ハングリー・ゴースト (Festival of The Hungry Ghost )

中元節をはさむ前後の2週間 陰暦 7月1日〜7月30日、新暦8月3日〜9月1日

「お腹をすかせたお化けのお祭り」という珍しい名前のお祭りです。このお祭りの期間は、年に1度、あおの世の門が開かれ、亡くなった人達の霊がこの世に戻って、親類や子孫達との絆を新たにするというものです。日本では「お盆」と呼ばれているものです。
一方、あの世から戻ったものの、帰る家もなく、慰めてくれる縁者もいない気の毒な霊達は、恐ろしい”飢鬼”(ハングリーゴースト)となって、この世をさまよい、人々に不幸をもたらすと言われています。それで、祖先の霊のみではなく、このようなさまよえる霊に安らぎを与え、その飢えを満たすために、この期間、人々は色々なもてなしを用意します。家々では、玄関にお供え物を置き、線香と模造の札束を燃やし、祖先の霊を招き入れます。街中でも同様にお寺や道路わきなどで焚き火が見られます。
そしてHDB近くの広場などでは、大きな仮設テントを立てて、お供え物のごちそうをたくさん並べています。テント内の舞台では、伝統的な人形劇やチャイニーズ・オペラや歌謡ショーなど催されます。これらの催し物は霊を喜ばせるためにされるのですが、もちろん生きている人達も一緒に楽しめるものです。
この時期、巨大な蝋燭のような形の線香をよく見かけるようになります。極彩色に彩られたこの線香は、高さが1〜2mもあり、直径が20cmもあろうという巨大なものです。燃え尽きるまで3日間ぐらいかかるそうで、職人が国内外のおがくずを練って何ヶ月もかけて作り、龍や中国伝統的な物を見事に飾りつけられています。また、このテントでは、もうひとつの中元節の名物、競り市が開かれます。日用品から貴金属までさまざまな品物が原価を度外視した、たいへん高価な値段で売られることがあります。ここで売り出された物を手に入れると、必ず運が向いてくると信じられているからです。中でも人気なのは、「鳥金(ウーチン)」tぽい縁起物の炭です。これは餓鬼達が姿を変えたものと言われ、財産、商売繁盛、幸運のシンボルと考えられているからです。時には数千ドルまでセリ上がることもあるそうです。

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