰囲気が素敵です。太礼ノ頭、円山木ノ頭、本間ノ頭の大きなアップダウン続きますが、焦らず一定のペースを保つことを意識して歩きました。本間ノ頭のベンチで休憩。ここから縦走路は一気に500m標高を下げ、そこから尾根を巻くように道が付けられています。金冷シの前後は2年前の豪雨災害から復旧されていましたが、ザレた急な部分が微妙に悪く緊張しました。金冷シを過ぎれば悪場は終わり。高畑山を巻いた所で最後の休憩をとり、日暮れと競争しながら宮ヶ瀬を目指します。杉林に入ると一気に暗くなり、最後の10分だけヘッドランプを使用しました。

三差路バス停で暖かいコーヒーを飲みながら20分ほどバスを待ちました。予定通り全行程を歩くことができ、大満足の1日となりました。

2022年1月27日(木)
上河内岳(4)

下山の朝


雪降る横窪沢小屋

1月11日(火)、5時起床。午前0時頃にトイレに出た時は晴れていましたが、明け方から雪となり、起きた時には新雪が10センチほど積もっていました。朝食を食べ、小屋の中で楽々パッキング。快適な小屋を使わせていただいた感謝の気持ちを料金箱に入れて小屋を出ると、なんと雪が止み、雲間から太陽が顔を出していました。今日は風雪の中の下山だと思っていましたが、神様からのご褒美でしょうか?

山小屋を後にして、所々消えかけたトレースを辿ります。やはり下りは速い。しばらくすると、再び雪が降り始めましたが、樹林帯なので問題はありません。途中でスノーシューを回収し、1時間半ほどで横窪沢小屋に到着。雪が降っているので、小屋で休憩できるのが有難いです。雪深い急斜面を横窪峠へ登り返しましたが、ウソッコ沢小屋への急降下では急に雪が少なくなりました。所々で凍結していたり岩に足を取られるので、気を抜くことができません。雪は途中から雨に変わりました。最後の鉄梯子はアイゼンが滑りやすく、緊張しました。ウソッコ沢小屋で休憩し、凍結箇所を慎重に下り、上河内沢沿いに下ってゆきます。途中で立派な角を持った鹿と遭遇しました。ヤレヤレ峠への登り口でようやくアイゼンを外しました。ヤレヤレ峠への登り返しは何度登っても辛いですが、峠では休まずそのまま大吊橋を目指しますす。雨を含んだトラバース道は足元が崩れやすく、一度ヒヤッとしましたが、無事大吊橋に到着。橋を渡った所で休憩し、沼平まで最後のひと頑張り。雨に濡れて冷え切った状態で駐車場に到着しました。

とりあえずエンジンをかけ、暖房を入れた車内で乾いた服に着替えてほっとひと息。暖かい飲み物で体を温めてから帰途に就きました。

2022年1月26日(水)
上河内岳(3)

朝の主稜線(左から、兎岳、聖岳、上河内岳)


上河内岳にて


上河内岳を振り返る

1月10日(月)、4時起床。夜中はとても暖かく過ごせました。朝食を食べていると、昨日私の次に到着した人が先に小屋を出て行きました。私もアタック装備を調えて出発。

ラッセルしてくれたおかげで楽に稜線まで登ることができました。トレースは上河内岳方面へと続いています。男性からは「茶臼岳まで登る」と聞いていましたが、気が変わったのでしょうか。東の空が明るくなり、2555メートル標高点に三脚を立てました。朝の撮影をしていると、男性が戻ってきました。どうやら上河内岳の登り口までわざわざトレースをつけに行ってくれたようです。昨日のラッセルのお礼ということなのでしょう。有難くトレースを使わせていただきます。冬ルートはハイマツの稜線通しなので、踏み抜きが多く、トレースが無かったらかなり厳しそうです。聖岳と上河内岳の眺めが素晴らしい。トレースは最低鞍部でおしまい。ここからは膝下のラッセルが続きます。ハイマツが無い夏道に沿って進むと踏み抜かない事に気づき、ジオグラフィカで現在地を細かく確認しながら進みます。時間はたっぷりあるので、体力を温存しながらゆっくりと足を運びました。風が弱く暖かいので助かります。森林限界でストックからピッケルに持ち替えました。ラッセルからは解放されましたが、上河内岳の肩までの上りが応えました。最後はツルツルのアイスバーンを慎重に登り、ついに上河内岳に登頂しました。久しぶりに味わう達成感! 東斜面に一段下がった日だまりで大休止。行動食を食べたり、フェイスブックを投稿したりして、山頂に1時間半も滞在してしまいました。

