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1.朝の色
大沢岳山頂で朝を迎えた。東の空の赤味が増すにつれて、それまで黒く沈んでいた山肌が次第に紫色に浮かび上がってくる。クライマックスの前、静寂のひととき。
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ペンタックス67 SMCペンタックス45mm F4 f16半 1/2秒 RVP
2000年5月5日 大沢岳にて |
2.春の尾根
昨日入山し、中腹で1泊した。今日は絶好の登山日和。出発の準備をしていると春の陽光が暖かく、雪山の表情にも明るさが満ちている。期待に胸が膨らむ。
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ペンタックス67 SMCペンタックス200mm F4 f5.6 1/250秒 RDPU
1997年5月2日 白根御池にて |
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3.春謳歌
ゴールデンウィークの頃は雷鳥の繁殖期だ。1羽のメスをめぐって2羽のオスが争奪戦を繰り広げていた。あの岩に乗ってくれたらと祈っていたら、そのうちの1羽がその通りに。
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キヤノンEOS 7 EF28-105mm F3.5-4.5 f5.6 1/750 RVP100
2006年5月4日 ダマシ平にて |
4.ガス湧く巨峰
富士見平は赤石岳を眺める絶好の展望台だが、午後は山が影になるため撮影は諦めムード。しかし、うまい具合にガスが湧き始め、赤石岳の巨体が凄い迫力で迫ってきた。
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ペンタックス67 SMCペンタックス200mm F4 f11半 1/125秒 RVP
2006年5月3日 富士見平にて |
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5.浅春の塩見岳
雪山も3月ともなると日が高くなるため、日中は写真になりにくい。夕方になるとうまい具合に上空に雲が流れ、柔らかな光が雪面に影を落としてくれた。
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ペンタックス67U SMCペンタックス200mm F4 f22 1/90秒 RDPV
2003年3月21日 三伏峠にて |
6.光る雪稜
ゴールデンウィークの赤石岳山頂を独り占め。夕方になってガスに包まれてしまい一旦は撮影を諦めたが、明るい気配に小屋を飛び出すと、聖岳東尾根が光っていた。
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キヤノンEOS 7 EF70-200mm F4 f8 1/750 RVP100
2006年5月3日 赤石岳にて |
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7.聖岳暮色
日没後、それまで周りを覆っていたガスが一気に晴れ上がり、大展望が広がった。三脚をガッチリ立て、聖岳に流れる雲を暗くなるまで追い続ける。
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キヤノンEOS 7 EF28-105mm F3.5-4.5 f11 8秒 RVP100
2006年5月3日 赤石岳にて |
8.緑の季節
梅雨時の櫛形山は瑞々しい緑で溢れている。林床を覆うマイヅルソウの小さく可憐な花は、森に棲む妖精のようだ。近年、櫛形山の原生林が荒れてきているのが寂しい。
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ペンタックス67U SMCペンタックス55mm F4 f22 8秒 RVP
2002年6月15日 櫛形山にて |
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9.幽玄の森
雨上がりの森の中を汗だくで登ってゆく。峠の近くまで来ると、カラマツにサルオガセがびっしりと着生していた。霧が漂う森に、やがて薄日が差し始めた。
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ペンタックス67U SMCペンタックス90mm F2.8 f22 1/2秒 RVP100
2007年7月22日 夜叉神峠付近 |
10.朝光に燃える
梅雨の晴れ間を狙って入山する。2日目の朝、上空には雲が広がっていたが、東の雲の切れ間からの強烈な朝の光が、農鳥岳を一瞬だけ燃え上がらせてくれた。
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ペンタックス67 SMCペンタックス200mm F4 f5.6 1/8秒 RVP
1998年6月21日 八本歯ノ頭にて |
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11.クレバス
何度も大樺沢を登っているが、この時は面白い雪の割れ目が出現していた。残雪と新緑のコントラストが目に鮮やかだ。割れ目に入り、広角レンズで対比させてみた。
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ペンタックス67 SMCペンタックス55mm F4 f16半 1/4秒 PL RDPV
1998年6月20日 大樺沢二俣にて |
12.光射す谷
赤石東尾根を登り北沢源頭へとトラバースする所に、私のお気に入りのダケカンバがある。この日は瑞々しい緑の枝を広げ、雲間からの日の光を浴びていた。
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ペンタックス67 SMCペンタックス90mm F2.8 f5.6 1/125秒 RVP
1999年7月19日 赤石沢北沢源頭にて |
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13.赤石沢
赤石沢は溯行が困難な美渓である。ここのカットは是非押さえておきたい。ベテランの仲間に同行してもらい、厳しくも思い出深い、沢中2泊3日の山行が実現した。
