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タバサ(私の愛犬)の急死からもうすぐひと月がたちます。
あまりに突然の出来事で未だにボンヤリする時間が多く、体のだるさや やる気の無さに生徒さん達には迷惑をかけてすみません。少しずつ又元気になると思いますが・・・
そんな中で先日9日に鴻池さんと二人だけのコンサートを行ないました。実はその日が終わったらしばらくスタジオを閉めようと考えておりました。そのくらい私の受けたショックは大きかったのです。タバサの死は私の不注意から起きた事で、私は毎日毎日自分を責め、泣いてばかりいました。私がちゃんとしていればタバサは今もお気に入りのカウチの上で昼寝をしていたでしょう。そう思うと自分を責める事意外できませんでした。「もう踊れない」という想いに取り付かれました。
「9日が終わったらしばらく休もう」と決めてその日をむかえたのです。
その日は楽屋入りした時から不思議な空気が私を取り巻いているのが感じられました。
もう何百回もステージを踏んでいるのに、初めて感じる空気でした。
リハーサルの時、私はNGばかり出して踊りに身が入りませんでした。あせればあせる程ミスばかりでスタッフも心配した事と思います。時間だけがどんどん過ぎてゆき、未消化のまま本番をむかえたのです。楽屋でお客様が入場するモニターを見ながら、私の緊張感はピークにたっし、「踊れない!私、帰る!」と騒いで鴻池さんを困らせました。そんな事できる訳がありません。その日の出演者は2人だけでしたから、私が踊らなければコンサートは中止になってしまいます。しかもオープニングは私のオリとチャントです。鴻池さんも私が初めて見るくらい緊張していました。とにかく、「やるしかない」という事で2人でステージに向かう階段を降りていきました。ステージのソデに1人で立った時、私はタバサを呼びました。「タバちゃん、おいで。ママが間違えないように守ってね」心からタバサの霊に話しかけたのです。あんなにリハで間違えてばかりいたのに、本番では一語一句完璧に声がでました。
その日は1人で14曲も踊る為、リハではあせって着替えに時間がかかったりしていたのに 本番では落ち着いて何のミスもありませんでした。
2曲ほど踊ってだいぶ緊張感も薄らいだ頃、始めに楽屋入りした時の「不思議な空気」が益々強くなってきました。通常下手で着替えて下手から出ていたのですが、舞台監督から「たまには上手からも出てね」と言われていたのを思い出し、私は上手に回り、自分の出番までソデの床にそのまま座りこみ、鴻池さんのスラッキー演奏を聞いていました。通常、舞台のソデにはスタッフがウロウロしているのですが、その時は私1人で誰もいませんでした。そこではヒンヤリとして限りなく孤独を感じさせる空気が私を包んでいました。
下手側からの照明が鴻池さんを照らし、ステージのホコリがキラキラと舞ってすごくきれいでした。すぐそこには鴻池さんが、その前には200人以上の人がいるのに、私1人がどこか森の奥にたたずんでいるような、湖の上に浮かんでいるような気分でした。どこからともなく、私の心の中に「踊りなさい」「踊ってみせてあげなさい」という声が聞こえました。その声は更に「もっと多くの人に踊ってみせてあげなさい」と言ってきました。
耳の錯覚、気のせい、そうかもしれないけど私にははっきり聞こえました。(聞こえるというより心の中に入り込んできたという感じです)それから何曲も何曲も踊ったのですが、少しの疲れも感じず、生まれて初めて「フラを語る」事ができたのです。
あんなに穏やかに落ち着いて愛を感じながら踊れたのは初めてです。
リハーサルの時はつまずいてばかりいてクタクタになったのに、本番では楽しく幸せでした。
最後の「アロハオエ」の時、鴻池さんがタバサの事を話してくれました。おそらく見に来てくれた私の生徒のほとんどは初耳だったと思います。時を同じくして鴻池さんのファンの方の一人が亡くなられた話もありました。その方もタバサも会場に来ていたと私も鴻池さんも感じる事ができました。「ここにいるであろう1人と1匹の魂が安らかであれ」と私達は一生懸命踊り、歌いました。鴻池さんは泣きながら歌い、私は泣きながら踊りました。私の腕はタバサを抱きしめる事ができました。しっかりとタバサを抱きしめ踊ったのです。
客席のお客様も泣いてくれたそうです。きっとあの会場にいた全ての人の心が「ひとつ」になったのですね。
その夜、「もう踊れない」と考えた事をすっかり断ち切りました。
私は踊り続けていきます。私が踊る事で感動し、癒される人が1人でもいる限り踊っていきます。
このコンサートは大好評だったので これからも続けていこうと鴻池さんと話しています。もっともっと勉強を重ね、練習を積んでいつか又やりますので待っていて下さい。
「HULAは踊ってみせるもの」「見ている人を幸せにするもの」生徒のみなさん、これが私のメッセージです。くれぐれもその逆にならないように・・・
可愛いタバサの写真を載せます。
タバサを覚えていてあげて下さい。ミルキー同様タバサは私の宝物でした。
中村タバサ 平成9年10月30日生まれ 13年1月20日 雪の降る日に天国へ
タバサはおとなしくて家族想いのビーグルさんでした。
食べる事が大好きで いつもお腹を空かしていました。
タバサは少しオデブさんでしたが、やさしいビーグルさんでした。
ある冬の雪の日に タバサは天国へ旅立ちました。
可愛いかったタバサをどうか忘れないで・・・
雪が降ったら ほんの少しでいいから タバサを思い出してあげて下さい。
天国でタバサの魂がやすらかでありますように 私と祈って下さい。
2001.2.17 ククナオカラ中村
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