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折り鶴

 子供の頃、誰もが折り紙で折った鶴
 いい大人がこんな折り鶴を折るのはおかしいかも知れない。
 でも、折り鶴は落ち着けるし、指先を動かすからボケ防止になるかも
 このコーナーを開設するに当たって、100円shopに行って、折り紙とコピー用紙を買ってきました。材料はそれだけ。他に必要なものは、線を引くための鉛筆、定規とハサミだけ。江戸時代にはもう確立されていたと言う。連鶴といいます。
 あなたもひとつ、やってみませんか。

(1) 折り鶴 

              
                   photo.1 
 これは、普通の降り方をした、誰もが子供の頃、折ったものと同じもの。

(2)妹背山(いもせやま)

  

  photo.2                       photo.3   
 「妹背山」です。2羽の鶴が中央の羽の部分で繋がっております。
 正方形が二つ分取れる長方形の紙を用意します。photo.2で手前側中央から紙の半分までハサミで切れ目を入れてあります。2羽とも、手前側中央が頭になるように折り始めれば簡単に出来てしまう。
 そうは言っても、一枚の紙で2羽の折り鶴を作るのだから、途中まで切って、繋げてあるところを注意しながら折ってね。
 向かって左側の鶴が黄色、右側が白い鶴になっています。折り紙の表と裏です。折り始める時に片側を折り紙の表側で、もう一方を裏側に折り始めれば、左右で違った色の鶴になります。もっと綺麗な柄の紙で折ればよいのですが、私が使ったのは子供が使う折り紙ですから、その辺はご勘弁を・・・

(3)稲妻(いなづま)

 3羽の鶴が繋がった「稲妻」と言う名の折り方です。photo.4 のように、正方形の両側を繋げて3枚連ねたように1枚の紙を切ります。

 

  photo.4                               photo.5    

 いずれの紙も左下が頭になるよう、繋ぎ部分が切れないように折り上げれば、3羽が連なった「稲妻」となります。

(4)餌拾い(えひろい)

 

  photo.6                               photo.7

 親鶴が子鶴に給餌しているところでしょうか。
 photo.6 の大きい部分で親鶴を、左上側の小さい方の紙で子鶴を折り上げます。小さく書いているので分かり難いと思いますが、黒い点を2つ付けてあるところで、大きい紙と小さい紙を少しだけ繋げてあります。それぞれ黒い点の部分が頭になるように折ります。
 左手前側は余分な部分です。折って親鶴の方に折り込んでしまいます。

(5)おもだか

 

  photo.8                               photo.9

 これはちょっと厄介。3羽の鶴が胸の部分を向かい合わせています。胸は向かい合わせしていますが、繋がってはいません。繋がっているのは羽の部分です。
 紙を四等分に折って、中央の上の方が繋がっています。左右はそれぞれ半分くらい繋げて折り始めました。一枚の紙を四等分して、鶴は3羽です。photo.8 の手前側2枚を重ねて折ることになります。
 右の出来上がりphoto.9 は小さい子供が使うような折り紙を使って折りました。小さい紙で折り過ぎたようです。もし、トライする方がいらっしゃるようでしたら、大きめの薄くて丈夫な和紙で折ると良いと思います。
 分からなくて何度も折り直したため、上がりは汚くなってしまいました。コツはphoto.8 の向こう側の部分で2羽の鶴を折り上げてしまうこと。その上で、残りの部分をどうやって重ねて1羽の鶴にすれば良いのか考えれば出来ると思います。

(6)花見車(はなみぐるま)

 

  photo.10                               photo.11  

 前回は難しいものを折ったので、今回はごくごく簡単な「花見車」です。photo.10 は折るまえの紙の状態です。左上と右下の小さい正方形で子鶴を折ります。左下と右上部分は余りの部分ですから、親鶴に折り込んでしまいます。羽の部分で繋ぎますから、おのずと折り始めの部分は決まってしまいます。

(7)あさがお

 

  photo.12                          photo.13

 今回の題は「あさがお」と言います。大き目の正方形の紙をphoto.12 のように切ります。分かり易いように、3枚分の紙を中央の部分の下に仮に曲げ折り込んであります。出来上がりは6羽の鶴です。今、曲げ込んである部分は中央に重ねて1羽の鶴に折り上げます。
 連鶴を趣味として折る方は紙選びからするのだと思います。僅かの連結部分から切れないように折るのですから、どうしても薄くて強い和紙が必要になります。私の使った紙は100円コーナーで購入したコピー用紙です。中央の鶴は4枚重ねで折らなければなりません。コピー用紙の4枚重ねは厚くてとても折り難い。本物の鶴はスリムな体形なのに、中央の折り鶴は超肥満鶴となってしまった。
 とにもかくにも、6羽の鶴を並べたのがphoto.13 「あさがお」です。

