(19)つれづれなるままに
あの日あの時(阪神・淡路大震災) 2/9/2002 |
今日は、下の娘も小学校6年生となり、最後の引き取り訓練。 保護者が小学校へ子供を引き取りに行くのである。これは災害にあったという想定で行われるもので、毎年校庭で、引渡しを行っていたが、猛暑からか今朝の朝礼で倒れた子もいたからか?よく理由はわからないが、今年は、それぞれの教室へ子供を引き取りに行くことになっていた。 上の娘のように中学生からは、近所の子達による集団下校での訓練となる。9月1日の関東大震災に合わせて防災の訓練ということになっている。しかしこの訓練をすると思い出されるのは阪神・淡路大震災のこと。 あの日(1995年1月17日)、私たち家族は、シンガポールに住んでいた。 ダンナは会社へ、子供達を小学校、幼稚園と送り出して、ホッとしている時にリーンと電話の音。 長野に住んでいる義母の声が興奮状態であった。 「お姉さん達の家族は皆無事だからね」・・・???なんの話なのだろう? なんでも関西の方で地震があったとかで奈良県寄りの京都府に住んでいる義姉一家が無事だということだ。そんな大きな地震があったのかな? さっき、小学校と幼稚園のスクールバスを送りに行った時に、誰も地震の話なんかしていなかったけど??? いつものように、お昼前に、お教室に中華料理を習いに行った。 そこの教室では生徒は日本人しかいないのだが、何人か「日本では地震があったそうだけど大きいんだってね。」大半がまだ地震のニュースさえ知らない状態でした。この時は、日本語のニュースは、1週間に1度日本のニュースのダイジェストを1時間ぐらい見るぐらいなものが日本人の一般家庭での暮らしであった。 (本帰国前の2000年3月にはシンガポール全土だいたいの家庭で契約をすれば常時NHK衛生放送を見ることができていたけど) 午後、教室から帰るとドアの外からでも、家の中から電話が鳴っているのがわかる。あれ誰かな?などと思いながらドアの鍵を開け部屋へ入る。電話を取ると東京に住んでいる私の母からだった。 「いったい、このたいへんな時にどこへ行っていたのよ!」いきなり怒られた。 なにが、たいへんなのだろうか?さっぱりわからない私に、 母はイライラした声で「日本は大変なことになっているのよ。死者もたくさん出た地震があったのだから。電話がつながりにくくなっていて連絡がつかないのよ。なんでも国際電話の方が国内電話よりつながりやすいという話を聞いたから、今から言う方々へ安否の確認をしてちょうだい!!!」 私は東京生まれだが、母は、和歌山県出身である、よって多くの親類や知人が関西に住んでいる。 ???へぇ?電話回線とは、国内よりも国際の方がつながりやすいんだ〜〜と知ったのはこの時であった。母から数人の電話番号を聞き、(私としては、直接知らない方々もいたが)、ダイヤルを回して安否を聞いた。 さいわい、私が電話をした方々は、全員無事であった。ホッとして、母に電話をかけると「よかった〜〜」と安堵した様子であった。それから今度は、会社からダンナが電話してきた。「日本の本社から海外支社全部に日本にいる親戚など関係ある方々の安否を尋ねるようにとのお達しが出たが、どうだろうか?」とのこと。ダンナの姉一家は無事だということを伝え、私の方の親類も皆無事だと伝える。 その後の幼稚園、小学校のスクールバスのお迎えは、もう興奮したお母さん達でいっぱいであった。「ひどいことになっているよね〜〜〜」「日本中が混乱しているから詳しいことは夜にならないとわからないかもね」もう口々にどうしたらいいかわからないけれど、冷静にしては、いられないどうすることもできない。イライラと情報のなさでやるせない気持ちで一杯でした。 だんだんと入る悲しいニュース。シンガポールに住んでいても、日本から離れていても直接関わりのある方が亡くなったことを耳にしました。赴任する時に「外国へ行くよりもひとりで日本で留守番している」と言ったので置いてきた年老いた母を無くした人、ちょうど大学受験や高校受験の時期で、子供だけ受験するために日本に帰したら、地震でお子さんを亡くした人、お気の毒な話をたくさん聞きました。 人災も怖いが、天災も予知できないことがまだまだ多いだけに、日ごろから気にかけていないといけないことですね。 地震の様子 発生状況:平成7年1月17日午前5時46分発生 震源地:淡路島北部 北緯34度36分 東経135度02分 震源地の深さ:16q 各地の震度:震度6(神戸、洲本) 震度5(豊岡) 震度4(姫路) ※神戸市、芦屋市、西宮市、北淡町、一宮町、津名町の一部では震度7 マグニチュード : 7.3 兵庫県下の被害状況 ・亡くなった人 6,432名 ・行方不明の人 3名 ・怪我をした人 43,792名 ・壊れた家 512,882棟 |
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