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キヤノンNew F-1 NFD28mm F2.8 f2.8半 1/15秒 RVP
1999年8月10日 赤石沢神の淵にて |
14.赤石岳盛夏
荒川三山から赤石岳にかけて複数の顕著なカールが存在しており、北沢カールは登山道が通っている。長かった登りも、ここまで来れば赤石岳山頂まであと一息。
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ペンタックス67 SMCペンタックス45mm F4 f16 1/30秒 RVP
1999年7月19日 北沢カールにて |
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15.ガス湧く前岳
迫力ある前岳大崩壊壁の撮影ポイントを探し、荒川小屋裏手の小ピークに三脚を立てた。夕陽が当たった山肌にガスが湧き上がり、イメージ通りの光景が出現した。
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キヤノンNew F-1 NFD50mm F1.4 f8半 1/60秒 RVP
1997年8月11日 荒川小屋付近2780m峰にて |
16.霧の花園
晴天に恵まれると背景に赤石岳を望むことができる場所だが、霧の日でも一面に咲く花が彼方に消えてゆく光景に趣が感じられる。何度訪れても感動してしまう。
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ペンタックス67 SMCペンタックス45mm F4 f22 1/4秒 RVP
1999年7月19日 荒川前岳のお花畑にて |
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17.雨に濡れて
冷たい雨と霧の中、誰も居ない稜線を登ってゆく。高山植物がけなげに美しい花を咲かせていた。花は、人に観賞されるために咲いているのではないということを実感する。
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ペンタックス67 SMCペンタックス45mm F4 f16半 1/8秒 RVP
1999年7月20日 悪沢岳にて |
18.キタダケソウ
花期が梅雨のまっただ中で、アプローチの林道の開通前ということもあり、会いに行くには大変な努力を必要とする。一面に咲く花を前に、なんとも愛おしい気持ちになった。
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ペンタックス67U SMCペンタックス90mm F2.8 f8 1/20秒 RVP
2002年6月16日 北岳にて |
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19.シナノキンバイ
梅雨が終わり、爽やかな夏山シーズンの幕開けだ。大樺沢右俣コースはお花畑の中に登山道が続いている。北岳をバックに、シナノキンバイが一面に咲いていた。
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ペンタックス67U SMCペンタックス90mm F2.8 f5.6 1/125秒 RVP
2002年7月21日 北岳大樺沢右俣コースにて |
20.雲間の光
主稜線が雲に包まれ生憎の撮影条件だったが、奥西河内源流地帯に雲間からの光が当たった。深緑の山腹が立体的に浮かび上がり、奥深い南アルプスのイメージを表現できた。
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ペンタックス67 SMCペンタックス300mm F4 f4半 1/125秒 RVP
1992年8月7日 千枚岳にて |
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21.黄金に暮れる
梅雨明けを待ちきれず、雨の中を黙々と登った。テントの中で濡れた体を乾かしていると、外が急に明るくなり、カメラを持ってテントを飛び出す。梅雨明けを確信した。
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ペンタックス67 SMCペンタックス300mm F4 f11 1/500秒 RDPU
1995年7月23日 北岳肩ノ小屋にて |
22.夜明けの調べ
満天の星空の夜明け前、三脚にカメラをセットした。遥か遠方の雲海の上に八ヶ岳が浮かび、山頂の小屋の灯りも見える。やがて東の空が白み始め、静かに1日が始まった。
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ペンタックス67U SMCペンタックス45mm F4 f8 60分 RVP F
2007年10月7日 池山吊尾根2838m峰にて |
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23.稜線の彩
この年は紅葉が遅く、山腹は全く色づいていなかったため、結局稜線まで上がってしまった。八本歯ノ頭からボーコン沢ノ頭にかけて、深紅のウラシマツツジが見事だった。
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ペンタックス67U SMCペンタックス45mm F4 f22 1/15秒 RVP100
2007年10月7日 池山吊尾根2838m峰にて |
24.秋の山なみ
急なザレ場を登りきって稜線に出ると、仙丈岳と甲斐駒ヶ岳が目に飛び込んできた。紅葉の山肌が朝日を受けて鮮やかに浮かび上がり、そこに地蔵岳が影を落としていた。
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ペンタックス67 SMCペンタックス55mm F4 f5.6 1/250秒 RVP
1992年10月4日 地蔵岳賽ノ河原にて |
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25.ナナカマド燃える
この年は紅葉の当たり年だった。生憎の曇り空だったが、見事に紅葉したナナカマドの葉は十分アップに堪えられる美しさ。広角レンズで思いきり近づいてシャッターを押す。