(8)昔 男(むかしおとこ)

 

  photo.14                              photo.15

             

                 photo.16   

 「昔男」と言う題です。かつて分かれた恋人と言う訳ではありますまい。古典の好きな方ならすぐ分かると思います。「在原業平」のことです。ちなみに「昔女」は小野小町です。親鶴の尾の部分に子鶴が2羽、くちばしで繋がった状態の折り方です。
 長方形の紙を用意します。短辺の長さで正方形を確保して親鶴を作ります。ただし、尾の部分で繋げる関係上、photo.15 のように親鶴は斜め45度の正方形にします。余った部分は例によって、下に折り込んでしまいます。photo.15 の右先端を頭にします。
 長方形から親鶴用の正方形を取った後の残り部分で、2羽の子鶴を作ります。2羽の子鶴の中央でまた少しだけ親鶴と繋げてあります。子鶴を取った残りの紙も、また子鶴と一緒に折り込んでしまいます。紙を切る前に実線と破線(点線)を以って、ハサミで切るところと折る線の約束事を作り、表した方が分かり易いかも知れません。ゴメンね。

(9)八橋(やつはし)

 

  photo.17                              photo.18

 八橋という連鶴の折り方です。8羽の鶴を円形に繋げて折ったものです。
 京都のお土産に八橋というのがあります。断面がアーチ状になるように焼いたものと、餡を軟らかい皮で包んだ2種類知っていますが、どうも、京都のお土産とは関連がないようです。
 折る前はphoto.17 です。正方形の紙を9等分になるように線を引き、画像のように切ります。八橋は羽の部分で8羽の鶴を繋げます。左上と右下の紙を重ねて折りますが、他の7羽の鶴を先に折り上げてしまいます。

 最初に「折り紙は心が落ち着ける」と書きました。僅かな接続が破れて、離れてしまわないように細心の注意をしながら折るのは大変なこと。拘束のある小さな紙で鶴を何羽も折るのはストレス一杯、集中力が続かない。冒頭の言葉はウソばっかり。本音を言えば何がナンだか分からなくなってきました。
 出来上がりの画像を見ると、白い紙で折った鶴は背景の紺の板と相まって何か無機的で冷たい感じがするね。背景は光の具合で色々な感じで映っているけど、いつも同じで子供がそろばん塾で貰って来た紺色のバインダーなんだ。

(10)さざなみ

 

  photo.19                              photo.20

 折り方は「さざなみ」と言います。photo.19 のように黄色の折り紙を中央部で繋げてあります。子供が使うような折り紙です。趣味で折っている人は薄手の和紙で折るのでしょうが、こちらは全くの精神修養。こんな画像を載せるのはおこがましいかも知れません。
 photo.20 はくちばしだけで繋がっています。四巨頭会談をしているのか、井戸端会議なのかは分かりません。

(11)くれたけ

 

  photo.21                              photo.22

 折る前に色々調べれば、呉竹とは中国から渡来した破竹、あるいは真竹のことです。呉は「呉越同舟」または「呉服」と言うように、日本語の中にも組み込まれた中国の古い国の名前です。くれたけは真竹のことですから、私たちにとってはさほど珍しい竹ではありません。
 今回の折り方は「くれたけ」と言います。子鶴の辺の長さをX(エックス)とすると、折る前の紙寸法は短辺が2X、長辺が 3X、つまり、短辺の1.5倍の紙を使います。
 photo.21 の様に3箇所で繋ぎます。繋ぐ長さは3mmくらい。分かり難いかもしれませんが、小さい黒丸が点いている箇所が頭になるように折り上げます。2X(2エックス)なんて言葉が出て来ました。折り紙を折るには数学も必要になります。ボケてなどいられません。
 折り上がりは親鶴の尾と片方の羽の間に、2羽の子鶴が羽を繋げている状態です。どういうわけか子鶴は違う方向を向いています。
 カラーの折り紙は色がちょっとキツイ。白のコピー用紙を使った画像は何かレトロ風だけど、感じが暗そうだね。

