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「冬鳥越のスキー場へ行って来る!」雪が降り積もるのを楽しみにしていた子供たちは、電車に乗って地元の小さなスキー場へ向かった。
田圃に積もった辺り一面の雪景色の中をゆっくりと走って行く電車は、やがて山の中へ。このトンネルの向う側にはゲレンデが広がる。バスの廃車体を再利用したリフトが見えて来ると、はやる気持ちは抑えられなくなり、電車の扉が開くまでの僅かな時間さえももどかしく感じる。子供用とも思えてしまう程の可愛らしいゲレンデで、雪にまみれて冬の一日を遊んだ楽しい記憶。みんなここでスキーの腕前を上達させていった。そんな冬鳥越のスキー場に、電車が通わなくなっていつの間にか14年が過ぎ去り、去年でスキー場も閉鎖されてしまった事を耳にした。
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加茂に向かう電車が山の中の小さな駅・高松に止まると僅かばかりの乗客が降りてきた
やがて電車はどこまでも広がる白い雪原に吸い込まれるように姿を消して行った
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