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ペンタックス67 SMCペンタックス45mm F4 f22 1/4秒 RVP
1992年10月4日 赤抜沢ノ頭にて |
26.光芒
三脚を立てた時は退屈な風景だったが、日が傾き始めると谷間に靄が立ち込め、雲もポツポツと湧き始めた。やがて靄に光芒が現れ、シャッターチャンスが到来した。
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ペンタックス67U SMCペンタックス90mm F2.8 f16 1/15秒 RVP
2001年10月6日 赤石岳にて |
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27.雲の波濤
風もなく静かな夕暮れだった。谷間のを埋める雲がゆっくりと山に押し寄せては引いてゆく。暗くなるまで、長時間露光で雲の動きを追い続けた。
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ペンタックス67U SMCペンタックス200mm F4 f22 30秒 RVP F
2007年10月6日 池山吊尾根2838m峰にて |
28.初冬の光
誰も居ない初冬の池山吊尾根をラッセルに苦しみながら登る。ボーコン沢ノ頭まで来ると北岳が圧倒的は迫力で聳えていた。刻々と変化する光に、夢中でシャッターを押し続けた。
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ペンタックス67 SMCペンタックス90mm F2.8 f11半 1/250秒 RVP
1994年12月18日 ボーコン沢ノ頭にて |
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29.凍る流れ
冬の千枚岳へ向かうには、転付峠を越えなければならない。峠へは内河内川に沿って登ってゆくが、流れの「動」と氷の「静」が織りなす造形が宝石のように輝き、美しかった。
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ペンタックス67 SMCペンタックス45mm F4 f16半 2秒 RVP
1999年12月26日 内河内川にて |
30.凍てつく森
厳しい寒波で、南アルプスとしては珍しく風雪が続いた。先行者のトレースは吹き消され、樹木も氷雪で真っ白に。何もかもが凍結した厳しい光景だ。
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キヤノンEOS 7 EF24-105mm F4L IS f8 1/60 RVP F
2008年1月1日 本谷山付近 |
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31.燃えるバットレス
明け方まで雪が降っていたが、季節風の吹き出しによる一時的な悪天と予想し三脚を立てる。待つことしばし、日の出と同時にガスが切れ始め、岩壁が真っ赤に燃え上がった。
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ペンタックス67 SMCペンタックス200mm F4 f8半 1/15秒 RVP
1994年12月19日 ボーコン沢ノ頭にて
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32.甲斐駒黎明
真っ暗なうちにテントを出て星降る稜線を1時間ほど歩き、観音岳の山頂に三脚を立てる。日の出の瞬間、山々が淡いピンク色に染まる。誰も居ない頂上での至福のひととき。
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ペンタックス67 SMCペンタックス200mm F4 f5.6 1/60秒 RVP
1992年2月10日 観音岳にて |
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33.晴れゆく塩見岳
風雪は3日目の夕方になってようやく弱まった。上空がほんのりと明るくなったかと思うと、不意に塩見岳が姿を現した。大慌てでカメラを取り出してシャッターを押す。
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キヤノンEOS 7 EF24-105mm F4L IS f8 1/500 RVP F
2008年1月1日 本谷山付近 |
34.烈風の朝
風雪は去ったが、小屋を出ると猛烈な風が雪煙を巻き上げていた。三脚を立てることも出来ず手持ちで何枚もシャッターを押したが、カメラも何もかも雪まみれになってしまった。
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ペンタックス67U SMCペンタックス55mm F4 f8 1/90秒 RDPV
2001年12月31日 茶臼小屋付近 |
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35.霧氷咲く
厳しく冷え込んだ朝、栗沢山での撮影を終えてテントへ引き返す。森林限界まで下りると風も弱まり、陽光が心なしか暖かく感じられる。輝く霧氷の向こうに北岳が聳えていた。
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ペンタックス67U SMCペンタックス55mm F4 f22 1/60秒 RVP F
2005年1月2日 栗沢山にて |
36.残照のトレイル
振り返ると、自分が付けた道が夕陽に向かって延び、金色に輝いていた。撮影した瞬間に、個展の最後のカットに使いたいと思った。
南アルプスをテーマに選び、コツコツと通い続けた結果、ようやく個展開催の運びとなった。撮れば撮るほど新たな課題が生まれ、そうは簡単に納得できない事を知った。これからも南アルプス通いは続きそうである。
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ペンタックス67U SMCペンタックス55mm F4 f22 1/45秒 RVP F
2006年1月1日 聖平にて |
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