(12)鼎(かなへ)

   

   photo.23                             photo.24

 「かなへ}というのを古語辞典で調べたら、取っ手が二つ付いた三本の脚がある炊事用の器。今の釜にあたると書いてあり、三本足の付いた器の絵が書いてありました。
 今日の連鶴は3羽のくちばしと尾が繋がったものです。photo.23のように紙は3箇所で繋がっています。始め、上の2枚で2羽の鶴を作り上げてしまいます。その後、下の2枚を重ね合わせて1羽に折ります。繋がっている部分でくちばしと尾を作らねばなりません。自ずと紙の重ね方は決まってしまいます。

(13)鳴子(なるこ)


   photo.25                      photo.26

            

                photo.27 

 今回の出し物は鳴子です。親鶴が広げた羽の前に子鶴が3羽繋がっております。まるで親の加護の元、子鶴が遊んでいるようです。紙の切り方はphoto.25 の通りです。繋がって輪のようになっておりますから、子鶴の1羽は2枚重ねで折らなければなりません。重ねる紙は左上と右下の紙です。
 親鶴の羽の両端で繋げるのですから、折り始めの場所はすぐに分かります。親鶴とすぐ隣の2羽の子鶴を先に、頭と尾を形成する直前まで折って止めて置きます。最後に中央の子鶴を2枚の紙を重ねて折り、途中まで折って止めておいた物を完成させれば出来上がりです。

(14)四つの袖

 

  photo.28                              photo.29

 連鶴にもう大分慣れて来ました。出来上がりを見ると、折り始める前の切り込みはおおよそ想像出来るようになって来るものです。photo.29 の4羽の鶴の羽は繋がっています。2羽だけ真ん中で CHU! をしています。残った2羽はあっけにとられているのか、「今度は僕らの番だ」と思っているのか、そんな内部事情までは分かりません。
 折る前の切り方はphoto.28 では分かり難いかもしれませんが、左上と右下の紙は中央で繋がっております。後は外周部の中央で4ヶ所繋がっております。折り始めは外周部の角を中央で合わせることから始まります。

(15)葭原雀(よしわらすずめ)

 

  photo.30                              photo.31

 今回の折り方は「葭原雀」と言います。葭原は葦原かもしれません。辞書で調べたら、葦は植物のアシのことと書いてありました。「葦の髄から天井のぞく」と言う言葉があるそうです。意味は「見識が狭いことの例え」でした。初めて知りました。
 ついでに、「葭原雀」と言うのも出ていて、「よしきり」のことと書いてあります。「葦きり」は「ひたき科の小鳥。色も形もウグイスに似る。夏、水辺のヨシの間に群がり住んで、しきりに鳴く」と書いてありました。「吉原の遊女」に例えているのかも知れません。そうなれば、周りに居る小さいのは「かむろ」かも知れません。「吉原の遊女」ならば、赤い柄の付いた綺麗な和紙を使って、折った方が遥かに華やかです。
 紙の切り方はphoto.30 の様に切ります。中間部は親鶴の下に折り込んであります。白状すれば、photo.31 の親鶴の背中部分が切れてしまっています。私の使っているのは、和紙でなく¥100shopで売っているカラーコピー用紙です。余分な所を折り込んでいる都合上、どうしても厚くなってしまい、背中が割れてしまいました。綺麗に折るには余分な所は親鶴の下に折り込まず、切り落としてしまった方が簡単に折ることが出来ます。
 折り方はいたって簡単。photo.30 の中に小さな黒点を付けたところが頭になるように折り始めればOKです。もっとも、親鶴は何処から折り始めても同じですから、子鶴を折るときに連結部分が頭になるように気を付ければ、今回の折り方は何という事ありません。

