三ノ輪橋
 町屋駅前

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荒川線の小さな旅 終点・三ノ輪橋へ

バラの花が美しい三ノ輪橋は1997年に「関東の駅百選」に認定されている.

三ノ輪橋は『関東の駅百選』に選定(1997)されている。ここは沿線中最高の路地裏散歩が楽しめるポイント。
これぞ下町!ともいうべき迷路のような路地が広がる。戦災を逃れたこの辺りには、数十年前へとタイムスリップした情景がある。路面電車の終点と人情味溢れる商店街。その脇に広がる昔ながらの路地裏長屋。もうこれだけのシチュエーションには、お目にかかれまい。ましてや都電のある風景ともなれば、なおさらであろう。

全線乗っても160円!

早稲田から12.2キロ ・48分の小さな旅は,ここ三ノ輪橋で終点となる.

電停脇の赤い小さな鳥居は今日も街と電車を見守る.

旧王電ビル健在!

商店街の出口に建つ古めかしいビルの下を潜れば、そこは国道4号線(日光街道)。周囲のビルに圧倒されつつも、その存在感を示す古いビルこそ昭和2年(1927)に建てられた旧王電ビルなのである。現在は『梅沢写真会館』となっているが、そのレトロな造りは内外共に健在。20年程前までは、その入口に「王電入口」の文字すら残っていた。

旧王電ビルの下は,昔の日活映画にでも登場しそうな薄暗い通路.

 
この下町商店街のほぼ中央にあるのが、都内の蕎麦屋でも老舗中の老舗、あの『砂場』の総本家なのである。江戸時代の文献にもすでにその名は記されており、その暖簾は絶える事なく現在へと受け継がれている。かつて麹町にあった店舗が、現在地に移り営業を始めたのは大正元年(1912)。都内各所にある『砂場』は、ここからの暖簾分けした店なのである。やはり蕎麦屋の真骨頂は「ざる蕎麦」。『砂場』の「ざる」を堪能した後、さらにお薦めなのが「カレー丼」。その独特なオリジナル度の高い蕎麦つゆと混ぜ合わせ、トロリとしたカレーの味は絶品!
ここの御主人、実は大の鉄道ファンで、特にヨーロッパの鉄道に詳しい。店内にはレトロ調の品々が飾られ、それらを見ながら蕎麦の上がりを待つのも楽しいひと時となる。