さあ、気を引き締めて下山です。かなり疲れているようで、下りも意外に時間がかかります。最低鞍部からの登り返しがキツく、もはや茶臼岳まで足を伸ばす気力はなく、茶臼小屋へと下りました。

今日の小屋は貸切りです。水を作って大量に水分補給しました。小屋の窓から夕暮れの富士山を撮影。夕食はキムチ鍋で、体がポカポカと温まりました。寝る前に星の撮影に出ました。気温はマイナス10度。20時半にシュラフに入りました。

2022年1月25日(火)
上河内岳(2)

やっと茶臼小屋に到着


茶臼小屋からの富士山

1月9日(日)は1時間寝坊して5時起床。晴天です。夜中は暖かく、朝までマイナス5度でした。大急ぎで朝食を食べてテントを撤収しました。

今日も急登が続きますが、トレースのおかげで順調に標高を稼ぎます。標高1932メートル付近でスノーシューを着けようとしたところ、なんと靴を留める部分のプラスチックが劣化しておりバラバラに分解してしまいました。使えなくなったスノーシューを立木に縛り付け、仕方なくアイゼンで登り続けます。昨日小屋に下りてきたパーティーはこの辺りで引き返しており、トレースは終わってしまいました。一瞬ここで引き返そうかと思いましたが、時間と食料は十分すぎるほどあるので行ける所まで頑張ろうと、気持ちを切り替えました。正月休みのものと思われるトレースの痕跡がかすかに残っているので、なんとか進むことができます。何度も立ち止まって息を整えながら上ってゆくと、樹林の間から茶臼小屋が見えました。雪深いトラバースをラッセルし、昼過ぎにヨレヨレで小屋に到着しました。とりあえず冬期小屋に入って大休止。

さらに進むか思案しましたが、稜線は風が強そうなので今日はここで泊まることにしました。外の階段を除雪し、小屋に入って荷物を解いていると、後から単独の男性がやって来ました。地元静岡から来たとのこと。水を作り、おしるこやお茶で水分補給しているともう1人男性がやって来て、今日の小屋泊は3人となりました。ヤマテンの予報によると、好天は明日までのようです。明日はテントを稜線まで上げるのはやめて、小屋から上河内岳をピストンすることにしました。18時半にシュラフに入り、20時までラジオを聴いていました。

2022年1月24日(月)
上河内岳(1)

アプローチの県道からの上河内岳と井川大橋


横窪峠への厳しい登りで
今回のザックは30㎏ピッタリ

厳冬の南アルプスの稜線を撮影したくて、上河内岳登山を計画しました。

1月8日(土)、4時半に家を出発。新東名の駿河湾沼津SAで朝食を食べているうちに明るくなってきました。新静岡ICで高速を下り、畑薙第一ダムを目指します。峠越えは所々雪道のドライブとなりました。八木尾又から先も路面が雪で覆われている所が多く、今までで一番雪が多い感じです。沼平の駐車場に9時過ぎに到着。

ゲートを越えて、湖岸の道を歩き始めました。リニア工事のためか、しっかり舗装されています。それでも所々で既に崩落しており、こんなに脆い所に本当にトンネルを掘れるのかと疑問を感じます。最初の尾根を回り込んだ所でもう湖面が終わり、川になってしまいました。渇水期とはいえ、年々ダムが土砂で埋まっているのが分かります。大吊橋を渡って登山道に入ると先行者の足跡があり、ホッとしました。鉄塔まで登り、トラバース気味にヤレヤレ峠へ。峠から上河内沢へ下ると雪道になりました。2019年秋の豪雨で流された橋が新しく架け替えられていました。沢を3回渡り返した所でアイゼンを着け、湧き水が凍結した所を急登し、ウソッコ沢小屋で小休止。ここから横窪峠まで、さらに500メートル近くの急登です。立ち止まらないようゆっくりと歩きますが、それでも汗が噴き出しました。中ノ段のベンチで休憩を入れ、2ピッチで横窪峠。横窪沢小屋への下りは雪が深くなりましたが、トレースに助けられました。

小屋の前には先行者2人がテントを張っていました。私もテントを張り、流れで水を汲み、テントに入ってココアとコーヒーで水分補給。その後、早めの夕食。上から下りてきたパーティーの賑やかな声が小屋から聞こえてきました。夕方になってもあまり冷え込まず、19時の気温がマイナス5度。19時過ぎにシュラ
フに入りました。

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