(16)芙蓉

 

   photo.32                             photo.33

 今回は「芙蓉」です。よく聞く花の名前です。私、多分見たことあるのでしようが、具体的にどの花が「芙蓉」なのか知りません。早速、辞書で調べてみます。国語辞典には「あおい科の落葉低木。晩夏から初秋の頃、大形の薄紅・白の花が咲く。古くは蓮をも言う」とあります。ついでに漢和辞典も、「花の名・はす。富士山の異名」どちらにしても大きな花のようです。それなら、ピンクのコピー用紙を使った方が良かったのかも知れません。
 この歳になって初めて知ったのが、「芙蓉」が富士山だったとは。今日分かったのですが、かつて、私が通った学校の校歌は「芙蓉の高根仰ぎ見て・・・」という歌い始めでした。歌詞の意味も分からず当時は口を動かしておりました。詩人は難しい言葉を使うものです。
 どうして「芙蓉」という名なのかよく分かりません。5羽の鶴が羽を繋げた折り方です。
 紙の切り方はphoto.32 の様に切ればOK。頭の位置ですが、左から4羽はいずれも画像の下側の切れ目が頭になるように、それぞれ向かい合わせになるように折ります。一番右の1羽だけ半端で、紙の右下角が頭になるように折り始めれば出来上がり。今回のものは繋げてある部分が充分長いので切れてしまう心配もなし。
 一番先に折った(2)妹背山の連続バージョンだね。これだと2羽が妹背山、3羽が・・・ 根気が良ければ何羽でも出来てしまう折り方です。

(17)三つ巴(みつどもえ)

 

   photo.34                             photo.35

 鶴を折るにも少しは気合がいるのです。今回は「三つ巴」です。例によって辞書を引くことから始めました。巴というのは、お祭りの提灯に書いてある、おたまじゃくしのような、人魂のような形のものです。辞書には「ものが円形を描くようにめぐるさま」と書いてあります。
 「三つ巴」も調べて見ると、「ともえが三つある模様」「三つのものが対立して、からみあうこと」でした。そう言えば相撲の優勝決定戦にも「ともえ戦」というのが有りました。ついでに「四つ巴」と言うものも有るかと見たら、書いてありませんでした。
 柔道に「巴投げ」というのがあります。二人の頭の向きから言うと、相応しくないような気がします。相応しいのを知っていますが、品が落ちるので書きません。
 さて、折り鶴の「三つ巴]です。photo.34 は切り方が良く見えません。手前側の辺の中央から、紙の半分の位置まで切り込んであります。右上の1/4 の紙は左上が頭に、左上の1/4 は頭が左下になるように折り始めます。頭が巡るような位置に配置していきます。
 4つの正方形で3羽の鶴を折るのです。いつもでしたら、始めから紙を重ねておりますが、今回は始めから4羽の鶴を折っていきます。途中の菱形のところまで折って行きます。ここで両端の鶴を一旦開いて、重ね折りします。後はいつも通り折り進めれば出来上がり。
 繋がった部分が長いため、さほど難しい折り方ではありません

(18)りんどう車

 

   photo.36                             photo.37

             

                 photo.38   

 今回はりんどう車です。4羽の鶴が輪のように連なっています。
 photo.36 のように正方形の中心部を十文字に切ってあります。4つの角を中心に向かって折り始めれば良い。今までの折り方だと輪にする場合、紙は4羽分あっても、どこかの鶴を2枚重ねにして、結局3羽の鶴しか出来ませんでした。「りんどう車」は4羽分の紙があり、4羽の鶴が出来、しかも輪のように連なっております。気が向いたせいか、折り目をきっちり折りました。出来映えはかなり良く出来たと思っています。自鶴自賛。

(19)布さらし  

 

  photo.39                              photo.40

 布さらしです。反物を川の水にさらしているように細く長く連なった折り鶴です。川に反物をさらすなら、音感から言えば、鴨川なんかイメージ的に似合うのではないかと勝手に思っております。社会に出ていくばくもしない頃、休暇を取り一人で金沢旅行をした時に川で布をさらしているところを見たことがあります。
 ただ、「晒し首」「晒し者」「野ざらし」「洗いざらし」など、「晒す」という言葉はあまり良い意味に使われることはなさそうです。
 「布さらし」の切り方はphoto.39 のように切ります。画像を良く見ると●が付いています。●が頭になるように折れば出来ます。今までなら紙の余分な部分は重ねて折り込んで肥満鶴になっていました。今回は余分な部分は切り離してしまってスリムに。photo.40 では右下3羽の子鶴が親鶴の方を向いております。布さらしだったら、川の流れの様に同じ向きにした方が良いのかもしれません。鶴を折る時の最終工程の頭をどちらに向けるかのことですからどちらでも。

