昨年2004年は、本当にあっという間に過ぎ去った一年でした。もちろんのこと、G1レースも 名勝負といえるものがいくつかありました。そこで、このホームページの管理人が心に残ったレースをここに 紹介したいと思います。ちなみに、昨年のG1レースにおいて、単勝1番人気に支持された馬が勝利したのは、 フェブラリーステークス、桜花賞、NHKマイルカップ、日本ダービー、宝塚記念、天皇賞(秋)、マイルチャンピオン シップ、ジャパンカップ、有馬記念でした。
2004年12月26日 有馬記念
このレースは、ある意味歴史に残るレースであったと思います。秋の古馬G1レースを連勝しているゼンノロブロイが 圧倒的に支持されていましたが、何とジャパンカップを2分25秒以内で走った連対馬が、有馬記念においていっさい連に絡ん だことがないというジンクスがあったのです。しかし、こんなジンクスは勢いにのっている馬には関係がありませんでした。 予想通り、タップダンスシチーが軽快に逃げ、ゼンノロブロイが2番手につけていたのですが、何とかなりのハイペースで、 2000m通過が2分を切っていたのでした。これは、前の2頭は絶対に沈むだろうと最後の直線に入った時点は思っていました。 ところが、前が止まらないのです。結局、残り100mでロブロイが前のタップをようやく抜き去ってゴール。勝利タイムが、2500m の日本レコードである2分29秒5。ついに2分30秒を切ってしまいました。びっくりでした。昨年の中山は、とにかく高速馬場でした ね。昨年は大きいレースでは勝てなかったゼンノロブロイが、ようやく真価を発揮した2004年の締めくくりのレースでした。 さらに、オリビエ・ペリエ騎手の3連覇達成は偉業でしょう。2004年11月14日 エリザベス女王杯
このレースは、3歳牝馬と古馬牝馬が初めてぶつかるレースとして注目を集めております。さらに、武豊騎手の4連覇がかかった レースでもありました。レースはオースミコスモが逃げて超スローペース。2番人気のアドマイヤグルーヴは6番手を進み、1番人気の秋華賞馬 スウィープトウショウはいつも通り後方策でした。3コーナーの淀の坂を下りだしたところからペースアップ。4コーナーを回り終えて、 オースミコスモが軽快に走っていました。アドマイヤが4番手に上がり、猛追。後方の馬は、スローペースの上がり勝負になってしまい、 スウィープは不完全燃焼。一昨年の3冠馬スティルインラヴも全然だめ。残り100mで逃げ切りを図るオースミコスモをアドマイヤが捕らえて ゴールでした。これにより、アドマイヤグルーブは昨年に続く連覇。武豊騎手は2度目の同一G1 4連覇達成を果たしたのでした (1度目はみなさんがご存知のように、平成元年から平成4年の天皇賞(春)。この偉業により、平成の盾男という名を頂戴する)。 騎手の判断が、勝敗に大きく絡んだレースでした。2004年5月2日 天皇賞(春)
このレースも、ポイントは逃げ馬をどのようにマークするかでした。逃げたのは、予想通りイングランディーレ。一昨年の ダイヤモンドステークス(中山3200mで施行)と日経賞を勝った実力馬の作った流れはスローペース。なのに、後方に位置した 騎手はなかなか差を詰めようとしません。そして、10馬身くらいの差を保ったまま4コーナーを回り終えて最後の直線へ。結局、 イングランディーレが7馬身差で圧勝。人気のリンカーンやザッツザプレンティは後方に沈み、ゼンノロブロイやネオユニヴァースが 掲示板を確保するのがやっとでした。これも一瞬の騎手の判断が、勝敗に大きく絡んだレースでした。でも、私が天皇賞を見出してから、 こんなに大差がついたのは初めてだったかもしれません。2004年5月30日 日本ダービー
このレースの焦点は、NHKマイルカップを制覇したキングカメハメハが2400mを走りきるスタミナがあったどうかという ことでした。このローテーションを通ってきたのは、2001年のクロフネや2002年のタニノギムレットでしたが、前者はNHKマイル カップ優勝、日本ダービー5着、後者はNHKマイルカップ3着、日本ダービー優勝と、どちらかしか勝てなかったのです。しかも、厩舎も 松田国英さんと共通。
それで、レースのほうは逃げ馬2・3頭がやりあってしまったために、ダービー史上に残る超ハイペース。1200m通過が1分10秒台 でした。これでは、前にいた馬は皐月賞馬ダイワメジャーなどは沈んでしまいます。結局、中団に控えていたキングカメハメハが直線半ばで 抜け出して優勝。2着が最後方にいたハーツクライでした。勝利タイムがダービーレコードと新装東京のレコードである2分23秒3と、 何とダービーレコードを2秒も縮めてしまったのでした。3歳の春にして、キングカメハメハのようにこれほどのスタミナとスピードを 持った馬を初めてみました。この後のレースが楽しみだったのですが、結局故障して引退してしまいました。この時の上位馬が、この後 全然振るわないのを見ると、すごい消耗戦であったと思わざるを得なくなります。