(20)村雲

  

  photo.41                          photo.42

          

                 photo.43

 「月に叢雲、花に嵐」物事が思うように行かないこと。好事にはとかく邪魔が入りやすいことの例えです。むらくもは群雲、叢雲とも書きます。叢は草むらという意味ですから、いずれにしても群がった雲のことです。大鶴の両翼がさだめし叢雲であり、高い位置の子鶴が月を表わしているのでしょうか。
 さて折り方です。photo.41 はピンクのA4サイズのコピー用紙です。右下の長方形の部分は親鶴に一緒に折り込んでしまいます。左下の小さい部分はphoto.42 の様に折り込んで更に小さい正方形にします。photo.42 は最後の一辺を折り込む直前の画像です。ここまで分かれば後は何も難しいことはありません。普通に折り進んでいけばすぐに完成。
 いつも思うのですが、写真を撮るのは本当に難しいものだと思います。屋外で撮ればもっと良く取れると思うのです。あいにく今日は雨。雨でなくとも3階のバルコニーではいつも少しは風があって、折り紙の鶴は風に吹かれて、倒れたり動いてしまったりと中々思い通りに行かないものです。これぞ「月に叢雲、折り鶴に風と雨」

(21)野干平(やかんべい) 

         photo.44

 今回から紙の博物館で仕入れた和紙で折ることにしました。
 野干を古語辞典で調べたら、動物の名、キツネの別名と書いてあった。ならば「平」は何なのか。この題名は無粋な私には全く分かりません。(2)の妹背山の折り方と全く同じで、最後の段階で頭の向きを替えたものです。妹背山が同じ向きを向いているのに対し、野干平は2羽の鶴がそっぽを向いているのが気になります。
 世の中には仲睦まじそうに見えて、その実、反りが合わない夫婦が居る。夫婦と言う形式だけは整っていても心が離れてしまっている事だってある。
 恋人同士の時はいつも一緒にいたいと思っていた。恋人同士の時には相手に良いところだけを見てもらいたかった。いざ一緒に住み始めてしまうとお互いに緊張感がなくなってしまうし、相手のあらが見えてきてしまう。そんな鶴なのかな。野干平が分からないから、私の全くの想像で書いたもの。気になさらずに。

(22)風車

 「風車」は(10)さざなみ、(14)四つの袖に似ています。両者よりは繋がっている部分の拘束が多い。今までは100円コーナーで買ってきた、色付きのコピー用紙や子供が使う折り紙で折っていました。今回は初めて和紙を使いました。王子の紙の博物館に行った時に買ったA4サイズの和紙です。100枚くらいで370円、種々の色が付いたものです。実際に折ってみるとコピー用紙や折り紙に比べて繋ぎ部分が切れにくく、始めから和紙をつかっていればもっと楽だったのにと悔やむことしきり。

 

  photo.45                              photo.46

 出来上がりで鶴は4羽です。photo.45 の様に紙の中央部と各辺の中央部が3mmほど繋がっています。紙の中央部でくちばしを繋ぐので、photo.46 の様に折り始めます。後は繋がり部分が切れないように折って行けばphoto.47 のようになります。

 photo.47   

(14)四つ袖は2羽がくちばしを繋げております。風車は中央で4羽がくちばしを繋げています。バリエーションですね。私の折ったものはいびつで、風を受けても回りそうにありません。

(23)九万里(くまんり)

「九万里」は「荘子」に出てくる想像上の大きな鳥です。1回の羽ばたきで九万里も飛ぶと言う鵬(ほう、おおとり)です。
(6)「花見車」は両方の羽に子鶴を吊り下げています。「九万里」は羽の上に子鶴を乗せています。始めの設定さえ間違えなければ折り方は簡単です。

 

  photo.48                             photo.49

  photo.50  

 photo.48 の紙の元々の大きさは、短辺と長辺の比率が4:6です。画像の様に切りますが、小さい正方形の辺に長さと、大きい方の辺の長さの比率が1:4の大きさにしてあります。比率は自由です。言うまでもなく、大きな正方形と小さな正方形は、辺の中央部でそれぞれ3mmほど繋がっています。photo.48 で良く見ると黒い点が付いています。ここを鶴の頭にする積りでいて下さい。まず、大きい方の紙をphoto.49 のように折ります。今、大きい正方形の方の頭となる角は手前側角です。
 この設定さえ出来れば、ここをスタートとして普通に鶴を折ればよろしい。後は繋ぎ目が千切れないように3羽の鶴を折れば完了です。鵬が空を羽ばたく感じが出ればなおよしです。